白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

グリーンピースによる海洋の放射能調査-第6回の結果

2011-09-29 17:55:22 | 放射能
 福島原発の海洋への影響を調査しているグリーンピースの第6回目の調査結果が出ている。

 全ての海洋生物から放射性物質が発見されている。

 PDFで提供される詳細な報告は英語なので少し面倒だが、丁寧に見ればそれほど難しいものではない-とはいえ日本語への翻訳が望まれる。

 →グリーンピース(日本語HP) http://www.greenpeace.org/japan/ja/earthquake/monitoring/6th/

 →詳細な報告書(PDF) http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/RAP110908_GPJ_01.pdf

エネルギーの実態―河野太郎のブログからの引用

2011-09-29 17:40:33 | 原発
 河野太郎氏のブログからの引用。(http://www.taro.org/2011/09/post-1095.php)

 自民党にエネルギー庁と国家戦略室から人をよんで訪ねている。

 原子力の原料のエネルギーであるウランが全量輸入なのに、なぜ原子力が国産エネルギー扱いなのか、といった基本的な疑問を質している。

 またそれ以外にも日本の現在の電力事情がよくわかる記載があるので転載させていただきました。


 ・・・ということで、河野氏のブログは大変勉強になるのですが、こんな原子力・エネルギー政策をやってきたのは、自民党の歴代の政権ではありませんか・・・という点がどうしても引っかかるので、以下少し意見を述べます。

 河野氏は自民党の中では良識ある政治家だと思い、尊敬しておりますが、今まで祖父の代から自民党にいて、歴代このような原子力政策を、結局は作り上げる役割を果たしてきたという他ないのではありませんか。

 私は菅元首相は今回の原発事故に際して大変大きな役割を果たしたと思います。

 逃げ出しかけた東電を叱咤して現場の回復にあたらせ、脱原発の方向に政治のかじを切ったのですから。

 なぜ河野氏は監視を支持することができなかったのでしょうか。

 原発に疑問を持ち、東電を批判しても、結局自民党の一員、ということでは、現状を根本から変える力にはならないと思います。


 自民党本部で役人をよんで話を聞くだけでなく、反原発の運動を展開してきた人たちなどから、もっと話を聞けば、より多くのことを学べるのではないでしょうか。


「自民党のエネルギー特命委員会に、政府からエネ庁と国家戦略室が来てプレゼンする。

原子力を自給エネルギーと力説するので、ウランは全量輸入しているだけでなく、現在、国内のウラン濃縮工場も全て止まっているのに、なぜ、原子力を自給エネルギー扱いするのかとたずねると、エネ庁が、ウランはいったん輸入しても三年ぐらいは燃えているので準国産エネルギーとしている、と。

では、輸入して十年は乗れる外国車は準国産車なのか。輸入してから何年も持つ缶詰は、準国産の食糧なのか。石油の備蓄を三年分したら、石油は準国産のエネルギーなのか。

ガソリンがすぐになくなるので、外国車は準国産とはいいにくいなどとぶつぶつコメントしている。

さらに、ピーク活用できる自家発電の設備総量が7673万kWあるという数字を出してきた。

しかし、1000kW未満のものは2300万kWあるが、これらは全て例外なくピーク時に需要家が自ら自衛策として使うものとしている。

1000kW以上の大きさのものは5373万kWあるが、そのうち、電力会社への卸供給事業者の設備が1928万kWだという。

残りの3445万kWのうち、電力会社に売電済みが324万kWあり、追加的に売電可能なものは128万kWしかないという。

そして、残りの約3000万kWは全て自家消費分だという。

もし、ピークタイムの電力料金を引き上げれば、その期間に稼働しなくてもよい工場などは夏休みを取り、自家消費分の電力はその高い価格で目一杯、電力会社に売るだろう。

だから価格をきちんと設定すれば、自家消費分は供給市場に出てくる。1000kW以下のものも同じように価格に応じて市場に供給される電力は増えていくし、他方、価格が上がればその時間の電力消費は減っていく。

政府のプレゼンは、こうした価格メカニズムを何も反映していなかった。

需給調整契約に関して、この夏、どの程度発動したのかという問いに対しては、全く答えられず。これまで、政府に尋ねるたびに、デタラメな答えを返してきたが、おそらく政府は把握していないのだろう。

