白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

目も当てられない共和党候補たち/ニューズウィーク日本語版より

2012-08-31 17:36:16 |  北米
「 11月の米大統領選に向けた共和党全国大会で8月29日、副大統領候補に指名されたポール・ライアン下院予算委員長。思慮深い人なら彼の指名受諾演説を聞いて、こんな感覚に陥ったのではないか――自分はビンの中に閉じ込められていて、人々に警告しようと大声で叫んでも誰にも聞こえない。

 ライアンのつく大ウソは、国民の共感を呼んでいる。人々がきちんと真実を聞き入れられれば、ライアンとミット・ロムニー大統領候補の共和党ペアを選んだりはしない、と私たちは言い続けてきた。でも実際は、そう単純にはいかない。

 ライアンは、ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻をオバマ大統領のせいにするが、実際はブッシュ前政権時代に既にほとんどの工場が閉鎖され、大量の失業者が出ていた。また、メディケア(高齢者医療保険)の予算カットを批判しているが、これもライアン自身が下院予算委員長としてまとめた予算だ。こうしたあらゆる問題をめぐる彼の歪曲ぶりは誰が見ても明らかで、めちゃくちゃだ。

 しかし私たちはもう気付いているはずだ。人間というものは、自分が持っている世界観の中でしか事実を認識できないのだ、と。

「真実」は無視し、相手を攻撃し続ける戦略

 だから、ライアンとロムニーの作り話を信じている有権者の多くに、「その話は間違っている」と説得できる可能性は非常に低い。有権者はオバマ支持とロムニー支持に二分されており、誰に投票するか決めていない浮動層はほとんどないと言っていいくらいだ。

 今回の大統領選は論理ではなく、感情で勝者が決まるだろう。選挙の行方は投票率しだいだ。だからライアンとロムニーは、毛ほどの迷いもみせず、声を張り上げ、徹底的に相手を攻撃する戦略を取っている。本人たちも認めているように、「真実」は彼らの選挙戦を勝利に導く力にはならない。

 ライアンは、アメリカ国債の格付けが下がりそうだと嘆く。ただしそれは彼ら共和党が、連邦政府の債務上限の引き上げに反対を続けているせいだ。保守派市民運動ティーパーティーの高齢者たちが、オバマケア(公的医療保険)には不当な政府介入として猛反対しながら、高齢者向けの公的医療制度については「私のメディケアに手を出すな!」と金切り声をあげるのと同じだ。しかしこの偽善ぶりはこの先変わらないだろう。私たちも、変わると期待するのはやめるべきだ。

 私たちはどちらを選択するのか。聖書をすべての基本とし、科学や理性、論理、真実を否定する共和党のロムニー&ライアン候補か。実りのない交渉に力を入れ過ぎるきらいはあるが、少なくとも今は真っ当に戦っているオバマ大統領か。

 変えられないものを変えようとする、その努力を私たちはやめられないだろう。とにかく自分と同じ考えの人々に、選挙のことを真剣に考え、投票に行ってもらう――そう働きかけるしかない。

© 2012, Slate」

共和党候補の基盤は、白人人種差別主義者たち?

2012-08-31 12:42:58 |  北米
 以下の話が本当ならば、ロムニー時事の共和党支持者は、白人の人種差別主義者の集団であり、彼らの「アメリカ」とは、白人・キリスト巨との国家以外あり得ないと思うが、如何。

「『2016──オバマのアメリカ』という映画をご存知だろうか。私はほんの24時間前、米共和党全国大会に出席していた俳優のジョン・ボイトから初めてこの映画のことを聞かされた。

「あらゆる人が『2016』を観るべきだ」と、ボイトは言った。「ただの党利党略映画じゃない。これは真実そのものなんだ」

 この映画を監督したディネシュ・デスーザが訴える「真実」はシンプルだ。オバマはケニア人の父から受け継いだ反植民地主義的で反資本主義的で反キリスト教的な「夢」のために、アメリカを破壊しようと突き進んでいる──。

 デスーザはニューヨークのキリスト教の大学キングス・カレッジの学長。オバマ批判で知られる保守派の政治評論家でもある。

 彼が監督した90分のこの映画は、オバマの知人などのインタビューやデスーザのナレーションで構成されるドキュメンタリー。目的は、オバマの大統領としての行動の裏にある本当の目的を暴くことにある。そのためデスーザはオバマの人生を3年以上にわたって追跡。父バラク・オバマ・シニアを知る人々にもインタビューを行っている。ほとんど会ったこともないのに、若きオバマに最も大きな影響を与えた人物──それが父だった、というわけだ。

 デスーザは過激な表現は用いていない。だが、彼の言う反資本主義とはつまり「共産主義」。反キリスト教は「イスラム教」で、反植民地主義は「反白人主義」ということだ。簡単に言えばこの映画は、「過激な共産主義ムスリムで白人嫌いのオバマがアメリカを乗っ取ろうとしている」と訴えている。

ドキュメンタリーでは異例の大ヒット

 今秋に大統領選を控え、オバマと共和党のミット・ロムニー候補が支持率で拮抗する中、この映画はかなり過激なスローガンだ。

 デスーザ自身はインド出身で、自分は人種差別主義者ではないと強調している。自分とオバマとは肌の色がほぼ同じだ、と彼は言う。とはいえ、彼の映画は有権者の人種的、政治的な恐怖を見事に呼び起こすような出来栄えだ。

 8月27日に開幕した共和党全国大会の会場では、『2016』がいかに素晴らしい出来だったかと熱く語り合っている記者たちの姿も見られた。

 たしかに作品はプロの仕事と言える完成度で、洗練されていて興味深く、説得力があった。興行的にも成功しており、公開された先週末の興行収入ランキングではドキュメンタリー映画としては異例の7位にランクインした。もちろん、保守派の論客たちからは素晴らしい「洞察力」だと絶賛された。

