花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

自然の回復力

2012年05月24日 | 学校
こちらは自生地に何かを刺して測定しています。
測定しているのは土壌内の酸素濃度。
地下40cmまでの酸素が何%あるのかがわかります。
普通は地下深くなるほど酸素濃度は減少します。
さらに塩害を受けると土壌は隙間がなくなり通気性が悪くなることから
土壌内の酸素濃度は浅いところでも低下し、生物に悪影響を与えます。
昨年、種差海岸の土壌酸素濃度を測定したところ
やはり表層は酸素濃度が20%以下で塩害の痕跡がありました。
ところが地下30cmでは逆に濃度が高いのです。
チームはおそらく毎年枯れた草が積み重なってできた腐葉土層のため
内部は隙間がたっぷりあり、そのため酸素濃度が高かったのだと考えています。
このふかふかの土壌がサクラソウなどの植物を守ったのです。
この豊かな自然で形成された環境が種差海岸の秘密であり宝なのです。
チームはこの数値を見てあらためて自然の力の強さを実感しました!
今年の調査では地表から地下部まで酸素濃度はすべて20%以上。
もう塩害の影響はありません。
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短柱花の群落発見

2012年05月24日 | 学校
サクラソウの花には雌しべが雄しべより長い長柱花と
その逆の短柱花の2種類があります。
これは自家受粉を避けるプリムラ類の知恵で、
受粉はこの2種類の間で行われます。
したがって人工授粉をする際は、
それぞれの花がどこにあるのかわからないとできません。
探していた担当の2名が悲鳴をあげています。
いくらさがしても短柱花があまりみつからないのです。
そんなはずはありません。
あきらめそうになった時、
背後に1m四方の小さな群落を発見しました!
観察すると驚くことにほとんどが短柱花。
短柱花のだけの群落がすぐそばにあったのです。
担当2名はまるで秘密の宝を見つたように感激しています。
どうやらハチによってこの2つの群落間で受粉がおこなわれているようです。

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