白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

活断層の全面見直しを―原発

2012-04-29 17:27:15 | 原発
「 日本原電敦賀原発(福井県)の真下に、おびただしい活断層。そんな疑いが原子力安全・保安院の調査で浮上した。日本は世界有数の地震国である。全原発立地地であらためてよく調べるべきだ。

 断層とは地面の奥がずれて動いた跡。このうち将来再び動く恐れがあるのが活断層だ。つまり地震の巣。政府が定めた指針では、約十三万年前までに動いたことを否定できない地層が活断層とされており、その真上には、原子炉を設置できない。

 敦賀原発の直下を含む敷地内には、破砕帯と呼ばれる古くてもろい断層が、少なくとも約百六十本走っているのが知られていた。さらに、敷地内には活断層の「浦底断層」が通っている。浦底断層が起こす地震に、破砕帯が連動する恐れがあることは、以前から知られていた。しかし、原電は設計上の考慮に入れていない。

 ところが東日本大震災が、風向きを変えつつある。動かないはずの断層が動いたからだ。

 保安院は震災後、原発から五キロ以上離れた断層の連動も考慮に入れて、原子炉を襲う最も大きな地震による揺れの想定(基準地震動)を見直すよう電力事業者に指示していた。その結果、北海道電力泊原発、中国電力島根原発、敦賀原発、そして高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の四カ所を、見直しの必要ありとした。

 東海、東南海、南海の連動による南海トラフ巨大地震の影響は、関東から九州に及ぶという。

 地中深くに何があるかは、まだよく分かっていない。二〇〇七年の新潟県中越沖地震を起こした海底断層が柏崎刈羽原発の直下まで延びていることも、その余震を分析してみて初めて分かった。津波、電源だけでなく、巨大地震の揺れへの配慮が必要なのは、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)だけではない。

 保安院から指摘を受けた四原発のうち、泊1、2号機と敦賀2号機が安全評価(ストレステスト)を保安院に提出し、再稼働を求めている。だが敦賀の結果を見れば、活断層の詳細な実地調査と連動の影響評価がすむまでは、泊や敦賀、渦中の大飯原発などに限らず、どの原発も再稼働を許すべきではない。全原発で詳細に調査し直して、結果を公表すべきである。

 連動を考慮に入れれば、敦賀原発は活断層の真上にあるといえるだろう。ルール上、1、2号機ともに廃炉は免れない」

薄煕来続報・李源潮の活動を「人民日報・日本語版」が

2012-04-29 16:27:14 | アジア
 そんなに気にする必要のないことなのかもしれませんが。

 李源潮氏の北京生命科学研究所訪問を報道。

 ちなみに李源潮氏は中国共産党の組織改革にも熱心な改革派で、なおかつ太子党系列にも、共青団系にも人脈を持つ、ということだそうです(楊中美『2013年に中国で軍事クーデターが起きる』)。


「李源潮氏:型にとらわれず、国内外の優秀人材を招致

李源潮・中共中央組織部長(中央政治局委員、中央書記処書記)は17日、調査研究のため北京生命科学研究所を訪れた。李部長は「生命科学研究所はこれまでの経験を総括して、中国の特色を持ち、国際的慣行に沿った、世界一流人材が集まる科学研究プラットフォームを構築しなければならない。また、科学研究機関が自主的にテーマを選び、研究者が研究に専念できるようなメカニズムを構築し、真の才能と学力でもって研究に専念し成果を出すような気風を提唱し、イノベーション型国家の建築を推進しなければならない」と指摘した。

同研究所は設立から7年、国外の科学研究管理メカニズムを積極的に取り入れ、海外留学経験者などのハイレベル人材を多数招致してきた。27の実験室が設立され、主任の多くを海外から帰国した若い科学者が勤めている。

これまでに国内外の刊行物で発表された同研究所の成果は180件にのぼり、うち「ネイチャー誌」、「サイエンス誌」、「セル誌」で発表された論文は23本に上る。2012年には同研究所の科学者4人が米ハワード・ヒューズ医療研究所の「国際若手科学者賞」を受賞している。

