水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
詳細は、こちらの記事をご覧ください。

Amazon等で購入できます。 また、HonyaClub で注文すれば、ご指定の書店で受け取ることもできます。
また、読書にご不自由のある方には【サピエ図書館】より音声データ(デイジーデータ)をご利用いただけます。詳細は、こちらの記事をご覧ください。

大正ロマン調の茶房

2005年07月29日 21時20分09秒 | 旅に寄せて
飛騨高山の旅で前々から楽しみにしていたのが、街並みに調和した雰囲気あるカフェ巡りをすること。
今回ご紹介する【茶房 布久庵】は、奥飛騨温泉郷に着いた初日に昼御飯を食べた和食処に置いてあったガイドブックで偶然発見しました。呉服店の母屋の一角を改装して作られたカフェという歌い文句に母が惹かれ、急遽行くことに決めました。
2日目高山に着くなり、まずこのカフェに直行。オープンして間もない時間帯でまだ誰もお客さんがいなかったため、じっくりと写真撮影できました。煙草を吸わない私達は禁煙席である座敷席へ。座敷席は御簾で仕切られ、芸者さんの名前(?)が書かれた内輪が壁に飾られ、何とも艶やかな風情を醸し出していました。喫煙席のテーブル席の部屋は大正ロマン調の家具調度が並べられ、緑豊かな中庭が眺められました。


写真撮影が一段落して座敷に戻ると、注文したわらびもちのアイス添えと抹茶のセットが運ばれてきました。セミクラシック風のストリングスが聴こえてくる中、手作り風のわらびもちを平らげ、抹茶を飲むと、何やら茶碗の底に絵柄が見え隠れ。何だろう?と更にお茶をすすっていくと、絵ではなく文字のようです。飲み干してびっくり。何と「大吉」と書いてあるではありませんか!

(母は中吉でした。)粋な仕掛けに非常に満足してお店を後にしたその後の高山巡りは、勿論大変充実したものになりました。
今回のワタシ的おまけBGMは、和洋折衷のインテリアを意識して選盤したレネ・パウロの『ワイマナロ・ムーン』です。ほんのり異国情緒の漂うハワイのラウンジ・ピアノはロマンティックかつ涼やかで、この時期のあのお店にはピッタリだと思うなぁ…。
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囲炉裏がある奥飛騨の宿

2005年07月26日 22時26分00秒 | 旅に寄せて
海の日の三連休に、飛騨高山と乗鞍に行ってきました。今回の旅行は、弟の誕生日に合わせて母が企画したもので、囲炉裏のある家に住むのが夢という弟の好みを考えて、囲炉裏のあるお宿を手配しました。
初日の晩に泊まったのは、奥飛騨温泉郷の新平湯温泉にある【松宝苑】。古民家を移築したという母屋に入ると、黒光りする柱や梁が大胆に組まれたロビーでは、トランペットやサックスがフィーチュアされたジャズが流れていました。音楽を聴きながら緑豊かな中庭を眺めつつ渡り廊下を辿って部屋へ。隣り合わせの二室はレイアウトの全く異なる部屋ながら、共に囲炉裏があって落ち着ける雰囲気。母が風呂から上がってくるのを待つ一時間、囲炉裏端に座り何もせずゆったりと過ごしました。何とも贅沢なひと時でした。
食事の間でも囲炉裏が各テーブルに。そこで蒸し焼きされた飛騨牛のほう葉焼きは美味しかったなぁ…。
一夜明け、廊下に出るとBGMはジャズとニューエイジの中間のようなピアノ曲になっていました。そうそう、このくらい軽い方がしっくりくるよね…、と思いながら朝食をとり、チェックアウト。
ジャズのBGMは、オーナーのお好みだったのかもしれませんね。でもホーンものはちょっと違和感がありました。ワタシ的には、廻由美子の『バック・トゥ・バッハ』などを合わせてみるといいのではないかと感じました。生粋のクラシック畑のピアニストが、第三者によってジャズ・ピアノ調にアレンジされたバッハの曲を演奏しています。とても聴きやすいですよ。
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Book Baton

2005年07月21日 22時27分49秒 | 本に寄せて
またもやマーヤーさんのところで、バトンを自発的に受け取ってきました(笑)。今度は本のバトンです。

■持っている本の冊数

ちゃんと数えていませんが、雑誌・漫画を抜いて100冊位しか無いかな~?
元々が長い間活字恐怖症だった私は、読書傾向がかなり偏っていて、現在所持している本は、音楽関連の本(楽譜含む)とキリスト教関連の本が大半を占めます。
本はCDに比べて比較的思い切り良くたびたび処分してきているので、この程度です。