電力の安定供給には、原発を最低何基稼働させる必要があるのか、何基稼働させれば、どういう状況にもっていけるのかという問いにも全く答えられず。

東京電力が卸電力取引所を混乱させたことについても、無計画停電をやらしたことについても、国家戦略室、エネ庁、まるでコメントできず。

原子力、核、放射線その他関連の公益法人、独立行政法人その他にどれだけ公費を投入してきたか、三年前から問い合わせているが回答がない件については、特命委員会としてデータ開示を求めることになった。

透明性を高めるといいながら、ではこれまで電力の企業秘密として黒塗りにしてきたところを公開するのかという問いには、答えられず。

経産省以下の電力への天下りや原子力村の影響の排除をどうしていくのかという問いは、何も答えられず。

核のゴミを出して何がクリーンなエネルギーなのかという問いにも答えられず。

託送や総括原価、規制緩和についてはどうするのかという問いにも答えられず。

いったい、何をしに来たのか。」

ドイツ・グリーンピースからの提言

2011-09-29 17:26:43 | 原発



「「2012年に原発を全停止した方が得!」自然エネルギー革命シナリオ

2011年09月29日16時14分 提供:日刊SPA!

― 孫正義氏設立の財団アドバイザーが提言 ―「12年に原発を全部止めたほうが得をする!!」(1)

【自然エネルギー革命シナリオ】

 9月14日、国際環境NGOグリーンピース・インターナショナルのスベン・テスケ氏が来日。ドイツ航空宇宙センター、環境エネルギー政策研究所(ISEP)の協力を得て欧州再生可能エネルギー評議会と共に作成した「12年に日本の原発を全部止めた場合」の具体的なシナリオを示し、「原発を停止して、日本はよみがえる」と提言した。

◆日本は、環境技術において世界のリーダーになれる

「12年にすべての原発を停止して、日本はよみがえる」と提言する人物が来日した。グリーンピース・インターナショナルのスベン・テスケ氏だ。ソフトバンクの孫正義氏が設立した「自然エネルギー財団」のアドバイザーのひとりでもある。

 ・・・・・・・・・・・・

「原発54基を全部止めたとしても、日本の電力も経済も雇用も、まったく心配ありません。CO2削減目標も達成できます。むしろ原発を止めたほうが、いろいろな面で得をするんです」とテスケ氏は自信たっぷりに語り始めた。

彼のリポートには、次の3つのシナリオが示されている。

(1)基準シナリオ(これまでのエネルギー需給状態を継続した場合)

(2)参考シナリオ(原発を段階的に廃止し、化石燃料の使用削減を進めた場合)

(3)自然エネルギー革命シナリオ(12年にすべての原発が停止した場合)


テスケ氏が提言するのは(3)のシナリオだ。原発を止めた分の電力はどうやって補うのだろうか?

現在、天然ガス火力発電所の稼働率は低く抑えられています。

 これを一時的に7~8割程度まで高めるのです。この率を、自然エネルギー(特に太陽光と風力)の設備容量拡大に伴って徐々に減らしていき、20年までには従来の稼働率に戻します。

 そして、自然エネルギーの供給率を20年には43%、50年には80%まで増やします。これと私が提案する省エネ・節電策を組み合わせれば、原発がなくても十分に電力を賄えます。しかも、20年までに90年比で25%のCO2を削減できます


※【グラフ】発電構造の変化の比較(http://nikkan-spa.jp/65298/111004_other_04-2)

さらに(3)のシナリオでは、経済効果と雇用増大も見込めるとのこと。次回はこの点を詳しく解説してもらう。

⇒「“脱原発”で経済効果と雇用増大も見込める」に続く
http://nikkan-spa.jp/65812

※「自然エネルギー革命シナリオ」の詳細は、グリーンピース・ジャパンのサイトからダウンロードできる。
http://www.greenpeace.org/japan/enelevo/

ロシアにプーチンが復活しても4島返還は無理

2011-09-29 16:29:12 | 国際
ロシアの声から(http://japanese.ruvr.ru/2011/09/28/56850573.html)

 日露間の領土問題だが、4島返還は無理。

 そもそも「固有の領土」という概念が国際的に通用するものか否かは甚だ疑問。

 おそらく外務省も、政治家も、4島返還にロシアが応じる等とは思っていないだろう。

 国民に対しても大きな詐欺行為だ。

 国境は現状を承認、ということで、とりあえず日露、日韓関係を安定させることが重要ではないか?

