白夜の炎

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もっと真剣に。富士山の噴火。

2013-08-21 11:15:43 | 地震


「2011年に起きた地震の影響によって、富士山のマグマ溜りにかかった圧力は、1707年に起こった現時点で最後の噴火(宝永大噴火)時より高かったことがわかり、近く再び噴火するのではないかと懸念されている。

日本の防災科学技術研究所(NIED)が行った研究によると、富士山のマグマ溜りに加わった圧力は1.6メガパスカルに達したという。過去にはその1/16の力、0.1メガパスカルで火山が噴火した例もある。

NIEDで火山研究を担当する藤田英輔主任研究員は共同通信の取材に対し、これは「小さくない数字」だと述べている。ただしNIEDは、圧力はあくまで噴火を引き起こす要因のひとつにすぎないとも述べている。とはいえ、1707年の宝永大噴火も、その少し前に起こった大地震によって、マグマ溜りにかかる圧力が高まったことが引き金となった(噴火49日前に、推定マグニチュード8.6~8.7の宝永地震が起きていたほか、宝永地震の翌朝にも富士宮を震源とするマグニチュード7の地震が起きている)。

以前にも、00年から01年にかけて富士山直下で一連の低周波地震が観測され、噴火が近いとの予測が広まったことがある。そしてその後、11年3月11日の東北地方太平洋沖地震と、その4日後に起きたマグニチュード6.4の静岡県東部地震によって、再び富士山の噴火が懸念されている(静岡県東部地震の震源は、富士山のマグマ溜りのすぐ上、山頂の南4kmの深さ約15km。富士宮市では震度6強を記録した)。

12年5月には、琉球大学の木村政昭名誉教授が、いくつかの要因により、3年以内に大噴火が起こる可能性があると警告を発した。教授はそれらの要因として、クレーターから蒸気とガスが噴出していること、付近で「水噴火」(異常な地下水の湧水)が発生していること、河口湖の湖底から天然ガスが噴出していることを挙げている。

さらに、木村名誉教授をこの発表に踏みきらせた予兆として、富士山直下に全長34kmにわたる断層が見つかったことがある。この断層に大きな動き(大地震)があれば、山の斜面が完全崩壊するおそれがある。また、噴火が起こった場合もおそらく斜面は崩壊して、大規模な泥流と地滑りが発生するだろうと専門家らは述べている。(富士山は約2900年前にも、大規模な山体崩壊が起きている)

日本政府による04年の報告(PDF)では、1回の噴火で生じる被害額は約2兆5,000億円にのぼると推定されている。

その後、静岡県が新たな研究を進めており、近く次の大地震が起こると予想されている南海トラフ沿いの東海、東南海、南海地方で連動型地震が発生した場合の被害額を試算している。

噴火の影響が予想される神奈川、山梨、静岡の3県は、12年から3カ年にわたって広域避難計画の策定や防災訓練の実施を行う(PDF)ことになっている(リンク先によれば、避難対象者数は山梨・静岡両県で約75万人となっている)。」

http://wired.jp/2013/08/08/mount-fuji/

大地震の発生確率見直し

2013-01-10 10:32:31 | 地震
「M8級の巨大地震に新たな仕組み 5千年に10回発生か 

2013年1月10日 03時00分

 これまで想定されていなかった仕組みと場所で起きる巨大地震を、海洋研究開発機構などのチームがスーパーコンピューター上で再現し、9日付の英科学誌ネイチャーに発表した。発生頻度は低いが、マグニチュード8近い地震を5千年間に10回程度は起こす可能性があるとの試算が出た。

 新たなタイプの地震は、従来の海溝型地震などに伴って発生し、震源域を拡大させ、巨大地震となる特徴がある。東日本大震災の仕組みも、このタイプの地震だった可能性があるという。
(共同)」


なんで国が調べないのか?

