白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

<新書ご紹介> ●『被ばく列島』(小出裕章・西尾正道著:角川ONEテーマ新書)/ちきゅう座より

2014-10-31 19:23:18 | 放射能
「●『被ばく列島』(小出裕章・西尾正道著:角川ONEテーマ新書)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033163383&Action_id=121&Sza_id=C0



1.原発の立地周辺地域でも、がんが多発している 北海道泊村のデータ

(以下、一部引用)

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また世界的には原発事故が起こらなくても原発立地周辺の子どもの健康被害は報告されています。実際に北海道の泊原発なんかの周辺地域では、がんの患者数がダントツに多い。道内平均の1.4倍程度です。岩内町と積丹町は近隣町ですが、これらの原発周辺地域でも年齢補正をしてもがん死亡率が増えています…。この集計は北海道庁管轄の北海道健康づくり財団(理事長は北海道医師会会長)によるものです。事故が起こらなくても水の形で存在してβ線を出すトリチウム(三重水素:H3)が関係しているのだと、私は思います。この問題は本当に難しく、放射化したものが水の組成になっていますから、体の中に入ったら分離できないし、測定できないでしょう。福島事故後に続いている海洋汚染水にも大量のトリチウムが含まれています。



私の友人である獨協医科大学放射線医学講座の名取春彦医師は、DNA合成期の細胞のDNAにトリチウムが取り込まれていることを画像で証明しています。



(中略)実際にカナダの重水を用いる原子炉(CANDU炉)のトリチウム排出と、その結果の周辺地域に住む子どもたちの健康被害(ダウン症、新生児死亡率、小児白血病)の増加が報告されています。



(中略)関西電力は美浜、高浜、大飯の3原子力発電所から2010年度(2010年4月~2011年3月)の1年間で13.4兆ベクレルのトリチウムを、液体の形だけで(若狭湾に)放出しています。



生命現象に重要な役割を果たしているすべての化合物の中には水素原子がありますから、その放射化した水素が影響はないとはいえません。分かっていないだけの話です。ですからまったく無根拠にトリチウムは影響がないという政府の言い訳は説得力がありません。原発を稼働させるだけで、事故が起こらなくても、トリチウムは大量に海に放出されますので、原発稼働そのものが健康被害の原因となりえるのです。



2.根拠となる被ばく実測データがない

(以下、一部引用)

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この間、甲状腺がんが問題になりましたけど、甲状腺の被ばく線量だって根拠となる実測したデータが全然ない。科学の基本的姿勢は現実のデータを把握することから始めなければなりませんが、こうした基本的な姿勢がなさ過ぎます。科学者としては失格です。それは事実を隠す姿勢にもつながりますし、具体的なデータがなければ国や東京電力にとっては訴訟されても有利です。事故直後に当時の国立がん研究センターの嘉山孝正理事長が大量に準備したガラスバッジ…は、政府レベルで配布を止められました。しかし今になって、帰還を促すために住民にガラスバッジを配りだしました。



(中略)また何よりも、福島県内で空間線量率の高いところに住む人たちの生涯にわたる被ばく線量を測定して、長い年月をかけてどういう健康被害が出るかという実測値との相関をきちんと分析する対応が一番大事なことだと思います。もちろん小児の甲状腺がんの検査だけではなく、職業被ばくに準じた地域に住まわしているわけですから法治国家であるならば住民全員に対して、法律に従って放射線に対する教育訓練や健康診断をするべきです。



3.セシウム・ホットパーティクルに注目せよ

(以下、一部引用)

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しかし、つい最近になって、気象研究所の人が汚染をずっと調べて、試料を少しずつ分画していったら、セシウムは分散しているわけじゃなくて、塊で存在していることを見つけた。溶けていなくて、粒子になって、他の金属なんかと多分、混合して合体して、粒子として存在している。そうすると溶けないんです。



それはセシウムが放射性微粒子として存在しているということ、いわゆるセシウム・ホットパーティクルですね。



事故後に生じた鼻血もこうした大気中に浮遊した塵と結合したセシウム・ホットパーティクルを吸い込み、湿潤した鼻腔粘膜に付着したため局所的に被ばくしたことによるものだと説明がつきます。2013年8月末の『ネイチャー』電子版に筑波の気象研究所で事故後の大気中の浮遊塵を捕集した研究で、放出されたセシウムを高濃度に含む不溶性の球状微粒子について足立光司氏が報告しています[図表20]。ICRPは低線量被ぱくの影響をブラックボックス化していますが、これが体内に影響するわけですから、かなり考え方を変えるべきだと思いますし、低線量被ばくによる諸症状の説明もつきます。



4.瓦礫を燃やした結果

(以下、一部引用)

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こういう低線量のところに住むことは、単純に空気中の問題だけではない。例えば瓦磯を北九州市が行って、燃やした。2013年1月15日の九州各県(佐賀県・福岡県・長崎県・熊本県)の空間線量率グラフを見ると、見事に福岡県だけが、瓦磁を燃やしているので高くなっています…。周辺の他の3つの県は、0.05マイクロシーベルト/時ぐらいで平坦に推移しているのに、福岡県だけが高い。



2-1.ガラスバッジの罠

(以下、一部引用)

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放射線が当たったバッジの中にある特殊なガラス素材は紫外線窒素レーザーを当てると発光する(ラジオフォトルミネッセンス現象)ので、その蛍光量を測定し、被ばく線量を測ります。しかしこのガラスバッジは放射線の方向性に絡んできますし、背後からの放射線は体を通過してからガラスバッジに当たりまずから減弱して測定されます。また外部被ばくの線量は、1センチメートルの深さの線量で代替えするので、空間線量率からの計算と比べると低い値となり、被ばく推定値の約60%となります。



事故直後のように線量が高い場合は、ガラスバッジはそれなりに被ばく線量の評価手段として使用できます。しかし3年も経過した今では、実際に被ばくした線量の4分のl程度しか出ないし、さらに線量が低い地域では感光限界(100マイクロシーベルト)の問題もあり、20分のl以下となるともいわれています。低く出た測定値を振りかざして為政者は帰還政策の1つとして利用しようとしているのです。ガラスバッジで低い測定値を根拠に帰還を促す罠には気をつけてもらいたいと思います。



実際にいろんな職種がガラスバッジを使っていますが、最も被ばくしている診療放射線技師でも平均0.8ミりシーベルトで、医師は0.31ミリシーベルトです。またこうした職業被ばくをモニタリングしている人たちは、放射線防護の教育訓練や健康診断が義務づけられています。そういう点では、ガラスバッジを配って、少ないからといって、帰還させようとしていますが、これ自体も大変大きな問題です。ガラスバッジを持っている人は、職業被ばくの範疇として考えて、放射線についての教育訓練と最低限年1回の健康診断をするのが筋です。

2-2.除染についても物申したい

(以下、一部引用)

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また除染に関しては無駄なことをしています。政府は除染の目的は50%といっているが半減期約2年のセシウム134の時間的な減弱が40%、10%が除染作業で、トータル50%という、そんな馬鹿げた計算をしているわけです。安心安全プロジェクトの吉田邦博さんの実測データでは、家の外壁と室内の内壁を比較すると、壁の遮蔽率は12%程度ですし、除染前と除染後の比較では低減率は25%です。しかしこの低減率の20%は半減期2年のセシウム134の自然減弱によるものです。



(中略)また、つねに政府や行政のやっていることは、後出しジャンケンです。だから人間では体表面汚染が6000CPM(カウント・パー・ミニッツ)以上は除染が必要とされていますが、SPEEDIのデータ公開を止めた県知事は、2011年3月13日には1.3万CPMまでOKとし、さらに翌14日には基準を10万CPMにまで引き上げました。とんでもない数値です。



また政府は年間1ミリシーベルトを、これは無理だと思ったら、20ミリシーベルトに上げる。作業員は緊急時100ミリシーベルトだったのが、急逮250ミリシーベルトまで上げる。・・・・・



2-3.放射線の概念とその単位

(以下、一部引用)

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放射線に関する単位と概念のまとめを図表27に示しますが、人体の影響を考える場合の実効線量シーベルト(Sv)は、吸収線量(Gy)× 放射線荷重係数×組織荷重係数、となります。なお、1Sv=1、000mSv=1,000,000μSvです。人体への影響は単にSvの単位を用いて考えています。しかし、実際の影響は、時間的因子(急性か慢性か)、被ばくした範囲(全身か局所か)、被ばく形態(外部被ばくか内部被ばくか)によりその影響は異なります。



