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女子スノーボードクロス

2006年02月17日 23時07分10秒 | トリノ五輪
オリンピック競技としては運の要素の強すぎる種目。接触による転倒だらけで実力の行方がさっぱり分からない。
決勝も接触で次々と後続が離れ、アメリカLindsey JACOBELLISが独走状態。このまま決したかと思われたが、ゴール前で余裕を見せたため着地でバランスを崩して、離れて滑っていたスイスTanja FRIEDENが逆転勝利。3位にカナダDominique MALTAISが入った。カナダMaelle RICKERはクラッシュして負傷した。

藤森由香は準々決勝で前二人が接触による転倒を犯したお陰で2位に入った。準決勝では力の差を見せ付けられ4着。スモールファイナルで、一人棄権があり、残る3人全員が絡むトラブルがあったりと波乱含みのなか、結果は7位。正直、これを「健闘」と騒ぐ気にはなれない。予選15位で決勝ラウンドに進んだ点は健闘の名に値するが、7位の順位は出来すぎ。力の差は明確で、少なくとも彼女の良さがアピールできたとは思えない。

あと、最悪なのが解説者。他に人はいなかったのか。こういう普段目にしない競技では、素人目には分からない技術をしっかりと伝えないと良さが分からない。「凄い」を連発するような解説は必要ない。何がどう凄いのかを技術の面から指摘しなければ解説の意味がない。見た目のインパクトはあったものの、スポーツ的な面白さは最後まで分からなかった。


フィギュアスケート男子フリーを振り返って

2006年02月17日 21時40分28秒 | トリノ五輪
「フィギュアスケート男子」の記事でアップしたNBCのリアルタイム解説記事の、優勝したプルシェンコと高橋大輔の部分の翻訳。解説のJamie SaléとDavid Pelletierはソルトレークシティーのペアのチャンピオン。プルシェンコを酷評してるのはショートプログラムの時と同様だったりする(笑)。英語力はあまりないので誤訳があればすみません。

>Instant reports: Men's free skate

☆Yevgeny Plushenko
プルシェンコはショートプログラムでは30選手のうち2番目で演技した。今夜は最終組6人の最初の順番を引いた。これは4年前のソルトレークシティーで逃した金メダルを手にする好機だ。世界選手権3回、ヨーロッパ選手権5回制したプルシェンコは、過去4年間で優勝を逃したのはわずか2回だけ。オリンピックチャンピオンは彼が手に入れていない唯一の称号だ。

プルシェンコは10点の大差を持ってフリーに臨んでいる。曲は『ゴッドファーザー』。非常にピリピリした雰囲気。観客のどよめき、歓声、叫び声が渦巻く中、プルシェンコの名がアナウンスされた。

彼はスタート地点に進み出る。4回転トウ-3回転トウのコンビネーションジャンプで開幕。そのコンビネーションの最後にダブルループを付け加えた。まずまず。続いて、トリプルアクセル-ダブルトウ。そして、綺麗なトリプルループ。最初の1分で、彼はもう4回転と3度の3回転ジャンプを決めた。そして、トリプルアクセル。とても締まったジャンプ。次にトリプルルッツ。そして、トリプルルッツ-ダブルトウ。これ以上コンビネーションジャンプは入れられない。時折彼は現在の採点方法で認められない4つ目のコンビネーションを入れてしまうが、それは点数にカウントされない。スピンに入る。今度はサーキュラーステップ。観客は手拍子と歓声で盛り上がる。

次のジャンプは2回転のフリップ。3回転の予定が2回転になってしまった。3回転サルコウ。ストレートライン。最後にコンビネーションのスピン。彼はベイルマンスピンはしなかった。

Pelletier:フリップを除き、ジャンプはよくできた。特に2度のアクセルジャンプは。プログラムはとてもスロー。ジャンプの入りに慎重だったのが問題だと思う。スピンでもそう。転調も欠けている。しかし、私はこの挑戦を成し遂げた彼を賞賛しなければならないだろう。

Sale:本当に堅実なプログラム。彼にとって危ういものは何もない。彼がかもし出す自信から我々は確かに期待していた。しかし、彼の演技は私の心を動かすものではなかった。私にとって、彼はただ技術的な要素をやって見せただけのように感じられた。その間にあるべきものがそこにはなかった。オリンピックの新チャンピオンを我々は目にしているのだろう。でも、わずかだがそれが誤りとなる可能性も現れた。

