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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

テーマは人間と植物の共生

2020年03月21日 | 研究
カクタスライトを点灯するとこうなります。
文化祭で試験販売したところ、とても可愛いとみなさんに大人気。
飛ぶように売れたのを覚えています。
人はパソコンに電源を入れることでサボテンに光合成で使う光を供給します。
その代わりにサボテンは優しい光とともに、パソコンを使う人に癒しを与えてくれます。
テーマは「人間と植物の共生」。
今から10年以上も前の作品ですが、面白いグッズだと思います。
培地は光合成の関係から青や赤がオススメですが
変えることもできるので、お客様の要望に応えることもできます。
たくさんのサボテンの種類と色とりどりの培地の組み合わせ。
まさにオーダーメイドの商品でした。
ではこのサボテン、どうやって育てると思いますか。
実は着色した培地に消毒した種子を直接まくのです。
2週間もすると発芽してちょっと面白い姿が現れます。
培地もこだわったジェランガム培地。
一般的な寒天培地と違って濁りがないので
きれいな光を周囲に放つことができるからです。
今でも本気で商品化したいグッズです。
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アイデア満載

2020年03月21日 | 研究
名農生がいないので、古いデータを整理しています。
さて、これも古い研究というか作品のひとつ。
木製の台に培養試験管が収まっています。
またなぜかその台からUSBのコードが伸びています。
ではこの不思議な装置というかグッズは何だと思いますか。
使い方は簡単。このUSBをパソコンに挿すだけ。
するとこの台の中、試験管の底に組み込んだ白色LEDが点灯します。
これはかつて前任校の生物工学研究室の生徒たちと考案したインテリアグッズ。
着色した培地がLEDに照らされてきれいな色に輝くのを楽しもうというおもしろ商品。
名前は「カクタスライト」といいます。
実に単純な装置ですが、この中はいろいろな工夫が詰め込まれています。
まず中の植物。カクタスというのはサボテンのことです。
一般に植物培養では、いかに健全に早く生育させるかを考えます。
ところがこれは違います。長い間、試験管内の鑑賞したいため
いかに健全にそしてゆっくり育つかを考えたのです。
そこで行き着いたのがCAM型光合成のサボテン類。
見慣れた姿のさまざまなウチワサボテンはもちろん、
砂漠の宝石と呼ばれるリトープスなどの多肉植物まで培養に成功。
お好きなものを選ぶことができます。
さらにパソコンは室内で使うため、どうしても光不足となります。
そこで植物が光合成のために吸収する青色や赤色に培地を染めているのです。
何度も実験を行い、透明の培地よりも健全に育つことがわかっています。
さらにこの台。なんと青森ヒバを使っています。
下北の木工所の全面協力で特殊な形の台を作ってくれました。
では点灯してみましょう。
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懐かしの研究

2020年03月20日 | 研究
前任校時代の古いHDDが出てきました。
開けてみると中から10年以上も前のプロジェクト活動の写真が出てきました。
とても懐かしいので、何回かに渡りご紹介します。
これはラバテラというアオイ科の草花。ハイビスカスに似た花が特徴です。
ここに色やフリンジという縁取りなどが違う6種類の花がありますが
これはなんとすべて同じ品種から咲いたものです。
なぜならこのラバテラ、種子にイオンビームを照射して
突然変異を強制的に起こしたものなのです。
当時、理化学研究所の協力で、さまざまな研究に取り組んでいましたが
この突然変異育種もそのひとつ。方法は意外と簡単。
理化学研究所が世界に誇る加速器で作ったイオンビームを
ラバテラの種子に光の速さの半分ほどの高速でぶつけ、二重螺旋を切断します。
もちろんこの過程はお願いするしかありません。
私たちは届いた種子から育てますが、この時点では変異はわかりません。
そこでこのラバテラを自家受粉させ採種します。
そしてその種子を蒔くとこのようにさまざまな形質が現れてきます。
変化は色はもちろん、草丈や開花時期まで広範囲に及びます。
当時、前任校の生物工学研究室で生徒たちと研究していましたが
予想外の変化が楽しく、みんな夢中になって観察していました。
遺伝子組み替え植物は許可なければ開発も栽培もできませんが
このイオンビームによる突然変異育種はこの規制に引っかかりません。
すぐ変異種が手に入るので育種スピードが短縮される利点があり
理研はもちろん、サントリーなどでいろいろな新品種を育成しています。
最先端の育種を体験した懐かしい思い出です。
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北国の春

2020年03月20日 | 環境システム科
白樺 青空 南風
こぶし咲くあの丘 北国の
ああ 北国の春

千昌夫さんのヒット曲「北国の春」の歌詞です。
これは先日、ハンターズの温室から撮影した風景。
暖かな南風は吹いていませんでしたが、歌詞のように
日に日に白樺と青空がきれいになって来ました。
ではこの歌詞、いつごろの様子を歌ったものでしょうか。
北国といっても広範囲なので、この南部町あたりで考えてみます。
ヒントは「こぶし」の花。
こぶしはモクレンに似た花を咲かせる高木。
モクレンはすべて上を向いて咲くのに対してこぶしはあちこち。
山に自生していますが、白い花なのでとても目立ちます。
さてこのこぶし、昔から「田打ち桜」と呼ばれています。
なぜなら、この花が咲く時期と田んぼの土を耕す作業である
田打ち(田起こし)が重なるから。
そこでこぶしの開花は田打ちの合図として利用されてきたのです。
地域によって当然開花時期は違いますが、この辺りでは4月下旬から5月上旬。
つまりあと1ケ月ぐらい先の季節を歌っているようです。
今日は3月20日、春分の日。
春彼岸、そして暦の上では春の真ん中にあたります。
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コンソーシアムのすすめ

2020年03月19日 | 学校
先日、農業クラブからいただいた今年度の研究集録。
3年生が卒業する際に、2年間のプロジェクト学習の成果を短くまとめたものです。
これを読むと平成31年から令和元年にかけて
名農生がどんな研究をしてきたのか一目瞭然。
それにしてもたくさんの研究グループが
それぞれの学科に関連した研究に一生懸命取り組んでいることがよくわかります。
中にはドローン研究はもちろん、RED SIGNALSのLED信号機研究や
光を放つ太い筒にトマトを巻きつけて栽培する研究などが掲載されています。
しかし残念ながら環境班の研究は紹介されていません。
なぜならフローラが解散したため、現3年生には環境班が存在しないのです。
その代わりにフローラが支援したバブルボーイズの泡農薬研究が掲載されています。
でもこの頁をよく見ると、名農に詳しい方は珍百景的な不思議に気がつきます。
なぜならバブルボーイズは環境システム科の施設園芸班ですが、
アドバイスをしたのは、なぜか環境シスステム科2年の環境班と
園芸科学科果樹班の先生たち。
これはあり得ない学科を超えたコラボレーションです。
最近、個人や企業などが同じ目的のために集まって活動する
コンソーシアム(共同事業体)という言葉を聞くようになりました。
現代の課題は複雑化しています。お互いの得意分野を出し合って
学科の枠を乗り越えて行うプロジェクトも面白いかもしれません。
そんな視点でこの研究集録を読んでみると別の面白さがあります。
ダイジェスト版なので詳細は省略されていますが、
興味のある研究班同士ぜひ連絡相談しあってもらいたいものです。
さて本来なら今日は名久井農業高校のプロジェクト発表会。
2年生が今年開催される農業クラブ県大会に出場する研究チームを決める日でした。
ところがコロナで中止。どのようにして代表を決めることになるのでしょうか。
きっと各校、頭を悩ませているはずです。
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