![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/26/49a35881af2089cee9ad297294907e0d.jpg)
写真1 ブルーシートの上でダイジャサマ造り。左側に “技”を教わるグループが2組。ダイジャサマを巻き付ける鳥居が見える
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/43/3c092e6a66f55eb3bdd8e07342bd6f39.jpg)
写真2 2つの教わるグループ。右3人(教わるのはタオルを巻く男性)、左4人(教わるのは水色帽子と黒帽子の男性)
白帽子・紺色シャツの教える男性の背に数百年の伝統を感じる
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/af/49f6de241b3d69d80149a71e513902c7.jpg)
写真3 教える女性(白帽子に薄桃色上着)と男性(白帽子)、教わる男性2人(水色帽子と黒帽子)、心配そうに見る女性(黒帽子)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/bf/de27041fb8abe0001cf020e094ccd47f.jpg)
写真4 お茶準備など裏方が終わり、ダイジャサマの爪を造り始める女性2人
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/78/29b71f08154c697a7ec71afa6889ff21.jpg)
写真5 女性2人が造った爪に意見を述べる先生役の女性(正面の白帽子)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/82/ce85eebb37dad92707f048d3adb1302c.jpg)
写真6 ダイジャサマの胴体造り。ここでも“技”の教え、教わりがある
![人気ブログランキングへ](http://image.with2.net/img/banner/banner_14.gif)
1.伝統行事は“心”や“技”の伝承が課題
伝統行事の課題は、“心”や“技”を承け継ぐ人を確保し、伝えること
ここでは、“技”の伝承について大輪神社のダイジャサマを事例に考える
ダイジャサマは、毎年10月15日、大輪神社の秋祭りに奉納される
その1週間前に、境内で稲わらを使いダイジャサマが造られ、鳥居の柱に2体巻きつけられる
2012年は10月08日(弊ブログ2012年10月18日)
過去1年に“不幸”(葬儀など)のあった家はダイジャサマ造りに参加できない
2.ダイジャサマのカシラ造り
ブルーシートの上でダイジャサマを造る人たちは、指示されるのでなく当たり前のように2つに分かれた(写真1~写真3)
一つは造り方を教わるグループ
当グループの主な造作対象はダイジャのカシラ(上あご・下あご・舌)
教えるのは大正末期や昭和1桁前半の男性や女性、“技”既得者
教わるのは比較的若い、一世代若い団塊世代あたりと思しき男性
二つは独りでカシラ以外のダイジャサマの部品を造る人
黙々とあるいは喋りながら縄を綯い、爪などを造る
“技”に憶えのある女性2人が互いに確認しつつ、ダイジャの爪を造り始めた(写真4・写真5)
3.ダイジャサマの鳥居巻きつけ
カシラを2体造り終えると、鳥居の貫(柱上部で横に渡してある部材)に取りつける
カシラの下にわらを挿し込み綯い、4mほどの胴体を造る
造り終えた胴体を鳥居の左右の柱に巻きつける
カシラ据え付け、胴体造りの過程で挿し込み綯う方法と柱への巻き付け方法を教え、教えられる(写真6)
4.ダイジャサマ造りは実演口述で教え、教わる
ダイジャサマ造りは紙に記す造作手順、すなわち記述マニュアルはない
口述や実技実演で教え、教わる
しかし、年に1回、忘れた頃やってくるので憶えづらい、との声も耳に入る
今のところ、大正末・昭和1桁前半世代⇒団塊世代あたりへの教え、教わりが実演口述でなされる
5.教え、教わりの好機は世帯主交代期
観察して筆者が思うのは、若い人の参加が少ない
団塊世代あたりまでは教わり憶えているが、次の世代への教えが課題
ダイジャサマ造りに参加しているのは世帯主のようである
それゆえ、世帯主交代期が教え、教わりの好機と考えられる
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年10月08日 撮影地:埼玉県久喜市(旧鷲宮町)東大輪