同研究所の王暁東所長は座談会で、「当研究所は世界で最も優れた科学研究を行い、最良のアイデアを持っている。一流の研究成果を社会にフィードバックし、人々に利益をもたらしたい」と述べた。

李部長は「基礎科学研究と研究開発のそれぞれの特徴に基づき、研究および人材体制メカニズムを革新しなければならない。国外の進んだ経験に学び、科学者本位の基礎科学研究管理体制を打ちたて、所長が責任を負い、科学者が自主研究するという運行メカニズムを模索し、科学者のイノベーション・積極性を最大限に引き出さなければならない。中心都市の役割を十分に発揮し、型にとらわれずに国内外の優秀人材を招致しなければならない。党委員会・政府・組織部門は良き『後方支援部隊』として、科学者たちが研究に専念できるような条件を整えなければならない」と指摘した。
 
「人民網日本語版」より 2012年4月20日」

薄煕来続報・中国最高指導部に関する予測

2012-04-29 16:21:15 | アジア
 ろいろ否予測が出てきています。

 以下はシンガポールより。

「  シンガポール国立大学東南アジア研究所の研究員で、中国の政治に詳しい薄智躍氏は、「(中国の次期最高指導者と目されている)習近平国家副主席よりも、李克強氏のほうが大国の指導者のイメージにふさわしい」と指摘した。米メディアが伝えた。

  薄智躍氏は、現在の最高指導者である胡錦涛国家主席について、「厳かで、人情味にかけるきらいはあるが、大国の指導者というイメージはある。発言も慎重で、これまでに失言もない」と評価。
  一方、習近平氏については、庶民感覚はあるが国際舞台に立つ上では経験の積み重ねが必要だと指摘した。

  また、もう1人の次世代指導者と見られている中国共産党政治局常務委員の李克強氏について、2008年の四川大地震で救援活動を指揮したことや、英語でのコミュニケーションが可能なことなどを挙げ、「大国の指導者のイメージがある。地方指導者としての実績はあまり高くないが、より高いポストにつけば学識と能力を発揮するだろう」と評価した。  

  さらに、「2010年10月に習近平氏が中央軍事委員会入りしたことで、次期総書記への就任が確定したと思われているが、まだ不確定要素がある。李克強氏や、(中共政治局委員の)李源潮氏が総書記になる可能性も残っている」とした。

  長い間、胡錦涛氏は李克強氏を後継者として育ててきたと見られていたが、ここにきて習近平氏が一番くじを引いた格好となった。近年インターネット上では、習近平氏が江沢民(前国家主席)派に属すると噂されている。しかし、習氏が抜擢されたのは江沢民派というより諸元老の意思であり、習氏は派閥色が薄いため各派が受け入れ易いからだとの指摘がある。(編集担当:中岡秀雄)」

薄煕来続報・李源潮の台頭か

2012-04-29 16:02:06 | アジア
 実は以前にも載せた記事ですが改めて。

 理由は薄煕来失脚後急速に台頭しそうだという観測があるので。

 といっても、楊中美『2013年に中国で軍事クーデタがおきる』で、習近平に立ちはだかる二人として、李源潮と薄煕来の二名があがっていたからなのですが。

 楊中美さんは李源潮の方が慎重で確率が高そうだとの予測でしたが、どうやらその通りになりつつあるようです。

 関心のある方は楊さんの本を一読されるといいと思います。

 2年前の本ですが、今読んでみて今回のことを理解する上で大変役に立ちました。


「  中国共産党18回大会までまだ一年以上残しているが、人事に関する臆測は後を絶たない。中国の消息筋は、李源朝・中央組織部長の昇格が最も有力で、5年前の曽慶紅氏のように、「18回大会」の後、中国共産党内で「最も実力ある人」になる可能性が高いとしている。中時電子報が伝えた。

■「李源潮」写真特集
 消息筋によれば、中国共産党内の各勢力がポジション争いのため積極的に動くなか、現在最も有力なのが李源潮氏で、「18回大会」後に現国家副主席の習近平氏、国務院副総理の李克強氏に次いで3番目の「実力者」になるとの見方が一般的だという。