「日本でも、今後それがロ日二国間関係にどういった影響を与えるのか、意見が述べられている。それらは実に様々だ。

 日本外務省内には、領土問題解決の突破口が開かれると見る向きもある。その根拠として彼らは、10年前「プーチン大統領と森首相が、4島のうち2島の日本への譲渡を規定している1956年の共同宣言の現実性を確認した」事実を挙げている。

  又別の予測もある。プーチン氏が再び大統領となっても、領土問題は決定されないまま残るというもので、その理由として日本自体に「現在安定した政府がなく、こうした複雑で難しい問題をハイレベルで交渉するパートナーが存在していない」事が挙げられている。 さらに違った意見もある。「現在領土問題における前進が困難なのは、ロシアが増大する経済力を背景に、外交面でもますます大きな自信を示すに至っているからだ」というものだ。

 こうした予測のうち、どれが正しいのか? 日本は、太平洋地域でロシアとの間で領土問題に関し緊張した関係が未だ続いている唯一の国だ。日本には、他の国との間でも領土問題を抱えているのにである。 プーチン氏が大統領に返り咲いた場合、日本はプーチン氏の譲歩を期待できるだろうか? VOR記者は、この問いをロシア国立民族友好大学のユーリイ・タヴロフスキイ教授にぶつけてみた―

 「権力の座に誰が就こうが、南クリルに対するロシアの立場は、よく知られている。議論の余地はない。日本政府が示すようなフォーマットでの解決法は不可能だ。 可能なのは、ロシア政府が提案しているフォーマットでの問題解決法だ。」

 平和条約の未締結及び領土問題が、ロ日の経済的相互行動にブレーキをかけている。しかし、それを打ち破るのはどれほどのものでもないのではないか。

 ビジネスというものは、ご存知の通り、経済的合目的性と純粋なプラグマチズムに支配される。 ロシアは対等な協力を提案している。そうした背景の中、ロシア市場への参入を希望する人々がますます増えている。ロシアには、自分達に最も有利なパートナーを選ぶチャンスがある。その際ロシアは、日本が世界をリードし多くの経済分野で誇っている強さを非常によく認識している。 それゆえ、両国間の新たな関係の構築が課題になっているのだ。 

 来年2012年には、そのための良い前提条件がつくリ出されるのではないか。 タヴロフスキイ教授も、そうした考え方もの持ち主の一人だ―

 「2012年度のロシアの対外戦略の中では、東方への注意がこれまで以上に割かれている。ウラジオストクでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)サミットが開かれるからだ。来年はロシアにとっての『太平洋年』になるだろう。 すでに来年3月から、ロシアの戦略において、また重要問題を前進させる戦術において何か現実的な変化が期待できると思う。そうした事は、ロシアにとっても又、日本を含め極東の隣国にとっても有益だ。 

 ここで思い出されるのは、東日本大地震、それに伴う津波、原発事故に対するプーチン氏の対応振りだ。 彼は真っ先に日本国民に対し、お悔やみと同情の言葉を送り、エネルギー支援を約束した。 これは真心からのものだったと思っている。プーチン氏はそもそも、日本には良い感情を持っている。 彼は、エネルギー問題というプリズムを通して対外政策を見ているように思える。 もし彼が大地震後提案したアイデアが現実のものになり、日本へのロシア産ガスの供給が増加すれば、これはロ日の経済的利益を近づけ、さらには政治的にも両国を近づける助けとなる『かけ橋』となるのではないだろうか。」

 日本のエネルギー戦略の見直しは、まさにこの分野でのロシアとのより密接な協同行動へ日本を促す可能性がある。ましてロシアが、輸出用エネルギーのかなりの部分をアジア向けに切り替える決定を下しているのだからなおさらだろう。この事は双方に、ロシア産ガスや石油が日本のエネルギー輸入において占める割合を増やすことへの客観的関心を生み出している。海底ガスパイプライン敷設計画が再び討議に持ち出される可能性もある。