 いまや映画のメッセージは保守派だけでなく一般の人々にも浸透しつつある。オバマの支持者が映画の主張を受け入れるとは思えないが、オバマに批判的な人たちにとっては新たな攻撃材料になることだろう。

「2008年の時点では、われわれはオバマを分かっていなかった」と、映画の中では語られている。「今では分かる。2016年のアメリカを支配するのはアメリカンドリームか、オバマ・ドリームか」

 2016年には、この映画が保守派の単なる妄想だったのか、真実を描いたものだったのかも明らかになるだろう。

From GlobalPost.com特約」

福島第一のトラブル

2012-08-31 12:30:42 | 原発
「<福島第1原発>1~3号機注水 規定量一時下回る

毎日新聞 8月30日(木)21時11分配信


 東京電力と経済産業省原子力安全・保安院は30日、福島第1原発1~3号機の原子炉への注水量が一時的に保安規定の必要量を2度にわたって下回ったと発表した。三つが同時に規定を逸脱したのは初めて。原子炉圧力容器の温度に変化はないが、原因を調べる。

 東電によると、1時間あたりに必要な注水量は1号機が4.3立方メートル、2、3号機が6.1立方メートル。同日午後2時までは必要量を注水していた。

 ところが、同3時までに1号機で4立方メートル▽2号機で5.5立方メートル▽3号機で5.6立方メートル--にそれぞれ低下。配管のバルブを開けたところ、同4時37分までにいったん戻ったが、同8時過ぎから再び1~3号機で3.9~5.8立方メートルまで低下し、約2時間半後に回復した。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「ポンプは正常に作動しており冷却が不安定になっているとは考えていない。これまでにも週に1度ほど流量が少し下がることがあったので、原因をしっかり調査したい」と話した。【奥山智己】」

原発訴訟の見直しか?

2012-08-31 10:50:19 | 原発
「原発訴訟、安全性本格審査を 最高裁研究会で改革論

2012年08月31日05時28分

提供:共同通信

 最高裁がことし1月に開いた原発訴訟をめぐる裁判官の研究会で、国の手続きの適否を中心としてきた従来の審理にとどまらず、安全性をより本格的に審査しようという改革論が相次いでいたことが30日、共同通信が情報公開請求で入手した最高裁の内部資料などで分かった。ほとんどの訴訟で「手続き上適法」などとして訴えが退けられてきた原発訴訟の審理の在り方に変化が起きる可能性がある。」

被曝の事実・そして偏見と差別

2012-08-30 15:18:09 | 原発
「生態系協会長 発言認める  「差別と思っていない」

 日本生態系協会の池谷奉文会長(70)が東京で開かれた講演会で、東京電力福島第一原発事故を受け「福島の人とは結婚しない方がいい」などと不適切な発言をしたとされる問題で、池谷会長は29日、報道機関に対して講演記録の一部を公表した。記録には不適切とされた発言内容が含まれていた。ただ、池谷会長は「福島の人を差別するようなことは思っていない」と反論した。一方、講演会に参加した福島市議は同日、記者会見を開き、講演時の発言の撤回を求めることを明らかにした。

 池谷奉文会長が公表したのは東京で7月9日に開いた日本生態系協会主催の「日本をリードする議員のための政策塾」で、池谷会長が講話した冒頭と中盤の一部。

 文書には「福島ばかりじゃございませんで栃木だとか、埼玉、東京、神奈川あたり、あそこにいた方々はこれから極力、結婚をしない方がいいだろう」「結婚をして子どもを産むとですね、奇形発生率がどーんと上がることになる」とある。
 協会によると、録音を書き起こした内容で、県内の各報道機関に送った。
 福島民報社の取材に対し、池谷会長は発言内容を認めた上で「福島の人を差別するようなことは思っていない」と反論。これまでの取材に一貫して「発言していない」としていたことについては「差別発言ではないという意味だ」と答えた。
 池谷会長は現職の獣医師。「政策塾」は平成15年から年一回ほどのペースで開き、今回が12回目。毎回80人から100人程度の地方議員や議員を目指す市民らが参加しているという。昨年は東日本大震災の影響で中止となり、今回が震災後初の講演だった。

 池谷会長は、ヨーロッパなどに毎年足を運び、チェルノブイリ原発事故が及ぼした影響なども調べているという。池谷会長は「原発事故が及ぼす影響がいかに危険かを伝えたかった」とし、「言葉の揚げ足取りではなく、今後もたらす重大な事態にどう対処すべきか、政治課題として為政者も措置を講じる必要がある」と説明した。

 一方、福島市役所で開かれた記者会見には研修会に出席した佐藤一好福島市議ら4人と粕谷悦功市議会議長、渡辺敏彦副議長らが出席。これまでの経緯を話した上で、池谷会長に対し、不適切な発言について撤回し、出席者全員に訂正文を送るよう求めることを明らかにした。30日に池谷会長宛で内容証明で文書を送付する。

 佐藤市議は「復興に向けて活動する県民に対して容認できない発言。公的な立場で話す方なら、誠意ある対応をしてもらえるはず」と述べた。
 池谷会長は発言の撤回要求に「文書を見て対応したい」と話している。

<池谷会長が公表した講演発言内容>(冒頭部分)

 それでは引き続きお疲れとは思いますが、しばらくご容赦ください。

 さきほどのチェルノブイリの話でございますけれども、放射能ってのは、怖いのは、人間は放射線には強いのでございまして、レントゲン写真を撮るじゃないですか、そんなことでそれほど放射線には、限度超えたのは具合が悪いのですが、かなり強いんです。本当の問題は後でございまして、日本は福島がそうですが、これからですね内部被ばく、これがどうしようもないんでございまして、これからの放射能雲が通った、だから福島ばかりじゃございませんで栃木だとか、埼玉、東京、神奈川あたり、だいたい2、3回通りましたよね、あそこにいた方々はこれから極力、結婚をしない方がいいだろうと。結婚をして子どもを産むとですね、奇形発生率がどーんと上がることになっておりましてですね、たいへんなことになる訳でございまして。(以下略)