2012-12-07 21:05:25 | 地震
 以下のように言われて、「ああそうですか」と信じられるだろうか。

 なぜ利害関係の第一当事者に、深刻な安全性にかかわる、そして経営にもかかわる問題を調べさせるのか。

 しかし福島第一の事故の後にである。

 国が原発に批判的な立場にたっている人物を複数含む専門家チームを組み、そこで調べなさい。


 「志賀原発:破砕帯「12万~13万年前以降に活動せず」  

                    毎日新聞 2012年12月07日 19時26分(最終更新 12月07日 20時04分)


北陸電力志賀原発。手前が1号機、奥が2号機=石川県志賀町で2012年4月、本社ヘリから小関勉撮影
拡大写真
 北陸電力は7日、志賀原発1号機(石川県)の直下を通り、活断層の可能性が指摘されている「S-1破砕帯」について「少なくとも12万~13万年前以降の活動は認められない」とする中間報告を原子力規制委員会に提出した。来年6月までに最終報告をまとめる。

 現行の指針では、「12万~13万年前以降に活動し、今後も活動する可能性のある断層」を原発の耐震上考慮すべき活断層としている。しかし、規制委はこれを約40万年前までに広げる方針を示しており、S-1が活断層かどうかを巡ってはさらに議論が続きそうだ。

 北陸電によると、土壌分析の結果などから、S-1の上の地層を12万~13万年前より新しい時期に形成されたと推定。ここに変形の痕跡がないことから、最近の活動性を否定した。【西川拓】」

http://mainichi.jp/select/news/20121208k0000m040026000c.html

東京の近くで大地震の可能性/SCIENCE誌が特集

2012-10-31 19:37:49 | 地震
「『Science』誌は先週、日本を3月に襲った東北地方太平洋沖地震[東日本大震災]のときに何が起こったかを理解するための3つの論文とパースペクティブ論文を掲載した。

研究者たちが懸念しているのは、マグニチュード9という歴史的な数値だけではいない。このサイズの地震が、これまではこれほどの規模の地震を引き起こすとは考えられてこなかった断層の一部(セグメント)で起きたということが懸念されている。

「このように小さなセグメントでマグニチュード9が起こるのであれば、今まで予想されていなかった地点でも同様の巨大地震が起こる可能性がある」と、米国地質研究所のDavid Wald氏は語っている。海岸沿いで、プレート沈み込み帯の近くにあるような、世界の他の地域も、リスクを再評価する必要があるだろう。

今回の地震は、日本海溝を形成する断層の一部に沿って発生した。日本海溝は、太平洋プレートが、東日本が存在するプレート[北アメリカプレートの下に沈み込んでいるところにある。

この沈み込み帯が日本に多くの火山をもたらし、またその圧力が日本列島を押し上げることで、日本の地形をいっそう特徴的なものにしている。多くの断層がそうであるように、2つのプレートがこすれあう動きは時折つかえて止まることがあり、そのひずみが解消されるときに大地震が発生する。要するに地震とは、プレート間の相対運動から生じるひずみを解消するために起きるものだ。([東北日本太平洋下のプレート相対速度(PDF)は]年間で推定8.5センチメートルだ。)

これまでの地震記録は、このひずみが、比較的狭い範囲の断層セグメントに沿って解消されていることを示唆していた。大きな地震では通常、これらセグメントの1つか2つが活動して大部分のひずみを解消し、残りのひずみは、隣接するセグメントに移される。このプロセスが日本を地震の頻発国にしており、大きな地震も数多く発生しているが、それでも、今回の東日本大震災のように巨大なものは稀だ。ほとんどの地震は断層深部の、海溝よりも日本列島に近いところで発生してきた。

3月の地震がこれほど想定外だった理由はそこにある。そしてもう1つの理由は、これまでの記録から、この断層セグメントが他と比べて不活発に見えたことだ。おそらくは、これまではプレート同士が固着しており、地震が少なかった分、ひずみが蓄積されていたと考えられるだろう。

日本海溝においてプレート同士が固着していたとき、東日本を含む北アメリカプレートは、端の部分では下に押し下げられていたが、その近くの地域は、圧力により、若干上向きの力がかかっていた。地震によって、プレートの端は上向きに解放された。日本列島ではこの際、場所によっては4メートルを超える水平方向の動きが発生し、逆に50センチほど低下した地域もある。

