人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

つれづれな台風前夜

2024年08月27日 | 徒然
 詩人:新川和江さんが亡くなった。
 「私を束ねないで」の朗誦は私の一人ライヴの定番だった。
 森羅万象の中の命の重さ・・・あの時代に女の立場を詩に託して謳いあげた美しさと強さに詠むたび心が震える。 
 著作権料のことで頂いた細やかなお葉書は今も大事な宝物だ。

 「大臣も兵卒もない無階級の蛙はいつも歌うばかりで素晴らしいじゃないか」
 そう言っていた蛙好きの詩人:草野新平は、真の民主主義者だったのかも知れない。
 彼の通夜の晩、一匹の大きなガマガエルが現れて皆を驚かせたという。

 米大統領候補ハリスが言う「民主主義」がトランプの強引な一国主義とは違うことを祈っている。
 バイデン勢力の票を取り込むには一緒に登壇することも必要なのだろうが、本来の民主主義を切望する有権者が離れるのではないかと危惧している。

 「プラスチックの原料って石油なんですよ!意外にこれ知られてないんですけど」と環境相時代にラジオ番組で周知の事実を喜々として語ったという馬鹿丸出しの小泉進次郎。
 以後お飾り平党員に徹してきたのに今回はひとっ飛びに首相に担ぎ出されそうだ。

 党が危機に陥るたびにトップの「顔」を替えて延命するのは、自民党のお家芸だという。
 進次郎氏が若くイケメンでアホだから、古株たちは軽くて担ぎやすかろう。
 
 朝ドラのテーマソングじゃないけれど♪誰がなろうと知らねえや!って気分だが、その一ヶ月後に衆院選をやるとしたら、あまりにも国民を甘くみている(怒)
 台風も心配だが、風前の灯の三権民主主義が総裁選のお祭り騒ぎで吹き飛びそうだ。

 頼りない野党ではあるが自民党を勝たせるよりマシに思える今日この頃・・・か。
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ことばは百薬の長

2024年08月20日 | 徒然
 メダルの数で関心を集めているかのような報道の中、寒々しい思いをしている方も多かったと思う。
 リオ五輪(2016年)から結成された難民選手団に初めて銅メダリスト(女子ボクシング)が出た。
 難民代表同士(パレスチナ対イラン)が対戦後に称え合う姿もあった。

 どちらもあまり表には出なかった。

 福島原発のデブリ取り出しは今回も数グラム、残るは880トン。
 釣り竿のような取り出し機の先に小さなひっかき装置が付いているだけだから今後の研究用作業らしい。
 つまり廃炉への展望は皆無ということだ。

 にも拘わらず政府の再稼働・新設方針は加速している。

 <何気に集うタマネギとニンニクとセミ>
 背景の裏庭を時折トンボや名を知らない小鳥やカラスが通り過ぎる。
 そして夜は秋虫の大合唱!
 これで気温が低ければ風情を感じるところだが「暑さ寒さも彼岸まで」にはまだ一月以上・・・暑さは居座り続けている。

 大切に思いながら疎遠になっていた知人が若くして亡くなった。 
 彼は17歳の手記にこう書いたそうだ。

 「幼いころ、チューブに繋がれた自分の姿が痛々しくて嫌だった。
 少年のころ、人の役に立つ人間になりたいと思った でもまったく動かない体・・・
 そんな時「君の頑張っている姿に励まされるよ」と言ってくれた人がいた。
 そうなんだ!前向きに生きる姿で人を励ますことができる。自分に自信が持てるようになった。」

 家族が彼の為に多方面に働きかけて行動し、彼は寝たきりのまま学びのシステムと師を得た。
 人を励まし続けて逝った43年の密な人生だった。

 読み終わった短編小説の最後に心を突く言葉があった。
 「物理的にやることが詰まった日常は、悲しみを遠ざけるには有効だけど、その分、とても大事なものを覆い隠す。
 現代人はそうして何年、何十年でも生きていけてしまう。」

 ここ数年は特に物理的な日常に覆われてきた自分に、気づかされた。
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主流は日本の竹だった