 来年2月ロ日両国の外務大臣は、南クリルの経済開発に関する協力の可能性についての問題を検討することで合意した。 ロシアはすでに、共同活動の可能性検討のため南クリルを訪れる日本企業社員のビザなし渡航問題を討議する用意のあることを明らかにした。 このようにロシア政府は、南クリルでの共同事業も含めロ日の経済交流が前進すれば、両国間の信頼関係は必ずや強まり、そのことが政治問題の討議を一層容易にするとの確信を持っており、日本側の理解を求めている。」

実に身勝手な芸能事務所の言い分-暴力団との付き合い

2011-09-28 14:47:54 | 芸能
 東京都暴力団排除条例が10月1日に施行されることや、島田伸助の芸能界引退などをきっかけに、改めて芸能界と暴力団の関係が取り上げられている。

 読売新聞は芸能事務所関係者の以下のような発言を報道している。

 「 大手芸能事務所幹部は読売新聞の取材に心境を打ち明けた。

 幹部は30年以上芸能界に身を置き、タレントのマネジメントやトラブル処理などを担ってきた。

 その間、「ライバル会社の動向を把握したり、所属タレントのスキャンダルをいち早く入手したりするため」として、暴力団関係者とも飲食を共にするなどの付き合いを重ねてきた。

 幹部によると、芸能事務所や芸能人、興行主などの周辺には「金になるうえ、有名人との交友にもつながる」と、暴力団関係者が介在するケースが多いという。」(読売新聞→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110928-00000677-yom-soci)

 つまり自分の都合で暴力団を利用してきた、ということに尽きるのではないか。

 当然暴力団は見返りを求めるだろう。


 なおこのブログに添えた画像は、暴対条例によって禁止される行為ですが、逆に言うとこんなことが当たり前に行われてきたわけですね。

 タレント名義でマンションの部屋を貸したら暴力団事務所になる、というのでは、それでは芸能人が部屋を借りるのが大変になるのも当然だ。

 芸能界がまともな世界として敬意を社会的に払ってもらえる存在になるためには、歌手を"アーティスト"等とよび変えるのではなく、まともなビジネスにするのが一番だと思います。

先進国はなぜ停滞するのか?

2011-09-28 13:21:31 | 経済
 ヨーロッパの金融危機は解決に失敗すれば第二のリーマンになりうる、との観測が出され始めた。

 腰の重いユーロ圏諸国を叱咤するメディアを通じての工作活動かもしれないが、確かに不良債権化する可能性のあるソブリン債が、どの金融機関にどれほどあるのかが不明という事態は、リーマンショック後のどの金融機関にどれだけのサブプライム関連証券があるのかわからない、というのと似た構図である。

 そしていったん不良債権化が明白になれば、CDSの処理が膨大化する、というのも同様であり、例によってCDSがどの程度の規模に達するかは不明である。

 この間英仏両国はリビアの混乱に軍事介入したが、仮にリビアの石油・ガス権益を英米仏伊で独占できても、それでユーロ圏やアメリカの金融機関が救済されるというわけにはいかないだろう。


 考えてみると1950年代までの欧米諸国は広大な植民地を抱え、安い労働力とただ同然の天然資源を使い放題であった。そしてその地域は市場として「先進国」にとっていいお客さんでもあった。

 50―60年代にかけて植民地は独立したものの、旧宗主国を軸に形成された市場秩序は簡単には解体されず、旧植民地は相変わらず欧米先進諸国にとって都合のいい存在であり続けた。

 この構造が本格的に解体に向かったのは、やはり1970年代初頭の石油ショック、すなわちオペックによる原油支配体制の確立以降だろう。

 とはいえ石油が消費される国々が先進国であったため、オペック等の力にも限界があった。

 しかし1980年代に中国が改革開放政策に転じ、21世紀に入って中国、ロシア(ロシアを新興国に含めることには個人的に違和感があるが)、インド、ブラジル、韓国など新興国が勃興し、世界の市場構造、生産のシステム、技術や情報の生産と流通の構造が抜本的に変化すると、かつての植民地は、自身が生み出し・消費しうる国になったり、あるいは旧宗主国に依存することなく国家の発展を図ることが可能になった。