一方、海では、最大の標高低下は海岸から推定50キロメートルの地点で発生し、そこでは[東日本が乗っている]北アメリカプレートが2メートル低くなったという。一方、日本海溝の付近では、プレートの端が9メートルも隆起した。しかしこれらの変化は、水平方向の移動データに比べれば小さいものだ。『Science』誌に発表された3つの論文では、海溝付近での水平移動の規模を推定しているが、それらは空間分解能[空間または物体内で識別可能な2点間の距離]の小さい順に、24メートル、30メートル超、そして最も大きな推定値で60メートルにもなる。

これらの動きの全体を合わせれば、解放されたエネルギーは9 x 10の18乗ジュールとされる(TNT火薬にしておよそ2400メガトンにのぼる)。

日本にとっての懸念は、これまで地震があまり起こっていない土地でも、その地域のプレートがスムーズに動いているとは限らないことだ。論文の1つは、海山が海溝に引き込まれる場合には、長期にわたって静かな状態が続く可能性があることを示唆している(今回地震を起こした東北沖がそうだったとみられる)。[海山によって、プレートの滑りが長期間にわたって抑えられてきて、その結果ひずみが蓄積されてきたという説を述べている]

そのため、海溝の境界付近にあって、表面的には地震活動の少ない他の地域についても、もう一度よく調べてみる必要がある。心配なことに、そのような地域の1つが、今回地震の発生した場所よりもう少し南の、より東京に近いところにあると、論文は指摘している。

[今回の地震で震源域にならなかった茨城沖は、長期間、マグニチュード8以上の地震が起こっておらず、ひずみがたまっている可能性があると指摘されている]

{この翻訳は抄訳です}

[日本語版:ガリレオ-高橋朋子/合原弘子]」

http://wired.jp/wv/2011/05/25/%E3%80%8C%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E8%BF%91%E3%81%8F%E3%81%AB%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E9%9C%87%EF%BC%9F%E3%80%8D%EF%BC%9A%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E8%AA%8C%E3%81%8C3%E8%AB%96%E6%96%87/

房総沖に活断層-M8-9クラスの地震も

2012-03-26 16:45:14 | 地震
「房総沖に大活断層、M8~9地震も

TBS系(JNN) 3月26日(月)12時14分配信

 房総半島沖にこれまで知られていなかった2つの大規模な活断層があることが東洋大学などの研究グループの調査でわかりました。

 これは東洋大学の渡辺満久教授や広島大学などの研究グループが海上保安庁の海底地形のデータなどを解析し明らかになったものです。調査結果によりますと、房総半島の南端から百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、並行する形で東側に300キロ以上、西側に少なくとも160キロの活断層があることがわかりました。

 一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード8~9の地震を起こす可能性があるということです。

 渡辺教授は「これまでノーマークの活断層で、詳しく調査すべきだ」としています。(26日10:40)
最終更新:3月26日(月)16時19分」

 →http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20120326-00000015-jnn-soci

東北関東大地震の2日前の前兆現象

2012-02-07 13:30:47 | 地震
WIRED VISION(日本語版)で見つけました→http://wired.jp/2012/02/07/2011-fukushima-earthquake-visualization/
 3月9日に大きな地震がすでにあり、以後地震の状況が一変したことが分かります。

 それにしても3月9日の地震で全く警報が出なかったことは、日本の地震学が使い物にならない水準のものであることを示しているように思います-すくな特も地震予知の観点からは。


東北関東大地震の2日前の前兆現象

東北地方太平洋沖地震 発生地点・規模・時刻分布図(2011/10/15)

2012-02-07 13:29:06 | 地震
WIRED VISION(日本語版)で見つけました→http://wired.jp/2012/02/07/2011-fukushima-earthquake-visualization/
 3月9日に大きな地震がすでにあり、以後地震の状況が一変したことが分かります。

 それにしても3月9日の地震で全く警報が出なかったことは、日本の地震学が使い物にならない水準のものであることを示しているように思います-すくな特も地震予知の観点からは。