※日本生態系協会 平成4年に設立された公益財団法人。生態系を守り、持続可能なまちづくりを目指す専門家集団で、国内外の先進的な事例の研究成果を基に、提案活動、調査・研究、普及啓発などを主な活動としている。本部は東京都にあり、さいたま市やドイツ、アメリカに研究施設を持つ。職員は約100人、会員は一般市民や地方議員ら3万人がいるという。

■県内女性怒りの声
 池谷会長の発言に県内の主婦らは驚きと怒りの声を上げている。

 本宮市の妊娠中の主婦(33)は「信じられない。県民を侮辱している。福島で出産し、子育てをしようと思っているのに無用に不安をあおるような言葉は慎んでほしい」と憤る。

 福島市の女性(24)は「ショックだ。県外の人から間違った印象を持たれるのが一番怖い。差別する気がなかったとしても、福島の女性に対する悪いイメージを植え付けてしまうことにつながる」と不安そうに話した。

 結婚して子どもを産むと奇形発生率が上がるとした発言について、県放射線健康リスク管理アドバイザーを務める長崎大大学院の高村昇教授(放射線医療科学)は「科学的根拠がない。県民が心配する必要は全くない」と断言した。

 チェルノブイリ原発事故後の健康影響について国連科学委員会が昨年出した報告書でも、胎児への遺伝的な影響は科学的に認められないとしているという。
 原爆被爆者のデータも同様で、「事故当時に県内にいたという理由で出産や結婚を避けることはあり得ない」と述べた。

 今回の会長発言について、前後関係が分からず意図ははっきりしないとした上で「一般論では専門家が一般の人を対象に説明する場合、国際的、科学的にコンセンサスを得られた事項を基に話をするべきだ」とした。また、「長崎、広島の被爆者も根拠のないことで差別された。21世紀の現代に繰り返してはならない」と主張した。

 首都大学東京大学院の放射線科学域長を務める福士政広教授(放射線安全管理学)は「現在の放射線量は遺伝的な影響を及ぼすようなものではない。社会的な混乱を招くような発言で、非常に違和感を覚える」と話している。

( 2012/08/30 07:59 カテゴリー:主要 )」

脱原発法要綱案(未定稿)

2012-08-29 13:51:13 | 原発
「平成 24(2012)年 8 月 22 日
1

脱原発法案要綱案(未定稿)

(趣旨)
2011年3月11日、東日本大震災において福島第一原発の事故が発生し、16 万人の福島の
人々は故郷を追われ、働く場を失い、あるいは家族を引き裂かれた。それに加え、周辺地域に甚
大な被害をもたらし、食や健康の安心・安全への脅威も含めて国民全体に大きな不安と恐怖を与
えるとともに、国民経済に大きな打撃を与えた。

原発は、リスクの巨大さでも、放射性廃棄物の問題でも、「倫理的」なエネルギーではない。一
旦事故が起これば無限大の被害が発生する可能性があるうえ、一度に大量の電源が失われること
など、エネルギー安全保障上、極めて脆弱なシステムである。また、未だに放射性廃棄物の最終
処理が確立できておらず、仮に確立できたとしても、10万年以上の長い管理が必要とされるも
のである。

原発による被害を受けるのは、原発の利益を享受している現世代の人々にとどまらない。「未来
の世代」の人々も、事故のリスクに晒され、放射性廃棄物を大量に抱え込むことになる。今意思
決定することのできない未来の世代に、膨大な付けを回すべきではない。

一方、原発を利用しなくなった場合には、電力の需給がひっ迫し、電力の安定的な供給に支障
を及ぼす可能性があり、このような問題を回避するためには、省エネルギーを一層推進しつつ、
代替的なエネルギー源を確保することが必要不可欠である。また、代替的なエネルギー源の確保
に当たっては、地球温暖化の防止に配慮して、再生可能エネルギーの活用を図ることも重要であ
る。

このような状況に鑑み、原発を利用しなくなることに伴う各般の課題への適確な対応を図りつ
つ、原発を利用せずに電力を安定的に供給する体制を早期に確立することは、我々にとって緊要
な課題となっている。

よって、ここに、我々は、脱原発を確実に実施するため、この法律を制定する。


第一 総則

一 目的

この法律は、原子力発電所の事故による災害が発生した場合に国民の生命や経済社会に及
ぼす被害が甚大になること、使用済核燃料の長期にわたる管理及び保存が極めて困難である
こと等に鑑み、脱原発基本計画について定めること等により、できる限り早期に脱原発を実
現することを図り、もって国民の生命と健康を守るとともに国民経済の安定を確保すること
を目的とすること。


二 定義
この法律において、「脱原発」とは、原子力発電を利用しなくなることに伴う各般の課題へ
の適確な対応を図りつつ、原子力発電を利用せずに電力を安定的に供給する体制を確立する


ことをいうこととし、その他の所要の定義規定を設けること。
三 基本理念
1 脱原発は、遅くとも平成○○年度1までのできる限り早い時期に実現されなければならな
いこと。

2 脱原発を実現するに当たっては、電力の需給がひっ迫し、電力の安定的な供給に支障が
生ずることとならないよう、省エネルギーを一層推進するものとすること。

3 脱原発を実現するに当たっては、原子力発電を利用せずに電力を安定的に供給する上で
二酸化炭素排出量の増加ができる限り抑制されるよう、再生可能エネルギー電力の拡充(つ
なぎとしての天然ガスの利用拡大を含む。)を行うものとすること。