 中国がアフリカ諸国に広く支持されるのは-様々な問題が生じているにもかかわらず、欧米よりも圧倒的に信頼が大きい-何と言ってもアフリカを植民地支配したことがないという歴史的背景、第二次大戦後、同じく列強の支配に苦しんでいた状態から、共に脱却しようという努力を重ねてきた国だという「共通の価値観」があることによるだろう。

 そして現実の問題としては、中国政府による寛容な投資と融資、そして軍事基地を展開せずビジネス面での関係を中核に据える関係の築き方が、大きな支持を得ている。

 このような世界構造の大きな変化をもう一度整理すると、かつて列強に支配されていた中国やインドなどが自立し、世界経済を動かす巨大なコアとなった結果、中国やインドほど強力でないアジアやアフリカ、中南米の国々も、欧米(日)に依存することなく自国の将来を考えることが可能になったということである。

 このことは欧米日の巨大資本が、旧植民地地域を食い物にして自らの経済問題を「解決」できなくなったことを意味する。金融問題にしても、かつてなら中南米を借金漬けにして中南米の富で自らの損失を埋め合わせたり、あるいは1997年のアジア金融危機のように、アジアの富をさらうことで自身の不手際をごまかすことも可能だったのである。

 残念ながら日本の金融機関も政府も、このような事態を防ぐ盾にはなれず、せいぜい欧米諸国の影で落ち穂ひろいをする役目であった。

 次第にアジアや中南米そしてアフリカの自立性が高まったのは、何より中国やインド、ブラジルといった各地域の中核国の発展よるものである。

 これらの中核国は第二次大戦の敗戦以降アメリカの属国と化した日本と異なり、政治的自立性を獲得したうえで、経済的発展を遂げており、経済力を自からの政治的意思のもとに統御可能である。

 このような変化の中で欧米の巨大企業群はもはや一方的に旧植民地圏をコントロールできなくなった。

 1990年代から2000年代にかけて彼らが代わりに対象としたのは、一つは国内の中間層と貧困層であり、その典型がサブプライムローンによる膨大に大衆からの収奪であった(1997年のアジア金融危機は、日本の力不足と、中国の成長がまだ未熟だった隙をつかれたといってよいだろう)。

 そしてもう一つは相も変らぬ旧植民地域への覇権拡大路線であり、典型的にはアメリカのイラク・アフガン侵攻、そして今回の英仏のリビア侵攻である。

 しかしアジアも中南米も、そしてアフリカもそれぞれの地域が頼りにしうる「共通の価値観」を持った中核国を獲得しつつある。

 それが最も弱いのがアフリカであり、それが英仏に狙われた理由であろうが、その影響はかつての1970年代ごろまでに比較すれば、はるかに限定的なものである。

 欧米日など「先進諸国」はいまや自らの強欲の始末を自らの負担で行う他なくなっている。

 ギリシャの国債等、かつてなら中南米の金融機関に転嫁しておけば何ということもなかったのであろうが、いまやそのような手は使えない。

 「先進諸国」内部で処理するほかないのである。それはユーロ域内での富の移転だったり、各国内の貧困層の問題であったり様々だろうが、いずれにせよ容易ではない。

 そしてその様々な意味での容易でない事柄の集積が、「先進国」の停滞を招いている。

 今回の金融危機は欧米による帝国主義的世界支配が、ようやく幕を下ろし始める「終わりの始まり」を告げることになるかもしれない。

NHK・Eテレ特集  原発事故への道程 後編 そして“安全”は神話になった

2011-09-26 16:28:05 | 原発
*2011年9月25日(日) 夜10時 シリーズ 原発事故への道程後編 そして“安全”は神話になった

 大変良い内容でした。
 
 電力事業連合のかつての広報担当者は、新聞社に広告を出し、その結果、原発に批判的な報道が減ったと証言している。

 また伊方原発訴訟を丁寧においかけている。そして一審の地裁判決が出る直前になって、裁判長が交代させられ、新しい裁判長が全く国側に沿った判決を下したこと。そしてそれが最高裁まで維持され、判例として確定してしまったこと。そのため原発の建設が国の裁量事項であるとされてしまったことが明らかにされた。

