白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

セリーグに告げる

2011-03-20 19:10:50 | スポーツ
 セリーグが3/29日からの開幕と、ナイター実施を決定した。

 神経を疑う。

 大規模停電の原因となったらどう責任を取るつもりか。

 それで亡くなった人が出たらどう責任を取るつもりか。

 
 そもそもプロ野球は常々ファンあってのプロ野球と言ってきたはずだ。

 そのファンが今東北で命を落とし、行方が分からなくなり、親や子供、孫たちを悲痛な声で探しているのだ。

 球団としてまず考えるべきことは、彼らのために手を差し伸べるにはどうすればいいのか、ということではないか。


 
 まずは寄付、支援物資の集約や運搬。それぞれの親会社の特徴も活かしつつ、プロ野球機構全体として震災対策特別チームでも立ち上げ、金銭的・物的・人的に支援していくというのが筋ではないか。

 
 それが144試合完全消化のためには3/29日開催が必要…。

 知ったことか。


 パリーグが決めた4/12が妥当かどうかは分からない。

 しかしセリーグよりまともであることは確かだ。

 選手会も同様。

 各球団はまず支援の為に活動し、そして野球もドームやナイターなど、電力を食うところではやらず、その分地方球場で開催したらどうか。

 例えば新潟には昨年オールスターを開催したできたての球場がある。

 ここで開催し、避難している人たちを招待したらどうだろうか。

 プレーが減っても、施設が落ちても、きっとファンはプロ野球を愛し、支持し続けるだろう。


 今のセリーグ、巨人・清武のようなことを言い、行動しているようでは、プロ野球、なかでもセリーグは決定的に支持を失うだろう。

福島県避難者を宿泊拒否!・・・あなた方はそれでも人ですか?

2011-03-20 19:07:38 | 原発

 J-CASTに以下のニュースあり。怒りとともに暗澹たる気持ち。旅館名を公表せよ。

 以後不宿泊運動の対象にしよう。

 「福島からの避難民「受け入れ拒否」問題 揺れる旅館業界、ネットにも非難続出

2011/3/20 12:57

厚生労働省は2011年3月19日、福島第一原発の事故を受けて県外に避難する人々の宿泊を拒否しないよう、旅館・ホテル業界への指導を求める通知を、都道府県などに提出した。

厚労省には、19日までに、福島からの避難者の宿泊受け入れに関する問い合わせのほか、福島から来たことで宿泊を断られたという相談も数件あったという。

山形県の避難所と避難者数

2011-03-20 18:58:48 | 原発

 山形県の避難所の詳細が以下の資料にのっています。山形県庁が出している、3/20/18時現在のものです。

 
 http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/03/fukkou/lifeline/hinanjo.pdf

 山形県は受け入れ可能人数 8754名、受け入れ数 3834名となっています。
 

 

福島県浪江町の現状―河北新報の記事

2011-03-20 18:40:45 | 原発
 武田邦彦氏のブログで深刻な事態になりうると指摘されている浪江町に関する記事。

 19日午前9-11時の間に、132から136マイクロシーベルトを観測したとしている。(1時間当たり)

 浪江町は遅くとも15日頃からはすでにかなりの被曝を受けているので、今日の量(134とする)で単純に計算すると、今までに累積した被曝量は、134×24×5.5=17688マイクロシーベルト、即ち約17.7ミリシーベルトになる。

 これはどう見ても危険なレベルである。

 住民は自主避難しているようであるが、即刻移動したほうがよい。

 というよりも境界領域の市民は、物資の搬入も滞りつつある現状を考えて、直ちに避難すべきである。



 「福島のニュース  放射線量 浪江、飯舘で高い数値「長時間外にいないで」

 福島第1原発事故で、文部科学省は原発から約30キロ北西の福島県浪江町で19日午前9時20分~11時20分に1時間132~136マイクロシーベルトの放射線量を観測したと発表した。

 前日の測定では1時間140~150マイクロシーベルトだった。

 ほぼ同距離の同県飯舘村では19日9時35分~11時35分に1時間55.6~59.2マイクロシーベルトを記録した。

 測定機器と測定条件が異なる可能性があるが、同県の観測結果より高い数値になっている。


 経済産業省の西山英彦審議官は19日の原子力安全・保安院の記者会見で「直ちに健康に影響する値ではなく、避難区域を変更する考えもない」と述べた上で、
 「ずっと外にいれば浪江町では1年間に自然界で浴びる2400マイクロシーベルトを1日で超える。あまり体に良くないので気を付けてほしい」と話した。

