白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

現実の被災地―飢えと強奪

2011-03-23 18:05:37 | 原発

 以下は畠山理仁さんのブログの始まり部分の転載。
 (http://news.livedoor.com/article/detail/5433702/)

  どうしようもない被災地の現場の実態を伝えてくれている。

  まだまだ存在するはずの孤立した避難所。

  孤立した家族。

  孤立した個人。

  とにかく生き延びることが大切だと思う。

 

 「「このままでは餓死してしまう」 

 「日本の大手メディアは被災地の現状を正しく伝えていません!
 ぜひ、現場の声を伝えてください!」

 ・・・・・


 「このままでは現地の被災者たちは餓死してしまいます!」


 受話器の向こうからは尋常ならざる空気が伝わってくる。私はカップラーメンの棚がほとんど空になった東京のコンビニで、ぼうっ、と立ち尽くした。


 電話の主は、海外メディアの通訳として被災地取材を続ける瀬川牧子さん。瀬川さんは地震発生直後から、被害が甚大だった東北地方を取材で回っているという。


 「日本の大手メディアは『世界各国から救援物質や食料が届いてる』などと良い面ばかり報道していますが、現場は全く違います。私が18日に入った宮城県石巻市中心部(主に警察署付近)では、食べ物がなく、瓦礫の中から冷凍食品などのゴミをあさっている住民が大勢いるんです」(瀬川さん)

 日本国内の大手メディアではあまり報じられないが、無人となった被災地のスーパー、コンビニ、ATMでは、被災住民らによる強奪が日々起きているという。

「政府からの食料は全く届いておらず、避難所でも一日一食です。しかも塩おにぎり一個だけ。

 それだけではお腹が空くので、住民らは津波で窓ガラスが割れた瓦礫まみれの無人スーパーに押し入って、餃子などの冷凍食品を取っています。

 燃料となるガソリンもほとんどないため、被災地から逃げたくても逃げることができません。

 津波で流されてきた車からガソリンを抜き取る行為も目立っています」(瀬川さん)


 たしかに被災地には、大手メディアが伝える「避難所でも譲り合いの精神」といった美しい現実もあるという。しかし、その一方で「報じられない現実」があるのもまた事実なのだ。

 瀬川さんは石巻市内の湾岸地区を取材中、民家に乗り上げた車からガソリンを抜き取る男性に出会った。

 瀬川さんが声をかけると、その男性は「(車の持ち主である)友人の了解を得ている」と静かに言った。

 男性が肩にかけていたショルダーバッグの中には、とけてしまった冷凍食品のエビ餃子、そしてわずかばかりの魚介類の真空パック。
 あたりを見回しても瓦礫があるばかりで、営業している店はどこにも見当たらない。

 そのバッグの中身を瀬川さんに見せながら、男性は強い口調でこう叫んだという。

「メディアは『各国から支援物資が届いている』などと伝えているが、報道と現実は全く違う。メディアの人に伝えてほしい。『食べ物がない。まず食料をくれ!』と」・・・」

北西に25キロの高線量地域 福島第1原発  2011年3月23日 13時02分

2011-03-23 16:52:20 | 原発
 「【国際】 北西に25キロの高線量地域 福島第1原発  2011年3月23日 13時02分

 【ワシントン共同】

 米エネルギー省は22日、福島第1原発事故で放出された放射性物質により、放射線量が高い帯状の地域が北西方向に約25キロ広がっているとの観測結果を発表した。

 日本に派遣された同省の観測チームは、地上から1メートルの範囲の放射線量を計測できる装置を航空機に取り付け、17日から19日にかけて原発から半径約45キロ以内の状況を調べた。

 その結果、北西方向に約25キロにわたり、1時間当たり125マイクロシーベルト以上の地域が広がっていた。
 
 この線量は、8時間で一般人の年間被ばく線量限度千マイクロシーベルトになる高い数値。毎時300マイクロシーベルトを超えた地域はなかったという。

 エネルギー省は約8トンの資材とともに33人の専門家を日本に派遣。日本政府と協力して事故対策に当たっている。


 地図で見ると双葉町から浪江町の方面です。

 http://nifty.its-mo.com/map_s.htm?lat=134702830&lon=507732240&lvl=14&opt=l-fw%3A%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%2C%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B%EF%BC%88%E6%A0%AA%EF%BC%89%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%3A134702830%3A507732240

乳児の飲料水摂取制限

2011-03-23 16:30:35 | 原発
【速報】東京都23区と武蔵野と町田と多摩と稲城と三鷹で乳児の飲料水摂取制限 あなたの町は?

