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人類の歴史はつねに「経済規模の拡大」の歴史でした。「経済発展(成長)」という概念は、自由主義者や新自由主義者、保守主義者、民族主義者、ファシスト、ナチ、レーニン主義者、スターリン主義者など、イデオロギーにかかわりなく「共通認識」として共有していた考え方で、その必要性については、イデオロギー間にまったく意見の相違がありませんでした。つまり、20世紀には、「経済発展(成長)」は疑問の余地がないほど当然視されていたのです。
これからの50年、私たちは否応なしに人類史上初めて直面する2つの大問題を経験することになるでしょう。一つは「環境問題」で、もう一つは「少子・高齢化問題」です。このことについては、1月3日のブログ「人類史上初めて直面する2つの大問題」 でも触れました。
20世紀後半に明らかになった「環境問題」と「少子・高齢化問題」は、20世紀の国づくりではまったく想定されていませんでした。しかし、21世紀の国づくりでは決して避けて通ることができない大問題です。このことは、「経済規模の拡大」を前提とする日本の21世紀前半の国づくりに大きな疑問を投げかけることになります。「資源・エネルギー・環境問題」が、「これから50年後の社会のあるべき姿はいまの社会をそのまま延長・拡大した方向にはあり得ない」ことをはっきり示しているからです。
環境問題解決への具体的な行動は、経済的に見れば地球規模での「経済の拡大から適正化」への大転換であり、社会的に見れば20世紀の「持続不可能な社会(大量生産・大量消費・大量廃棄の社会)」から21世紀の「持続可能な社会(資源・エネルギーの量をできるだけ抑えた社会)」への大転換を意味します。このことはおよそ半年間かけて検証してきました。
今日からしばらく、もう一つの大問題「少子・高齢化問題」を検証していきましょう。米国を除くすべての先進工業国が共通にかかえる「少子・高齢化問題」から派生する問題のなかでは、周知のようにとりわけ、 「年金制度の持続性」が緊急の課題です。年金はいうまでもなく、生産活動から離れた世代への支払いですから、経済的にはコストでこそあれ、経済発展に寄与する要因ではありません。
サミット参加8カ国(G8)のなかで、 「少子・高齢化問題」の影響をいちばん強く受けるのは、私たちの国、日本であることは明らかです。なぜなら、日本は先進工業国のなかで少子・高齢化の速度がいちばん速く、しかも総人口が減少し始めた国であるにもかかわらず、この大問題への対応がたいへん遅い国だからです。
そして、日本のあらゆる社会的・経済的な仕組みが経済規模の拡大を前提につくられており、21世紀になっても、国の政策は「経済拡大(経済成長)」ばかりを考え、表面的にはさまざまな分野で変化しているように見えても、基本的な法体系や社会制度にほとんど抜本的な変化が見られないからです。
いま、日本に求められているのは、「行き詰まった年金制度」を21世紀の社会の変化に耐えられる「持続可能な年金制度」につくりかえること、そして世界に先駆けて21世紀最大の問題である「資源・エネルギー・環境問題」の解決に道筋をつけ、21世紀前半にめざすべき日本独自の「持続可能な社会」をつくる勇気と強い意志、そしてすばやい行動力です。
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