水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
詳細は、こちらの記事をご覧ください。

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また、読書にご不自由のある方には【サピエ図書館】より音声データ(デイジーデータ)をご利用いただけます。詳細は、こちらの記事をご覧ください。

営業部の課長の大盤振舞い。

2015年12月31日 04時37分54秒 | 季節にあわせて
残務にて 出社の人ら
夕めける 歳除のオフィスに
ふぐちり突つく
(とど)

2011年4月20日 作歌、2015年12月31日 改作。
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一首鑑賞(22):古谷智子と岡井隆のキャロリングの歌

2015年12月25日 13時41分58秒 | 一首鑑賞
をとこにもをんなにもあらぬ声に子ら歌ふ聖夜灯せる門を巡りて
古谷智子『神の痛みの神学のオブリガート』


 昨夜、初めてクリスマスイヴのキャロリングに参加した。イヴ礼拝には以前一度だけ出席したことがあったが、何しろ就寝前に服薬があるという身分、その時は礼拝が終わるや否やそそくさと帰路に就いていた。
 そんな消極的だった私の肩を押すきっかけになったのは、首掲の歌と共に次の一首を目にしたことだ。

  声変りしつつある故唱へぬをあはれがるころキャロルは終る/岡井隆『宮殿』

 イヴ礼拝後20分ほどお茶の時間を持ち、それから連れ立って駅へ。到着してみると、何と大人から子どもまで30人近くの顔ぶれがあった。まず「もろびとこぞりて」で元気よくキャロリングを開始。だが、曲が終わっても電車が到着しない。予定よりも電車が遅れていたようで、次の「きよしこの夜」を歌っている最中にそうアナウンスが流れてきた。「きよしこの夜」なんてよく知っている曲と思っていたが、案外アルトのパートが難しい。大所帯のこちらとあちらでだいぶ音程に開きがあるような不協和のハーモニーが響いていて、後半はちょっと歌えなかった。「あらのの果てに」を歌い始めても人影はまばら。「電車来ないねぇ」などと言っていると、私の右隣で歌っていた男の子が「電車過ぎて行っちゃったよ」と一言。そのままでは締まりが悪いため、もう一度「きよしこの夜」を賛美。一人よく通る声の歌の上手い子がいたが、教会学校の親御さんに訊くと、最近教会に来始めた子だという。普段私は教会学校の親子との接触が少ないので、なかなか新鮮だった。とりあえずその場はお開きになって、一行は近所のS病院へ向かった。私はお暇して車を置いてある駐車場へと歩き始めた。その道々、「♪主は来ませり~、主は来ませり~」と歌声が聴こえてきて何ともほのぼのとした気持ちになった。まあ、一番大きかった声の主は牧師だったが(笑)。
 話によれば、その日のキャロリングはS病院で歌い納めにしたらしいが、過去には病気療養中の信徒のお宅を訪問して歌ったこともあったそうで、それはご本人にもご家族にも心温まるひと時だったようだ。「をとこにもをんなにもあらぬ声」…(キャロリングに参加した多くの子供達はちょうどそんな年格好だったが)、病に臥せっている方にとって子らの歌声はまさに天使の声のように響いたことだろう。昨晩も、上手く歌えなかったり、色んな雑多な想いを含めながら、キャロルは終わってしまった。でも、心に何かぬくもりを残して過ぎた時間であったことは紛れもない。
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ルピシア福袋♬初のノンカフェイン・ローカフェインです。

2015年12月23日 13時41分09秒 | 聞茶・聞豆
この冬は実は、某Tというショップのお茶の福袋を狙っていたんですが、気がついたら完売御礼となっていて…。
それでいつもながらのルピシアの福袋を頼むことにしました。

例年1月の下旬から、花粉症とおぼしき目の痛みなどに襲われるので、その対策も兼ねて今回はルイボスティーがたっぷり入っているともっぱらの噂の《ノンカフェイン、ローカフェイン、ハーブ》の竹リーフティー(5400円)を選びました。

内訳は、
  ◆デカフェ・スペシャル
  ◆デカフェ・アールグレイ
  ◆デカフェ・サクランボ
  ◆デカフェ・アップルティー
  ◆エルニーニョ
  ◎ヤミー
  ◎ピーチメルバ
  ◎ピッコロ
  ◎ラビアンローズ
  ◎キャラメル&ラム
  ◎オーガニック ルイボス ナチュラル
  ★スウィートドリームス!
  ★ジンジャー&レモンマートル
  ★ボン・ヴォワヤージュ
  ☆エルダーフラワー&カモミール