  現在61歳の李源潮氏は江蘇省漣水県出身。1983年から中国共産主義青年団(共青団)中央書記処書記を務め、一時は胡錦濤・現国家主席と同列に並んだこともあった。

  李源潮が手腕を発揮し始めたのは、2000年に出身地・江蘇省の共産党委員会副書記に就任してからであり、江蘇省トップ在任中の5年間、省別GDPで江蘇省は広東省とトップを争ったという。

  李源潮氏は現在、中央組織部部長として中国共産党組織人事を取り仕切っており、副省級以上の人事はすべて李氏の承認を得なければならない。 中国政界では近年、江蘇省籍もしくは同省出身者が相次いで抜てきされており、背後には李源潮氏の影があるとされている。

  消息筋は、2002年の中国共産党16回大会の後、同じく中央組織部長であった曽慶紅氏が政治局常務委員に昇格するとともに、中央書記処書記、中央党校校長、国家副主席などの職を兼務し、一時実権を握ったと分析。李源潮氏も「18回大会」において上記ポストに就く可能性が非常に高いものの、年齢上の理由から、曽慶紅氏と同様、任期は1期のみになると予測している。(編集担当:中岡秀雄)」

北朝鮮の核実験・ウラン型か

2012-04-29 15:47:38 | 軍事
「[ウィーン 27日 ロイター] 3回目の核実験を強行するとみられる北朝鮮。国際原子力機関(IAEA)の元事務次長であるオリ・ヘイノネン氏は27日、北朝鮮は今回、過去2回で使ったプルトニウム型ではなく、初めて高濃縮ウラン型を使用するとの見方を示した。

もしこれが現実となれば、北朝鮮は以前考えられていたより多くの兵器用核物質を保有していることになる。北朝鮮と中国の両政府に近い関係筋は先に、北朝鮮が核実験の準備をほぼ終えており、近く核実験を行うことが可能だとの認識を明らかにしている。

ヘイノネン氏は、ロイターに宛てた資料で、2010年に訪朝した米ロスアラモス国立研究所のヘッカー元所長が目にしたタイプのウラン濃縮施設は、簡単に高濃縮ウラン製造用に変更できると指摘。「(3回目の核実験は)北朝鮮が十分な量の高濃縮ウランの製造に成功し、核爆弾の設計図も持っていることを表す」と警戒感を示した。

プルトニウム備蓄に限りがある北朝鮮は、ウラン濃縮に取り組んでいることを2年前に明らかにしている。ヘイノネン氏は「プルトニウム型を作れた事実を踏まえれば、ウラン型も作れるはずだ」と語る。

ヘッカー元所長によれば、北朝鮮はプルトニウムを24─42キロ備蓄しており、この量は、核爆弾4─8個分に相当する。しかし、寧辺のプルトニウム施設は6カ国協議での合意に基づいて運転を停止している。

米カーネギー国際平和財団のジェームズ・アクトン氏は「北朝鮮のプルトニウム備蓄は、わずか一握りの兵器製造にしか足りない。プルトニウム製造施設の老朽化を考えれば、それ以上増やすのは時間がかかり、人目も引く」と指摘。対照的に、ウラン濃縮施設は「北朝鮮の核備蓄を大幅に増やす」能力があるようだと述べた。

ただ、IAEA査察団が国外に退去させられたため、北朝鮮がウラン濃縮プログラムをどの程度進めたかは核専門家でも評価が難しいのが実情。

ヘイノネン氏は、北朝鮮がウラン濃縮施設の稼働に成功してる場合、少なくとも3.5トンの低濃縮ウランを持っているはずだと分析。年間1.8トンの低濃縮ウランを核兵器転用可能な高濃縮ウラン40キロにするため、さらに1000機以上の遠心分離機を設置する可能性もあるという。

複数の韓国紙は、韓国当局者の話として、早ければ2週間以内に核実験が実施される可能性があると報じている。」

割れる対応―ロシアとウクライナ

2012-04-29 15:43:30 | 政治
「前首相投獄「容認できぬ」 露大統領がウクライナ批判

2012.4.29 11:05

 ロシアのメドベージェフ大統領は28日、ウクライナのティモシェンコ前首相が在任中の職権乱用罪に問われ服役している問題について「絶対に容認できない」と述べ、ウクライナのヤヌコビッチ政権を批判した。タス通信が伝えた。

