はるみのちょっとTea-time

日々の暮らしのなかで感じたこと、市民運動のことなどわたしのことばで、つづります。

ロシア・・・五木寛之さんそして父

2022-04-14 | ウクライナとロシア
昨日の朝日新聞のオピニオン&フォーラムは
五木寛之さんへのインタビューだった。

「棄民」の時代に・・・という見出しである。
ロシアのウクライナ侵攻が続く中、
五木寛之さん自身が難民だったことと
重ね合わせて語る内容は
とても重い。

そしてソ連を旅する中で出会った
「はみ出した人々」や「デラシネ」に対する
寄り添う思いが小説という
エンターテイメントにつながっているという。

そんな「さらばモスクワ愚連隊」にはじまる
五木さんの小説にドップリとはまり込んだ
ひとりがわたしなのである。

蒼ざめた馬を見よ
戒厳令の夜
涙の河をふりかえれ
風の王国
青年は荒野をめざす
白夜のオルフェ
艶歌・・・などなど・・・

主人公にジャーナリストが多いのも
物語に惹かれたひとつだ。

ロシアを舞台にした短編のひとつに
「夜の斧」というのがある。

ロシア語で斧は「タポール」

幸せに暮らす男のもとに
「エラブカから持ち帰ったものは何か?」
という電話がかかる。

捕虜となりエラブカに移送された男は
スパイを引き受けることで帰国できた。

持ち帰ったものは「タポール(斧)」
その答えが合言葉・・・

「夜の斧」を読み終えたとき
わたしは、恐怖と得体のしれぬ不安に
押しつぶされそうになった。

シベリア抑留とロシア語の読み書きができること
そして夜中にとつぜんうなされて飛び起きるという
父・ナオゾウさん・・・
子どもだったわたしを連れ、ソビエトからの船に
たびたび足を運んでいたこと・・・

などなど思い出の単片が
「ロシアのスパイ」という言葉とともに
よみがえってきたのである。

あの世からナオゾウさんは
どんな思いで今のロシアを、
そして日本を見ているのだろうか・・・

わたしたち娘にさえ語らなかった
ナオゾウさんの過去の物語を
もっと聴いておけばよかったと思う夜・・・









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