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皆さんへのお願い:10月30日から始めたこの連続講座「スウェーデンの脱原発政策の歩み」(私の理解では「エネルギー体系修正のための政策」という表現のほうが適切だと思う)がカバーする範囲は、1960年代から1990年頃までです。その頃を振り返りながら読んでください。その後のスウェーデンのエネルギー政策は「緑の福祉国家22~30:エネルギー体系の転換」を参照してください。
現時点では高速増殖炉は電力供給源として考えられていますが、「プルトニウム経済の社会」がどのような社会なのか私たちはまったくといってよいほど知らされていません。想像されるのは民主主義とは正反対の管理社会となりそうだということです。
原子力に依存しようとしまいと、いずれの場合をめざすにしても、あるいは第三の道を歩むにしろ、日本の場合のように技術による狭い意味の省エネルギーではなくて、国全体のエネルギー消費を増加させないという意味の省エネルギーがエネルギーの安定的な供給のためにも、環境への配慮の点からも、何にもまして重要であることがおわかりいただけるでしょう。
ここで、将来のエネルギー体系を考える際の一つの参考として米国の環境問題のシンクタンク、ワールドウオッチ研究所の所長で、わが国にも馴染みのあるレスター・ブラウン氏は1990年1月3日付の朝日新聞で、地球に破壊的な影響を与える「気候変動(わが国では、しばしば地球温暖化という言葉が好んで用いられます)を避けるためには
(1)エネルギー効率を高め、
(2)再生可能なエネルギーを開発し、
(3)原子力という選択肢を捨てる
ことだと思うと結論づけていることを紹介しておきましょう。スウェーデンが国を挙げて模索しているエネルギー体系はこの線に沿ったものです。
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