練習

すさきOWSの前日クリニックで平井選手が言っていた。

海外で練習していたときも今も「コーチは泳法の指導はしない」と。

理想の泳ぎは一人ひとり違うというのが理由だ。

巨大な水の抵抗の中を進む水泳は、一人ひとりの体格差故科学的な研究が進まない。体型によって変化する抵抗の計測・計算が困難だからだ。

以前も「とことん泳ぐと自分に必要な泳ぎになっていく」という理論を本で読んだ。

これは正しくもあり間違いでもある。

柴田亜衣さんのコーチも「ロングを泳ぐことで無駄な動きが削がれていく」とおっしゃっていたがこれはあくまで柴田さんのような「才能のある人」に対して有効な指導だろう。

泳ぎながら「こうすれば速い」「こうすれば進む」というゆらぎ程の差を泳ぎながら感じ取れる人は泳げば泳ぐほどどんどん速くなる。

しかし才能の無い者はロングを泳いで疲労すればするほどフォームは乱れ、そしてそれが「悪いクセ」となる。

「どうすれば速く泳げるのか?」

泳ぎながら微妙な違いを感じ取ることの出来ない才能無き者は、短距離を、毎回時計を見ながら自分がどれくらいで泳いでいるか確認し、それをただひたすらひたすら繰り返す。何度でも何度でも。

これしかないのか・・・・。