花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

分担表はすでに完成

2024年03月09日 | 研究
新年度を待たずに節水ミスト栽培の準備に取り組んでいるFLORA。
なぜなら4月2日にジェットスタートを切ろうと考えているからです。
彼らの計画では栽培装置が約20台。そこにミストを取り付け
タイマーを使って噴霧設定の違う3系統の栽培システムを構築するとのこと。
さらに栽培する予定の苗は50株。農場まで巻き込んで準備する予定です。
栽培装置に規定の液肥を充填し、そこに苗を植え付けるのですから
とても時間がかかることが既にわかっています。
しかしFLORAは7名。これでは足りません。
昔のFLORAもこのような大掛かりな栽培試験を行いましたが
その時に力となったのが後輩。特に先輩の研究を手伝ったことのある
Jr.出身の後輩たちは即戦力。とても助かったのを覚えています。
予定では4月1日に栽培試験を行う大型水耕栽培温室に装置を設置。
そして2日に植え付けし、栽培をスタートさせるとともに水質分析を始めます。
先日、ある女子メンバーがよせばいいのに水質分析にかかる時間を試算していました。
サンプルが5つの場合、経験上100分ほどかかるそうですが
4月からの実験はサンプルが10。もしかすると3時間かかるかもしれません。
そこで彼らは、2年生になるJr.と自分たちで4チーム作り
手分けして分析にあたる仮の分担表を作成しました。
非常事態なので既に後輩を当てにしている先輩。
メンバー決定後、先輩によって計画が伝えられる予定です。
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2014 バトンはサンパチェンス

2024年03月09日 | 環境システム科
これも2014年のTEAM FLORA PHOTONICS。
全メンバーではありませんが、園芸科学科草花班の3年生と
環境システム科環境班の2年生が写真撮影に応じています。
おそらく新聞取材ではないでしょうか。
さて彼らが手にしているのはサンパチェンスという草花。
実は3年生の先輩たちがまだ2年生だった2013年に
このサンパチェンスを池に設置して富栄養化を防ぐ研究を行いました。
彼女たちがとった手法は、ある植物ホルモンの生成を妨げることで
光合成能力を高めるアイデア。町の池に設置して水質浄化と
美しい水辺の演出に貢献し、新聞にも紹介されました。
実は姉貴たちはこの水質浄化の研究を、
これから活動を始める後輩たちへの「はなむけ」としてプレゼントしたのです。
環境研究班としてスタートを切るにはまさにぴったりのテーマ。
弟分はこの鉢底に、人工いくらの技術を応用して微生物ビーズを作り搭載しました。
するとビーズがターボのような過給器の役割を果たし、浄化能力が向上。
BIO-ENGINEといわれるのはこれが理由です。
美観やアートの要素が強かった園芸科学科から、
工業的視点や水質浄化という環境保全機能を重視した研究に方向転換させた
環境システム科1回生はその年の暮れ、なんと総理大臣賞を受賞しています。
活動1年目での快挙。新しい幕開けを感じる出来事でした。
サンパチェンスを手に持つこの写真。
まさにバトンタッチされた記念の1枚です。
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エントリーNo.2は影の実力者

2024年03月09日 | 研究
校内プロジェクト発表会に出場するFLORAの研究を紹介しています。
これは富栄養化池沼の研究。長年、FLORAが取り組んでいるテーマです。
しかし先日紹介したバーミキュライトもそうですが、今までは浄化が目的でした。
ところが彼の研究は、もっと積極的に利用するかなり斬新な発想。
富栄養化した池沼を濃縮させて液肥にしようというのです。
面白いのは用いた手法。FLORAのマイブームであるミストを用いるのです。
これならあっという間に水分が蒸発し、みるみる濃縮されていきます。
ところが彼の本命はミストではなく、布を使うローテクシステム。
布を垂らし、毛管現象で吸い上げられた水分を
太陽と風だけで蒸発させるという化石エネルギー不要の省エネ技術なのです。
天候に左右されますが、ミストに匹敵する濃縮力です。
継ぎ足し法で濃縮したところ、2週間もたたずに
市販の500倍液相当の液肥を作ることに成功しました。
実際に栽培すると明らかに肥効が確認され、大成功です。
もちろん富栄養化の程度で液肥の品質は変わります。
また有害物質が含まれていると利用できませんが、
途上国にとって役立つアイデアになると彼は意気込んでいます。
2023年度は節水栽培が注目されましたが、彼の研究だって受賞しています。
いかにもFLORAらしい研究。一人で取り組みましたが、意外とやるもんです。
4月になったら実際にこの地域の沼や池を見つけて試すつもりだそうです。
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