2024年08月13日 | 徒然
 パリ五輪の棒高跳びでスウェーデン選手が二位に30センチもの大差をつけて連覇を果たした。
 記録は6m25cm世界新記録。

 親友の元スポーツ記者(元棒高跳び選手)によると、
 「太平洋戦争開戦で米国選手たちは軽くてよく撓(しな)る日本の竹を入手できず、撓らない金属(スチール)ポールを代用した。
 そして戦後まもなく画期的なグラスファイバーポールが開発され1956年のメルボルン大会に使用する選手が現れた。

 それでも曲がらないスチールポールを使い続けた米国選手ブラッグは1960年のローマ大会を制覇。
 翌年、大学生がブラッグの世界記録をグラスポールで超えた。

 ここからグラスポール時代が始まり開発も進み、ウクライナの鳥人ブブカ選手は世界記録を35回も塗り替えて6m14cmの世界記録を残した。」

 今年百年を迎える甲子園球場も戦争で屋根を供出させられ、暑さ対策に既成のドーム球場を使うことも検討されたが球児たちの夢の舞台はあくまでも甲子園球場。
 秋の開幕も考慮しつつ今夏の開幕式では各スピーチも短く、進行にも色々工夫がされている。

 大人たちが起こす戦争という大禍が生む功罪。
 超えてゆくのは若者達。

 
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人生のリセットボタン

2024年08月06日 | 徒然
 宅急便が届く。
 玉ねぎの皮むきみたいで包装紙剥がしが果てしない。
 あっちのテープを取りこっちの封を切り・・・中身は何なんだぁ?!

 出た~、夏の甘味詰め合わせ!!
 <お気持ち届きました♡感謝>

 扇風機の風が生ぬるくて息苦しい。
 日中は図書館へ避暑も考えるが・・・そこまでチャリで行くのが煩わしくて・・・行かない。
 で、マーケットを散策・・・完璧に暑さに気力を削がれている私。

 でも気持ちだけ元気で、7人で戦う柔道混合団体での韓国銅メダル確定シーンには心から感動した。

 韓国66キロ級メダリストのアン・バウル(30歳)選手は、予選も含めて延長戦が続き何10分も闘う大健闘を連日続けていた。
 その末に敗者復活団体戦でドイツの73キロ級ワンドケイに長―い延長戦を経て敗退。
 この時点で二人ともヘロッヘロの汗みどろだった。

 しかしこの団体戦の勝敗者数が3対3と並んだので、直ぐに代表戦のルーレットが回った・・・ら、なんと汗まみれの二人がまたしても対戦することに。
 会場は「あんまりだ!」という同情でどよめいた・・・が、戦わねばならぬ。

 二人は汗を拭く間もなく延長戦に突入し判断力の限界も超えたかという頃、ドイツ選手が三つ目の指導(=反則負け)を受け、アン選手が勝利!!

 韓国が銅メダルを獲得した瞬間だった。
 この奇跡のような大逆転に会場は「ブラボー」の嵐。

 SNSとやらで物議をかもしている柔道混合団体(日本vsフランス)決勝戦での代表戦ルーレットも劇的だった。
 フランスの英雄リネールに勝てるかもとの期待もこの韓国戦がもたらした儚い期待だった。

 人種など関係なく素直に全力で戦い、素直に傷つき、素直に喜ぶ選手たち。
 
 純粋に全人生を賭ける選手たちを観ている自分を、もう一人の自分が見ている。・・・で、あんたの今はどやねん?と。
 万策尽きて最後の望みに賭けルーレットを回す時、私はリセットボタンを探している気がする・・・情けない。

 今日は原爆記念日。
 
 広島県知事:湯崎英彦氏のスピーチが絶品だった。
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頭に蓋を被せないで

2024年07月30日 | 徒然
 風のない日は湿気の中で脳がヒートアップしてくるので仕事を一旦止めてチャリ散歩に行く。
 近くに4軒あるマーケットを梯子して涼しい店内をゆっくり散策し、目も頭も元気を取り戻して帰ってくるのだ。
 <で、生ビールが美味い♡>