彼はフリーの演技と合計点でパーソナルベストを出しトップに立った。

☆高橋大輔
高橋は最終演技者。曲はラフマニノフ。開幕の4回転ジャンプに失敗。そして、体勢を崩すもトリプルアクセルの着地にかろうじて成功。

トルプルルッツ-トリプルトウ。そして、トリプルアクセル-トリプルトウ。ダブルトウにしていたら、もっと良かっただろう。彼はトリプルトウで流れを欠いてしまった。次にトリプルループ。そして、トリプルルッツ。サーキャラーステップの中でわずかによろめいた。

綺麗なトリプルフリップ。そしていいトリプルサルコウ。ストレートラインは非常に創造的だ。最後のスピン。力強い。最後は疲れ果てたように見えた。

Pelletier:全体的に悪くない演技だった。今夜の多くの選手同様、素晴らしい演技とそう素晴らしいとは言えない演技が繰り返されるものであったけれども。だから、プログラムの流れを保つのは難しかった。プログラムの終盤彼はとても疲れたように見えた。しかし、彼の最後のフットワークは疲労の影響を受けていなかった。

Sale:私はショートプログラムの高橋の演技を本当に楽しんだし、彼がフリーの演技を力強く締めくくるだけでなく、パーソナルベストの演技が見られるのではと本当に楽しみにしていた。彼が練習熱心でポテンシャルも高いだけに、この結果を残念に思う。今シーズンのフィギュア男子を彼抜きに語れない。彼はきっと世界のトップ選手になるだろう。

彼はフリー9位とかなり低く、総合で8位となった。


続いて、フリーの演技の判定の詳細から。

>Judges Details per Skater - Men Free Skating

高橋大輔のエレメンツ。
1.3T(4.0-3.00)
2.3A(7.5-0.86)
3.3Lz+3T(10.0+0.43)
4.FSSp3(2.3+0.36)
5.LSp3(1.8+0.43)
6.3A+2T(8.8-2.14)
7.3Lo(5.5+0.00)x
8.3Lz(0.0+0.00)*
9.CiSt2(2.3-0.26)
10.3F(6.1+1.00)x
11.3S(5.0+0.86)x
12.CoSp2(2.1+0.21)
13.SlSt3(3.1+0.50)
14.CCoSp1(2.0+0.79)

最初の4回転はベースが3回転と取られてしまった。4回転だと基礎点が9.0。BUTTLEも4回転で転倒したが、こちらは4回転と認められたため9.0-3.00で6点が加算されている。
トリプルアクセルは着地に失敗。続くコンビネーションは成功。
6番のコンビネーションは2回目がダブルの判定。3A+3Tなら基礎点は11.5。回転不足が残念。
*印のトリプルルッツはザヤックルールによりカウントされず。ザヤックルールについては「blog EVERGREEN」さんのこの記事が分かりやすい。トリプルルッツの基礎点は6.0。

こうして見ると最初のジャンプが4回転と見なされなかった点が痛かった。もし4回転の判定であれば10点以上加点される(ザヤックルールが適用されなくなるので)。
ただ4回転と判定されても、トリプルアクセル-トリプルトウのコンビネーションがきちんと跳べているとザヤックルールが適用されていたので、もともとこの構成には問題があったわけだ。
ジャンプは失敗によって判定が変わるため、構成は常にアジャストしていく必要がある。経験で補っていける要素ではあると思うが、日本選手権での織田信成も同様のミスをしている点を見ると、コーチ陣の指導に問題があったのではないかという思いも残る。

参考:フィギュアスケート資料室


クロスカントリースキー男子15kmクラシカル

2006年02月17日 19時47分07秒 | トリノ五輪
この競技、女子はエストニアKristina SMIGUNが二つの金メダルを手にしたが、その勢いが男子にも及び、エストニアAndrus VEERPALUの見事に優勝を飾った。
2位にチェコLukas BAUER、優勝候補のドイツTobias ANGERERが3位に入った。
日本勢は成瀬野生の42位が最高。


ドーピングにより銀メダル剥奪

2006年02月17日 08時32分16秒 | トリノ五輪
バイアスロン女子15km個人で銀メダルを獲得したロシアのOlga Pylevaがドーピングによりメダルを剥奪されることとなった。

Biathlon: Silver medallist Pyleva guilty of doping - IOC

バイアスロン女子のプイレワ、銀剥奪…ドーピング違反

これにより、Martina GLAGOW(ドイツ)が2位、Albina AKHATOVA(ロシア)が3位に繰り上がる。


トリノ五輪第7日まとめ

2006年02月17日 08時24分39秒 | トリノ五輪
★クロスカントリー女子10kmクラシカル

金 Kristina SMIGUN(エストニア)
銀 Marit BJORGEN(ノルウェー)
銅 Hilde G. PEDERSEN(ノルウェー)