 原告の弁護団長は、「今後原発で深刻な事故が起こった時は、最高裁判所にも責任がある」といったが、そのとおりである。

 原子力村は①政治家(歴代自民党政権)、②官僚(経産省、文科省、警察)、③電力業界(電力会社等)、④原子炉製造等を行う関連巨大企業(東芝、日立、三菱など)、⑤学会(東大、京大、東工大の核工学部の関係学科など)、⑥巨大メディア(大手新聞、在京テレビ局等)にプラスして⑦裁判所等司法権力を加える必要がありそうだ。

 そういえば反原発の立場の福島県知事が起訴されてその地位を追われた事件があった。検察幹部は公安調査庁などを牛耳って、公安・諜報権力の中核を形成している。

 市民のための正義の味方、などというのは大ウソだというその実態を見据えなければならない。



 NHKのこの特集は、9/18の前編と合わせ必見です。以前も紹介しましたが、NHK野HP掲載の紹介文を以下に引用します。
 →http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0925.html

 また以前のブログは→http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/5b60663842be4881bb490d326bca1239

「原子力政策研究会に集った原発関係者たちの録音テープと新たな証言により、なぜ福島原発事故が起きたのか、その歴史的深層を探るシリーズ。後編は原発が次々に建設された1970年代以降、日本の原発で事故は起きないという「安全神話」がいかにして誕生したか、その過程を明らかにする

 1973年石油ショックの翌年に電源三法が成立し、「安全」を前提に原発建設が加速していった。このとき、日本で初めて原発の安全性を科学的に問う裁判「伊方原発訴訟」が始まっていた。裁判は原発建設に反対する地元住民と科学者たちによる原告と、建設を推進しようとする国によって争われた。

 そこでは今回の福島原発で起きた「全電源喪失」や「炉心溶融」などの事態がほぼすべて俎上に載せられていた。公判中にスリーマイル島やチェルノブイリ原発の事故も起き、安全性の見直しが迫られる状況も生まれた。しかし最高裁は「行政裁量の分野」だとし、反対派の訴えを退けた。

 原発の安全性を正面から問うルートが失われるなか、誰も疑問を挟めなくなった行政と業界、学術界により安全神話は膨張していくことになる。日本における最初で最後の本格的な原発法廷の消長を軸にして、安全神話がいかにして一人歩きしていったか、その歴史的メカニズムを検証する。」



ニュートリノ・観測結果関連サイト

2011-09-26 13:34:06 | 科学

 ニュートリノが光速をこえるとの報道が世界を駆け巡った。

 個人的に関心があるものの、素人の悲しさできちんとした理解を得ることは困難。

 そこで関連する基本的なサイトをあちこち見たのですが、その際お世話になった信頼できそうなサイトを紹介します。

 実験を行ったCERNで発表された論文。→http://static.arxiv.org/pdf/1109.4897.pdf
 タイトルは"Measurement of the neutrino velocity with the OPERA detector
in the CNGS beam"。ニュートリノの発生から、時刻設定、距離測定等、実験の詳細が報告されている。

 次にこの論文等を見つけた名古屋大学のサイト/名古屋大学KMI素粒子宇宙起源研究機構・現象解析センター
 →http://www.kmi.nagoya-u.ac.jp/CE/jpn/events/opera.php

 またCERNのHPは以下の通り。今ならこの実験の結果に関する記事がTopに載っています。タイトルは"OPERA experiment invites scrutiny of unexpected results" 関係者にとっても本当に意外な結果だったということですね。
 →http://public.web.cern.ch/public/

 またCERNのプレスリリースは以下で入手可能です。
 →http://press.web.cern.ch/press/

 また日本語のサイトとしては、ASTRO ARTS がいろいろな関連サイトをリンクしていて参考になります。
 →http://www.astroarts.co.jp/news/2011/09/26neutrino_speed/index-j.shtml

 最後にニュートリノそのものに関する解説は以下を参照してください。
 ①まずは一番手軽にウィキペディアから→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%8E
 ②東京大学宇宙線研究所 一般向けの解説もしていたんですね。
 →http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/about/neutrino.html

 ③宇宙ニュートリノ観測情報融合センター とても丁寧です。
 →http://www-rccn.icrr.u-tokyo.ac.jp/doc2/whatcn.html