噂に違わず、ルイボス系が6種類\(^o^)/(ジンジャー&レモンマートルは、ルイボス茶ベースでした。だから7種類とも言えるかもしれません。)
★はジンジャーが入っているもの。寒さ対策もバッチリですねo(^_-)O


おまけは、通所に持参できる《人気のお茶ティーバッグセット》を。

内訳は、
  ●ダージリン・ザ ファーストフラッシュ
  ●アフタヌーンティー
  ●ベルエポック
  ●ユニオンジャック
  ●アールグレイ
  ●アップルティー
  ●オレンジ&ジンジャー
  ●ロゼ ロワイヤル
  ●知覧 ゆたかみどり
  ●信楽 熟成ほうじ茶
  ●グレープフルーツ
  ●白桃烏龍 極品
  ●抹茶きらら玄米茶
  ●ピッコロ
  ●ジンジャー&レモンマートル

これで、この冬~春を元気に乗り越えられそうです♪
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でも胸が詰まって書けなかったそうです。

2015年12月21日 14時18分03秒 | 人[その作品]に寄せて
わが詠める 挽歌墨書に 残したいと
愛餐会に 細君の請う
(とど)

2009年12月27日 作歌、2015年12月21日 改作。
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一首鑑賞(21):近藤芳美「信仰告白長きためらいに佇つかげを」

2015年12月07日 10時12分15秒 | 一首鑑賞
信仰告白長きためらいに佇つかげを夢に見ていきみずからの影
近藤芳美『樹々のしぐれ』


 1913年に生まれた近藤は、第二次大戦中に補充兵として中国に赴く。しかし訓練中の負傷と肺結核の罹患のために後方部隊へ送られた後、日本に帰国する。近藤が戦線を離脱した後ろめたさからくる悪夢に生涯苛まれ続けたことは、数多の歌より窺える。

  生きて四囲にあかしてならぬことありと叫びはつづく吾が夢の際(きわ)『遠く夏めぐりて』
  遠く負う戦場離脱の兵の記憶血を吐き逃れ来ぬ今日に生くるため『アカンサス月光』

 近藤が病に臥せったのは紛れない事実であったが、自身には戦争を逃れて妻との生活を選んだかのような実感が纏わりついたようだ。近藤は、妻から生き延びてほしいと哀願された電報を懐に秘めていたという。

  かかる時代に生きむと告ぐる電報を秘めて征きたりき妻はその日病む『樹々のしぐれ』
  一枚の電報にして汗に汚る秘めて征き征きし生きよと呼べば『 〃 』
  病床よりひとり逢いに来し磯の営舎原隊追求の日の吾のため『アカンサス月光』

 自らも病床にあった妻は、広島宇品港で原隊復帰のために備えていた近藤を訪ねている。そのことが近藤の心に何の揺らぎももたらさなかったとは考えにくい。

  死の偶然生の偶然逃れ生きし兵ゆえ怖れて妻と生きしゆえ『アカンサス月光』

 ちなみに、近藤の所属していた船舶工兵の覆面兵団「暁部隊」は南方上陸作戦に出動し、そこで全滅したという。
 さて掲出歌であるが、近藤が頻繁に襲われた明け方の悪夢の一つであろう。近藤はギリシアやイタリアなどキリスト教の影響の濃厚な地域を歴訪しその旅行詠も物しているが、この歌の頃はまだ受洗していない。種々の経緯があったにせよ、近藤には戦地から引き上げてきたことに心の咎めがあったのは間違いなさそうだ。掲出歌には次の歌が続く。

  偽証者のひとり吾がうちに喚(よ)びさけぶ一生(ひとよ)の思いつねに目覚めに『樹々のしぐれ』

 夢の中で近藤はイエスを主とする信仰告白を為そうとしたらしい。しかしその前に長い沈黙があった。おそらく「偽証者」は、その沈黙を破って近藤の罪責を告発したようである。――戦場に戻ろうと思えば戻れたものを!!――近藤の潜在意識には、これまで犯してきた全ての罪をイエス・キリストの前に差し出し、赦されることを望む気持ちがあっただろうことは想像に難くない。だが、潔癖な近藤の自我はその本心を締め出してしまう。
 この現実を前に私は、『また、聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である」とは言えないのです』という聖句(コリントの信徒への手紙 一 12章3節)を思い出す。そして、近藤の重荷をイエスがご存知で、後々まで導いてくださったことを思うのである。
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