東北地方太平洋沖地震 発生地点・規模・時刻分布図(2011/10/15)

大地震発生の可能性高まる

2012-01-31 13:16:24 | 地震
「太平洋プレート:内部で力の向き変化 大地震発生しやすく

 東日本大震災後、宮城、福島両県沖の太平洋プレート(岩板)内部にかかる力の向きが変わったことを、海洋研究開発機構の尾鼻(おばな)浩一郎主任研究員(地震学)らが観測で初めて突き止めた。プレート内で大地震が発生しやすい状態になったといい、観測体制の強化が急がれそうだ。31日付の米地球物理学連合の学術誌に発表した。

 東北地方は北米プレート上にあり、その地下には太平洋プレートが潜り込んでいる。大震災は両プレートの境界で発生した。

 同機構は震災後、太平洋プレート内部を震源とする地震が増えたことに着目し、同プレート上の海底(東西約80キロ、南北約150キロ)に地震計20台を設置。昨年4月下旬から約2カ月間の調査期間中に発生した地震のうち、仕組みが判明した50個を解析した。

 その結果、震源は深さ10~40キロに分布し、ほとんどが左右に引っ張り合って断層がずれ落ちる「正断層型」と分かった。一方で、圧縮されて断層がせり上がる「逆断層型」は一つもなかった。

 震災前の観測では正断層型は深さ約20キロまでで、それより深い場所では逆断層型だった。この変化の影響で、地殻の割れは通常深さ20キロ付近で止まりプレート内地震は大地震になりにくかったが、今回の変化で40キロまで割れが到達可能となり、マグニチュード8級の大地震が発生しやすくなったという。【西川拓】」

 タイトルの画像がこの記事添付の図です。

在日インドネシア人が3.11関連の本を出版

2012-01-31 12:49:09 | 地震
「大震災描いた本を出版=日本在住のインドネシア人がつづる

時事通信 1月31日(火)5時32分配信

 【ジャカルタ時事】日本在住のインドネシア人2人が東日本大震災の衝撃や、被災後も強く生きる日本人の姿をインドネシア語でつづった本が28日からインドネシアの書店で販売されている。著者らは「インドネシアも地震が多い。危機的状況でも規律を保ち、互いに助け合った日本人の姿から何かを感じてもらえれば」と話している。

 本の題名は「ジャパン・アフターショック」。日本人男性と結婚して埼玉県秩父市に住む山下ハニーさん(38)と、エコノミストとして東京に勤務するジュナント・ヘルディアワン氏が、震災後の報道で感じたことや、ボランティア体験などを通じて見た日本人の規律正しさや互助精神をつづった。」

 在日香港人の本を紹介したことがあるが、今度はインドネシア人。感謝します。

 この本はインドネシアの英語のサイトでも紹介されています。→http://www.antaranews.com/en/news/79543/indonesian-writers-launched-book-on-japanese-tsunami-victims

 (→香港に関してはここ、http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/088246b058bf444074536d5c375cb001)

間の抜けた防災訓練-東京の地下鉄

2012-01-28 17:31:43 | 地震
 東京の地下鉄など地下空間で、帰宅困難者対策を想定したという訓練を行っていた。

 何とも緊張感を欠いた、牧歌的な訓練である。

 M7以上の直下型地震が来て、なぜ地下空間の電気系統が維持されていると想定できるのか。

 真っ暗になった時どうしたらいいのかということを第一に考えるべきだ。

 非常用の電源はどのようになっているのか。どの程度持つのか。換気はどうか。出入り口は確保されるのか。

 そもそも地下空間自体の安全性はどうなのか。地下空間は意外と安全だとされてはいる。

 しかし構造物が仮に持ったとしても、ひびが入ったりして地下水が漏れ出したり、ということは当然想定されるのではないか。

 地下に閉じ込められた人たちの救助はどうするのか。

 狭く入り組んだ都心の道に建物が崩れて交通遮断が数百か所発生したらもう火災鎮火など期待できないのではないか。

 ・・・

 最悪を考えてあらゆる対策を講じて、徹底した訓練を繰り返すとともに、できる限りまちの作り替えを行う、ということを直ちに行うべき時ではなかろうか。

 このままでは数十万の死者が出るのが目に見えるようだが、杞憂だろうか?