ところで、医療法や放射線障害防止法では放射線発生装置を設置している病院などの放射線管理区域は、3カ月で1.3ミリシーベルト以上、管理区域の境界から出していけないと決まっています。放射線管理区域では労働基準法で18歳未満の就業は禁止され、また医療法では飲食が禁止されていますが、今は妊婦も子どもも住まわして、飲み食いもさせているという状態です。労働基準法違反や医療法違反をしている異常な事態です。



また調べていて分かったことは、ICRPが年間1ミリシーベルトを一般公衆の基準にしているのですが、日本にはこうした基準はなく、原子力規制の法律において原発敷地外には年間1ミリシーベルト以上出してはいけないという法律があるだけです。



(中略)セシウム137のエネルギーは662キロエレクトロンボルト(KeV)です。(人間の体内の水の水素と酸素の結合エネルギーに比べて:田中一郎が補記)約10万倍高いエネルギーです。なぜこんなに違うエネルギーの問題を考えないのか。海洋汚染の問題でトリチウムは分離できず大量に海に流出していますが、最近になって政府はトリチウムのエネルギーは低いので人体への影響は少ないと弁明していますが、冗談ではない。



トリチウムの平均エネルギーは、5・7KeVぐらいですから、体内の電気信号の約1、000倍です。原発稼働により、トリチウムは事故が起こらなくても大量に海に出されていますから、周辺地域の人たちの健康被害はトリチウムが関与していると私は考えているくらいです。



(中略)それから30~40年前は中性子線による放射線治療の研究がなされました。それは、同じエルギーでも普通のX線やγ線、β線より1.7倍くらいの殺細胞効果がある。同じ放射線の量でも1.7倍くらい細胞に障害性を持つということで中性子線が注目されました。しかし深部に到達することが難しかったので中性子線治療は止められ、今やられているのは、陽子線とか炭素イオン線を使った粒子線治療です。



(陽子線とか炭素イオン線などの粒子線治療装置は:田中一郎が補記)X線やγ線、F線に比べて、1.1~3倍程度の強い効果があるとされています。それは線エネルギー付与(LET=リニアエネルギートランスファー)という言葉で説明されますが、同じエネルギー量の放射線でもどんな放射線の種類かによって軌道内の電離密度の違いがあり、細胞障害性が違います。炭素イオン線などは高LET放射線で、通常の診断用に使用するX線は低LETの線質です。核反応生成物は最も高いLETの線質です。従って、より影響が強いのです。



2-4.海洋汚染は、なぜ深刻か

(以下、一部引用)

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しかし現在のような放射能汚染水の流出が発表される前のものですから、今はもっと深刻だと思います。海洋汚染の情報をキャッチしている情報大国の米国は2013年の7月に、緯国は9月に日本の海産物の輸入を規制しました。韓国が規制した時に新聞は大きく取り上げましたが、実は米国が7月にいち早く規制し、9月にはさらに規制を拡大しています。報道されませんが、本年(2014年)5月23日現在、63カ国において放射性物質による汚染に関わる輸入規制が行われています。



(中略)(放射性ストロンチウムが:田中一郎が補記)神経細胞間の神経伝達物質の組成成分の1つであるカルシウムと置換し、本来の神経伝達物質としての機能を果たせなくなる。そういうことで何が起こるかというと、自閉症スペクトラムの症状に似た発達障害を生じるという可能性です。ストロンチウムも発がんだけでなく発達障害に関与している可能性も考える必要があります。



(中略)核分裂は基本的には、質量数約130~140のセシウムやヨウ素と質量数約90前後のストロンチウムなどにほぼ等分に分裂して自然界に出されますので、ストロンチウムは大量に海に行っています。測定していないだけの話です。またストロンチウムは骨に取り込まれますから、白血病などの骨髄疾患の発症をもたらします。そのためセシウム以上に純β核種のストロンチウムのほうが実際には深刻だと思っています。



(中略)セシウムは体内ではカリウムと類似した動態ですので、カリウムとチェンジすることによって、心筋の伝導障害を起こし、ポックリ死の原因となります。年をとってから冠動脈の血管障害で心筋梗塞を起こすのとは違って、不整脈や心伝導系の障害を起こします。カリウムは多くても少なくても心拍の異常をきたします。米国では死刑執行にカリウムを点滴し心臓を止めています。



3-1.ただの民間機関にすぎないICRP

(以下、一部引用)

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事故前、原子力発電の安全神話をばら撒いてきましたが、事故後は、安全神話が崩壊初したので、新たに安心神話を作り出しています。その根拠を与えているのがICRPです。1928年に設立された「国際X線およびラジウム防護委員会」は放射線の医学利用を考慮して作られましたが、50年に名称を変えてICRPとなり、その目的は人体への健康被害を最低限にするということよりも原子力政策をすすめることにシフトしました。



ICRPは、第一委員会が外部被ばく委員会、第二委員会が内部被ばく委員会でしたが、52年に内部被ばく委員会の審議を打ち切ってしまいました。そこから報告書が出たら原子力政策を進められない事態となり、困るからです。内部被ばくを隠蔽する歴史は52年から始まっているのです。



(中略)また、このICRPは目的に沿って物語を作り、報告書や勧告を出します。「闘値なしの直線仮説」が国際的なコンセンサスとなっていても、日本政府は100ミリシーベルト以下では放射線の健康被害は因果関係を証明できるほどの影響は見られないと主張しているのが、その典型です。多くの医学論文で、100ミリシーベルト以下でも健康被害は報告されていますが、ICRPは調査もせず、反論もしません。研究機関ではなく、ただの会議を開催して報告書を出す委員会だからです。



(中略)また、御用学者はたくさんの研究費という名目で資金援助を受け、それで飯を食っています。メディアも最大のスポンサーは電力会社、だから、きちんと真実を伝えない。こうした構造が国際的に出来上がっており、まさに原発利権に群がる国際原子力マフィアとなっているのです…。また、原発事故後の各種委員会や有識者会議の構成メンバーは基本的には御用学者といわれる人たちで占められています。



(中略)そうした専門家とか有識者という人たちは、現場感覚があるかというと、ありません。現場で放射線を扱っているわけではなく、自分が被ばくする環境下で仕事をしているわけでもありません。ただICRPの報告書に詳しいというだけなのです。日本を代表して原子力ムラから旅費も支給されて国際会議に出席しICRPの内容を大学などで講義し、それが給料になり、それで食っている人たちです。ICRPの報告書の内容に詳しいだけの机上の人が、いわゆる専門家とか有識者と称しているから国民目線を失い、ピントが狂い、政府の意向に合わせた報告を作ることになります。



3-2.確率的影響と確定的影響

(以下、一部引用)

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50から2003年まで、50余年、広島・長崎の被ばく者約12万人をフォローした追跡調査によれば、30歳で1シーベルト浴びたら、70歳の時に肺がんや胃がんなどの固形がんで死亡するリスクは、被ばくしていない人に比べて42%増加し、被ばく時の年齢が20歳だったら、リスクは54%に増えるという報告が2012年にABCC(放影研)から出ています。



前出のICRP103勧告(2007年)では過剰発がんは、1シーベルトにつき5.5%としていますが、時間が経たなければ分かりません。人聞がある程度は放射線に順応するかもしれませんが、実際にはもっと高い被害確率の可能性があります。



また健康被害に関して、教科書的には確率的影響と確定的影響に分けて考えられていますが、これはあくまでも理解しやすいようにした便宜的なものです。すべての人に生じるような大量の被ぱくの場合は閾値があり、確定的影響とされ、4~5シーベルトでは腸管死や骨髄死が起こるとされています。しかし、これは発症したり死亡したりする閾値であり、それ以下でも確実にには影響を与えているのです。そのため急性期の症状で死ななくても長期間の経過の中でいろいろなトラブルが生じる可能性があります。



(中略)白内障は闘値があるかどうかは医学的には明確には分かっておらず、閾値はないか、あったとしても1グレイ程度ではないかと考えられているが、確定的影響とも確率的影響とも判断できないのです。



3-3.放射線防護の現状

(以下、一部引用)