脱原発のためのハンスト

2011-09-23 17:18:23 | 原発
 経産省前でハンストを行って脱原発を訴えた、岡本直也、山本雅昭、関口詩織、米原幹太の各氏が提出した「請願書」です。

 →田中龍作ジャーナルより http://tanakaryusaku.jp/

*請願書       2011年9月21日提出

 福島第一原子力発電所の事故で多くの方が故郷を追われ、また、暮らしそのものを奪われました。この原発事故が収東するまで、放射能が大気中と大地と海に垂れ流しにされます。

 一度事故が起きてしまったら取り返しがつかなく、誰も責任が取れないことが明確になりました。それだけではなく、原発は事故が起きなくても大量の温廃水などで自然環境を破壊し、何万年も管理しなくてはいけない大量の核のゴミを生みだします。

 私たち若い世代には、すでに日本の54基の原発が生んでしまった、半永久に消えることない核のゴミと福島原発から漏れ続けている放射能を残されてしまいました。

 しかし震災後も、新規立地計画されている上関原発建設予定地では、休みなく原発建設のための環境調査工事を進めています。泊原発も国民になんの説明もなく営業運転を始めてしまいました。

 私たち若い世代は、原発の負の遺産をこれ以上背負いたくありません。そして最も放射能の影響を受ける子どもたち、その子たちに繋がっていく命に、これ以上の負の遺産を残したくありません。

 私たちは命の糧となる自然や、命そのものを大切にすることを政策に反映してもらうように請願し、ハンガーストライキを10日間行いました。これは、これからこの地球で生きていく私たちの願いです。

ウィキリークスへのアクセスポイント紹介-再掲

2011-09-23 16:57:38 | 報道
 ウィキリークスのHPと、その日本語訳を載せているサイトの紹介です。

 ウィキリークス→http://wikileaks.org/

 ウィキリークス外交公電→http://wikileaks.org/cablegate.html

 ウィキリークス・ウォッチ・ジャパン→http://wikileaks-japan.blogspot.com/

日本のエネルギーをどうするか-エコノミストから

2011-09-23 16:20:29 | 科学
エコノミストの下記の記事は大変参考になります。

 なお私見ですが、以下の記事を読んで改めて思ったのは、別に野田政権に代える必要は全くなかった。

 菅政権の方がはるかに東電に厳しく、新エネルギーに好意的で、脱原発の方向性が明確だった。

 野田政権になるとともに民主自民の大連立ま話やら、原発継続の話が自民・民主双方から出てきていること自体、菅政権批判が根拠のない脱原発府宇治だったことを証明しているように思います。




*出口の見えない日本のエネルギー問題  2011.09.23(金)  The Economist


日本の電力独占体制はコストを押し上げ、技術革新を妨げる。

 ・・・・・・・・・・・・・

 3月11日の大震災以降、日本の大半の原子炉が保守点検のために運転が停止され、いまだに再開されていない。54基のうち43基が停止したままだ。全国的に節電に向けた取り組みが展開された。東電としても、痛みを分かち合っていることを示さねばならないのだ。


完全に信頼を失った東京電力


 東電は驚くほど不人気だ。福島にある東電の原子力発電所は3月11日に被害を受けた。津波襲来後の命運を左右する数時間に、東電は原子炉の炉心を冷やす水を注入することができなかった。

 その後、数日経つまで、安定した非常用電源を復旧できず、どういうわけか炉内の圧力上昇を止めるベントが遅れ、結果的に水素爆発を引き起こした。

 それだけで十分悪い状況なのに、東電はさらに情報を伏せ、菅直人首相(当時)が猛然と東電本社に押し掛け、「一体どうなっているんだ」と怒鳴りつけることになった。

 津波に襲われてから数時間後にはメルトダウン(炉心溶融)は始まっていたが、公表されたのは9週間後のことだった。「我が社は信頼を失った」。西沢氏はこう認めて、信頼回復には「長い長い時間がかかる」と付け加えた。