首都直下型地震・間近

2012-01-23 12:27:14 | 地震
 朝のニュースで伝えられていたが、首都圏直下型地震―M7級―の発生確率がここ4年で70%。

 考えてみれば関東大震災以来100年近く大規模地震がないのだから当然かもしれない。

 ちなみに地震学会では1995年の阪神・淡路大震災以降、日本は地震の活動期に入ったと見なしているとのこと。

 日本の戦後の復興も高度成長も地震活動の停滞気のおかげだったのかもしれない。

東京大学地震研究所の平田直(なおし)教授(観測地震学)らが、マグニチュード(M)7級の首都直下型地震が発生する確率は4年以内で70%とする衝撃の研究結果をまとめた。これまで政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は地震発生確率を30年以内に70%程度としてきたが、東日本大震災で地震活動が活発化したため、発生リスクが大幅に高まったというのだ。

 平田氏らの研究チームは、マグニチュードが1上がると地震の発生頻度が10分の1になる地震学の経験則を用い、M7級地震の発生確率を試算した。気象庁によると、首都圏で発生したM3~6の地震は東日本大震災の前と比べて5倍に増加。地震本部が「30年以内に70%程度」としていた発生確率は昨年の大地震が起こる前のもので、研究チームは首都圏で活発化した地震活動を踏まえ、M7級は「4年以内に70%で発生」との確率を割り出した。

 平田氏は、「これまで十分に発生確率が高かった首都直下型地震だが、3・11の地震による影響で切迫性が高まった。各個人のレベルでは家屋の耐震化や家具の固定、行政は木造建築物の不燃化など対策を急ぐべきだ」と警告している。

 政府の中央防災会議は、立川断層帯などを震源としたM7級の首都直下地震を18通り想定している。東京の直下型地震といえば、1855年11月に起こった安政江戸地震が代表例。東京湾北部が震源とされ、地震の規模はM6・9、最大震度6強だったといわれる。被害は死者4300人、倒壊家屋1万戸に及んだという。

 中央防災会議は、この安政江戸地震とほぼ同じ震源の「東京湾北部地震」を想定。冬の夕刻に発生した場合、死者1万1000人、全壊と火災焼失棟数は85万棟に達するとみている。

 4年で70%といえば、今後30年で88%とされる東海地震の発生確率よりも高い。首都圏は今後4年以内に、3・11とは比べものにならない被害に見舞われてしまうのか。

 武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏(地震学)は、「(研究チームが使った)10分の1経験則は世界中で起こった地震を踏まえて割り出したもの。これが特定の地震にどれだけ当てはまるのか、分からない部分が多い」と、センセーショナルな試算の結果に疑問を投げかける。

 ただ、その上で「(3・11以降)地震活動は海域から徐々に内陸部へと動きが移っている。福島県では海域の余震ではない、内陸の断層を震源とした活動が発生している。こうした動きがさらに南下し、首都圏で直下型地震を誘発する可能性はあり、注意が必要だ」と警鐘を鳴らした。

 震災で人命を奪うのは地震の揺れではなく、倒れる家具や潰れる建物、そして火災だ。首都直下型地震の発生確率上昇が指摘されるなか、早めの対策が求められる。」

連動地震の想定を大幅に見直し

2011-12-27 15:34:24 | 地震
「南海トラフ:震源域、2倍に拡大 西日本もM9想定--内閣府検討会

 西日本の太平洋沖に延びる「南海トラフ」で発生する巨大地震と津波について、内閣府の検討会は27日、想定する震源域と波源域を最大で従来の約2倍に拡大する中間とりまとめを公表した。

