白夜の炎

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従軍慰安婦の記憶・水木しげるさん

2014-04-21 19:13:44 | 戦争犯罪
 以下は水木しげるさんが書かれたものから。

「【「慰安所はまさに地獄の場所だった」…水木しげる】

戦争中の話だが、敵のいる前線に行くために、「ココボ」という船着場についた。

ここから前線へ船が出るのだ。

そういう所には必ずピー屋がある。

「ピー屋」というのは女郎屋のことである。

ピー屋の前に行ったが、何とゾロゾロと大勢並んでいる。

日本のピーの前には百人くらい、ナワピー(沖縄出身)は九十人くらい、朝鮮ピーは八十人くらいの男たちが並んでいた。(※当時の日本は沖縄人も日本人と見做さず、朝鮮人同様に「慰安婦」の扱いをしていた)

これを一人の女性で処理するのだ。

僕はその長い行列を見て、一体いつできるのだろうと思った。

一人三十分としてもとても「今日中にできる」とは思われない、軽く一週間くらいかかるはずだ。

しかし兵隊はこの世の最期だろうと思ってはなれない、しかし・・・・・いくらねばっても無駄なことだ。

僕は列から離れることにした。

そして朝鮮ピーの家を観察したのだ。

ちょうどその時、朝鮮ピーはトイレがしたくなったのだろう、小屋から出てきた。

※※(彼女がナニカを排泄する様子の描写)

…とても、この世のこととは思えなかった。

第一、これから八十人くらいの兵隊をさばかねばならぬ。

兵隊は精力ゼツリンだから、大変なことだ。

それはまさに「地獄の場所」だった。

兵隊だって地獄に行くわけだが、それ以上に地獄ではないか。

と、※※トイレに行った朝鮮ピーを見て思った。

よく従軍慰安婦のバイショウのことが新聞に出たりしているが、あれは体験のない人にはわからないだろうが・・・

やはり「地獄」だったと思う。

だからバイショウはすべきだろうナ。

(*水木しげるの他の著作「水木しげる伝~戦中編~」によれば、彼女たちはこの後、病院船でココポを離れたが、途中潜水艦にやられ、全員が死亡したという。)

「本日の水木サン―思わず心がゆるむ名言366日」より抜粋 」

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=581000398674768&set=a.101612309946915.1559.100002944383549&type=1&theater/伊藤豊氏のFBより


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1 コメント

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ガダルカナルの米軍:米兵のくらし? (女性人権:歴史認識問題学者志望者)
2018-04-21 18:49:27
昭和18年だから、「ガ島争奪戦:ソロモン海戦争」は事実上皇軍転進により終結していた。
対抗の米軍:米兵の暮らしはどんな?
(いくさ)出かける前に、精出してたんじゃ、太陽黄色く見えて、敵地上攻撃機機銃掃射避け能わず、冬ハエ状態で
地球枕にそう玉砕なんだな。
(飛び石作戦=ラバウル回避)ゆえとはいえ、よく生きて生還できたと思います。
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