★バイアスロン女子7.5kmスプリント

金 Florence BAVEREL-ROBERT(フランス)
銀 Anna Carin OLOFSSON(スウェーデン)
銅 Lilia EFREMOVA(ウクライナ)

★男子スノーボードクロス

金 Seth WESCOTT(アメリカ)
銀 Radoslav ZIDEK(スロバキア)
銅 Paul-Henri DELERUE(フランス)

★ノルディック複合団体

金 オーストリア
銀 ドイツ
銅 フィンランド

★スピードスケート女子チームパシュート

金 ドイツ
銀 カナダ
銅 ロシア

★スピードスケート男子チームパシュート

金 イタリア
銀 カナダ
銅 オランダ

★スケルトン女子

金 Maya PEDERSEN(スイス)
銀 Shelley RUDMAN(イギリス)
銅 Mellisa HOLLINGSWORTH-RICHARDS(カナダ)

★フィギュアスケート男子

金 Evgeni PLUSHENKO(ロシア)
銀 Stephane LAMBIEL(スイス)
銅 Jeffrey BUTTLE(カナダ)

☆カーリング男子
Session 6
GBR - GER 7-6
SUI - NZL 9-7
USA - SWE 10-6
NOR - CAN 5-6

<暫定順位>
1.カナダ 4-1
1.イギリス 4-1
3.スウェーデン 3-2
3.アメリカ 3-2
5.フィンランド 2-2
5.イタリア 2-2
5.スイス 2-2
8.ノルウェー 2-3
9.ドイツ 1-3
10.ニュージーランド 0-5

☆カーリング女子
Session 5
CAN - SUI 5-6
JPN - DEN 5-9
SWE - ITA 8-4
RUS - GBR 4-10

Session 6
SWE - USA 5-4
DEN - SUI 2-10
CAN - NOR 10-8

<暫定順位>
1.スイス 4-1
1.スウェーデン 4-1
3.イギリス 3-1
4.カナダ 3-2
4.ノルウェー 3-2
6.デンマーク 2-3
7.イタリア 1-3
7.日本 1-3
7.ロシア 1-3
10.アメリカ 1-4

日本はノルウェー戦に続いてデンマーク戦もスキップ小野寺歩のミスが響いて敗戦。次戦は1日開くので精神的に建て直したいところ。決勝トーナメントに進める上位4チームに残るにはもう負けられない。

☆アイスホッケー男子

A組 FIN - ITA 6-0
A組 CZE - SUI 2-3
A組 CAN - GER 5-1
B組 SWE - RUS 0-5
B組 SVK - LAT 6-3
B組 USA - KAZ 4-1

各組上位4ヶ国が決勝トーナメント進出。A組は地元イタリアとドイツがやや弱く残る4ヶ国で順位争いといった感じか。一方B組はカザフスタンを除く5ヶ国が熾烈な争いを繰り広げそうだ。格下と見られていたラトビアがアメリカと引き分け、台風の目になる可能性があるからだ。

◆第8日

決勝種目は、アルペンスキー女子複合、クロスカントリースキー男子15kmクラシカル、スケルトン男子、女子スノーボードクロスの4種目。

予選種目は、カーリング男女、アイスダンスコンパルソリー、アイスホッケー女子準決勝及び順位決定戦、スキージャンプラージヒル個人予選。


メダルに手が届かない日本勢だが、スノーボード男女ハーフパイプを除くと、予想よりむしろ健闘している印象がある。マスコミ等の予想はともかく、実際にメダルを確実に取れそうな選手はほとんどいなかった。これは各競技のワールドカップなどでの成績に照らし合わせて、コンスタントに日本人が勝てている競技は先に挙げたスノーボード男女ハーフパイプくらいしか目に付かなかった。これに、世界記録保持者のいるスピードスケート男子500mとフィギュア女子を加えた4種目がメダル圏内と考えていた。
加藤条治の場合、経験がまだ十分でなく、また高速リンクで速いタイムが出せてもトリノでそれが活かせるか微妙に思っていたので確実視はしていなかった。スノーボードは、結果的にワールドカップにほとんど出ないアメリカ勢が力を発揮して予想が外れた形となった。(ただ予選通過できなかった点については失望したが。)
岡崎朋美、及川佑の4位を始め、ノルディック複合団体やラッキーとはいえスピードスケート女子チームパシュートなど予想以上にいい成績となっている。女子モーグル上村愛子も素晴らしいパフォーマンスだった。
リレハンメルのノルディック複合や長野のスキージャンプ陣のようにメダル確実と言い切れるだけの世界での実績があればともかく、現状ではいくつかの競技で上位選手のミスや当日たまたま好調だったりする幸運がメダルをもたらすと考えなければならない。もちろんそれは相応のレベルに到達している選手に限った話だが。
ずば抜けた力があればともかく、力を出し切ってもメダル獲得は相手あってのことだから、今日本選手に望むのはメダルを気にせず、自分の力を出し切ることだけを考えて欲しいということ。マスコミも順位よりその選手の競技の内容で評価して欲しいが、それを望むのはさすがに無理かな。