 原子炉は(津波ではなく)地震そのものによって損傷したのかどうか尋ねると、西沢氏は、その点は明らかではないとし、11月の報告書を待たねばならないと述べた。

 この問題は重要だ。頻繁に地震が発生する日本の原子炉に耐震性がないとすれば、原子力発電は安全ではないかもしれない。原発規制当局の関係者は、地震が実際に原子炉に被害を与えたという証拠があると発言している。



 震災以降、日本人は節電に奮闘してきた。家庭は照明を消し、暖房便座の電源を抜いた。大企業は使用電力を15%削減した(違反すると罰金を科されることになっていた)。多くの企業は始業時間を早めたり、夜間労働に切り替えたりした。

 自動車業界は木曜日と金曜日を休日とし、電力需要の低い週末を稼働日とした。首都圏の東電管内では、昨年のピーク時の電力需要が60ギガワットだったのに対し、今年は49ギガワットまで減少した。誰もが停電を心配したが、1度もそのような事態には至らなかった。夏の暑さが収まってきた9月9日、政府は電力使用制限を解除した。

 しかし日本のエネルギー問題は、収束するにはほど遠い。原発の稼働凍結が来年まで続けば、国内総生産(GDP)が推定で3.6%減少し、20万人近い雇用が失われる。一方で国民の6割は原子力発電を信頼していないと答えている。


地域独占体制の弊害


 日本は、強力で多様なエネルギー産業を必要としている。

 だが実際には、地域独占の電力会社10社(東電はそのうちの1社)が発電・送電市場の97%を占めている。家庭用の電気料金は、米国の2倍近く、韓国の3倍にも上っている。


 今から10年前に大口需要家を対象に一定の電力自由化が始まると、1999年から2005年にかけて電気料金は16%下がった。しかし政治的な支持がなく、改革は後退した。

 電気料金が高いのは、独占企業にはコスト削減の動機がほとんどないからだ。それどころか、利益率は政府によって決められており、電力会社はコストを膨らませれば、収入を増やせるのだ。

 同時に、電力会社は家庭用の電気料金を定額制にしているため、家庭はピーク時以外の時間帯に家電製品を使うようにする動機を持たない。代替エネルギーは軽んじられている。日本企業は、風力、太陽光、地熱発電といったグリーンテクノロジー分野の有力企業でありながら、こうした自然エネルギーは発電量全体の1%しか占めていない。

 東電の影響は絶大だ。会社がある政党の政治家を支援すると、東電の労働組合は、その政党の敵方を支援する。さらに東電はエネルギーの学術研究に資金を拠出しており、記者を視察旅行に連れていく。昨年の広告宣伝費は260億円に上った。本格的な競争相手がいない企業にしては大変な金額だ。

 改革派は、電力会社の地域独占の解体を求めている。発電と送電を分離し、新規参入企業に対し門戸を開けば、効率を高め、コストを下げることができる。しかし大手企業を代表する経団連は、東電をはじめとする電力各社が電力の安定供給を担保しているとして、自由化に反対している。

 経団連の加盟企業の中には、独占的な電力会社に部品やサービスを提供している企業もあり、電力使用料金を大幅に値引きしてもらっている。


 多くの政治家は、福島原発事故の被害者に賠償金を払えるよう東電を存続させなければならないと考えている。8月3日、原発賠償支援法が国会で可決された。東電や他の電力会社から資金を集める仕組みは作られたが、コストをどう分担するかは規定されていない。

 9月12日、東電は避難住民に対し賠償金の請求用紙を送付した。書類は60ページにも及ぶ。

 野田佳彦氏率いる新政権は、中期的に日本の原発依存を減らしたいと考えているが、当面は停止中の原発の再開も望んでいる。安価で安定性のある電力がなければ、企業は海外に移転してしまう恐れがあるからだ。


地震でも揺るがない支配

 新興企業は熱心にエネルギー事業に参入しようとしている。携帯業界の大物の孫正義氏は、大規模な太陽光発電所と、各都道府県をつなぐ送電網の建設を計画している。しかし孫氏は、規制プロセスは悪夢だと話している。

 今回成立した再生可能エネルギー法は、新規発電事業者がどうやって電力を売るのか、また既存の電力会社がそれを買わなくてはいけないのか否かについて、ほとんど手がかりを示していない。地震でさえ、電力独占会社の支配を揺さぶることはできないようだ。