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放射線を取り扱う従事者を守る法律として、「原子炉等規制法」「放射線障害防止法」「労働安全衛生法」など、さまざまにあります。例えば、3カ月に1.3ミリシーベルトを超えて被ばくしてしまうような場所は、放射線管理区域に指定して、放射線量や空気中の濃度の測定・監視をしなければいけません。そしてその場に立ち入る労働者を「放射線業務従事者」に指定し、個人の被ばく管理もしなければいけません。その上で、5年間で100ミリシーベルト、1年にすれば20ミリシーベルト以上の被ばくをしてはならないと決められています。



そして、放射線管理区域の中でも、労働者が容易に触れることができる壁などの表面は、1平方メートル当たり40万ベクレル以上の放射性物質で汚れていてはいけないという規定もあります。そして、管理区域から外に出る時には1平方メートル当たり4万ベクレルを超えて放射性物質で汚染されているものは持ち出しを禁止されます。そのため、放射線管理区域の出口ドアの前には汚染の検査装置が置いてあって、そこで測定した結果、1平方メートル当たり4万ベクレルを超えて私の実験着や手が汚れていれば、ドアが開かない仕組みになっています。



3-4.核の無害化技術は実現性なし

(以下、一部引用)

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ウランという元素をもってきて、それを核分裂させれば、セシウムという元素ができる、ストロンチウムという元素ができる、ヨウ素もできる、量の多寡を問わなければ、金だって銀だって白金だってできていて、錬金術はできることがすでに分かっているわけです。それであるなら、作ってしまったセシウム137、あるいはストロンチウム90に錬金術を施して、別のものに変えてしまえばいいじゃないかということは容易に分かります。



3-5.最後にこの本の最後のところ、P189とP191に「日本の発電設備の量と実績」という表が出ています。ちょっと、その一部を書き出してみましょう。



● 2010年 福島第1原発事故前

電源設備量万KW 設備利用率%

電力会社 水力   4385    19.3

火力  13507    46.7

原子力  4896    67.2

その他    60    49.4

合計

自家発電      5384    50.6

総合計 28232    46.7



● 2012年 福島第1原発事故後

電源設備量万KW 設備利用率%

電力会社 水力   4465    17.2

火力  13980    60.0

原子力  4615     3.9

その他    62    51.5

合計

自家発電      5611    55.3

総合計 28733    43.4



この数字は、日本の電力供給に関して、次のようなことを示していると言えます。



(1)福島第1原発事故前は、図体がでかくて融通のきかない原発を優先して稼働させ、それを火力が調整していた。ところが福島第1原発事故後は、全ての原発が止まり、火力が主力の発電手段として前面に出てきた。火力は、福島第1原発事故後においても、マスコミがヒステリックに「電力が足りない」「電気が足りない」と騒ぐほど稼働率は高くなく、余裕含みである。



(2)自家発電が大きなウェイトを占めており、かつ福島第1原発事故後は増大傾向である。この自家発電を重要な電源と位置づければ、更に日本の電力の供給体制は余裕が出てくる。現状は、理不尽にも、地域独占の既存大手電力会社の経営と利益が優先され、こうした自家発電が広く社会的なインフラとして多くのユーザーに使われるための「仕組み」ができていない(例えば配電網整備:妨害されている)。電力の自由化が極度に遅れている。



(3)にもかかわらず、真夏に「電力危機」などと言って騒いでいるのはなぜか。それは、いわゆる「ピーク電力」の調整=夏のほんの一時的な電力利用ピーク時を平準化する仕組み・努力・政策が決定的に欠けていて、むしろ、そのピークを放置して「電力危機」を演出して、世論をあおっている様子がうかがえることだ。ねらいはもちろん原発再稼働にある。「電力危機」を煽る最大の馬鹿ものは新聞・雑誌・TVなどのマスコミである。



(4)自然再生可能エネルギーへの取り組み努力がなおざりにされている。こんな状態で、先般、九州電力他5社の地域独占大手電力会社は、法律で義務化されている自然再生可能エネルギーの買い入れを拒否し始めた。



(5)電力業界と、それにまとわりつく利権集団こそが、日本最大の「抵抗勢力」である。これを崩壊させることができるのは、みなさま一人一人、つまり有権者・国民・市民です。みなさまの清き一票を自民・民主・及びその補完勢力以外へ、そして、みなさまの浄財を、大手電力以外の電気へ。



原発を廃棄することは、単純に原発を止めることではなく、原発レジームという日本の今のありようを変えることです。誰かがやってくれることはありません。みなさまが「変わる」しかないのです。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5036:141031〕」

「朝鮮半島情勢と日韓関係の行方」(メモ)/公益財団法人日本国際フォーラム

2014-10-31 18:29:12 | アジア
「 康仁徳・元大韓民国統一部長官の講話の概要は次の通り。


北朝鮮の政治情勢

 北朝鮮の幹部3人(黄炳瑞(Hwang Pyong-So)国防委員会副委員長、崔竜海(Choe Ryong-Hae)朝鮮労働党書記、金養建(Kim Yang-Gon)朝鮮労働党統一戦線部長)の訪韓の目的は、南北関係改善のためかどうか疑問である。過去40年間、北朝鮮の平和工作には戦術的意味があった。現在、国連安保理決議や、日本、韓国等の制裁で、北朝鮮の立場は苦しいことを想起すべきである。

 北朝鮮には金一族とパルチザン派の「権力共同体」があり、一方の派閥の不満は政権を危険にさらす。張成澤前国防委員会副委員長の粛清もその結果である。金正日総書記の死後、先軍政治から党中心の政治に変わり、張成澤前副委員長のもと、党の行政部に警察権力が集まった。軍が中心であった外貨稼ぎの機能も、党の「54局」に移された。張成澤前副委員長は政治権力と財政を握ったのである。軍が黙っているはずがなく、金正恩第一書記は張成澤前副委員長を粛清せざるを得なかったのである。1967年に金日成国家主席がパルチザン派を粛清した翌年、地方の党組織の2/3が空席になったが、張成澤前副委員長が政治、経済、社会、文化、スポーツまで手の内にしていたことから、安定には時間がかかると思われる。
北朝鮮の経済政策と実状

 現在、北朝鮮は経済建設を核開発と並行して進めようとしているが、到底その両立は成り立つものではない。経済面では、生産管理の改革・開放が進められている。農業では、1980年頃の中国と同じやり方で、120~150名規模の作業班を7~8名に分割し、配分も今までの農民3・国家7から国家3・農民7にするという。また企業は、実利を中心とした自主性に基づいて生産物を計画し、市場で売るという。さらに企業は外貨を使い、中国の満州や瀋陽で原料を購入し、品物を生産している。問題は、三つの不足(食糧、エネルギー、外貨の不足)である。特にエネルギー不足で工場が回っておらず、労働者が余っている。企業は、彼らが外で自由に働くのを許し、代わりに金を納めさせていた。これを受け、政府は「余った労働者は解雇せよ」という指令を出したため、失業者が駅前などで商売をしているという状況がある。
 他方、情報と権力を持つ者は、例えば韓国が支援した1トンあたり200ドルの米を400~800ドルで売るなどしている。経済が苦しい反面、賄賂が流行っている。5~6年前の脱北者たちは、「金があれば何でも買える」と言っていたが、最近は「金があれば何でもできる」と言う。社会主義的な道徳や秩序は崩れてしまったのではないか。金正恩第一書記は、これを金正日総書記のやり方で統制するため、宗教的な思想教育を行っている。しかし、若者には海外の情報が流れ、韓国の流行歌なども良く知っている。韓国のハナ院(収容所)の脱北者も、満州経由で北朝鮮に電話をかけられる。


南北対話

 南北対話の交渉は、北朝鮮の核とミサイルの開発が原因で進まない。韓国与党は(韓国哨戒艦「天安」沈没事件の)5.24制裁を解除せよと言うが、北朝鮮が信頼できない限りは解除できない。開城(ケソン)工業団地は開発が続いているが、3つの通(通関、通信、通行)が自由化されていない。また、開城にさらに企業が入れば、バスで移動できる距離より遠くから労働者を連れてこなければならず、韓国には寄宿舎や労働者の食事用の農場を作る計画があるが、それも進んでいない。10月末~11月に南北対話が決定したが、政治的妥協が無ければ対話は進まない。韓国には、北朝鮮への人道的支援、SOC改善支援、異質化したものを同質化するという3つの政策があるが、北朝鮮では外国の影響を避けるために韓国のNGOからの支援を受け取るなという金正恩第一書記の指令が出ている。国外で噂にあがっているような韓国の支援は簡単には実現せず、南北間の緊張は続くと思われる。しかし、安全保障を基礎に関係を改善するという韓国の基本方式は当分変わらないであろう。