 メドベージェフ氏は「憎み合っても、けんか腰になってもいいが、大統領選の対立候補を裁判にかけ投獄するというのは、大いに当惑させられる」と述べた。

 ティモシェンコ前首相は2010年の大統領選でヤヌコビッチ現大統領に敗れた後、首相在任中のロシアとの天然ガス取引をめぐって訴追され禁錮7年の判決を受け服役中。脊椎の痛みを訴えてドイツでの治療を求めているが、政権側は出国を認めていない。

 前首相は今月20日に強制的に刑務所近くの病院に一時移送され、暴行を受けたと主張してハンストを続けている。(共同)」

薄煕来続報・前妻との息子

2012-04-29 15:09:05 | アジア
「「人生狂った」薄氏長男の李望知氏

2012.4.28 16:28 [中国]

 中国重慶市トップを解任された薄煕来氏の長男、李望知氏は28日までに、薄氏の一連の問題で「自分の人生はむちゃくちゃになった」と述べた。米ブルームバーグの電話取材に26日、答えた。薄氏とはこの5年会っておらず、父の威光を借りて利益を得たことはないなどと話した。

 ブルームバーグや香港紙によると、中国国内にいる李氏は34歳で、母親は同氏が幼少時に薄氏と離婚した。留学先の米国でぜいたくに暮らしていると報じられている薄瓜瓜氏と李氏は異母兄弟。

 李氏は、米国留学などを経て投資業を行っていたが、今年2月からは仕事をしていないと説明。薄氏が市長を務めた大連市で投資したこともあるが、うまくいかなかったという。最後に薄氏と会ったのは、2007年に行われた祖父、薄一波氏の葬儀だとした。(共同)」

 前妻と婚姻中に、谷開来と薄煕来は親密になったといわれ、離婚と結婚に際しては相当もめたといわれる。

薄煕来続報・軍権

2012-04-29 15:02:42 | アジア
「 北米の中国語ニュースサイト・博訊網は27日、失脚した薄熙来・前重慶市党委書記に絡む一連の事件のおかげで、党中央軍事委員会主席でもある胡錦濤党総書記(国家主席)はようやく軍の実権を握ることができたと伝えた。

 今秋開かれる中国共産党の第18回党大会では、胡錦濤総書記が引き続き党軍事委主席を務めるかどうかが注目されている。胡氏は2004年に軍事委主席に就任したが、軍内では江沢民前主席の発言力のほうが大きく、実際には軍権を掌握していたとは言い難かった。

 しかし薄氏の事件が起きてから、軍は「胡主席の指導に従う」と何度も繰り返し表明した。事件を受けて党指導部は「安定」を声高に叫ぶ必要があり、胡氏はこの機会にうまく軍の実権を握ったことになる。

 記事は、「党中央の指導者が権力を手放したがらないのは、路線やイデオロギーの対立があるためではない。権力を手放した後に政治闘争が起きたら、身内が粛清されてしまうのではないかと恐れているためだ」と分析する。

 薄熙来事件に関しては「指導部で激しい内部闘争が繰り広げられているというより、各人がこの事件から利用できるものは利用しようとしている」と見る。総じていえば、薄氏とその支持者を除き、中国の指導部は目下のところ結束しているという。(編集担当:阪本佳代)」

薄煕来続報・党中央が薄氏のイメージ失墜にまい進

2012-04-29 15:00:37 | アジア
「2012年4月25日、フランスの週刊誌ル・ポワン(Le point)の電子版は、中国政府が失脚した薄熙来(ボー・シーライ)前重慶市党委書記のイメージをあの手この手で失墜させようとしていると報じた。

記事によると、中国政府が薄氏を失脚させた後、最優先の任務としているのが同氏のイメージを失墜させること。重慶市党委書記の職を解き、中央政治局常務委員会と党中央委員会から除名するだけでは「足りない」と感じているようで、同氏に絡んだスキャンダルを相次いで公表している。薄氏が政界に戻るチャンスを徹底的につぶす所存らしい。