4 脱原発を実現するに当たって生じる原子力発電施設等立地地域及びその周辺地域の経済
問題については、その発生が国の政策の変更に伴うものであることを踏まえ、適切な対策
が講じられるものとすること。


四 国の責務

1 国は、脱原発を実現するため、三の基本理念にのっとり、省エネルギーの推進及び再生
可能エネルギー電力の拡充のために必要な政策を推進するとともに、脱原発を実現するに
当たって生じ得る電力会社等の損失に対して適切に対処する責務を有すること。

2 国は、三の基本理念にのっとり、脱原発を実現するに当たって原子力発電施設等立地地
域及びその周辺地域における雇用問題が生じないよう、再生可能エネルギー産業、省エネ
ルギー産業、エネルギー総合サービス産業その他のエネルギー産業における雇用拡大のた
めの措置を含め、十分な雇用対策を講ずる責務を有すること。


五 地方公共団体の責務
地方公共団体は、三の基本理念にのっとり、国の施策を当該地域において実施するために
必要な施策を推進する責務を有すること。


六 電力会社等の責務
電力会社等は、三の基本理念にのっとり、第二の脱原発基本計画に基づいて、脱原発を推
進する責務を有すること。


七 国民の協力
全ての国民は、脱原発の実現に必要な協力をするよう努めなければならないこと。


八 法制上の措置等

1 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行わなければ
ならないこと。

2 政府は、この法律の目的を達成するため、必要な財政上の措置その他の措置を講じなけ
ればならないこと。


第二 脱原発基本計画

一 脱原発基本計画の策定等

1 政府は、脱原発を計画的に推進するため、脱原発のための施策に関する基本的な計画(以
下「脱原発基本計画」という。)を定めなければならないこと。

2 脱原発基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとすること。

① 次に掲げる事項を前提とした、遅くとも平成○○年度2までのできる限り早い時期
までの各原子炉の運転の廃止に関する事項

イ 発電用原子炉の設置の許可及び増設を伴う変更の許可を新たに与えないこと

ロ 発電用原子炉の運転期間を例外なく40年までとすること

ハ 発電用原子炉の運転を廃止するまでの間は、最新の科学的知見に基づいて定めら
れる原子炉等による災害防止のための基準への適合性が確認されない限り発電用原
子炉の運転(運転の再開を含む。)をしてはならないこと。

ニ 高速増殖炉を直ちに廃止すること

② 発送電分離、電力系統強化等の電力システムの改革に関する事項
③ 再生可能エネルギー電力の拡大及びエネルギー効率の向上に関する事項
④ 電力の安定供給を維持し電力料金の高騰を防ぐ対策(省エネルギー及び化石燃料調達
対応を含む。)に関する事項
⑤ 原子炉の廃止を促進するための電力会社等への支援その他脱原発を実現するに当たっ
て生じ得る電力会社等の損失に対する対策に関する事項
⑥ 直接処分を前提とした使用済核燃料の管理又は処理の進め方に関する事項
⑦ 脱原発の早期実現に向けた原子力発電施設等立地地域及びその周辺地域における雇用
機会の創出及び地域経済の健全な発展に関する事項
⑧ 原子力発電、核燃料再処理及び核燃料サイクルに係る事業の廃止に伴う必要な措置に
関する事項
⑨ 廃炉及びこれに関連する核廃棄物の処理、放射能汚染対策、核セキュリティ等におけ
る原子力関連の技術・研究レベルの向上並びにそのための人材の確保に関する事項

3 内閣総理大臣は、脱原発基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならないこと。

4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、脱原発基本
計画を公表しなければならないこと。

5 3及び4は、脱原発基本計画の変更について準用すること。


二 関係行政機関との連携

1 内閣総理大臣は、脱原発基本計画の案の作成に当たっては、関係行政機関の長に協議す
るものとすること。

2 2020年度から2025年度までの意見がある。

3 安全審査中の上関原発だけでなく、建設中東京電力東通原発1号機、電源開発大間原発につ
いても許可は失効するものとする。建設がほぼ完了している島根3号機も廃炉費用と運転可能期
間とのコスト計算の観点からも運転開始を認めない。

4 敦賀1号(1970年3月運転開始)、美浜1号(1970年11月運転開始)、美浜2号(1
972年7月運転開始)は運転再開を認めない。

5 東日本太平洋沖地震や中越沖地震による損傷度合い、原子炉敷地内と周辺の断層や地震の危
険性、炉の老朽度、炉型・格納容器の相対的危険性、東京電力の技術的能力などの観点から、福
島第一原発5,6号機、福島第2原発1-4号機、柏崎刈羽原発1-7号機、浜岡原発3-5号
機、女川原発1-3号機、東海第二(巨大地震の空白域に隣接)、東通(東北電力、巨大地震の空
白域に隣接)、島根1号機(マークⅠ型の格納容器)、玄海1号機(脆性遷移温度98℃)につい
ては運転再開を認めないこととする。今後の断層調査の結果に基づいて敦賀原発1,2号機、志
賀1,2号機、大飯1-4号機等についても早期の廃炉決定が必要となる可能性がある。

もんじゅのこと。

2 原子力規制委員会は、1による内閣総理大臣の協議があったときは、必要な協力を行わ
なければならないこと。


三 年次報告
政府は、毎年、国会に、脱原発基本計画の実施状況に関する報告書を提出しなければなら
ないこと。


第三 その他

施行期日等の所要の規定を設けること。


第四 附則

一 原子力基本法の一部改正

1 原子力基本法の目的から「将来におけるエネルギー資源を確保し、」を削ること。
※1:脱原発の実現に当たって、試験研究用等原子炉の運転を認めることとするか。原
案は、学術研究の自由等を尊重する観点から、一部改正法案提出の段階では否定はし
ない立場で整理している。