日韓関係

 自分(康元長官)は、1945年以降の韓国の歴史を全て体験してきた。朴正煕政権の官僚として、植民地時代を忘れないことと、共産主義反対という国づくりの理念のもと、日本との国交正常化(1965年)によって受け取った請求権資金を種子金として韓国の現代化を進めた。80年代の民主主義と経済成長の達成は、韓国の誇りであった。

 しかし冷戦後、韓国では386世代(90年代に30代、80年代に大学生、60年代に生まれた世代)が、NL(National Liberation)やPD(People’s Democracy)を中心とした主体(チュチェ)思想に基づく反体制運動を起こした。反日思想も加わり、朴正煕元大統領や朝鮮戦争の功労者・白善(Paik Sun-Yup)氏といった方々を親日派とののしり、90年代にはそれが一般化した。386世代は、自分たちの世代の経済成長への努力を完全になくしてしまったのである。その後、15年にわたる文民政権が続き、韓国では理念的葛藤が起こっている。そこで李明博前大統領が竹島/独島を訪問した。歴代大統領には竹島/独島問題は解決しないことで解決するという暗黙の了解があったが、かつて日韓国交正常化反対学生集会のリーダーであった李明博前大統領は、大学時代の自分の考えを実行するため、日韓関係を悪化させる結果をもたらすことを承知しながら意図的に竹島/独島を訪問したことや、高木正雄(朴正煕元大統領)の娘であるという批判などが、慰安婦問題とともに負担となり、朴槿恵大統領は身動きが取れなくなっている。

 ただし、1965年以降、日韓関係は少し良くなったら突然悪化するということが何度もあったが、民間では大きな変化はない。例えば、松山市と平澤(ピョンテク)市は、20年間姉妹都市である。韓国への日本人観光客が減ったというが、日本への韓国人観光客は増えており、原因は円安で、日韓関係の悪化ではない。日韓は、領土や歴史の問題は後に回し、拉致問題の情報共有などで協調しなければならない。今は、70年代のように問題をすぐ解決できる人脈がないため、特に知識人の二重・三重の頻繁な往来を進めなければならない。両国が互いに誤解しないために必要な情報交換も進めるべきである。韓国の安全保障は米国と日本との協力なしには成り立たず、価値観を同じくする日韓米の協力があってはじめて中国の圧力に対抗できるのである。また、隣国同士で留学生に奨学金を出すなど、日韓間で若者の交流も進めるべきである。自分も、そのために努力していく覚悟である。」

http://www.jfir.or.jp/j/activities/diplomatic_roundtable/106_141019.htm

10月29日(水)のつぶやき

2014-10-30 03:13:28 | EU

子育て中の親へのアドバイスアレックス・ローゼン医師 ln.is/blog.goo.ne.jp… @tenjyoseikaさんから


20120115 知られざる放射能汚染 ~海からの緊急報告 - ln.is/www.dailymotio… @DailymotionUSAさんから


ルポ原発作業員2 ~事故から3年・それぞれの選択 - ln.is/www.dailymotio… @DailymotionUSAさんから


山谷氏は「(幹部が)在特会に所属しているとは、承知していなかった」と説明。だが、9月の日本外国特派員協会での会見で、在特会の存在や理念を否定しなかったことから、幹部との関係についての疑惑が、より深まる結果となった。

tokiさんがリツイート | RT

"世界一貧しい大統領"は言う「金持ちは政治家になってはいけない」 ln.is/huff.to/tJpvM


"世界一貧しい大統領"が語った、「本当の貧しさ」とは?/ハフポトより goo.gl/tZvvkK


"世界一貧しい大統領"は言う「金持ちは政治家になってはいけない」 The Huffington Post goo.gl/dq7zGD



"世界一貧しい大統領"は言う「金持ちは政治家になってはいけない」 The Huffington Post

2014-10-29 18:22:14 | 政治
「「お金をたくさん持っている人は、政治の世界から追放されるべきだ」

これは、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領が、スペイン語版CNNのインタビューで語った言葉だ。

「私たちは、代表民主制と呼ばれるものを発明しました。これは、多数派の人が決定権を持つ世界だと私たちは言います」と、ムヒカ大統領はインタビューの中で述べている。「ならば、私たち(各国の指導者たち)は、少数派ではなく多数派のような暮らしをすべきだと私には思えるのです」

BBCは、2012年に掲載した有名な記事の中で、ムヒカ大統領は自分が得る給与の90%を慈善事業に寄付していると報じ、「世界一貧しい大統領」と呼んだ。

この話は、アメリカと比べてあまりに対照的だ。アメリカでは、議員たちが所有する資産の中央値は100万ドル(約1億円)を超えている。企業は、政治活動への寄付に関して、個人とほとんど同じ権利を与えられている。

「赤いじゅうたんの上で、人々はこんな風にふるまっている」とムヒカ大統領は言いながら、コンサートで演奏するミュージシャンの真似をして見せた。「そうしたことは、すべて封建時代の名残です。それに、大統領を取り囲むスタッフは、まるで昔の臣下のようです」

ムヒカ大統領は、裕福な人々そのものを嫌っているわけではないと言う。ただし、お金持ちではない多数派の人々の利益を代表するという仕事を、裕福な人々がうまくできるとは考えていないのだ。

「政治の世界では、彼らを分け隔てる必要があります。お金があまりに好きな人たちには、政治の世界から出て行ってもらう必要があるのです。彼らは政治の世界では危険です。(中略)お金が大好きな人は、ビジネスや商売のために身を捧げ、富を増やそうとするものです。しかし政治とは、すべての人の幸福を求める闘いなのです」

「彼ら(裕福な人々)は世界を、彼らの視点、つまりお金の視点から捉えます。たとえ善意に基づいて取り組んでいるときでも、彼らの世界観、生活観、それに何かを決定する観点を提供するものは、お金です。私たちの住む世界が多数派によって統治されなければならないとするなら、私たちは自らの視点の拠り所を、少数派ではなく多数派の視点に置くよう努力する必要があります」

ムヒカ大統領は、富の象徴となるものを拒否していることでよく知られている。5月に行われたスペイン語放送局によるインタビューで、大統領がネクタイの着用を激しく批判したシーンは有名だ。

「ネクタイなんて、首を圧迫する無用なボロ切れです」とムヒカ大統領はそのインタビューで語った。「私は、消費主義を敵視しています。現代の超消費主義のおかげで、私たちは最も肝心なことを忘れてしまい、人としての能力を、人類の幸福とはほとんど関係がないことに無駄使いしているのです」

大統領は公邸に住んでおらず、首都モンテビデオのはずれにある小さな農場で生計を立てている。ウルグアイ上院議員である妻のルシア・トポランスキー氏、それに3本足の犬「マニュエラ」と暮らしている。大統領が物質主義を拒む理由は、農場の花の世話をしたり、野外で仕事をしたりするといった、自分が情熱を注いでることを楽しむ時間が奪われるからだという。

ムヒカ大統領は1935年生まれの79歳。貧困家庭に生まれ、家畜の世話や花売りなどで家計を助けながら育った。1960年代に入って都市ゲリラ組織「ツパマロス」に加入。1972年に逮捕された際には、軍事政権が終わるまで13年近く収監された。2009年に大統領選挙で当選し、2010年3月から大統領となっている。2012年のリオ会議で行った講演(日本語版記事)は有名になった。

この記事は最初にハフポストUS版に掲載されたものです。

[日本語版:佐藤卓/ガリレオ]」

http://www.huffingtonpost.jp/2014/10/27/worlds-poorest-president-explains_n_6052326.html?utm_hp_ref=japan

"世界一貧しい大統領"が語った、「本当の貧しさ」とは?/ハフポトより

2014-10-29 18:20:39 | 政治
「「無限の消費と発展を求める社会は、人々を、地球を疲弊させる。発展は幸福のためになされなければならない」。"世界でもっとも貧しい大統領"として知られるウルグアイのムヒカ大統領が、2012年のリオ会議(地球サミット)で行った名スピーチです。

<<必読の名言満載! スピーチ特集はこちら>>

以下、ウルグアイ ムヒカ大統領

会場にお越しの政府や代表者の皆さま。ありがとうございます。ここに招待いただいたブラジルと、ディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。

私の前にここに立って演説した、快きプレゼンターのみなさまにも感謝いたします。国を代表するもの同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない。その素直な志をここで表現しているのだと思います。しかし、頭に中にある厳しい疑問を声に出させてください。

午後からずっと話されていたことは、持続可能な発展と世界の貧困を無くすことでした。私達の本音は何なのでしょうか? 現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか? 質問をさせてください。

ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのでしょうか。息をするための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を、世界の70億~80億人の人達ができるほどの原料が、この地球にあるのでしょうか?

