水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

主治医・十一首

2012年10月15日 09時41分51秒 | 投稿歌
先程、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回のテーマは「主治医」。精神科のドクターです。以前も「医師」というテーマでまとめたことがありますが、それは 今年物故した院長。今の先生は、かなり進取の気風に富んだ方です。
何気に、添削に添えられてくる結社の先生のコメントが、楽しみだったりして…。


古書店に勤めいし吾(あ)に医師問えり待合に置く書棚に良きを

待合のピアノ弾く手の震えつつ「忘れちゃった」と医師の微笑む

問診をさておき吾とドクターはFacebookの話題に興ず

飼猫のポストカードを主治医より診察室で買い求めたり

ネットにて心療相談室(そうだんしつ)を立ち上げた医師にさくらを頼まれて入る

膝に置いたフォト歌集へと目を留めて「次に借りる」と主治医の笑みぬ

患者との三人展を謀る師は写真並べて休みを終える

松本と韮崎、諏訪を行き来して診察こなす私の主治医

教会を排したる亡き院長と真逆に吾の信仰を褒む

去就の意さだまるまでを待てる医師あと押しのみを責と任じて

金沢の言葉揺らがぬドクターを羨めり吾が訛りきたるに


(2012年11月10日締め切り分、『樹海』2013年1月号掲載予定)

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