※2:試験研究用等原子炉の運転を一部改正法案提出の段階で認めないこととする場合、
原子力の「利用」は、放射線の医療用の利用といった限定的な分野に限られることと
なる。一方で、核廃棄物の管理等の重要性が増すことになる。このような点も含めて
整理を行うこととすると、原子力基本法を抜本的に見直すことになるか。

2 独立行政法人日本原子力研究開発機構の役割から「核燃料サイクルを確立するための高速
増殖炉及びこれに必要な核燃料物質の開発並びに核燃料物質の再処理等に関する技術の開
発」を削ること。

3 その他所要の規定を設けること。
※3:2に伴う、独立行政法人日本原子力研究開発機構法の改正等については、その組
織の統廃合を含めた議論が必要となる可能性があることから、別に法律に定めること
とするか。


二 エネルギー政策基本法の一部改正
エネルギーの需給については、国民の生命及び健康に与える悪影響が未然に防止されるよ
う、原子力エネルギーの利用を前提としないことを基本とした施策が推進されなければなら
ない旨の規定を設けること。


三 核燃料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正

1 発電用原子炉の運転期間を1回に限り、20年以内の範囲で延長することができる旨の規
定等を削ること。
※4:今国会で可決された規定について、与党がその削除を提案する場合、その理由を
どのように説明するか。
2 原子力規制委員会は、施設の位置、構造等が防災上の基準に適合していると認められない
とき等は、その設置者に対し、施設の使用の停止等保安のために必要な措置を命ずるものと
する旨の規定を設けること。」

脱原発法要綱案

2012-08-29 13:49:08 | 原発
「脱原発法:法案の要綱案を発表 市民団体が制定を求めて

毎日新聞 2012年08月22日 18時28分

 国内の全原発を遅くとも25年度までに廃止する「脱原発法」の制定を求め、作家の大江健三郎さんらが代表世話人を務める団体が22日、法案の要綱案を発表した。超党派の議員立法による今国会中の法案提出が目標。否決された場合、全国会議員に賛否を問うことで、有権者の判断の参考にしてもらうという。

 基本理念として20~25年度に脱原発を実現すると規定し、原発をゼロにする年度は各党間の協議で合意を図る。省エネルギーの推進や再生可能エネルギー電力の拡充などを掲げ、発電用原子炉の増設を許可しないことや原子炉の運転期間を例外なく40年までとすることも基本計画として定めた。再稼働は「災害防止の基準に適合しない限り、してはならない」としている。

 大江さんは「根本的なモラルの考えに立ちながらも電力供給という現実を踏まえており、脱原発を現実にやれる出発点だ」と話している。【池田知広】」

脱原発は民意2 「地球座」より

2012-08-29 13:45:17 | 原発
「「脱原発依存」のウネリ高まる

2012年 8月 29日 時代をみる 池田龍夫

<池田龍夫(いけだたつお):毎日新聞OB>

野田佳彦政権は2030年の原発割合について「0%」「15%」「20~25%」の3つの選択肢をつくり、初めて討論型世論調査を導入して国民の声を集計した。パブリックコメント(意見公募)の結果と意見調査会のアンケート結果が、8月22日発表された。

政府の世論調査、「原発ゼロ」の民意鮮明に

「原発0%案」への賛成は意見公募型が89%、意見聴取会が81%の結果となり、「原発ゼロ」の民意が鮮明に示された。この意見や情報をどう解釈するかについては、専門家の意見は分かれているものの、政府が試みた調査結果が示した数字の意味は重く、今後のエネルギー政策見直しに大きな影響を及ぼすに違いない。政府は「原発割合15%」へ誘導したいとの意図があったようだが、原発の恐怖を感じ取った民意は「0%」を選択。先にイタリアは国民投票によって「原発ゼロ」政策に転換したが、今回の世論調査結果は、それに匹敵するインパクトを感じさせる。


野田首相、反原発市民団体と異例の面会

野田首相は8月22日、反原発市民団体「首都圏反原発連合」代表11人と首相官邸で面会した。同連合は毎週金曜日に首相官邸前で原発再稼動反対の抗議活動を行っており、デモ参加者は激増。この市民運動を無視できず、異例の〝直接話し合い〟が行われた意義は大きい。

同連合は①大飯原発の再稼動中止②現在点検・停止中の全原発を再稼動させない③全原発廃炉への政策転換④原子力規制委員会の人事案撤回――の4点を要求。

これに対し野田首相は「安全性を確認したうえで再稼動を判断した。今後、国民が安心できるエネルギー構成のあり方を考え、方向性を定めたい」と答え、論議は噛み合わなかったと言えるが、首相に安全性優先へのエネルギー政策転換を再認識させた意義を評価したい。


東京新聞8月23日付社説は「首相は国民の声を真摯に受け止め、原発再稼動を取り止めて持続可能なエネルギー源開発に力を注ぐべきだ。市民団体の側にとっては、首相との面会はゴールではなく、通過点にすぎない」と述べていたが、もっともな指摘である。

朝日新聞23日付社説が「ものごとを政治家と既得権益を持つ組織の代表や一部の専門家で決め、ふつうの市民はかかわりにくいのが、従来の『ムラ社会』型の意思決定の仕組みだ。不信はそこに根ざしている。組織されない市民の声を、どう政策決定に組み込むか。今回の試みのほかにも、様々な回路を開かなければならない。…これを、開かれた政治への一歩とすべきである」と分析していたが、前向きな指摘と受け止めたい。