フィギュアスケート男子

2006年02月17日 07時51分25秒 | トリノ五輪
ショートプログラムの終わってEvgeni PLUSHENKOの金メダルは確定と言われたが、その言葉通りに一人別次元の力を見せた。ショートプログラム90.66、フリー167.67、トータル258.33全てがパーソナルレコードであり、2位と27.12ポイントという大差がついた。ジャンプの安定感もずば抜けていて、もちろんジャンプ以外の要素も素晴らしかった。重圧はあったはずだ。ソルトレークシティーでは金を逃し、王者にとって最後に残った勲章がオリンピックの金メダルだった。金メダルだけを目指し、それをもぎ取る強さはショートプログラムで強く印象に残った。フリーでは、落ち着いた勝ちにいった演技できっちりと結果を出した。最強。無敵。強さの体現者。心技体すべてで抜きん出て、彼以上に金メダルに相応しい者は少なくともトリノの地にはいない。

2位にスイスStephane LAMBIEL。4回転3回転2回転のコンビネーションはPLUSHENKOより素晴らしかった。ジャンプでいくつかのミスをしたが、それでも次々とジャンプを飛び続け、現在の採点方式での戦い方を熟知し、うまく滑り切った。
3位はカナダJeffrey BUTTLE。4回転の失敗を含め、いくつかのミスがあったがフリーの得点ではPLUSHENKOに次ぐ第2位。キレのあるスケーティングと精神的な強さが彼にメダルをもたらした。

4位アメリカEvan LYSACEKはフリーは10位と出来が悪かったが、中一日の間にまるで別人のように素晴らしいスケートへと変貌した。フリーだけなら3位となる高得点でメダルに肉薄した。一方、ショートプログラム2位のアメリカJohnny WEIRは4回転を狙わず、またコンビネーションジャンプも少なく技術点が伸びずに5位と沈んだ。

高橋大輔は果敢に4回転に挑むが失敗。その後いくつかのミスはあったもののスピード感のあるスケートが印象に残った。技術点が振るわずに結果は8位。現行の採点システムでは失敗があっても技術点を稼ぐことは可能だが、高橋にそれだけの余裕がなかった。
現在の彼の力からするとこの成績は妥当なもの。ある程度は彼の力はアピールできただろう。ジャンプの安定感なども今後の課題だがそれ以上に精神面の更なる成長が必要だろう。
彼の8位という順位はともかく、彼の演技に対しては賞賛に値すると思っている。


ショートプログラムと同様NBCのサイトの主力選手評
Instant reports: Men's free skate(英語)


スケルトン女子

2006年02月17日 03時08分54秒 | トリノ五輪
2回滑っての合計タイムで競われるスケルトン女子。
優勝は1回目2回目共にトップタイムを出したスイスMaya PEDERSEN。1回目4位だったイギリスShelley RUDMANが2回目に好成績を出し銀メダルを獲得。3位はカナダMellisa HOLLINGSWORTH-RICHARDS。
1回目2位のドイツDiana SARTORは2回目が遅れて4位。日本から出場の中山英子は15人中の14位に終わった。


スピードスケート男子チームパシュート

2006年02月17日 03時03分42秒 | トリノ五輪
男子もまた転倒によるドラマが待っていた。優勝候補の大本命オランダが準決勝でよもやの転倒。3位決定戦で粘るノルウェーをなんとか下し、メダルは守った。
決勝戦は、地元イタリアがスタートでリード。カナダは若干バランスを崩し、その後追い上げたが、最後に力尽きた。イタリアは地元の大声援が勝利を後押しした。
日本は最下位の8位に終わった。


スピードスケート女子チームパシュート

2006年02月17日 02時44分33秒 | トリノ五輪
転倒でもらったチャンス、転倒で失うのも仕方ないこと。ロシア相手であればチャンスがあるかと思われたが、リードしながら勝負は意外な形で決した。勝ち負けはともかく最後まで際どい勝負を見てみたかったのは確かだが、冬季の競技にこうしたことはつきものだから、気に病まないで欲しい。

優勝は圧倒的な力でドイツが奪った。オランダ、ロシア、カナダという強豪を直接倒しての勝利だけに文句のつけようがない。価値ある初代チャンピオンだ。
銀メダルはカナダ。これも堂々たる準優勝と言っていいだろう。銅メダルがロシア。日本は4位。