環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

改めて、日本の「効率化」とは・・・・・

2012-04-01 21:35:30 | 経済
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 4年前の2008年3月28日のブログで、次のような趣旨のことを書きました。

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 日本の年度末にあたって、21世紀の日本の環境問題を考えるときに、私たちが把握しておかなければならない日本特有の主な条件を挙げておきます。それは日本経済が制約を受ける社会的・地理的条件です。大変不思議なのは、このような前提を忘れた議論ばかりが行われていることです。

★日本経済が制約を受ける地理的・社会的条件
★日本の「効率論」で忘れてはならない大前提
★「経済成長一辺倒」の20世紀、「21世紀の方向性」が見えない日本

 日本は今、まさに20世紀の価値観とは異なる21世紀社会への転換期を迎え、その方向性が見えず苦悩しているところです。 
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 今日、4月1日は日本の年度初めです。そこで、今日は上記の3つの論点のうち、「日本の『効率論』で忘れてはならない大前提」を再掲します。昨年3月11日に起こった「東日本大震災」から1年経って、この大前提が見事に証明されたと考えられるからです。

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 日本の企業人、エコノミスト、政策担当者の多くはこれまで日本の経済パフォーマンスを語るとき、「効率の良さ」を挙げてきましたが、これには次のような大前提があることを忘れてはなりません。

①平穏時あるいは予想される範囲の近未来しか想定していないこと。あらかじめ準備していたことを遂行する時には、日本の官僚機構、企業、学校などの既存の組織はきわめて有効に働くが、事前に想定された範囲を超える出来事(大事故や大きな自然災害など)が起こるとシステムが機能しなくなる。

②常に健康な成人を想定していること。社会を構成するのは老若男女である。それぞれに健康なものもいれば、そうでないものもいる。日本の制度は健康な成人に焦点を当てた「強者の論理」に基づくものである。
 
 これらの前提に立てば、生産、物流コストをぎりぎりまで切り詰め、「効率化」を図ることが可能となりますが、安定した社会やインフラの整備、自由な企業活動を保障するとともに、国民の健康、生活、財産の安全を確保するには、さらにコストがかかるはずです。社会全体のコストを考えることが重要です。
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 皆さんはどうお考えですか。


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