全国ネットワーク「脱原発法要綱案」にも注目

一方、「脱原発法制定全国ネットワーク」は8月22日、脱原発を実行させる法案の制定要綱案を、衆院第1議員会館での記者会見で発表。要綱案では、脱原発の時期を「遅くとも2020年度から25年までのできるだけ早い時期、と幅を持たせているが、各政党から幅広い支持を集めたい狙いがあるようだ。代表世話人の大江健三郎氏は「法案提出は、原発を止める強い意思表示とともに、そこに至る過程を様々に考えていこうとするもの」と意義を語っており、「脱原発依存」に向けた今後の動向が注目される。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye2028:120829〕」

トッドの新刊/自由貿易は民主主義を滅ぼす/日刊べリタより

2012-08-29 13:41:42 | 経済
「エマニュエル・トッド著「自由貿易は民主主義を滅ぼす」


  欧州はユーロ危機で新車の販売も落ち込み、世界の自動車メーカーの欧州事業は打撃を受けている。失業率も高まり、失業手当で食いつないでいる人たちには新車を買う余裕はなかろう。そして欧州需要の落ち込みが中国など途上国の製造業や日米など先進国の製造業にも暗雲を投げかけている。こうして先進国での需要の落ち込みがやがては途上国にとってもダメージとなっていく。

  歴史人口学者エマニュエル・トッド氏は今世界に必要なのは自由貿易ではなく、保護貿易だとする。と言っても自由貿易を完全に否定しているわけではなく、つまり貿易の利点を認めながらも、現在の危機を乗り切るためには保護貿易しかないと言うのである。トッド氏は世界の危機の本質が「需要不足」にあると診断する。

  リーマンショックまではそれでも(虚偽の)繁栄を維持できた。その理由はアメリカが主にアジアからの借金によって、世界の消費(需要)を下支えしてきたからである。だが、米国のバブル崩壊に伴い、そのいびつな構造はもはや有効性を失ってしまう。

  保護貿易を擁護する本書の骨子は保護貿易を行うことで欧州の労働者が労賃の安い途上国の商品と競争を余儀なくされずに済むことにある。途上国との賃金競争を避け、先進国の労働者の労賃を上げることができれば労働者は手もとに可処分所得が残るのだから、物を買う需要も生まれる。それは日本のメーカーにとっても中長期的にはプラスになるはずだ。しかし、欧州連合の指導者たちには保護貿易を行うビジョンがないばかりか、自由貿易を疑うことすらないという(トッド氏は住民の知性の指標である欧州政治家の知性が低下していると指摘している。その理由は先進国がピークを越え、教育においても下降を始めたことにある)

  必要なのはたとえば欧州域内で協調的に行う保護貿易であるという。何にどれくらいの関税を課すか、といったことを一国だけでなく、地域経済圏の中で他国と協調しながら決めるべきだとするのである。今のままの自由貿易が続けば、世界が賃金競争に巻き込まれ、労賃は下がる方向で、世界全体が疲弊していくと説く。つまり、世界全体の需要が低下していくというのだ。たとえば90年代に世界の工場として登場した中国も人件費が上がってくると工場がさらに人件費の安い途上国へと移転していくのを避けられない。世界経済が常に過酷な低価格競争にさらされている限り、総需要の低迷は避けられないとトッド氏は指摘する。

  「1つの企業が、国内市場よりも、世界市場を念頭に置いて生産するとどうなるか。そこでは、自国の労働者の給料は、単なるコスト、労働コストにすぎなくなる。世界市場向けに生産する企業にとっては、労賃は安い方がよいに決まっている。したがって、労働者の労賃を下げたり、国外に生産拠点を移すわけです。こうした現象が、すべての先進国で起こっている」

  国内の需要を維持するためにはどの程度の労賃を維持しなくてはならないか、そうした一国全体の経済を考えることが経営者にはできなくなりつつある。また政治家も官僚も、そうしたことを私企業の経営者に投げるのみである。90年代以後、アメリカでも日本でも経営者が考えてきたのは生産性を上げることであり、労働者=住民の需要を上げることではなかった。90年代にもっとも生産性を上げた主要な方法は労働者の雇用を減らすことであり、残った労働者の賃金を下げることだった。現在の自由貿易を続ける限りこの傾向はさらに続いていくだろう。

  富裕層は一定以上の富を消費に充てることもなく、使途のない資金が一部の人間のもとに滞留することになる。これは格差を拡げ、やがては民主主義を脅かすことになるという。トッド氏は保護貿易だから排他的だというのは誤りだとする。むしろ自由貿易の方が世界に対して過酷な競争を仕掛けるのだから、排他的だというのである。その証拠に自由貿易をスローガンとしてきた米国が世界各地でどれだけ戦争を起こして来たか振り返ってみればよいという。

■「自由貿易は民主主義を滅ぼす」(藤原書店)」

丹羽大使は見識がある/交代は不要

2012-08-29 12:54:01 | アジア
「丹羽大使、意思疎通強化訴え 日中シンポ 襲撃事件や反日デモには触れず

2012.8.29 11:29 [外交]


 中国人とみられる男に襲われ、公用車の日の丸が奪われた丹羽宇一郎駐中国大使が29日、中国政府直属のシンクタンク、中国社会科学院による日中国交正常化40周年記念シンポジウムであいさつし、日中間の意思疎通を強化するよう訴えた。

 公用車襲撃事件後、丹羽大使が公の場に姿を現したのは初めて。襲撃事件や反日デモには触れなかった。

 丹羽氏はあいさつで「長期にわたる平和や友好のための協力が日中両国にとって唯一の選択肢。緊密な意見交換を通じて、個別の問題を日中関係の大局に影響させないようにしていくべきだ」と述べた。

