水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

携帯・十一首

2013年02月12日 07時59分53秒 | 投稿歌
今朝早く、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
三年ほど前に一度、「手紙&メール」で歌稿をまとめたこともありましたが、今回は「携帯」を題材に据えました。たった三年ほどでも携帯事情は様変わりしています。また後で振り返ると、感慨深いものがあるかもしれません。
今回ちょっと自分でも引っかかっているのは、三首目。結句「世相を学ぶ」って、大袈裟かなぁ…と。さぁ、どう添削されて返って来ますやら…?


もの哀しき着メロ幾度繰り返す闇が夕雲呑み込むまでに

iPhoneに障害者割始まると知りて氷雨も弾んで聞こゆ

iPhoneに「二日」と打てば「酔い」と続く入力候補に世相を学ぶ

iPhoneに替えると友の言いながら文字化けデコメ懲りずに寄越す

iPhoneをいじくり回し眼裏にアプリの影がちらつく午睡

上京を見送ってなお身支度を促す携帯アラームむなし

聖堂に響く着信にふためきて電源切るも信徒からなり

礼拝のさなか電話に出る信徒あらずと初老の人に釘刺す

鮮やかな赤と焦げ茶のバイカラーに惹かれてスマホケースを求む

iPhone5が新(さら)のケースに入るかと首から提げてショップに向かう

ぎりぎりのところでフックが留まらずにぎこちなく笑み店を去(い)にけり


(2013年3月10日締め切り分、『樹海』2013年5月号掲載予定)

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