  2011.03.23 14:35:11 by 深水英一郎(ふかみん) category : ガジェ通 Tags : 福島原発」

 以下のサイトを是非ご覧ください。

 http://getnews.jp/archives/106067

 ことに乳幼児は要警戒です。


 今結果が公表されたということは、もう数日前からこの状態だった、あるいは向かいつつあったということではないでしょうか。


北朝鮮の主張―リビア攻撃との関係で

2011-03-23 15:16:42 | 国際
 
 中央日報によれば、北朝鮮は、リビアに対する攻撃が、核を放棄させ、油断させた後の対応であり、北朝鮮が核を持つことの正当性を示している、と主張している。
 (http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=138408&servcode=500)

 「北朝鮮外務省報道官は22日、「リビア核放棄方式とはまさに、‘安全担保’と‘関係改善’という甘言で相手を凍結させ、武装解除させた後、軍事的に襲う侵略方式であることが明らかになった」とし、米国・英国・フランス連合軍のリビア空襲を非難した。

外務省報道官は官営朝鮮中央通信の記者との問答を通して、「われわれが選択した先軍の道は、千万回正当であり、その道で整えた自衛的国防力は朝鮮半島で戦争を防止し、平和と安定を守護する非常に重要な抑制力になっている」と主張した。 」

ロシア代表団の見方

2011-03-23 14:30:08 | 原発
 佐藤優氏のブログ、「眼光紙背」から原発事故に関するロシア代表団の見方が紹介されている。

 彼らは実際に現地を訪問し、アドバイスを行ったようである。

 佐藤氏はロシア側の政治的意図があると批判的だが、私はたとえそうであっても批判はかなりあたっているのではないかと思う。

 ロシア代表団の座談には、日本側の官僚的で遅い決定。

 現場から遠い指揮官。

 判断力・決断力の欠ける責任者
、といった批判が見られるが、それらはなどは日本国内でも常々言われてきたことである。



 またとかく日本の原発技術は世界一と夜郎自大的世界に引きこもりがちな私たちのものの見方を正してもらう意味でもいいのではないだろうか。

 戦後の日本の原子力開発はアメリカから技術導入によって、それをまねることで出発したのは歴然たる事実だと思う。

 そんなことにはつゆふれず、とにかく日本製が一番、というような報道や宣伝が多すぎるように思う。

 世界から広く学び、批判を受け入れる姿勢がないところに今回の問題が生じたのではないだろうか。



 今回の原発の破局も、アメリカの原子力規制委員会代表が訪れたり、米軍の支援が本格化したり、そしてこのロシア代表団の訪問があった後に、次第に落ち着いてきたのではないだろうか。

 何よりも東電も、保安院も、政府も、その他の関係者も、みんな動転して何をどうしていいのか分からなくなった、というのが、テレビで事態を追っていた私の感想だった(まあ、私もテレビの前で呆然としていただけだが)。

 アメリカやロシアの専門家の判断と決断力のおかげでようやく日本側も落ち着いたように感じられる。


 このように書いて来ると、日本側の専門家という人々が、まあとても「大人」とは言えないレベルにあるなと感じられて誠にさみしい気持ちになってくるが、しかし私の感じたところは、ここに書いたとおり。

 このような「姿勢」、といったことも含め、私たちには多くのものが欠けているとまず自覚しないといけないのではないだろうか。

 技術や勉強だけでは、危機には対処できない、ということのようだ。

 極めて優秀で、体力精神力抜群で、果断な決断力と的確な判断力を持つ人間、そういう人間でなければ重大な問題に関する責任者になってはいけないということだ。


 
 また指揮するべきところが現場から遠すぎるというのは、昔から-それこそ戦前の戦争に際しても-いわれてきたことである。

 有名な例では旅順攻略戦がどうにもならないこう着状況に陥った時、児玉源太郎が現場を訪ね、事実上指揮権を乃木希助から取り上げて決着をつけた。

 その時まず指摘したのが、司令分゛前線から遠すぎる、ということだった。

 これが適切な比喩になるかどうかわからないが、日本のトップというのは、なるべき仕事をせず、なるべく危険を避け、ほとんど実務に通じていないけれども権限だけはほしい、ということに過去なりがちだった―極論ですが、あえて。

 これまた古い話だが―ここのところ龍馬伝など明治維新前後の話が多いのでご愛敬で聞いてください-勝海舟はアメリカからかえってきたとき、幕閣から日本とアメリカの違いを聞かれて、「アメリカでは地位が上の人はそれなりに見識があるように思われるところが、日本と違うところだ」と答えたというが、その弊害は今も変わらないかと感じられる。