 浪江町の一部と飯舘村のほとんどは、原発から20~30キロ圏の屋内待避区域の外に位置するが、風向きなどで高い数値が出る傾向がある。住民は自主避難しているという

 福島県災害対策本部によると、19日午後3時の県の測定では飯舘村で前日より0.20マイクロシーベルト高い21.50マイクロシーベルトを計測した。

 福島市は前日比1.50マイクロシーベルト低下の9.70マイクロシーベルト。

 南相馬市3.04マイクロシーベルト、白河市2.40マイクロシーベルト、郡山市2.10マイクロシーベルト、いわき市0.86マイクロシーベルト、会津若松市0.37マイクロシーベルト、南会津町0.09マイクロシーベルトだった。

2011年03月20日日曜日」

国家の体制整備と人材の配置・考え方

2011-03-20 18:27:45 | 原発
 今回の事態を見て、以前から言われていることではあるが、この国には、「もしも」を前提とした体制がないということである。

 もちろんこういえば、地震対策も津波対策もあったというかもしれない。

 そうではない。

 例えば、東京が核攻撃を受けたら、大震災で首都圏が崩壊したら、富士山が大爆発したら、・・・このような事態が複合して起きたら、といった事態を前提に本気で物事を考えてこなかったのである。

 そんなことはまさか起きないだろう、という前提で、平時に経済活動の効率を最適化することだけをやってきた。

 そのことに最適化できる人間だけが偉くなってきた。

 いったんそういうタイプが上に来ると、似たような人間だけがエリートとして選出されていくことになる。


 まさか・・、ということをいう人間は「トンデモ」扱いだったのである。


 しかし今後はとんでもない事態を想定した街づくり、産業のあり方、災害対策、そして国防体制を考えなければいけないのではないか。

やれないことをやれるというな・・・体面と嘘が招いた危機

2011-03-20 18:23:23 | 原発
 韓国の中央日報の社説が日本の政府・東電の問題点を指摘している。

 「
[社説]日本の状況が目覚めさせた国のリーダーシップと人事の重要性

MARCH 19, 2011 07:06

 日本政府が、福島原発事態を巡り、東京電力のずさんな報告をそのまま信じ、発表したため、結果的に、絶えずうそをついたことになった。

 原発事故は、国民の命と直結しているだけに、最初から、政府がしっかり目を配っていたなら、事態はこれほどまで深刻にはならなかったかもしれない。

 迅速かつ正確な情報公開が行われず、混乱や国民の不安を増幅させたことも問題だった。日本政府は、原発問題が浮き彫りになり、5日間が過ぎてからようやく、対策本部を立ち上げた。
 
 菅直人首相は13日、被害現場の捜索や復旧に向け、自衛隊10万人を動員せよ、と指示した。しかし、自衛隊に対し、食料品の輸送命令が下されたのは、食料品不足事態が浮き彫りになった16日のことだった。

 米国が、今回の原発災害初期に、事故収束のための支援意思を伝えたものの、日本政府は自ら解決できると主張し、拒否したが、これもまた、短見だった。事態初期に、世界が驚くほど落ちついで対応した日本国民が、政府の右往左往する対応振りに、ついに堪忍袋を切らし始めている。

 米国は、原発事故初期、原子炉の冷却技術の支援を申し出たが、日本政府や東京電力が拒否し、危機的状況を増幅させたと、日本のメディアが報じた。米紙ニューヨークタイムズは、日本政府のリーダーシップの不在が日本の危機を一段とあおっていると主張し、日本のリーダーシップを「真空状態だ」と指摘した。明確かつ時宜に叶い、国民を安心させるコミュニケーションのリーダーシップが見えないという。

 菅首相は17日、行政能力のある民主党の仙谷由人代表代行(前官房長官)を、1ランク下がった官房次官に急いで起用し、事態収拾に取り掛からせている。藤井裕久官房次官は、高齢な上、健康が芳しくなく辞任した。普段から、適材適所に人材を配置しなければ、国が非常事などの特別状況が起きたときは、必ず問題になる。・・・」