それは可能ですか? それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか? マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが、無限の消費と発展を求めるこの社会を作ってきたのです。マーケット経済がマーケット社会を作り、このグローバリゼーションが、世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか? あるいは、グローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で、「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか? どこまでが仲間で、どこからがライバルなのですか?

このようなことを言うのは、このイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません。政治的な危機問題なのです。現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。

私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球へやってきたのです。

人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。ハイパー消費が世界を壊しているにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が世界のモーターとなっている世界では、私たちは消費をひたすら早く、多くしなくてはなりません。

消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。このハイパー消費を続けるためには、商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間も持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!

そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので、作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいることに、お気づきでしょうか。

これは紛れもなく政治問題ですし、この問題を別の解決の道に進めるため、私たち首脳は世界を導かなければなければなりません。なにも石器時代に戻れとは言っていません。マーケットを再びコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

昔の賢明な方々、エピクロス(古代ギリシャの哲学者 快楽主義の祖)、セネカ(小セネカとも:古代ローマの哲学者で、皇帝ネロの家庭教師を務めた)やアイマラ民族(南米の先住民族)までこんなことを言っています。

「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」。これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。国の代表者として、リオ会議の決議や会合に、そういう気持ちで参加しています。

私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことをわかってほしいのです。根本的な問題は、私たちが実行した社会モデルなのです。そして改めて見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルだということ。

私は、環境に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。しかし、世界でもっとも美味しい牛が、私の国には1300万頭もいます。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は牛肉やミルクの輸出国です。こんな小さい国なのに、領土の80%が農地なのです。

働き者の我が国民は、毎日一生懸命に8時間働きます。最近では6時間だけ働く人が増えてきました。しかし6時間労働の人は、その後もう一つの仕事をし、実際には更に長く働かなければなりません。なぜか? 車や、その他色々なものの支払いに追われるからです。

こんな生活を続けていては、身体はリウマチに全身をおかされたがごとく疲弊し、幸福なはずの人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。そして、自分にこんな質問を投げかけます。

「これが人類の運命なのか?」私の言っていることはとてもシンプルなものです。

発展が幸福の対向にあってはいけないのです。発展というものは、人類の本当の幸福を目指さなければならないのです。愛、人間関係、子供へのケア、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。幸福が私たちにとってもっとも大切な「もの」だからなのです。

環境のために戦うのであれば、幸福が人類の一番大事な原料だということを忘れてはいけません。

ありがとうございました。」

http://www.huffingtonpost.jp/logmi/speech_b_5121960.html

10月28日(火)のつぶやき

2014-10-29 03:12:13 | EU

日豪の新型潜水艦共同開発、米も参加を検討(読売新聞) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141027-…
結局アメリカに良いように利用されるだけということが判明。軍需産業もがっかりだろう。


CIAが元ナチスをスパイとして雇用・中枢のメンバーも/BBC goo.gl/E394vz


「なぜ市場に市民生活を託すべきではないのか」/TEDスピーチより・日本語字幕付き ln.is/blog.goo.ne.jp… @tenjyoseikaさんから


@niftyニュース news.nifty.com/cs/magazine/de…
西川農水大臣が栃木県職員時代に贈収賄で逮捕歴あり。


RT @ecodaren:2014 10/28 中野区江原町3-15-3 道路隅集積泥&葉っぱ
ln.is/p.twipple.jp/j… 0.22μ?/h ということらしい。
ちなみに私の職場-新潟県長岡市-は現時点で0.07μ?/h。


戦争 民の沈黙から
アベノミクスの失敗
消費税増税、戦争の足音が聞こえ始める
沈黙は静かな同意を意味する
たたかおう pic.twitter.com/6oaJf2Ppyk

tokiさんがリツイート | RT

【ウクライナ発】大統領陣営、圧勝するも米国に踊らされたツケ重く ln.is/tanakaryusaku.… @tanakaryusakuさんから


【ウクライナ発】大統領陣営、圧勝するも米国に踊らされたツケ重く/田中龍作 goo.gl/dqM5MK


徐委員長出席し日朝協議 拉致再調査の最優先要求 : 動画 - 47NEWS (よんななニュース) ln.is/www.47news.jp/…


安倍さんよ、こういうのが「日本の名誉が傷ついた」って言うんじゃないの?英国BBCから報じられる宮沢大臣「政治活動費でセックス・クラブへ」「ステージでは下着姿の女性がロープで縛られ…」→bbc.com/news/world-asi…pic.twitter.com/8N9fBWCBbu

tokiさんがリツイート | RT

レイプ犯を殺して絞首刑になった女性が最後に託した、母への手紙 ln.is/huff.to/oHNmS @HuffPostJapanさんから


「昭和天皇実録」発表を受けてのNYT論説記事:ハーバート・ビクス(日本語訳)NYT Op-Ed by Herbert Bix on the newly released biography of Emperor Hirohito ln.is/chikyuza.net/a…



【ウクライナ発】大統領陣営、圧勝するも米国に踊らされたツケ重く/田中龍作

2014-10-28 12:44:47 | 国際
「26日に投票が行われたウクライナの最高議会選挙は、ポロシェンコ大統領自身のブロックと大統領を支持する政党が過半数を制することが確実になった。
 中央選管の中間発表によると、ポロシェンコ大統領自身の政党「ソリダリティー」と元ヘビー級ボクサーチャンピオンのクリチコ氏率いる政党「ウダル」が合流した「ペトロ・ポロシェンコ・ブロック」の得票率が21・59%を占めている。

 大統領を支持する政党はヤツニューク首相率いる「フロント」が21・7%、キリスト教民主主義に基づく「セルフヘルプ」が10・79%となっている。

 得票率だけで見れば、「ポロシェンコ連合」は過半数を制したことになる。

 ポロシェンコ氏はじめヤツニューク氏、クリチコ氏・・・親露派のヤヌコビッチ前大統領の追放劇で活躍した政治家が、お墨付きを得たのだ。

  ~ロシアに金の成る木奪われ~

 投票所で有権者にインタビューした際、「ポロシェンコになっても何も変わらなかった」と答えた女性がいた。(前稿で紹介)

 これは「誰が大統領になっても同じ」という意味だ。

 そこそこの知識人であれば、ウクライナの経済を立て直すことがもはや不可能であることを知っている。


 地元通貨フリブナの対ユーロ換金レートが8月を境に急激に落ちた。大統領選前の5月には1ユーロ≒10フリブナだったのが、現在は1ユーロ≒17~18フリブナだ。

 為替レートがわずか5か月で70%も落ちたのである。

 最大の理由は国家財政の悪化だ。もともと国家予算の半分が政治家へのお手当てに消えてゆく お国柄 だった。

 それに加えて重工業地帯の東部と観光地のクリミアが税金を納めなくなった。財政が底をつくのは当然だ。

 ヨーロッパのジャーナリストと話すと彼らは異口同音に「ウクライナは政府の体をなしていない」と言う。

 イギリス国営放送のBBCでさえ‘Ukraine economy is collapsing’=「ウクライナの経済は崩壊している」と言い始めた。

 老舗の名門ホテルは気温が氷点下となっても客室にスチームを供給しない。ロビーは真っ暗で震え上がるほど寒い。  

 国家が崩壊しても政治家は痛くもかゆくもない。個人資産はすべて欧米の金融機関に預けてあるからだ。

 政変に乗じて、ロシアは金の成る木だったクリミアを手中に納めた。東部がロシアの手に落ちるのは時間の問題だ。

 政治家が米国に踊らされたツケは、すべてウクライナ国民にのしかかって来る。極東のどこかの国にとって対岸の火事ではない。」

http://tanakaryusaku.jp/

10月28日の放射線量

2014-10-28 12:21:09 | 放射能
新潟県内・長岡、天気は雨、室内、窓締め切り、エアコン・オン。

0.08μ㏜/h。

今度のエアコンは暖房。今年は冬の訪れが早い。

温暖化というよりも、気候変動のふれ幅が大きくなった、という感じだ。

CIAが元ナチスをスパイとして雇用・中枢のメンバーも/BBC

2014-10-28 12:19:30 | 政治
"Declassified US records reveal the nation's intelligence chiefs used hundreds of Nazis as spies and informants after World War Two.

