『亀も空を飛ぶ』 2004年、イラク/イラン 97分
監督・脚本:ハフマン・ゴバディ
出演:ソラン・イブラヒム、ファシル・ラーマン、アワズ・ラティフ他
舞台はイラク戦争直前のイラク北東部、クルディスタン地区。度重なる戦争と弾圧によって人々は辛酸をなめ、小さな村には難民も多く流れ込んでいる。
その中で少年・サテライトは子供達のまとめ役として活躍している。中でも地雷を撤去し、それを仲買人を通じて国連に売る仕事は-危険だが-現金になる仕事だ。
そんな生活を送る中、難民の兄弟-両腕のないヘンゴウと、その妹のアグリン、そして彼らとともにいる小さな赤ん坊と出会う。
実はその赤ん坊は、彼らの故郷の村を襲ったイラク兵が、彼らの両親を殺し、アグリンをレイプした結果生まれた子供だった。アグリンはその記憶から逃れられず、「ママ」と慕う赤ん坊から何とか逃れたいと思っている。
ヘンゴウは赤ん坊を大切にするが、彼とて未来への展望があるわけでもない。ただ彼には予知能力があり、それを知ったサテライトはその予知の結果を手に入れようとする。
地雷撤去をして金を稼がなければならない生活。
戦争のつらい記憶から逃れられない難民の兄弟。
ラストは痛切だが、ほかに道はなかったのか、考えてみるのは無駄ではないと思う。
米軍や先進国の援助団体からの視線ではない、「そこにいたし、今もいる人たち」からの視点で描かれた作品。
補遺:この映画をアメリカの『ワールド・オブ・ライズ』などと見比べてみるのもお勧め。
監督・脚本:ハフマン・ゴバディ
出演:ソラン・イブラヒム、ファシル・ラーマン、アワズ・ラティフ他
舞台はイラク戦争直前のイラク北東部、クルディスタン地区。度重なる戦争と弾圧によって人々は辛酸をなめ、小さな村には難民も多く流れ込んでいる。
その中で少年・サテライトは子供達のまとめ役として活躍している。中でも地雷を撤去し、それを仲買人を通じて国連に売る仕事は-危険だが-現金になる仕事だ。
そんな生活を送る中、難民の兄弟-両腕のないヘンゴウと、その妹のアグリン、そして彼らとともにいる小さな赤ん坊と出会う。
実はその赤ん坊は、彼らの故郷の村を襲ったイラク兵が、彼らの両親を殺し、アグリンをレイプした結果生まれた子供だった。アグリンはその記憶から逃れられず、「ママ」と慕う赤ん坊から何とか逃れたいと思っている。
ヘンゴウは赤ん坊を大切にするが、彼とて未来への展望があるわけでもない。ただ彼には予知能力があり、それを知ったサテライトはその予知の結果を手に入れようとする。
地雷撤去をして金を稼がなければならない生活。
戦争のつらい記憶から逃れられない難民の兄弟。
ラストは痛切だが、ほかに道はなかったのか、考えてみるのは無駄ではないと思う。
米軍や先進国の援助団体からの視線ではない、「そこにいたし、今もいる人たち」からの視点で描かれた作品。
補遺:この映画をアメリカの『ワールド・オブ・ライズ』などと見比べてみるのもお勧め。