3月20日15時現在の新潟県内受け入れ状況

2011-03-20 18:17:06 | 原発
県外避難者の受入状況について(3月20日15時現在)

3月20日15時現在

県外避難者の受入状況は、別紙のとおりです。

【概要】
1 避難所
県内77箇所の避難所で7,849人を現在受入(今後854人の受入予定あり)

2 病院
74人

3 民間宿泊施設
1,581人(宿泊施設100箇所での調査)



【本件についてのお問い合わせ先】

(避難所での受入について)
住宅確保対策班 電話 025-282-1748 (直通)

(病院での受入について)
医療活動支援班 電話 025-282-1741

(民間宿泊施設について)
観光振興課 電話 025-280-5242


 なお詳細な受け入れ先情報は下記のPDF資料を参照のこと。
 
 http://www.bousai.pref.niigata.jp/contents/dbps_data/_material_/localhost/03201700ukeire.pdf

新潟県内の放射線量―県のデータの転載

2011-03-20 18:13:23 | 原発

3月20日16時30分 県内の放射線測定状況(16:00現在)

県では、東京電力(株)福島第一及び福島第二発電所の事態の推移をうけ監視を強化しています。

本日16時現在、下記のとおりで、異常な値は測定されておりません。

【追加配置可搬型モニタリングポスト】

新潟市西区(放射線監視センター新潟分室):0.045μSv/h

長岡市(長岡地域振興局):0.049μSv/h

阿賀町(新潟地域振興局津川地区振興事務所):0.075μSv/h

南魚沼市(南魚沼地域振興局):0.116μSv/h

新発田市(新発田地域振興局):0.051μSv/h

上越市(上越地域振興局):0.049μSv/h


【柏崎刈羽原子力発電所周辺モニタリングポスト】

柏崎市(柏崎市街局):0.041μSv/h

刈羽村(刈羽局):0.036μSv/h


※測定はnGy/hの単位で行っていますが、1nGy/hを0.001μSv/hとして換算しています。
※既設の柏崎刈羽原子力発電所周辺における通常の測定範囲は0.016~0.16μSv/h程度です。

リビヤ開戦

2011-03-20 17:27:03 | 原発
 国連安全保障理事会の決議に基づき、英仏が中心となり、アメリカも加わってリビヤに対する航空機と巡航ミサイルによる攻撃が実施された。

 国内の惨事に気を取られていたが、英米仏は決して人助けだけをしてくれるお人よしではないことが改めて示された。
 (BBCのサイト http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12796972)
 (アルジャジーラ http://english.aljazeera.net/)


 ここ20年ほど、すなわち冷戦後の国際情勢を振り返ってみると、ソ連の崩壊によってアメリカが唯一の超大国となり、中東の既存の体制を大きく壊してきたということがある。

 しかしアメリカはその後中東をどのように再建するのかについては、あまり成功していない。

 ソ連は崩壊し一時国際的影響力が大幅に低下したが、この間急速に復活してきた。ただその復活はイギリスなどの国際的な資本との連携を行いつつ、豊富な資源を活用して実現されているように見える。

 従ってロシアの対外政策はソ連時代とは異なり、決定的な対立は欧米との間で起きないようにしてきた。

 中国はここ20年間で最も発展した国であり、今やGDP世界2位の経済大国であり、国際的影響力もかつてとは比較にならない。中東やアフリカに対しても資源外交を展開し、影響力を拡大してきた。

 中国はアジアや自国近海では海洋権益の拡大など、積極的な政策を展開しているが、中東やアフリカについては、まだまだ積極的に影響力を行使できる段階ではないようだ、

 しかし今のまま着実に力をつければ、やがて発言権を持ってくるだろう。

 他方アメリカはブッシュ政権二代の行動の結果、著しく国力を衰退させ 特に金融危機後は国際的に信認が低下している。

 その中での今回一連の中東民主化の動きをどうとらえればよいのであろうか。

 一つはアメリカと結びついてきた中東の独裁体制が、本家アメリカ自身の弱体化と、独裁体制の制度疲労(国によって様々な要因はあろうが)によって解体過程に入ったと考えられよう。