Central Intelligence Agency officials are said to have turned to the country's former enemies to help beat the Soviet Union during the Cold War.

Academics studying the documents say America used at least 1,000 ex-Nazis.

Some had served at the highest levels of the Nazi Party, and were recruited to work as spies for the US in Europe.

Former SS officer Otto von Bolschwing reportedly wrote policy papers on how to terrorise Jews, but was hired by the CIA to spy in Europe after World War Two.

The agency is said to have relocated him and his family to New York in the 1950s as a reward for loyal service.

Nazi collaborator Aleksandras Lileikis - linked to the massacres of tens of thousands of Jews in Lithuania - was recruited by the US as a spy in East Germany and later brought over to Boston.

There's evidence the CIA even tried to intervene when Mr Lileikis became the subject of a war crimes investigation.

The recruitment of Nazi assets occurred against the backdrop of Cold War paranoia and panic.

But records indicate long-time FBI director J Edgar Hoover not only approved of the use of ex-Nazis as spies, he also dismissed the horrific acts they'd been involved in during the war as Soviet propaganda.

The revelations come one week after an Associated Press investigation found the US government had paid dozens of suspected Nazi war criminals millions of dollars in Social Security benefits after forcing them to leave the US.

The payments were made through a legal loophole. The US justice department later said benefits are paid to individuals who renounce US citizenship and leave voluntarily."

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-29795749

10月27日(月)のつぶやき

2014-10-28 03:15:16 | EU

安倍首相にも「在特会」との親密写真が! 自民党とヘイト団体の蜜月 ln.is/lite-ra.com/20… @litera_webさんから


ひどい話だよ。在日だから日本人だからってなに?
民族で人格の確定などない。 韓国人でも日本人でも、人格が優れている人はいる。逆にどの民族にもクズな人間はいる。 罵り合いの先に何がある?
岩城滉一の炎上騒動で「在日」を明かせない芸能人 news.livedoor.com/article/detail…

tokiさんがリツイート | RT

菅直人『脱原発は議員の当選運動』
ln.is/amba.to/wfqRI


歴史の闇にある独立軍討伐「間島特設隊」の実態を分析 ln.is/japan.hani.co.…


歴史の闇にある独立軍討伐「間島特設隊」の実態を分析/ハンギョレ ln.is/blog.goo.ne.jp…


子育て中の親へのアドバイスアレックス・ローゼン医師 ln.is/blog.goo.ne.jp… @tenjyoseikaさんから


特定秘密保護法は本当に無茶-民主国家の国際基準・ツワネ原則を参照しよう ln.is/blog.goo.ne.jp… @tenjyoseikaさんから


「昭和天皇実録」発表を受けてのNYT論説記事:ハーバート・ビクス/日本語訳あり ln.is/blog.goo.ne.jp…


戦争 民の沈黙から
アベノミクスの失敗
消費税増税、戦争の足音が聞こえ始める
沈黙は静かな同意を意味する
たたかおう pic.twitter.com/6oaJf2Ppyk

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東電 吉田所長死去 発言まとめ 福島第一原発5,6号機、廃炉決定: ln.is/youtu.be/cAr5s @YouTubeさんから


またしても。前例からしてもアウトの可能性がありますね。→東京新聞:経産相に外国人企業献金 2年で40万円:政治(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/politi…

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アベノミクスも失敗。閣僚の人選も失敗。いよいよ安倍晋三も年貢の納め時か? pic.twitter.com/zfj3vIJIpm

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「昭和天皇実録」発表を受けてのNYT論説記事:ハーバート・ビクス/日本語訳あり

2014-10-27 14:50:02 | 政治
「「昭和天皇実録」発表を受けてのNYT論説記事:ハーバート・ビクス(日本語訳)NYT Op-Ed by Herbert Bix on the newly released biography of Emperor Hirohito


「昭和天皇実録」発表にともない『ニューヨーク・タイムズ』電子版に9月29日掲載(紙版は30日ニューヨーク版に掲載)されたハーバート・ビクス氏(ニューヨーク州立大学ビンガムトン校名誉教授)のオプエド(論説):

Hirohito: String Puller, Not Puppet
http://www.nytimes.com/2014/09/30/opinion/hirohito-string-puller-not-puppet.html?_r=0

を、『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』 Asia-Pacific Journal: Japan Focus が日本語訳とともに転載したものをここに再転載します。『ニューヨーク・タイムズ』が発表した中国語版はこちら。

The Opinion Pages | Op-Ed Contributor
Hirohito: String Puller, Not Puppet

By HERBERT P. BIXSEPT. 29, 2014
CAMBRIDGE, Mass. - LAST month, I received a startling email from an employee at one of Japan’s largest newspapers, about a development I’d long awaited. The government was about to unveil a 12,000-page, 61-volume official biography of Emperor Hirohito, which a large team of scholars and civil servants had been preparing since 1990, the year after his death.

I was asked if I would examine an embargoed excerpt from this enormous trove and then comment on the emperor’s perspective on various events, including Japan’s 1937 expansion of its conflict in China and its decision four years later to go to war with the United States and Britain; the trial of war criminals; the atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki; and the American military occupation of postwar Japan.

But there was a condition: I could not discuss Hirohito’s “role and responsibility” in World War II, which would be strictly outside the scope of the newspaper’s reporting. Having devoted years of my life to examining precisely this topic, I politely refused.

The release of Hirohito’s official biography should be an occasion for reflection around the world on a war that, in the Pacific theater, took the lives of at least 20 million Asians (including more than three million Japanese) and more than 100,000 citizens of the Western Allied nations, primarily the United States and Britain.

Instead, Japan’s Imperial Household Agency, abetted by the Japanese media, has dodged important questions about events before, during and after the war. The new history perpetuates the false but persistent image - endorsed by the Allied military occupation, led by Gen. Douglas MacArthur - of a benign, passive figurehead.

As I and other scholars have tried to show, Hirohito, from the start of his rule in 1926, was a dynamic, activist and conflicted monarch who operated within a complex system of irresponsibility inherited from his grandfather, the Meiji emperor, who oversaw the start of Japan’s epochal modernization. Hirohito (known in Japan as Showa, the name of his reign) represented an ideology and an institution - a system constructed to allow the emperor to interject his will into the decision-making process, before prime ministers brought cabinet decisions to him for his approval. Because he operated behind the scenes, the system allowed his advisers to later insist that he had acted only in accordance with their advice.

In fact, Hirohito was never a puppet. He failed to prevent his army from invading Manchuria in 1931, which caused Japan to withdraw from the League of Nations, but he sanctioned the full-scale invasion of China in 1937, which moved Japan into a state of total war. He exercised close control over the use of chemical weapons in China and sanctioned the attack on Pearl Harbor in 1941. Even after the war, when a new, American-modeled Constitution deprived him of sovereignty, he continued to meddle in politics.

From what I’ve read, the new history suffers from serious omissions in editing, and the arbitrary selection of documents. This is not just my view. The magazine Bungei Shunju asked three writers, Kazutoshi Hando, Masayasu Hosaka and Michifumi Isoda, to read parts of the history. They pointed out, in the magazine’s October issue, significant omissions. Only the first of the emperor’s 11 meetings with General MacArthur was mentioned in detail. Instead, the scholars noted Hirohito’s schoolboy writings and commented on trivialities like the discovery of the place where his placenta was buried.

That does not mean that the project is without merit. Researchers collected 3,152 primary materials, including some previously not known to exist, such as the memoirs of Adm. Saburo Hyakutake, the emperor’s aide-de-camp from 1936 to 1944. They documented Hirohito’s messages to Shinto deities, fleshing out his role as chief priest of the state religion. They collected vital materials on the exact times, dates and places of imperial audiences with civil and military officials and diplomats.

