環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

現在の「大不況」、経済学者、小宮隆太郎さんなら?

2009-04-26 23:46:47 | 経済
私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック          持続可能な国づくりの会<緑と福祉の国・日本>のブログは、ここをクリック

アーカイブ(公開論文集)
 







私の環境論が他の多くの日本の環境分野の専門家の議論と異なるのは、「環境問題」と「経済(活動)」を最初から関連づけて考えていること、そして、環境問題の解決のためには「民主主義の考え方」と「その実践」が必須なこと、具体的には環境問題の解決は従来の公害とは違って技術的な対応だけでは不十分で、経済社会の制度の変革をともなうこと、21世紀に主な環境問題を解決した「エコロジカルに持続可能な社会」の創造のためには、さまざまな「政策」とそれらの政策を実現するための「予算措置」が必要なこと、つまり、環境問題の解決に当たって、「技術の変革」と「政治と行政のかかわり」を強く意識していることです。

20世紀の安全保障の議論は「軍事的側面」に特化されていましたが、21世紀の安全保障の概念は軍事的側面だけでなく、さらに広く「経済活動から必然的に生じる環境的側面」へと展開していかなければなりません。戦争やテロ活動がなくなり、世界に真の平和が訪れたとしても私たちがいま直面している環境問題に終わりはないからです。その象徴的存在が「気候変動問題」といえるでしょう。

皆さんはご存じだと思いますが、私は今年の1月11日のブログで、「大不況」、ドラッカーなら、ケインズなら、ではなくて、現在のスウェーデンに学んでみたら、と書きました。そこで、今日のブログは、現在の「大不況」、小宮隆太郎さんなら、としてみました。


今日は、日本の経済学界を代表するお一人である小宮隆太郎さんが10年前の日本経済新聞に書かれたお考えを紹介します。私は、これまでにこのブログで何回も書きましたように、経済学やその関連学問とは無縁の門外漢ですから、小宮さんがどのような方であるかは存じませんが、幸いにも私たちはウイキペディアを通じて私たちにとって今必要な情報は得ることができます。ウイキペディアには次のように書いてあります。

----------
元来の専攻は国際経済学であったが、その枠にとどまることなく、金融論から産業政策論まで幅広く戦後の経済学並びに経済論壇をリードし続けた。
理論と政策提言の乖離が甚だしい日本の経済学界において「理論」と「実践」の両面で長らく第一線の地位を占め続けた小宮は、極めて例外的な存在である。東京大学退官後、1989年には青山学院大学国際政治経済学部教授に就任。この間、1964年~1965年にはスタンフォード大学客員教授、1988年~1997年には通商産業省通商産業研究所長を兼ねた。1990年日本学士院会員。1972年には松永賞、2002年には文化勲章を授与されている。弟子には、須田美矢子、岩田規久男、斎藤精一郎、堺屋太一、太田房江、中馬弘毅、中曽宏らがいる。
----------
現在の経済分野の議論でマスメディアを賑わしている経済学やエコノミストの方々の多くが小宮さんのお弟子さんであったり、小宮さんに学び、あるいは影響を受けた方々であることがわかります。最後の部分に「小宮ゼミ出身者」という欄があって、ここには、榊原英資さん、現日銀総裁の白川方明さん、日本経団連副会長の三村明夫さん、八代尚宏さん、岩井克彦さんなどのお名前などが見受けられます。


さて、小宮さんのお考えを伝える10年前の日本経済新聞です。

この論文記事のタイトルは「日本経済の課題 中長期の視点から 悲観主義の克服」とあります。記事の上段は10年前の日本の状況と考えてよいでしょう。そして、下段は当時の北欧諸国やスイスの状況分析です。

なぜか私には、小宮さんがお書きになった10年前の分析が現在の日本や北欧の状況と大差ないように思えるのです。そうであれば、当時よりもさらに深刻な「大不況」の現在を、「ドラッカーなら、ケインズなら、」ではなく、「小宮さんなら、どうお考えなのか」、お尋ねしたいものだと思います。

小宮さんの記事が掲載された20日後、1999年1月21日の日本経済新聞は「経済教室」の欄で北欧の成功の背景を掲載しました。当時、日本大学経済学部教授であられた丸尾直美さんが書かれたものです。そのポイントは次のようです。日本の対応とは大きく異なります。

●国民の不安解消、北欧を参考に

●資産重視の不況対策


関連記事
時代に取り残される経済学(2007-02-22)

成長一辺倒の戦後60年①(2007-02-15)

成長一辺倒の戦後60年② そしてこれからも?(2007-02-16)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