 但し4年ほど前には中東の若手の活動かをアメリカの国務省が読んで、体制と戦うトレーニングをしたという報道もあるので、アメリカは利用価値が低下しつつあり、なおかついずれ後退させざるを得ない中東の独裁体制に代わる体制の育成を始めていたといえるかもしれない。

 また今回目立つの英仏が前面に出ていることである。

 それが可能になったのはまずアラブ連盟が、カダフィ政権は、自由を求める市民の抗議行動を武力で弾圧し、無辜の市民を殺している。だからそれを止めるために国際社会に介入してほしい、と言ったからである。

 アラブ連盟が国連の介入を認め、それに対してドイツが、「アラブ連盟は欧米の介入に反対してきたではないか」という事態にまでなったのはなぜなのか。

 アラブ連盟自体多くの親米国家を含み、やや英米傀儡のアラブの連合組織であった。

 それはナセルに代表されるアラブ社会主義が失敗し、ソ連の影響力が低下する中で、英米中心の中東を構築するために作られた仕組みの一つだったといえよう。

 アメリカ等にとっては自分が直接言う代わりに、アラブ連盟がアラブの声としていろいろなことをしゃべってくれるのはありがたいことであり、何より適当な交渉相手が必要だった。

 今回アラブ連盟はこの間中東の変動に対してほとんど無力である。

 従来型の親米体制の崩壊と軌を一つにして無力化しつつあるようだ。


 アメリカはゲーツ国防長官がいかにも自分たちは介入に消極的だという発言を繰り返してきた。

 しかし中東の体制が大きく崩壊するなかで、それを自分たちのリーダーシップのもとに再編成したくないなどと考えるわけがなかろう。

 そこでアメリカは前面に出ず、英仏が前面に出て相互に緊密に連携しながらリビヤをたたくということになったのではないか。

 また中国の台頭がこの地域に影響を与える前にということもあろう。

 
 そして何より、イランやトルコといった、ここ10年ほどで急速に地域大国として存在感を増してきた国々がある。

 英米仏にとってはイランの影響力を排除した中東の構築こそ急務だろう。


 そのためには、新たな市民の動きの側にうまく立つことで、権益を確保し続け、地域の派遣に影響を与え続けようということなのかもしれない。


 但しリビヤで蜂起している人々が、おあつらえ向きに新欧米になるとは限らない。

 実際イギリスが支援に送り込んだ特殊部隊は市民運動側の兵士に拘束された上、われわれは英米の傀儡になるつもりはない、として送り返されてしまった。

 他方バーレーンではサウジやアラブ首長国連邦が兵を送り込んだり、市民を政府軍が射殺したりしている。

 ムスリム同胞団、シーア派の影響力…。


 見通しのきかない混乱が拡大しつつある。

ヨウ素剤の販売

2011-03-20 17:18:40 | 原発
 ヨウ素剤への需要が高まっているが簡単に入手できない。そのためうがい薬を飲むなどといった無茶な話が出てきている。

 政府はヨウ素剤を原発周囲100キロをめどに、今までの風向き・被ばく量を検討して、乳幼児、妊婦、子供たちを中心に大量頒布すべきだ。

 諸外国は支援を惜しまないと言っているのだから、国内の生産が止まっても他から入れることは可能だろう。

 (国内では地震のため生産の大半を担ってきた工場がストップしている http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/cbc453699abe16f35fe31ac3fd5dcd17)

 至急手を打て。

 なお販売先のサイトを再掲示する。

 これは三牧薬局のサイトです。

 http://www.e-tyozai.com/ki.html

環境問題のおかしさと原発

2011-03-20 17:13:07 | 原発

 私の地元新潟には、柏崎原発がありますが、東京電力は豊富な資金に物を言わせて住民を分断し、議員を動かして原発の建設を進めてきました。

 中越地震後の柏崎原発の運転再開に関しても、地元新潟大学の先生方が疑問を呈し、特に付近に新たにいくつもの活断層が存在していることを指摘しながら、東京の政府の委員会(中心メンバーは東大の先生方)のOKが出て、運転再開となりました(IAEAがOKしたこともありますが)。