Hirohito was a timid opportunist, eager above all to preserve the monarchy he had been brought up to defend. War was not essential to his nature, as it was for Hitler and Europe’s fascists. The new history details his concern over the harsh punishments enacted in 1928 to crush leftist and other
opposition to Japan’s rising militarism and ultranationalism. It elaborates on his role in countering a coup attempt in 1936 by young Army officers who wanted to install an even more right-wing, militaristic government. It notes that he cried for only the second time in his life when his armed forces were dissolved.

The official history confirms Hirohito’s bullheadedness in delaying surrender when it was clear that defeat was inevitable. He hoped desperately to enlist Stalin’s Soviet Union to obtain more favorable peace terms. Had Japan surrendered sooner, the firebombing of its cities, and the two atomic bombings, might have been avoided.

Why does all this matter, nearly 70 years since the end of the war?

Unlike Germany, where acceptance of responsibility for the Nazis’ crimes is embedded in government policy, Japan’s government has never engaged in a full-scale reckoning of its wartime conduct. This is partly because of the anti-imperialist dimension of the war it fought against Western powers, and partly because of America’s support for European colonialism in the early Cold War. But it is also a result of a deliberate choice - abetted by the education system and the mass media, with notable exceptions - to overlook or distort issues of accountability.

The new history comes at a politically opportune time. Prime Minister Shinzo Abe’s Liberal Democratic Party government is waging a campaign to pump up nationalist pride. Mr. Abe has made no secret of his desire to enhance the monarchy’s status in a revised “peace constitution” that would rewrite Article 9, which prohibits Japan from maintaining offensive forces.

The very idea of a carefully vetted official biography of a leader fits within the Sino-Japanese historical tradition, but raises deep suspicions of a whitewash, as well as issues of contemporary relevance. Okinawans cannot take pride in the way Hirohito sacrificed them, by consenting to indefinite American military control of their island. Japan’s neighbors, like South Korea and the Philippines, cannot be reassured by the way its wartime past is overlooked or played down, but neither can they be reassured by America’s confrontational, militaristic approach toward Chinese assertiveness.

After Hirohito died, in 1989, there was an outpouring of interest in his reign and a decade-long debate about his war responsibility. Now, after decades of mediocre economic performance, generational divides have deepened and the Japanese may not take much note. If so, a crucial opportunity to improve relations with Asian neighbors and deepen understanding of the causes of aggression will have been lost.


Herbert P. Bix, emeritus professor of history and sociology at Binghamton University, is the author of “Hirohito and the Making of Modern Japan.”


The following is a Japanese translation by The Asia-Pacific Journal.

論説 | 寄稿記事

ヒロヒト天皇:操り人形ではなく操る側であった

寄稿:ハーバート・P・ビックス 2014年9月29日

マサチューセッツ州ケンブリッジ: 先月、ある日本の主要紙にいる人物から、私が長いこと待ち望んでいたテーマに関し、驚くようなEメールをもらった。ヒロヒト天皇の死後翌年の1990年から大勢の学者と宮内庁職員で編成されたチームが編纂してきた61巻、1万2000ページにもおよぶヒロヒト天皇の公式の伝記(「昭和天皇実録」)が発表されるというのだ。

私が依頼されたのは、この膨大な史料のうち部外秘の抜粋部分を吟味し、1937年の日中戦争の拡大からその4年後に米国と英国に対し戦争を仕掛けた決定、戦犯の裁判、広島・長崎への原爆投下や米軍による戦後日本の占領など、天皇が様々な出来事をどのように見ていたかについてコメントをするというものであった。

しかし、それには1つ条件があった。この新聞社の取材対象の範囲からまったく外れるため、第二次世界大戦におけるヒロヒト天皇の「役割と責任」について議論してはならないというのだ。まさにこのトピックを研究することに自分の人生の何年をも捧げてきた私は、丁寧に断った。

ヒロヒト天皇の公式伝記の公開は、太平洋を舞台に少なくとも(300万人以上の日本人を含む)2000万人のアジア人の、そして西側連合国(主に米国と英国)の国民10万人以上の命を奪った戦争について振り返るまたとない機会となるべきである。

しかし、宮内庁は、戦前、戦中、戦後の歴史的な出来事に関する重要な問いかけを巧みにかわしてしまい、日本の多くのメディアもそれを助長した。この昭和天皇実録で、天皇は穏やかで受け身な形だけの君主という、ダグラス・マッカーサー元帥率いる連合国占領軍が支持した間違ったイメージをいまだに引きずっている。

私やその他の学者たちが明らかにしようとしてきたように、1926年の即位から、ヒロヒト天皇は、日本の画期的な近代化の初期を監督した祖父である明治天皇より継承した複雑な無責任のシステムの中で行動した、ダイナミックで積極的、かつ矛盾した二面性を持つ君主であった。ヒロヒト天皇(日本では在位期間の名前を取って昭和天皇と言う)とは、ひとつのイデオロギーと体制を象徴していた。それは、首相が閣僚の決定を携え天皇の承認を得る前に、意思決定プロセスに自分の意思を差し挟むことができる体制である。ヒロヒト天皇は舞台裏で動いていたため、この体制は、天皇は助言に従って行動していただけであると後になってその助言者たちが主張することを許した。

が、実際のところ、ヒロヒト天皇は決して操り人形ではなかった。日本が国際連盟からの脱退の原因を作った1931年の満州侵略を食い止めることができなかった一方、日本を総力戦状態へと駆り立てた1937年の中国への全面的侵略を許可し、中国における化学兵器の使用を綿密に指揮し、1941年の真珠湾攻撃を許可している。戦後になって、米国をモデルとする新しい憲法で天皇の統治権がはく奪された後も、天皇は政治への干渉を続けていた。

私が読んだ限り、今回の新しい歴史記録には編集時に重大な記載漏れがなされており、文書は恣意的に選択されている。これは、私だけの見解というわけではない。文芸春秋が、半藤一利、保阪正康、磯田道史の三氏に、この実録に目を通すよう依頼したところ、同誌10月号でこの三氏は、重大な記載漏れを指摘している。天皇とマッカーサー元帥との11回の会合のうち、詳細が書かれているのは初回のみで、そのかわり、ヒロヒト天皇が少年時代に書き残したものについての学者の意見が記され、天皇の胎盤がどこに埋められているのかといったどうでもよいことに関するコメントが載せられている。

だからといって、別にこのプロジェクトに価値がないと言っているのではない。研究チームは3152点もの一次資料を収集しており、これには、1936年から1944年まで天皇の侍従長を務めた百武三郎元海軍大将の回想録など、今まで存在自体が知られていなかったものも含まれている。また、国家宗教の長としてのヒロヒト天皇の役割を具体化する、ヒロヒト天皇の御告文・御祭文が掲載され、文官、軍当局者、外交官との謁見の正確な日時、場所に関する重要な資料も収集している。

ヒロヒト天皇は、臆病な日和見主義者であり、自らが守るように育てられた君主制の維持に何よりも力を注いだ。ヒトラーやヨーロッパのファシストにとって戦争は必要不可欠のものであったが、ヒロヒト天皇にとってはその性格から考えて戦争が絶対必要なものではなかった。新たに公開された記録は、日本で台頭する軍国主義と超国家主義に反対する左翼とその他の反対勢力に対する厳罰が定められた1928年の治安維持法の改正へのヒロヒト天皇の懸念を詳述している。さらに、より右翼的で軍国主義的政府の樹立を求めて若い陸軍将校が決起したクーデター未遂(2.26事件)を制圧するにあたって、天皇が果たした役割を詳細に描いている。また、天皇は、降伏時に自分の軍隊が解体されたときに人生で2回目の涙を流したとしている。

この公式実録により、日本の敗戦が不可避であることが明確になった時点でも降伏を遅らせた天皇の頑固さが確認できる。天皇はスターリン率いるソ連との和平工作を通し、より好ましい和平条件を得ることを渇望していたが、日本が早くに降伏していたら、日本の各都市への空襲や2回の原爆投下は避けられていた可能性がある。

こうした一切のことが、戦後70年近くになってなぜ問題となるのか?