 丹羽氏のほか、中国の対日交流団体「中日友好協会」会長の唐家●(=王へんに旋)元国務委員らも出席し、日中関係の在り方について講演する予定。(共同)」

日朝実務者交渉の再開/ロシアの声より・ロシアの見方

2012-08-29 12:50:33 | アジア
「 中国の北京で29日、日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の政府間協議が開かれる。協議実施のきっかけとなったのは北京で開かれた日朝赤十字の協議だ。日朝政府間協議は4年ぶりの再開となる。
日本側は議題について言葉少なげに語り、当面の問題が協議されると伝えただけだった。日本と北朝鮮の間には多くの問題がある。そのうちのいくつかは複雑なため、早急に解決されることは難しいと思われる。そのため、29日の協議で決定的な進展がみられることは恐らくないだろう。だが、少なくとも協議開催は注目に値する。

 日本と北朝鮮は外交関係を持っていない。だがこれは長きにわたり両国の貿易や交流の妨げにはなっていなかった。状況が著しく変化したのは今から10年前の2002年9月。変化が起きたのは、ちょうど両国が著しい関係向上に期待していた時だった。2002年9月、当時日本の首相を務めていた小泉氏が北朝鮮を訪問した。この訪問は、日朝関係正常化に向けたはじめの一歩になると期待されていた。特に北朝鮮指導部は、両国の関係正常化に期待していた。北朝鮮は国交が回復した場合、1910-1945年の植民地支配の際に与えた損害に対して、日本が多額の賠償金を支払うと考えていたようだ。そのため当時の北朝鮮指導者だった金正日総書記は先例のない行動に出ることを決め、1970年末から1980年代初めに北朝鮮の工作員などが秘密裏に多数の日本人を拉致し、そのうちの数人が北朝鮮にいることを公式に認めた。

北朝鮮による日本人拉致疑惑はずいぶん前から存在していた。だが多くの日本人は、拉致疑惑に懐疑的な態度を持っていた。日本の左派ジャーナリストらは、拉致は日本の「反動勢力」が作り出した空想の産物だと主張した。だが金正日総書記の声明により、拉致は事実であることが明らかとなった。

 金正日総書記とその側近は、拉致を認めることで過去の仕打ちを忘れ、関係構築に向けた準備があることを強調する「善意のシグナル」を伝えようとした。だが日本の世論は、金正日総書記の声明に全く別の形で反応した。日本は衝撃を受け、日本の世論は、全ての拉致被害者が日本へ帰国するまでは、北朝鮮と重要なコンタクトを持たないという断固とした立場を取った。

 北朝鮮は機密情報に関与していなかった拉致被害者を日本へ帰国させた。だが、拉致された日本人の多くは北朝鮮工作員の養成に関わっており、公表できない多くの情報を知っていたため、死亡したと伝えられた。だが日本の世論はこれを信じなかった。そして両国関係は凍結した。

 最近数年間、日朝関係は解決不可能に思えた。北朝鮮は、人材の損失ならびに機密性の問題から、日本側の要求を受け入れることができなかった。一方で日本側は、約30年の間に実際に亡くなってしまった人がいる可能性を考慮することなく、拉致被害者全員の帰国を求めた。

 時が過ぎ、このような断固とした態度は両国にとって害を及ぼすだけであることがより明確となった。だが、ある時期まで両国は譲歩する意向を持っていなかった。しかし現在、妥協する可能性が表れたように思われる。

日本の政府関係者たちは非公式の見解として、北朝鮮でリーダーが交代したことにより、特に北朝鮮がなんらかの譲歩をある程度示した場合には、話し合いが可能になったとの見方を表した。

 現在は、あらゆる問題を過去の北朝鮮指導部のものとして帳消しにし、両国の関係回復を開始することが可能だ。だがもちろん、29日の協議で「奇跡」を期待するべきではない。今回の協議では、重要性の低い問題について進展がみられればいいと考えるべきだ。例えば、日本人に対して、植民地だった北朝鮮地域で死亡した日本人埋葬地への墓参が認められる可能性がある。(伝えられたところによると、この問題は協議議題に含まれている。)

 今回の協議で重要な拉致問題が解決されることは恐らくないだろう。だが少なくとも、拉致問題について協議する用意が示されているのは、良い兆候だ。」

国会事故調の提言を実行すべし/最低限のことだと思う

2012-08-29 12:25:39 | 原発
「【たんぽぽ舎発】原子力規制委員会の決め方に重大な問題あり  規制機関に関する国会事故調の提言を実現せよ

   山崎久隆


 『東京電力福島原子力発電所事故調査委員会』いわゆる「国会事故調」は法律に基づき国会の下に設置された委員会であり、「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法」に規定された組織です。この法律は衆参両院全会一致で可決されたものであり、国会で全会一致で可決されたということは、国民の総意に基づいて設置された委員会です。

 その国会事故調が、今後の課題の中でも大きなものとして提言したのが「原子力安全行政をどうするのか」という点です。国会事故調報告書(東京電力福島第一原子力発電所事故調査委員会報告書(2012年6月22日)の「提言5」において具体的に規定されています。実は政府が最も嫌ったのが、これであることも明白です。提言は記憶して繰り返し国会議員などに主張し続けるくらい、重要な内容を含みます。

 以下に報告書の「ダイジェスト版」から要約します。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

▼新たな規制組織は以下の要件を満たすものとする。(要約)
1)高い独立性-政府内の推進組織からの独立性、事業者からの独立性、政治からの独立性。

2)透明性-意思決定過程を開示し、電気事業者等の利害関係者の関与を排除し、国会に対して全ての意思決定過程、決定参加者、施策実施状況等について報告する義務を課し、推進組織、事業者、政治との交渉折衝等には議事録を残し原則公開。
 委員の選定は第三者機関で1次選定、相当数の候補者の選定を行わせた上で、国会同意人事として国会が最終決定。

3)専門能力と職務への責任感-新しい規制組織の人材を世界でも通用するレベルにまで早期に育成、グローバルな人材交流、教育、訓練を実施、外国人有識者を含む助言組織を設置、「ノーリターンルール」を当初より、例外なく適用。