狙いはそれだけではない。中国政府は、薄氏に同情する人たちに「それはとんでもない過ち」であることを知らしめたいとも思っているようだ。英国人ニール・ヘイウッド氏の死をめぐる報道も盛んに行われている。香港メディアは殺人容疑がかけられている薄氏の妻、谷開来(グー・カイライ)氏の愛人だったと伝えている。

なるほど、これで薄氏の腹心だった王立軍(ワン・リージュン)前重慶市副市長がなぜ米総領事館に危険を冒してまで駆け込んだのか、理解できる。自分も同じ目に遭うのではないかと恐れ、自らの知っている情報をすべて成都の米総領事館に暴露したのだ。こんなことは前代未聞だが、大胆かつ悪知恵に長けたやり方だといえる。

しかも、米総領事館の情報によると、王氏は米総領事館から自ら北京の中国共産党中央規律検査委員会に電話していた。政治に敏感な中国人に言わせれば、王氏はこれで自らの命を救ったことになる。

中国政府にとって最も頭が痛いのが、どうすれば思想を統一し、党内部や軍部の薄氏の息のかかった人たちを引き込むことができるのか、ということ。いずれにしろ、1つだけはっきりいえるのは、中国政府が薄氏とその妻の罪を軽くするようなことは決してないという点だろう。(翻訳・編集/NN)」

薄煕来続報・孔慶東

2012-04-26 17:13:18 | アジア
 孔慶東はたしか薄煕来シンパで、北京大学を解雇され、様々なサイトも消されたと報じられたと思うのだが、中国共産党の公式サイトに彼のページがそのまま残っています。

 ⇒http://theory.people.com.cn/GB/40764/133842/133920/index.html

 これはなぜ?

 雷鋒精神の強調も同様。

 ⇒http://theory.people.com.cn/GB/40557/240378/index.html

 孔慶東氏のページには雷鋒先進紹介のページからいきつきました。雷鋒を消せないのでその支持者も消せないということなのでしょうか?

薄煕来続報・英国諜報機関との関係は?

2012-04-26 14:43:59 | EU
「【広州=角谷志保美】

 薄煕来前重慶市共産党委書記(62)と妻の谷開来容疑者(52)が関与した疑いのある英国人実業家殺人事件について、英米メディアが連日、大々的な報道合戦を展開している。


 両国とも対中関係の不透明さを指摘する論調が目立ち、情報機関の関与を指摘する声も出ている。


 薄夫妻と親しい英国人実業家ニール・ヘイウッド氏(41)が昨年11月15日、重慶市内のホテルで変死した事件が英米で報じられたのは3月末。同月15日、薄氏が同市党委書記を解任されたのを受けたもので、成都の米総領事館に駆け込んだ王立軍・前重慶市公安局長が漏らした情報などがソースだと思われる。

 以来、「実業家はスパイだったのか」「友人らスパイ容疑に懸念」などと、ヘイウッド氏の身分に関する報道が相次いだ。

 同氏はウィンストン・チャーチルら著名人を輩出した名門私立ハロー校の出身で、英政財界内に幅広い人脈を持つ。1990年代、薄氏夫妻と親交を深めて以来、英企業の中国進出の仲介などをしてきたが、英対外情報部(MI6)の元部員が設立した戦略情報会社に情報提供していたことを英米紙が「暴露」。

 英オックスフォード大に在学していた薄氏の息子、瓜瓜氏(24)に情報機関が接触を試みようとしていたとの報道もある。


 英政府はヘイウッド氏が「政府によって雇用されていたことはない」とするが、中国在住の英紙記者の中には、「英政府は何か隠しているのではないか」と疑う者もいる。

 また、王氏が米総領事館に駆け込むまで、英政府が中国側に事件の調査を要請しなかったことも発覚。英紙ザ・タイムズが「英国の沈黙が中国の力を雄弁に表す」などと中国への弱腰外交に対する批判を強めている。

(2012年4月26日12時29分 読売新聞)」

 英米のメディアは、イギリスの諜報機関は中国の権力中枢にまで食い込んでいると言いたいのだろうか。

 そしてそれこそが薄煕来失脚の真因だと言っているのだろうか?