ナチスの戦争犯罪に対する責任の受諾が政府の方針に組み込まれているドイツと異なり、日本政府は自国の戦時期の行為に対する全面的な清算に取り組むことはなかった。これは一部には、西側諸国との戦争に反帝国主義という側面があり、また冷戦初期のヨーロッパの植民地主義への米国の支援があったためであるが、明らかな例外を除けば、教育制度とマスメディアの影響を受けて、責任の問題を見過ごしたり、歪曲することを意図的に選択した結果でもある。

この新しい歴史文書は、政治的に絶好のタイミングに発表されたといえる。安倍晋三首相が率いる自民党政府は、国家主義を高揚するキャンペーンを行っており、安倍氏は、日本が攻撃的な戦力を持つことを禁止した憲法第9条を書き換える「平和憲法」の改正において、天皇の地位を強めることを明言している。

慎重に吟味された一指導者の公式伝記自体は、日中の歴史的伝統の範疇に収まるものであるが、隠ぺいがあったとの深い疑惑や今日的な意味を持つ諸問題を喚起するものだ。沖縄の人々は、ヒロヒト天皇が米軍による沖縄の無期限統治に合意したことで沖縄を犠牲にしたことに誇りを抱くことはできない。また、韓国やフィリピンといった日本の近隣諸国については、日本の戦時中の過去を看過、あるいは軽視するやり方をもっても、中国の自己主張の強さに対するアメリカの対立的で軍事的なアプローチでもっても、安心させることはできない。

1989年のヒロヒト天皇の死後、昭和への関心は溢れかえり、ヒロヒト天皇の戦争責任に関する議論が10年にわたって交わされた。現在、横ばいの経済成長が数十年にわたる中、世代間の相違は深まって、日本人はあまり注意を払わないかもしれない。もしそうなら、アジアの近隣諸国との関係を改善し、侵略の原因への理解を深める重要な機会が失われてしまうだろう。


ハーバート・P・ビックスは、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校歴史/社会学科名誉教授。『Hirohito and the Making of Modern Japan (ヒロヒト天皇と近代日本の形成)』(日本語版は講談社学術文庫『昭和天皇』上・下巻)の著者


参考記事(英語)

Herbert Bix and David McNeill
Selective history: Hirohito’s chronicles
http://www.japantimes.co.jp/news/2014/10/11/national/history/selective-history-hirohitos-chronicles/#.VEMU40ctCpp

Norihiro Kato
The Journalist and the Emperor - Daring to Ask Hirohito About His Role in WWII
http://www.nytimes.com/2014/10/15/opinion/norihiro-kato-daring-to-ask-hirohito-about-his-role-in-WW2.html

http://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/c5d45f48beb4fc7e7a679db0768aa1c6

歴史の闇にある独立軍討伐「間島特設隊」の実態を分析/ハンギョレ

2014-10-27 11:05:38 | 政治
「長く記者として生き、現役から退いた後も学者や研究者の経歴が全くないのに学術部門受賞者に選ばれたと聞いて驚いている」

 第8回イム・ジョングク賞学術部門受賞者に選ばれた「フォーラム真実と正義」共同代表のキム・ヒョスン氏(61)はこう語りだした。 民族問題研究所は24日、キム代表が今年2月に発刊した「間島特設隊」で、日帝強制占領期間に抗日武装闘争勢力を抹殺しようとした朝鮮人の「親日討伐部隊」に対する本格的な分析を初めて試みた功労を認定し、彼を受賞者に選定したと明らかにした。 審査委員会はキム代表の本が「探査報道の水準を越える調査・分析を通じて、間島特設隊の設立背景から出身者らが韓国社会の主役として登場するまでの過程を実証的に糾明し、その反民族的反人道的属性を如実に示した」と明らかにした。 イム・ジョングク賞は、親日問題研究に身を投じたイム・ジョングク(1929~1989)先生の意思を賛え、2005年に制定された。 親日清算、歴史正義の実現、民族史確立という先生の遺志を継承している個人と団体を、学術・文化と社会・言論の二分野に分けて選定し毎年授賞している。

‘独立軍討伐’朝鮮人 間島特設隊
韓国社会の主役として登場するまで
学会ができない研究を足で走って実証
中・日 現地インタビューと資料発掘
ペク・ソンヨプの創氏名・憲兵服務も明らかにした

 1930年代独立運動の聖地であった間島で活動したこの特設部隊は、永らくその存在がベールに覆われていた。 間島特設隊服務者らは、自分たちは‘匪賊’、‘共産軍’を討伐しただけだと弁解してきた。 キム代表はこの部隊が実際には抗日武装勢力の掃討、せん滅のための関東軍の手先を務めた部隊に過ぎなかったことを多様な資料を活用して立体的に明らかにした。 将校の半数程度と下士官以下の兵士は全員が朝鮮人であり、抗日運動家を‘共産軍’に変身させ、執拗に同胞を殺害した‘皇国軍人’だったわけだ。 これらのうち、解放以後に韓国で長官、軍司令官、高位官僚などに出世した人も少なくない。

 一冊の本が、彼に間島特設隊を本格的に暴かせる決定的契機を提供した。 「8年前、Stephen C. Mercado の「The Shadow Warriors of Nakano」という本を読んでいる時、名誉元帥推戴問題で議論になったペク・ソンヨプ氏が日本で出した本の中で間島特設隊に言及した部分があるという事実を初めて知った」。 ペク・ソンヨプ氏の本には、彼が国内で全く話したことのない衝撃的な内容が多くあったという。 キム代表は「我が民族の恥部である間島特設隊を本格的に扱った本が一冊もないという現実が、もどかしく、自分でもその隙間を埋めてみようと考えた」と話した。

 だが、史料が全く足りなかった。 2012年1月、新聞社を退職した直後からそれまでに少しずつ集めてきた文書を分析し、中国と日本を訪問し現地調査を進めた。 韓・中・日の資料を対照しながら事実を確認することは困難だったが、日本と中国側の新たな証言と資料を捜し出したことは大きな成果であった。 隠蔽された事実も続々と明らかになった。

 「当時、満州での抗日武装闘争条件がどれほど厳しく惨めなものだったかを確認できた。 抗日戦士たちを捕虜として捕らえれば、生きたまま肝臓を摘出したという記録も出てきた。 ペク・ソンヨプ氏の創氏名(白川義則、シラカワ・ヨシノリ)や、憲兵兵科での服務事実も学界で明らかになっていない事実だった」。 キム代表は『東洋通信』と『京郷新聞』を経て1988年に『ハンギョレ新聞』創刊に参加し、『ハンギョレ』初代東京特派員、論説委員、編集局長、編集人、先任論説委員を歴任し、韓日の過去史に光を当て続け、韓日関係に精通した専門家として確固たる地位を固めた。 33年に及ぶ記者生活の間に「近い国 知らない国」(1996)。「私は日本軍、人民軍、国軍だった」(2008)、「歴史家に問う」(2011)を出し、近現代史の桎梏の中で排除された人々の話と隠蔽された事実を発掘することに力を注いできた。

 韓日近現代史問題に関心を傾けるようになったのは、1992年に特派員活動を始めた頃からだった。 彼は「日帝強制占領期間の被害者や遺族たちが、日本政府・企業を相手に訴訟を提起し賠償を要求する運動が広がっているのを見て恥ずかしさを感じた」と話した。 当時でもこの分野の国内専門研究者はきわめて珍しかった。 朝鮮人B・C級戦犯、サハリン残留同胞、朝鮮人シベリア抑留などの問題も同じだった。 そのような状況の中で、被害者を献身的に助け研究する日本人活動家・研究者たちがいた。 「彼らを見て大きな衝撃を受けたし、我々自身の問題を他人を通じて知る境遇からは何とかして抜け出したいと考えた」。 彼はインターネットで間島特設隊と関連して確認されていない事実や不正確な話が多いと話した。 「特定人物の間島特設隊服務有無に対する一般の人たちの関心が高いことを知っている。本ではそのような個別的な問題より、当時の時代状況全体を描こうとしたし、読者たちにはなぜこのような類の本が今まで出されなかったのか、その背景を考えて欲しい」と彼は付け加えた。

 イム・ジョングク賞授賞式は来月12日午後7時、ソウル中区のプレスセンター19階記者会見場で開かれる。 社会部門受賞者は日本の市民団体である強制動員真相究明ネットワークが選ばれた。 2005年に結成されたこの団体は、日本社会の右傾化の流れの中でも朝鮮人軍属・徴用者・日本軍‘慰安婦’等の被害者問題を着実に暴いてきた功労を認められた。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/26 22:10
http://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/661440.html 訳J.S(2547字)」

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18615.html