 そういえばあの時何号炉だったか、原子炉建屋に隣接する発電施設か何かから出荷していたことが思い出される。

 原発の事故というのは回復不能なダメージを広範な地域にもたらすという点で、他の技術や施設と比較できない、隔絶したものがあると思います。

 この間環境問題がCO2の問題に矮小化され、原発そのものが深刻な環境問題要因だという視点が外されてしまいましたが、もう一度まともな視点が回復されることを期待したいと思います。

武田邦彦ブログの転載-5 安全性の問題に就いて

2011-03-20 16:30:40 | 原発
 昨日今日と少し疲れが出てしまった。

 昨日のTBSの番組でビートたけしがこの間の報道を見ていると気が沈んで体調がおかしい、と話していたが、本当にそんなところがある。

 個人的には中国からかえって以降何かと忙しく、その前も含めるとこの間ずいぶん休んでいなかったような気がする。

 考えてみると被災者の方たちも毎日忙しく、それぞれ悩みや心配事も抱えながら生活されていただと考えると、蓄積される疲労も容易ではないだろう。

 
 この間福島原発について少し状況が落ち着いてきた。以下に引用する武田邦彦氏によると、数日の時間的余裕が出てきたとのことである。

 だからと言って問題が解消する方向に向かっているとは言えないだろう。

 そこでこの間の状況と安全性に関して論じた武田氏のブログを引用するので参照していただきたい。


 以下では①原発はまだ安心できないが、2―3日間の時間的余裕が出てきた。

 ②福島、茨城、宮城南部、栃木北部は雨の日の外出を控えたほうがいい。

 ③放射線の影響で今いわれているのはもっぱら「短期的な影響」であるが、本来放射線は遺伝子を損傷するので、長期的な影響が問題―但しこれの立証は困難。

 ④水や野菜に関しては福島、茨城など周辺地域では要注意。水はペットボトルを薦める。

  などになろう。以下詳細は下記をご覧いただきたい。


 「原発 緊急情報(15) ご質問の多いことについて
・・・・

 福島原発の事故の第1段階は最初の頃水蒸気爆発が起こったりした時期で、変化は激しく、危険でした。

 特に、その頃は放射線があまり原発から外へ出ていなかったので、東京電力は相当無理なことをして放射線が外に出ないように頑張るだろうと考えていました。

 例えば、原子炉の中の圧力が上がった場合、圧力を低くすると、外部に放射線物質が漏れるので、東電の責任者はびびって、それができないと思う可能性があったのです。

 そうすると、圧力が上がり原子炉が爆発する危険があると考えたからです。

 ところが2号炉の格納容器が割れたために、発電所の中の放射線が一時400ミリシーベルトというものすごく大きな値なりました。これは良くないのですが、わたくしはこれを聞いて逆に安全になった、第2段階に入ったなと思いました。
というのは、東電の責任者が放射線を漏らしては行けないというプレッシャーから解放されるので、圧力容器が破裂する可能性が少なくなったからです。


 そして、自衛隊が水を注入し始めた頃から第3段階に入ったと思います。

 すでに1号機から3号機は原子炉の中の燃料の問題、4号機は使用中の核燃料の貯蔵の問題になりました。

 これらは水の補給がうまくいかなければ燃料が破損しますが、それには3、4日かかるでしょう。従って、行動する時間的余裕が出てきたということが言えます。


・・・・・・・・・

 このような状態の中で多くの人が心配されていることが3つ程あります。

 一つは明日あたりから天候が悪くなって関東地方に雨が降る可能性があるということです。放射性物質が空気中にある場合に雨が降るとそれが地表に落ちてきて人体に付着します。

・・・・

 そこでわたくしは気象庁が出している雲の動きを調べてみましたら、もし明日関東地方に雨が降った場合、その雲は放射線の少ないところ(ほぼ安定して日本海)から来ますので、少なくとも東京、横浜、大宮、千葉については問題はありません。

 福島県及び茨城県と栃木県の北部、宮城県の南部については、すでに空気中にある放射性物質が落下するので、できるだけ雨の降っている時には外に出ない方がいいと思います。

・・・・・・・・・

 第2に、政府やテレビは相変わらず時間当たりの放射線のことを言っていて、それとレントゲンとか飛行機の関係で「直ちには障害がでない」と言っています。

 しかし、もともと放射線は遺伝子に損傷を与えるもので、すぐには障害は出ません。

 また、一般人の基準である1ミリシーベルト(これから先はシーベルトは省略します)を浴びても大丈夫だということを随分多くの人(政府、テレビ、専門家、一般の人がネットで)が書いています。

 わたくしもどちらかと言えば個人的には放射線はもう少し高くても大丈夫ではないかと考えていますが、このような非常時では個人的な考えはあまり表に出すべきではなく、やはりいろいろな会議を経て決まった国の基準を守ることが大切だと思います。

 でも、これほど「大丈夫」と強調されているので、少しデータを説明します.