 仏下院選挙で勝利した左派連合の公約に「生活必需品価格凍結」というのがあった。
 必需品項目は国ごとに違うだろうが、こういう具体的な項目が公約の一つになるところが我が国では少ない気がする。
 <ゼミの抜け殻>

 「普段は見えない医療・介護・配達・ごみ収集などに携わる人々の苦労と有り難さにベランダから拍手を送る市民の姿はグロテクスだった」
という哲学者の書いた記事を見た。
 コロナ禍で起きた現象の事で、団地に住む人々が拍手する姿は、これまで彼らの存在に気づかなかった鈍感さの裏返しにもとれて不気味と言えば不気味だ。

 水俣病、ハンセン氏病訴訟など公害においても同じことが言えるのかも知れない。
 耳目をふさがれ情報を得られない国民のせいで少数派の位置に置かれ続け、多数派の私たちは一致団結して⁉よく分からない事に蓋をしてきたのだ。
 分からないなら「分からない」と声を上げ応援してほしいと被害者の方たちは訴え続けていたのに。

 『水俣病を知っていますか』の著者:たかみね・たかし元新聞記者は、「海に流せば有害物質は希釈されるはず」という企業や環境省側の言い訳に
技術者も科学者も根拠ある回答を探さなかった責任がある、と言う。

 しかし、目隠しされ考えなくて済む状態に「楽」を感じている私たちこそが最大の加害者なのだ。

 暑苦しい話題ばかりになり眼も疲れた。
 <三本立て続けに現れた飛行機雲>

 オリンピックでの号泣シーンはダイレクトに選手の長年の苦労を伝えていた。
 その号泣した選手があまりに強いため、辛い減量に耐え階級を下げて代表権を獲得し、ついに金メダルをつかんだ選手もいる。

 ギアチェンジして、真っすぐに悲喜が交錯するスポーツ文化の世界に圧倒されたい。
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冷静に学べ

2024年07月23日 | 徒然
 シートを外した便座のひんやり感が心地よい。
 前庭で小さな、緑色の可愛すぎるバッタを発見・・・なんだか、有り難いと思ってしまった。
 <正しく植え替える前に芽を出してしまったネギたち>
 なんだか、申し訳ないと思ってしまった・・・。

 女子体操のオリンピック辞退騒ぎは決して珍事ではない。
 スポーツ界の裏に通じる人たちは、昔からの悪習を何故今回だけあんなに重い処置にしたのかと感じているようだ。
 曰く、
 「19歳の選手があの厳重な持ち込み検査を潜り抜けられるわけがない。
 禁止物品を届けたのは幹部。今回内部告発で大事になってしまったから苦肉の策として当人に犠牲を強いたのだ」

 それはそうだろうが、私は本人にも大きな責任があると考える派だ。
 幼い頃から英才教育を受けストレスも並ではなかったろうが、健康に関して自ら手を伸ばして学ばなかったのは己自身。
 酒もタバコも禁じて現役を貫いた選手もいたはず、結果は本人が最も重く受け止めて将来へ繋げるべきだ。

 しかし、正しい科学的根拠に基づく身体作りと健康管理を指導しなかった先輩たちの責任も重大だ、というかあまりに日本的で曖昧な処置判断にうんざりする。

 明治神宮外苑界隈は風致地区(=都市の自然を保存・維持するために、その美観をそこなう行為などを規制している地域)である。
 そこに規制をかけているのは、都の!都市整備局。 
 その都のトップが!保護すべき自然への規制を外した。

 三井グループとの結びつきを背景に、小池女帝が神宮外苑の規制を取っ払う手続きを始めたのは数年前。
 神宮周りの建築物容積率を一気に上げて超高層ビルを建て、儲けられるようにお膳立てをしてあげたわけだ。

 今回の選挙で、「築地は守る」という公約も反故にしたのに!都民はまたもや小池女帝を選んだ。
 ある都議曰く、
 「東京都はすごい勢いで土地や財産を三井不動産に差し出しているようなものです」
 三井と組んで都政を私物化している都知事に対して対抗馬たちは、まず相手の急所を明らかな数字にして攻めるべきだった。