 東海、東南海、南海の3地震に加え、宮崎県沖の日向灘南部なども連動する恐れがあると想定。地震の規模は暫定値でマグニチュード(M)9・0とした。同検討会は今後、想定津波高などの検討を進めるが、防災対策の大幅見直しを迫られそうだ。【八田浩輔、池田知広、神保圭作】

 国はこれまで、南海トラフで想定する巨大地震の震源域を、駿河湾から高知県沖にかけての約6万平方キロ、規模は最大M8・7と想定していた。今回の見直しで、規模は3倍近くになり、震源域は東日本大震災よりも広い約11万平方キロになる。

 同検討会は「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大地震・津波を検討する」との考えに基づいて検討。古文書や津波堆積(たいせき)物から過去の津波高などを調査した最新の研究成果を反映させた。

 その結果、南海トラフで繰り返し起きる巨大地震のうち、300~500年に1回は津波が特に大きくなると分析。こうした地震が最後に起きたのは、1707年の宝永地震だった。また、高知県内の堆積物の分析から、約2000年前に発生した津波が最大級の可能性があるとした。

 震源域と波源域については、宮崎県内の調査で宝永地震などによる堆積物が見つかったことから、西端を日向灘南部まで拡大。国の地震調査研究推進本部が東海地震と富士川河口断層帯(静岡県)が連動する可能性を指摘したため、東端は同断層帯まで延ばした。

 北側の震源域については従来、深さ30キロまでのプレート(岩板)境界面を想定。より深い領域の地震活動の調査から、最大同約40キロ付近まで拡大した。

 さらに、南側については、南海トラフから深さ約10キロまでの浅い領域を新たな波源域として設定。これにより、津波高は従来想定の2倍程度になる地点も出る可能性がある。同検討会は来春までに、震度分布や津波高を推計して公表。国はこれを基に来秋までには被害想定をまとめる方針。」

 NHKで先日やっていた、高知大学・北海道大学の先生方の努力のたまものだろう。深謝。
 (→http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/1225.html)

 問題はこれをどう生かすかだ。

 番組で紹介されていた事例では、想像を絶する―どの程度の規模化の推測は出されなかった―大津波が過去にあった証拠が示されていた。

 しかも発生間隔から見て明日にでも起こって不思議ではないことが明かだった。

 となると対処方法も緊急に、相当の無理をしないと不可能なのではないか。

 海岸線から5キロ程度は居住地区は作らない、などとしただけでも大混乱だと思う。

 しかしそのために政治的に決断を下し、土地に対する権利を制限し、強制的な立ち退きを含む地域の再編成をやらないと、壊滅的な打撃を受けそうだ。

 これは政治家だけの問題ではなく、主権者である国民一人一人の決意の問題だ。

 もう一度3011の津波の様子を思い浮かべよう。

 あれを繰り返さないためなら、どのようなことだってすると心に誓ったはずではなかっただろうか。

ダライラマ14世・石巻訪問

2011-11-05 15:58:16 | 地震
「ダライ・ラマ14世、石巻で「必ず再興できる」

読売新聞 11月5日(土)12時5分配信

西光寺を訪れ、出迎えた子供たちとふれあうダライ・ラマ14世(5日、宮城県石巻市で)=安川純撮影
 来日中のチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世(76)が5日、宮城県石巻市の西光寺を訪れ、東日本大震災の犠牲者を慰霊する法要に出席した。

 大震災の被災地訪問は初めてで、法話では「人生を強い決意で正しく生きてほしい。その結果として必ず美しいまちを再興できる」と、被災者らに語りかけた。

 法要は石巻仏教会の主催で、津波による犠牲者の遺族ら約1000人が参加。出迎えた子どもたちの手を取り、声をかけながら本堂に入り、参加者を前に「優しさや思いやりがあれば、必ず困難を乗り越えられる」と話した。

 ダライ・ラマ14世は10月29日に来日。「苦しみを感じ、分かち合いたい」と、かねて被災地入りを希望していた」

日本は今地震活動期

2011-11-01 20:14:40 | 地震
「 マル激トーク・オン・ディマンド 第521回(2011年04月09日)

