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予定よりだいぶはやく、10日にフィリピンから帰国した。帰国が早まったのは、漁が予想以上に好調で船の魚槽がマグロでいっぱいになってしまったからである。
今回、お世話になったのは沖縄の三高物産のいろは丸という19トン船で、グアム基地をベースに操業している。通常はグアムを出発して一か月ほどでグアムに戻ってくるのだが、今回は船の定期検査があるため、フィリピンのダバオ港に入港した。大漁(といえるほどなのかどうかはわからないが)だったため予定よりも四日ほど早く操業を切り上げ、二十日少々で一航海が終わったことになる。
それにしても生で見るマグロ漁は迫力があった。いずれ作品化しなければいけないので、ここで詳細を書くわけにはいかないが、目がうつろで顔に表情のない魚族とはいえ、マグロもやはり生き物(しかもかなり大型の)。はえ縄で釣って漁船の上で処理されていく現場は、内臓が砕け、血が飛び散って、まさにという言葉がぴったりだった。
しかし、三週間も漁船に乗って波に揺られていると、正直言って海はしばらくこりごりになる。マグロの赤身の刺身も金輪際見たくもない、といった心境だ。トロは食べたいけど。出発前は海に対するあこがれがあり、将来はヨットを買って南太平洋の島々を五年ぐらいかけて巡るのもいいなあ、と夢想していたが、今は海はもういいから山に行きたい気持ちでいっぱいである。
そういえば昔、ヨットでニューギニアまで行った時も同じ気持ちになった。私は海が嫌いなのだろうか。
ということで、明日から5、6日、南アルプスのほうに釣り登りにでも出かけることにしやす。