薄煕来続報・落ちた犬を叩く中共中央

2012-04-26 14:41:43 | アジア
「【北京=安藤淳】

失脚した薄熙来(はくきらい)・前共産党重慶市委員会書記の事件をめぐり、香港や海外メディアの「薄一家たたき」報道が過熱している。胡錦濤指導部が情報をリークしているとの臆測も広がり、「党規約で拘束し、反論の機会を与えない手法は法治国家のやり方ではない」との疑問の声が上がり始めている。

 薄氏の妻、谷開来容疑者が親密だった英国人実業家ニール・ヘイウッド氏を殺害したとされる事件。海外メディアは同氏が留学をあっせんした息子(24)の実名を挙げ、派手な暮らしぶりを暴露する報道合戦を続けている。

 メディア規制の厳しい中国のネット上でも閲覧でき、当局は薄一家のイメージ低下を容認している様子だ。息子は二十四日、米ハーバード大学ケネディ政治大学院の学生新聞を通じ「フェラーリを運転したことはない」と初めて反論した。

 ヘイウッド氏殺害の方法については、死刑執行に利用される塩化カリウム注射説や食事に毒物を混入する説も流れた。ロイター通信は殺害動機を「違法な海外送金をヘイウッド氏に依頼した谷容疑者が、同氏に計画を暴露すると脅された」と伝えた。愛人関係のもつれとの報道もある。

 さらに、香港紙・明報は「薄氏が胡錦濤国家主席の通話を盗聴していた」「海外資産は八十億元(約千四十億円)」などと伝え、薄氏の事件への直接関与も指摘。「薄氏が王立軍前副市長の部下を拷問死させたため、前副市長の米領事館駆け込みが起きた」など、薄氏の専横ぶりを伝えている。

 三月中旬には、薄氏や江沢民前国家主席に近い周永康常務委員が「クーデターを企てた」とのうわさも流れた。北京のある大学教授は「現政権側が、江沢民派にプレッシャーをかけ、党内抗争を有利にするためだ」と指摘する。

 二十三日付の台湾紙・中国時報は「北京(政権)が西側メディアに計画性を持って調査結果を暴露している」と指摘。「薄氏の手法が文化大革命的で怖いというなら、(薄氏を)死ぬまでやっつけるようなやり方こそ文革の復活ではないか」と批判した。」

薄煕来続報・周永康の動向

2012-04-26 14:39:21 | アジア
「中国:人民日報に周永康氏の演説内容掲載 薄氏と関連か

毎日新聞 2012年04月25日 20時31分(最終更新 04月25日 20時39分)

 【北京・成沢健一】

 24日付の中国共産党機関紙「人民日報」は、失脚した薄熙来前重慶市党委書記の後ろ盾とも言われた政治局常務委員、周永康党中央政法委員会書記の演説内容を掲載した。周氏を巡っては、薄氏の失脚にからみ当局の追及を受けているとの情報があり、掲載で党内の動揺を抑える目的があるとみられる。

 演説は治安や司法を担当する全国の政法委トップを集め、3月26日に実施。周氏は「胡錦濤同志(国家主席)を総書記とする党中央の下で緊密に団結し、第18回党大会を迎えよう」と述べ、胡主席への忠誠を表明した。


 周氏は最高指導部を形成する政治局常務委員(現在9人)の中で序列9位だが石油閥と保守派を代表する実力者で、江沢民前国家主席とも近いとされる。3月の全国人民代表大会(国会)期間中に開かれた重慶市代表団の会合にも出席、薄氏の実績を高評価した。

 海外の中国語サイトは、薄氏の重慶市党委書記解任を決めた会議で周氏が胡主席らと対立し、薄氏の事件が周氏にも波及するとの観測を伝えていた。」

 党内外の動揺をおさめるために、周氏を含む常務委員会の団結を示すためだとしたら、周氏はこれで以降はおとがめなしでやっていくのだろうか?

 それは可能か?