地震活動期に入った日本が原発でいいのか  ゲスト:立石雅昭氏(元新潟大学理学部教授)

 福島第一原発で予断を許さない事態が続くなか、今週は、7日深夜の地震によって、宮城県女川原発や青森県東通原発で外部電源が遮断されるなど、一歩間違えば深刻な事故につながりかねない危うい事態が、相次いで起きている。

 しかし、この一連の地震は単なる一過性のものではく、日本列島が、20~40年周期の地震活動期に入った結果にすぎないと多くの地震専門家たちは指摘している。また彼らは、向こう10年以内に東日本大震災クラスの大地震が東南海地方を襲うことがほぼ確実なことも、科学的な知見から予想することが出来ると言う。

 このような事態にわれわれは防災、とりわけ原発の防災についてどのように考えればいいのだろうか。

 地質学の専門家で、元新潟大学理学部教授の立石雅昭氏は、新潟県柏崎・刈羽原発、宮城県女川原発、静岡県浜岡原発などの現地調査を行ってきた。立石氏は、地質科学的に見てこれらの地域は原発の立地に適していないこと、強い地震が起きる可能性があること、そして、その震災により原発が深刻な事故を起こす恐れがあると警鐘を鳴らしてきた。しかし、今回の福島第一原発の事故を止めることができず、「忸怩たる思いを感じている」と話す。

 福島第一原発の事故は、津波による電源喪失、冷却機能の喪失が引き金になったが、立石氏は、国・東京電力の津波対策は想定される津波の波高より高い場所に原子炉建屋などの施設があるか否かだけを考えており、最新の知見を取り入れることを怠っていたと話す。

 07年の新潟中越沖地震は、東電が柏崎・刈羽原発直下の断層をごく短いため問題ないと判断していた。結果的には、同原発は火災を起こし、福島ほどではないにしても放射能漏れを起こした。原発の周辺だけが震度7を記録するという特殊な現象もあったが、すべての原因が解明されないまま「安全宣言」がなされ、運転は再開された。立石氏は、産官学の癒着により、危険性を指摘する研究者の意見は考慮されず、新潟で起きた事態を教訓として活かすことができなかったと言う。

 耐震対策についても、各電気事業者は原子力安全委員会が06年に改定した「耐震設計審査指針」と、07年の中越沖地震を踏まえて、基準を作り直していた。しかし、東電は東日本大震災で被災した福島第一原発、女川原発について「想定を上回る揺れ」が起きたと発表している。

 立石氏によると、日本の地震には活動期と静穏期の周期性がある。

 1896年の明治三陸地震以後、1923年の関東大震災までの27年間は「静穏期」で、大きな地震は起きていない。

 しかし関東大震災以降の25年間は、昭和三陸地震、東南海地震、南海地震などM8近くの大震災が頻発した。1948年以後は「静穏期」に入り83年の日本海中部地震まで、大きな地震は起きていない。この時期は日本の高度経済成長期と重なった。


 そして、95年の阪神・淡路大震災以降、「活動期」に入った。特に、東海地震が起きる確率は文科省の地震調査研究推進本部の発表で80%以上とされている。立石氏は、この研究推進本部の発表は地質学・地震学などの研究者の間で統一された見解であり、疑義を差し挟む者はいないと言う。

 現在の「活動期」、つまり95年から25~30年間、おそらく2025年ぐらいまでにM8以上の地震が起きる。東海・東南海・南海地震が連動して起こればM9を超えるという。静岡県の浜岡原発は、この危険地域に存在している。

 地震活動期に入った現在の日本に原発が存在する危険性を、どのように考えるべきか。立石氏とともに、神保哲生・宮台真司が議論した。

プロフィール

立石 雅昭たていし まさあき(元新潟大学理学部地質科学科教授)

1945年大阪府生まれ。71年大阪市立大学理学部地学科卒業。73年京都大学大学院理学研究科修士課程修了。78年同博士課程修了。理学博士。79年新潟大学理学部助手などを経て、94年教授、11年3月に退任。08年より新潟県「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」委員、「地震、地質・地盤に関する小委員会」委員。」