 実際上がいったん凡庸で、実務に暗く、人間関係と、形式主義になれた人物になれば、その下がそのような人物で歴代後続するのは避けられない。

 朝鮮戦争の時韓国軍の初代参謀長となった白将軍の回想録を読むと、米軍と日本軍の違いがよくわかるが、米軍は指揮官が一番働き、よく前線を視察し、兵士の実態を常に自分の目で把握している。

 またあるアメリカ海軍の将軍の第二次大戦中の日本海軍の弱点を尋ねたとき、兵器や技術ではなく「硬直した人事システム」をあげたという。

 海軍兵学校時代の成績が一生ついて回り、実際の指揮官としての評価が反映されなければ、それはダメな海軍になるだろう。

 そんなことが改革されずに、官僚組織や、その他様様々な組織に「受け継がれてしまっている」のではないか。

 今回を契機にそれが一掃されなければならないと思う。


 このロシア側の批判も、そのような批判の一つとして耳を傾ければよい教訓になると思うのだが。


 ちなみに、イズ)とはイズベスチヤのことであり、アス)とはロシア代表団、ウラジミール・アストロモフしである。

 またロシア代表団の子の座談の内容そのものは、"The Voice of Russia"(http://japanese.ruvr.ru/2011/03/22/47793818.html)によっている。


 「イズ)日本からの帰り、サハリンに立ち寄り、プーチン首相に日本の現状を説明されましたね。個人的な印象も含めてお話を伺えますでしょうか。

アス)日本の方々は、原子力発電所の管理について素晴らしい腕前を持っているにも関わらず、一番重要な時にコントロールを失ってしまいました。

 日本の複雑で硬直的な官僚的運営モデルによって、事故への対応が遅れてしまったのです。

 問題を検討する場所が、現場から離れれば離れるほど、政策決定は遅くなり、運営状況が悪化します。


 ロシア人にとっては5分で済んでしまうようなことでも、日本ではまず委員会を立ち上げ、会合を重ねることが必要で、しかも肝心な責任者は1人だけで、常に連絡を取れるとは限りません。

 副大臣より下の人と話しても、何も決定できないようになっているのです。


イズ)いま、政策決定のスピードが遅い、ということに触れられましたが、具体的な例を挙げていただくことはできるでしょうか。

アス)いくらでも挙げることができます。事故があって停電してから9日間、原発には電力が供給されませんでした。

 ロシアならば、即座に地面にコイルを伸ばして、予備発電機を投入したことでしょう。

 もしも放水ポンプをすぐに動かすことが出来ていたならば、最悪の事態は避けられていたことでしょう。

 日本の人々がなにも手をこまねいていたとは言いませんが、独自の官僚的政策決定が長引いている間に、原発は燃えてしまったのです。


イズ)どうしてロシアの専門家が日本に受け入れられるまで数日間かかったのでしょうか

アス)受け入れに時間がかかったのはロシア人専門家だけではありません。

 原子力調整委員会を代表していたアメリカ人専門家の受け入れにも時間がかかりました。

 その委員会は、アメリカ大統領直轄の委員会ですが、福島原発はアメリカの設計によってつくられたものです。

 日本側は、外国の経験や助言を活用することは、欠点をさらけ出し、自らをおとしめることになると考えていたようです。


 また日本国内の政治状況も、問題をさらに複雑化させました。現在、政権についている与党は、40年間野党の立場であって、運営することよりも、批判することになれてしまっていたわけです。

 さらに危機管理ともなればなおさらでしょう。

イズ)ロシアの専門家らによる助言を、日本側は受け入れましたか。

アス)最終的に日本側は、ロシア側からの助言、提言を受け入れました。

 ヘリコプターによって、上空から水を散布するなどということは全く意味のないことですが、我々の提言に従って、中止されました。

 またもう一つの例を挙げましょう。日本では放射線を懸念して、消防車を建物の50メートル以内には近づけないようにしていました。

 その結果、ホースから発射される水が拡がってしまい、意味がありませんでした。

 私たちは、ホースの先をディーゼルエンジンに近づけたうえで、建物の間近から発射するように提言しました。というのも、その作業に人は必要ないからです。日本側はとても驚いた様子で、一日中検討していましたが、最終的に我々の提言を受け入れました。

  また最も重要な提言としては、危機管理の責任者が、東京の本省ではなく、実際の現場である原発で指揮をとるべきだ、ということを申し上げました。

(3月22日「ロシアの声」日本語版HPhttp://japanese.ruvr.ru/2011/03/22/47793818.html」