■今読みかけの本or読もうと思っている本

お茶の先生に教えてもらった白洲正子の本を、最近4冊ばかり入手しました。今読んでいるのは『日月抄』。先生に以前借りた『風姿抄』が、男性的とも言えそうなさばさばした骨太な文章で世阿弥などのことを書いているのに対し、この本は、若い人向けにたしなみや教養などについて平明な文章で綴っており、とても女性的な肌合いを感じます。

■最後に買った本(既読・未読問わず)

池澤夏樹『ハワイイ紀行【完全版】』
以前ブログでも紹介した『南の島のティオ』があまりにも良かったので。池澤氏自身も沖縄在住ということから、南国の楽園を鋭く深く描き出しているのではないかと想像して買いました。

■特別な思い入れのある本・心に残っている本(5冊まで)

①ロバート・E・コールマン『伝道のマスタープラン』
クリスチャンなので聖書と書いてしまいたいところを抑えて、キリスト教関連の本一冊に絞りました。イエスは、ご自分の影響を後々に残すために、ごく少数の弟子を選び彼らを育てることに専念されたという事実にこの本で気付かされ、人生観が変わりました。
幸運にも、教会の中だけでなく一般社会でも、イエスがされたようにと私自身心掛けて教えた人達が驚くほどの成長ぶりを見せてくれたことは、私自身の心の中で何物にも変えがたい大きな宝となっています。

②桐島洋子 他『魔女のホウキに乗っかって―マザーグースと三匹の子豚たちの世界一周卒業旅行』
破天荒な人生を送ってきた桐島洋子が、一番下の息子ローランドの高校卒業を機に、3人の子供達と世界一周旅行にくり出した顛末をまとめたもの。写真、イラスト、文章を子供3人で分担している。これを読んでしまうと、一般の旅行記が創意工夫に乏しく感じられて、買う気も起こらなくなります。って、『ハワイイ紀行』買ってるか…(苦笑)。

③峯岸桂子『私もサラリーマンだった!』
フリーで活躍している著名人(他)へのインタビュー集。サラリーマン歴の長さごとに章立てしてあるのが面白い。
最初の会社を一年で辞めた頃買った本。無論、一年ぽっきりで自分がフリーで働けるなどとは毛頭思っておらず、ただ「色々あっても、新たな道が開かれる可能性が無いわけではないんだ」と確認して、勇気付けられてだけでも意味があった。

④村上“ポンタ”秀一『自暴自伝―ポンタの1972→2003』
音楽への深い洞察、業界内での幅広いコネクションの上に成り立つ知られざるエピソードなどが、ポンタの奔放な喋り口で一気に語られ、面白くてグイグイ惹きこまれてしまう。
大村憲司についてここまで書いた本って無い(と思う)から、個人的にかなり思い入れてます。

⑤青木玉『幸田文の箪笥の引き出し』
一冊しか読んでいないが、私は幸田文の文章が好きだ。(おきゃんというか、勢い余って擬音語・擬態語の類が連なって当意即妙な造語などを作り上げてしまっているのには舌を巻く。)その幸田文の着物について娘が書いた本ということで興味を持って買ってみた。
私は着物にはとんと疎いが、その私にも映像が目に浮かぶような鮮やかな筆致である。

■次に廻す人(5人まで)

あえて明記はいたしません。でも、このブログに一番コメントを下さっている方(そう、あなたです!)にお願いできたら、と考えました。もし時間があって気が向いたら、ご参加ください。
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Movie Baton

2005年07月13日 22時15分28秒 | 映画に寄せて
ハンコックさんからこのバトンが廻ってきた時、一瞬「うう~~ん、どうしよう?」と悩みました。(大学2年の頃から、年に2、3回しか映画を観なくなってしまったのです。)でも尻軽な私は「エントリー数を増やすいいチャンスかも♪」と、簡単にのってしまうことに決めました(笑)。しかし、如何せん見ている本数が少なすぎるので、質問の範囲を若干変えさせていただいております。ご了承ください。

Q1. 過去1年間(と言わず、今まで)で一番笑った映画
 『ブルース・ブラザース』 ジョン・ランディス監督
       ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド主演

子供達を助けるためにドンドン建物を破壊してしまうハチャメチャさ、ジェームス・ブラウンの神父にビビッときてしまう主人公の様子など、全編笑える。

Q2. 過去1年間(と言わず、今まで)で一番泣いた映画
 『ティナ』 ブライアン・ギブソン監督 アンジェラ・バシェット主演

感動のため、ではない。ティナ・ターナーが夫から性的虐待を受けるシーンが非常につらくて…。

Q3. 心の中の5つの映画
 ①『あ、春』 相米慎二監督 佐藤浩市主演
 ②『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』 ヴィム・ヴェンダース監督
            イブライム・フェレール、コンパイ・セグンド主演
 ③『フォーエバー・フレンズ』 ゲーリー・マーシャル監督
                       ベット・ミドラー主演
 ④『天使にラヴソングを』 エミール・アルドリーノ監督
               ウーピー・ゴールドバーグ主演
 ⑤『千と千尋の神隠し』 宮崎駿監督