4)一元化-特に緊急時の迅速な情報共有、意思決定、司令塔機能の発揮に向けて組織体制の効果的な一元化。

5)自律性-常に最新の知見を取り入れながら組織の見直し、自己変革を続けることを要求し、国会はその過程を監視。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

 この中で、原子力規制委員会人事については『委員の選定は第三者機関で1次選定、相当数の候補者の選定を行わせた上で、国会同意人事として国会が最終決定』を実施しなければなりません。その前提として、選定委員会を国会内に設置し、幅広く候補者を集め、それを国会で審議し、決めていくことになります。この「候補者」は、「高い独立性」を有しなければならず、当然ながら過去に政府内外を問わず原子力推進組織の主要メンバだった人は除かなければ
なりません。また、候補者選定段階から「透明性」を確保する必要があります。

 しかし、これを実現するどころか、国会事故調が報告書を出す前後に、原子力規制庁のと原子力規制委員会の根拠法を大慌てで成立させ、さらに田中俊一以下の原子力規正委員候補メンバー5人を早々に内定し、その案を国会に提出しています。これは国会事故調を軽視しているに止まらず、調査報告そのものの存在を無化しようとする悪質な行動に他なりません。このような妨害をする理由ははっきりしています。原子力産業や原子力学会等のいわゆる「原子力ムラ」にとっては、規制当局が「まともな」規制をはじめれば、推進体制が完全に行き詰まることは目に見えているからです。

 新しい規制委員会が「まとも」に機能しないよう、原子力ムラの利益を守るような人物を送り込む、そのためには国会事故調の提言などは無視することを政府に迫った結果が、これでしょう。
 福島原発事故調査で最も重要な点である「再発防止」に関わる原子力規制のあり方を、政府も国会も全く無視してしまったことで、国会事故調は意義を喪失させられようとしています。その点を国会議員一人一人は一体どのように受け止めているのか、その点を迫っていく必要があります。

 今からでも遅くはありませんから、原子力規正委員会の委員候補を選ぶための選考をやり直し、国会の場で所信を聞いて審議すべきなのです。
 そして当然ながら、次の選挙などでは今回のやり方に対する国会議員の立場を重大な判材料とすべきです。次の選挙後の新しい議会においては、再度国会事故調の報告書に基づく、国会における常設委員会の設置と、事故調メンバーの招致を含む国会審議が行われなければなりません。」

駐日韓国大使のインタビュー

2012-08-29 10:47:06 | アジア
「交流止めてはならない」 韓国駐日大使インタビュー

 韓国の申?秀(シンカクス)駐日大使が28日、佐賀県を訪れた。昨年6月の着任以来、全国で続けている自治体訪問の一環。佐賀新聞社でのインタビューにも応じ、竹島(韓国名・独島(ドクト))問題でぎくしゃくする日韓関係については「正常な交流を止めてはならない。両国の長期的な関係発展のために努力する」と述べた。

 ■まずは佐賀の印象を。

 駐日大使館で一等書記官を務めていた1986年の秋、長崎県での公務を終えた後、私的に一人で有田を訪れた経験がある。有田焼が見たくて、陶祖李参平の墓碑をお参りし、小さな焼き物を買った。今回は2度目の訪問。佐賀県は全羅南道とよく似ていて海や自然があり、田舎出身の私にとって、ゆったりとした感じがいい。有田焼だけでなく、武寧王をしのぶ行事があるなど歴史的にゆかりがある地域で、非常に印象深い。

 ■竹島問題で日韓関係がぎくしゃくしている。地方訪問を繰り延べる選択肢もあったと思う。あえて足を運ぶのはどういう思いからか。

 隣国で歴史的に不幸な経験があった間柄。こういう荒波はいつでも起こり得る。それによって韓日関係の正常な交流が止められることがあってはならない。問題は問題として解決していきながら、いろんな面での人的、文化交流、地方交流はきちんとやりながら両国の長期的な関係発展のために努力する。それが大事じゃないかと思うから計画通りに訪問した。韓日関係は80年代とは比べものにならないほど発展し、相互依存関係になりつつある。多様な交流を通じて、冷静かつ建設的にみられる方向に進んできていると思う。交流は相手を理解することの出発点。もっともっと進めていきたい。

 ■佐賀と韓国は官民レベルでさまざまな交流がある。地域外交に寄せる期待は。

 佐賀県はIT教育に熱心。韓国も熱心で、情報交換をしながら21世紀の新しい教育の形態を目指したい。韓日関係のすそ野は草の根レベルの交流。青少年たちが心のふれあいができる交流をいろんな角度から実施していくことが大事だと思う。ホームステイや修学旅行、サッカーなどのスポーツ交流は、思っているより効果は大きい。子どものころの経験は頭に焼き付き、世界観を形成する要素になる。夢を持たせる意味でも、互いに行ってみて、肌で感じるようにすることが大事だ。

 ■韓国政府はTPP(環太平洋連携協定)やFTA(自由貿易協定)を推進している。県内農家の中には不安視する声も少なくない。

 ウィンウィン(相互利益)の交流ができると思う。農業もグローバル化の時代。韓国の農家も苦境に立たされており、付加価値を高めないと競争できない。単なる価格競争ではなく、安全性や新鮮さといった面でお互いに競争力をつけることはできる。

 ■韓国から見た佐賀の観光地としての可能性に加え、産業で連携できる分野は。

 韓国からの日本への観光客は温泉とゴルフの利用が多い。それらをパッケージにして、韓国でゴルフができない冬場に売り込むといいと思う。観光はストーリーも必要で、有田や名護屋城など、歴史の関わりがあるところを組むといい。産業分野で韓国が力を入れているのはグリーンテクノロジー(環境技術)とライフサイエンス(生命工学)。この二つで協力できる分野を見つけていくべきだ。

2012年08月29日更新」