 女性で医療関係のお仕事をされているかたで放射線をうける人の場合、被曝限界をどのように考えるか長く議論されています。

 いろいろな考えがありますが、最も標準的には女性で医療関係の放射線を浴びるような仕事をしている場合、1ミリを超えたら仕事をさせない方が良い
というのがこの仕事の関係の専門家がおおむね合意してるところです。

 従って、1年に1ミリから数ミリぐらいが良いのでしょう.
次に、東京からニューヨークまで飛行機で行くと、かなりの被曝をすると言われますが、これについては航空関係者の間で議論があります。

 おおよそ一般人の基準の1ミリに比べて、その5倍の5ミリ程度がが妥当であると考えられています。5ミリというと、例えば1ヶ月あまり同じところで生活する人は、1時間当たりの放射線は5マイクロになります。

 福島県の多くのところは、時間当たり5マイクロを越えてますから。航空機で仕事をする人の基準値を超えるということになります。

 三番目はチェルノブイリの事件のときに、スウェーデンで妊婦の影響を調べた研究があります。

 チェルノブイリの時に、スウェーデンで観測された一番高い放射線は1マイクロとでした。ですから日本で言えば、福島県はもとより、茨城県と栃木県の北、宮城県の南方がそれにあたります。今のところ東京、横浜、大宮、千葉は、1マイクロを下回っています。

 テレビや政府は1マイクロでは全く健康に問題がない(すぐには障害がでない)と言っています。しかし注意しなければならないのは、テレビや政府は「短期間に障害が出ない」と言っていることです

 スウェーデンの論文を読むと、妊娠しているときに1マイクロの放射線を浴びた子供は、頭の発達が少し遅れ、特に数学の力が落ちたというふうに報告されています。

 ただ、子供の体の方は健康だと報告されています。

 わたくしはこの論文を紹介するかどうか少し迷いました。妊娠しているお母さんにしてみれば、生まれてくる子供の頭の発達が遅れるということはとても衝撃的なことだからです。

 もちろん論文ですから先端的なことであり、あるいは間違いもあるかもしれません。

 論文を紹介しておいてやや無責任ですが、ヨーロッパの論文には少ない例で断定的な結論を導くものがあり、私はこの論文に否定的です.読者の先生からもご連絡がありましたが、日本の医学の知識でも論文の記述は疑わしいと言っておられました。

 従って、この論文に記載されていることが事実であるか、少し保留させてください。実は妊婦についての影響はそれほどはっきりとしたレポートがないのです。その理由は妊婦が高い放射線のところでさらされることがないことと、放射線が低いところではかなり多数の例をとらないと学問的にはっきりしないからです。

・・・・・・・・

 三番目は水道等の汚染です。

 水道やその他の野菜が汚染されたという報告がありますが、これは当然のことです。すでに福島原発から遠く離れた福島市で20マイクロという放射線が報告されているわけですから放射能を持つ物質が広く拡散していることは間違いありません。

 問題は程度の問題ですが、わたくしがもし家族に言うならば、飲み水はできるだけペットボトルで飲むこと、洗濯や掃除お風呂等は、水道を使っても問題がないと答えると思います。

 また、野菜等は1日中、外にいるのですから、すでに7日間というと1時間あたり20ミクロンでも、3ミリを越えています.

・・・・・・・・・

 皆さんから多くのメールをいただき、本来は一人一人の事情が違いますから個別にお答えしたいのですが、現在のところブログを書くのが精一杯というのが正直なところです。
申しわけありませんが、しばらくできるだけブログを多く書くようにしますのでご参考になってください。また誤字脱字もご容赦ください。
(平成23年3月19日 午後7時 執筆)