Q1・Q2含め、何だかんだ、音楽がらみが多いですね。
①は、佐藤浩市が好きなこともあり…。
⑤は、山梨に神隠し的に逃れてきた個人的な経緯とオーバーラップする部分があったので。

Q4. 見たい映画
 ①『若者のすべて』 ルキノ・ヴィスコンティ監督
                   アラン・ドロン主演 
 ②『灰とダイヤモンド』 アンジェイ・ワイダ監督
          ズビグニエフ・チブルスキー主演 
 ③『道』 フェデリコ・フェリーニ監督 ジュリエッタ・マシーナ主演

ヴィスコンティは、映画に疎い私が唯一「少しは知っている」と言える監督(5本観ました)。
①は、『揺れる大地』を観た時、本作との合同パンフの見開き1頁目にあったアラン・ドロンの涙のアップにグラリときました。
③は、趣味の良い友人に「(私が)フェリーニの奥さんに似てるね。『道』を観てみたらいいよ」言われて以来、気になっています。

Q5. バトンを渡す5人

イーライがやって来たのマーヤーさん

Book Batonを自らどこからか取ってこられた姿を拝見して、指名させていただきました(笑)。
パスしていただいても一向に構いませんので、お気遣いなく。
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7月を感じる曲

2005年07月11日 19時15分24秒 | 季節にあわせて
6月は空梅雨気味だったのに、7月に入ったら一転して雨が続いて、「さぁ夏だーー!!」とはまだ言えないような空模様ですね。でももう7月も半ばにさしかかっていますから、気を取り直して毎月恒例の御題いってみたいと思います。
7月に入ったら絶対コレだ、と前から決めていたのは、マーク・エリックのその名も『A Midsummer's Day Dream』。今月は曲単位でなくアルバムです、ハイ。
今回紹介するにあたってネットを改めて調べてたら、このアルバム、ソフト・ロック・ファンの間ではかなり有名なのですね。(まぁ隠れた名盤を紹介できるほど私も懐が深くないのですけど…。)所々ブライアン・ウィルソンっぽさが漂ってくるコーラスは、ビーチ・ボーイズのサーフィンものほどは御日様ギンギンのビーチといった感じでなく、少し強くなってきた陽射しと水面を撫でていく涼しげな風といった佇まいで、夏本番の一歩手前といったところ。
うだるほど暑くなってきたら、このCDの出番は終わりですね。さぁ8月は、暑気を払ってくれる音楽にするか、暑さをトコトン楽しんじゃうホットな曲にするか……考え中です。
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南の島のティオ

2005年07月04日 21時43分28秒 | 本に寄せて
自分のアンテナでは探しあてられなかったものに、人を介して巡り合えた時の喜びは本当に大きい。
最近読み終えたばかりの池澤夏樹さんの『南の島のティオ』もそんな本の一つ。南の小さい島で少年ティオが平穏な日常から少しはみ出した不思議な体験をしていく様を描いた10篇の短編集である。
ティオは、父が営むホテルを訪ねる個性豊かな客との出会いによって、行ったことのない外国の様子を垣間見る。
また、島には少しずつ近代化の波も押し寄せる。モーターボートの水路の標識が作られたり、舗装道路ができたり、飛行機が飛んだり…。その過程をティオは少年ならではの好奇心に満ちた視点で楽しみながらも、はからずも精霊と遭遇して異世界の不思議な力を感じもする。
10篇の物語を通じて伝わってくるのは、島を昔ながらのものとして頑なに守っておきたいという懐古的なノスタルジーとは違う、島の“今”の生活をいとおしむ著者の温かい眼差しである。
受け取る人が写真に写った場所を必ず訪れたくなるという絵葉書を作る、冒頭の「絵はがき屋さん」とは池澤さん自身ではないか?と読んだ後に思った。くどい風景描写などは皆無なのに、海と島の緑と太陽のキラキラした光景がまぶたにくっきりと焼き付けられてしまうのである。
こんな素敵な本にピッタリのすがすがしい音楽を見つけた。アブドゥル・ティー・ジェイの『Palm Wine a Go-Go』である。音楽そのものは、西アフリカはシエラレオネのものだが、力の抜け具合が絶妙な耳あたりの良いアコースティック・サウンドは、南洋の島へと思いをいざなってくれる。
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