酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

ガソリン税より原油高が大問題だ

2008-05-03 06:28:18 | Weblog
 5月から揮発油税の暫定税率1㍑当たり25・1円が復活し、ガソリンの価格が一気に上がった。この間、WTIの原油価格は1バレル6ドルも上昇している。

 GSによっては暫定税率の掛っていないガソリンを在庫しているため、全国平均価格の上昇は見かけ上抑えられているが、連休明けごろには1㍑160円の水準に達するかもしれない。

 暫定税率論議は自民党に分がない。34年も前に道路財源が足りないため2年間の期限付きでガソリン税をほぼ倍にしたのをいまだに引きずっているからだ。

 道路財源としての暫定税率は廃止し、環境を中心とした税に切り替える。いま本則1㍑28円、暫定上乗せ分25円で、計53円強になっている税を70円前後に引き揚げる。この税率はEU並の水準である。

 前置きが長くなった。

 ガソリン価格で問題なのは、原油価格の天井知らずの暴騰である。WTI価格は120ドルをうかがい、年内には200ドルを突破するとの予測さえある。

 5年前、2003年は31ドル前後で推移していた。その前年は25ドル近辺である。5年で4倍に跳ね上がったことになる。200ドルなら6倍だ。狂気の沙汰の価格というべきだろう。20兆円足らずの市場規模のWTIが世界の経済を振り回しているのはどう考えても異常である。

 世界経済は停滞か後退局面にある。気候は引き続き温暖化傾向を示す。常識的には原油は下落圧力が強まるはずである。だが、その気配は全くない。中国やインドをはじめとする新興工業国の需要圧力上昇と、供給力の先細りを見込んでいるためだろう。

 1バレル200ドルなら日本経済は奈落の底だ。原油市場に流れ込んでいる投機資金を何とかしないと、世界恐慌が現実になる。油もない、食料もない。危機が迫っているのに、日本の政治は、「政治ごっこ」に夢中だ。これでは救われない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする