水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

ボランティアの先生・十一首

2013年04月13日 10時27分30秒 | 投稿歌
先程、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回は、一昨年の文化展の舞台裏のエピソードといった一連です。ネガティヴな内容なので、短歌の範囲を超えて解説することは控えます。


ボランティアの国語教師に依頼しつ文化展への歌稿の筆書き

新語への違和も露わな先生に取り入り歌を平たく直す

面識の無い「フォロワー」の翻案に「友」と訳して勘違い受く

障害をつぶやき友の減ると詠む吾に食事の会設けらる

フレンチの個室に臆し黙すなか高く響かうナイフの刃音

作業所の後を訊かれて卒業はせぬと告げるに師の目の澱む

「片言の英会話ならできるでしょ」出身明かせず曖昧に笑む

違和感をつき進めずに人と和す幸を説かれて身を振り返る

見比べて吾を持ち上げた師のありて嫉み買いたる日の蘇る

道すがら「わたし馬鹿だから」と繰り返す友宥めつつ師を恨みいる

失礼と知りつつ吾が意貫くと詫び状書いて初稿を通す


(2013年5月10日締め切り分、『樹海』2013年7月号掲載予定)

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