バスーンふぁんたじあ

アマチュアバスーン吹きのメモ書き。

リードのサイズ

2009年03月22日 | リード調整

リードのサイズや形は、製作者によって様々だ。専門店に行くと何種類ものリードが並んでいるが、人によってこうも違うものかと思う。

私もリードを作り始めるとき、サイズと形(シェーパー)をどうしようかかなり迷った。今も迷いながら作っているのだが、故・田中雅仁先生が生前に『バンドジャーナル』に一度リードのことを寄稿しているので、それが参考になった。

私は先生にレッスンを受けているとき、一度リード製作について教えていただこうと思いお願いをしたことがある。そのときは、じゃあまずはメーキングマシンを手に入れなさい、ということで確かアメリカのメーカーを教えてもらった。結局私は、どうやってそのメーカーに注文したらよいのか分からず、そのままになってしまった。その後、先生がカナダのバンフに渡る一週間ほど前に楽器店でお目にかかり、日本に戻られたら改めてリード製作のレッスンをしていただけるようにお願いをしていた。そして、先生はバンフで倒れられ帰らぬ人となってしまった。私は、結局リード製作に関しては先生から直接教わることはなかった。ただ、生前にお弟子さんたちを集めてリード調整の講習会が二回ほどあったので、それがわずかな資料となっている。

さて、先生が『バンドジャーナル』の記事で書かれていること。

・ブレードの厚さ、ティップの幅が一定の場合→短いリードほどピッチが高い。
・ブレードの長さ、厚さが一定の場合→ティップの幅の狭いものほどピッチが高い。
・ブレードの長さ、厚さ、幅(そして息の圧力)が一定の場合→開きの狭いものほどピッチが高い。
・反対の場合はピッチが低くなる。

これらのことから、同じ吹き方(息の圧力)同じ材質(固さ)として、同じピッチ(例えばA=442㎐)にするためには、

・厚めのリードに仕上げる場合→サイズは大きめに
・薄めのリードに仕上げる場合→サイズは小さめに

ということになる。当然、厚いリードと薄いリードでは吹奏感や楽器の鳴り方が違うので、どういった吹奏感や音色を求めるかでリードのサイズが変わってくる、ということになるだろう。ということはこれも当然ながら、リードのサイズや形(シェイパー)は、その制作者が求める吹奏感や音色が反映されている、ということができよう。

これは、製作時にだけ必要な知識ではなく、市販のリードを調整するときにも応用できる。例えば、厚めのリードでピッチは良いが吹奏感が重すぎる、などという場合は、全体をほんの少し耐水ペーパーで落としてみるのがそのリードのバランスを崩さずに吹奏感を軽くする方法の一つなのだが、それでも重い場合はナイフやヤスリで削ってみる。そのとき、吹奏感は軽くなるが、ピッチが低くなってしまう。このときは、先端を僅かに落としてブレードの長さを短くするか、サイドを耐水ペーパーで軽くこすってティップの幅を狭くするといい。もちろんこれは、そのリードの全体のバランスを崩すことになるので、初心者の方にはお勧めしない。削っていってEやC♯がフラットになってしまうのは、全体を削り過ぎたというよりも、リードのバランスが崩れたということだと私は理解している。

リードのバランスをどこで取るかがまた難しい。一概にここの箇所を削りすぎて失敗した、と言えないのは、その箇所が薄くなったということは、他の場所が厚くなったということで、厚くなった場所を削ればまたバランスが戻ると思うからである。もちろん、吹奏感は変わるのだが。

サイズや形に加えて一本一本材料の固さが違うのだから、リード製作は一筋縄ではいかないのである。私のリードのサイズなどはまた後日写真付で公開(後悔?)する予定です。


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