 少なくともアメリカ大統領選において民主党は統計から学んで政局を動かした。

 学び続ける姿勢こそが人生を自分で動かす力になる。
 
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彼らは知らない

2024年07月16日 | 徒然
 「長い物には巻かれろ」と諦める大人は昔から大勢いるが、「学ぶ機会を与えられなかったから知らなくても仕方ない」と諦めてしまう若者が増えていないか。
 教員が事務仕事に追われている現状では学ぶ機会は得難いのだが・・・。

 しかし興味の対象に出逢った途端に目覚め、取り憑かれたように探求し始める小・中学生たちがいる。

 彼らが目覚めるきっかけは「何故」。
 美味しいのは不味いのは何故?面白いのは面白くないのは何故?上手くいかないのは何故?

 「何故?」にシンプルに触発されて背景にある歴史を調べ、まるで探検でもするように豊かな未来へ向けて一から模索し始める突然変異のように純真な子どもたち。

 実は学ぶ手立てはいくらでもあるのだ。
 過酷なようだが快楽や貧しさに負けていては人生が勿体ない。

 あらゆる歴史は「突然変異」を経て軌道修正を繰り返し進化してきた、太古も今も明日も。

 「何故」を育てる教育こそが必要なのだ。

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代謝異常

2024年07月09日 | 徒然
 30年越えの大飯原発の稼働延長申請が、取り敢えず認可された。
 いつも思うことだが申請に賛成した議員たちは「事故の時は全私財を投げうって市民の救済に当てる」という念書に判を押すべきだ。

 東京電力の株主総会で株主たちが勇気を奮って「原発事業をやめましょう」と提案したがアッサリ却下。

 予想通り都知事三選を果たした女帝小池氏も、惨敗した蓮舫氏も二人まとめて・・・厄介な政治屋だ。

 細胞の分裂回数には限界があり、ヒトの細胞の場合約50回で分裂をやめ、古びてやがて死ぬ。
 その古びた細胞と幹細胞(様々な細胞になる能力を持った細胞)によって作られる新細胞が絶えず入れ替わり、4年で体のほぼ全ての細胞が新しくなる。
 (心臓を動かす”心筋細胞”と、脳や脊髄を中枢とし全身に信号を送る”神経細胞”は決して新生されない)

 加齢とともにどんな細胞も老化し、分裂能力が低下して細胞数そのものも減ってゆく。
 その結果、老化した細胞・感染した細胞・癌のような異常細胞が除去されにくくなって体内に貯まっていく。
 これが代謝異常の状態で、老化の正体である。

 老いた病巣のような政治家が居座り続けて入れ替わらないから政界は代謝異常を起こし、癌細胞のように社会を喰い尽くし壊してゆく。
 想像的に学び続けられない者は歴史の中で代謝されてきたのだが・・・。
 
 幹細胞のような人材が世界から消え始めている。
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装置としての美

2024年07月02日 | 徒然
 日常的には嬉しい事や厄介な事など色々あった一週間が、降り続く雨音の中で過ぎた。
 
 <三簾カレンダーは夏一色に>

 日曜美術館で脳科学者が絵画を鑑賞しながら興味深い感想を述べていた。
 「美の中の不安や不確かさを感知し、一体何を表現しようとしているんだろうと考えるのは人間だけ。
 その作者や別の鑑賞者は私とは違う感覚を持っているのかも知れない、と思い至る素地を鍛えるのが美の世界(文化)という装置ではないか。」
 
 人それぞれに日々進化変容してゆく思考の行方と、それを受け止める多様性の大事さに改めて想いを馳せている。
 私はいま何に向かって生きようとしているのだろうなどと、途切れぬ雨音を聞きながら・・・。
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国の運動不足

2024年06月25日 | 徒然
 命に水は不可欠だがその水の汚染が進んでいる。
 有機フッ素化合物(PFAS)が原因だという。
 その用途は界面活性剤・金メッキ・調理器具のコーティング・殺虫剤など、日用品の多岐にわたる。

 岡山県は公費での血液検査を汚染の酷い地域の住民に実施するとした。
 だが国(環境省)は「発癌性や免疫への影響は証拠不十分」という見解で、これまでの様々な公害への対応と全く同じ後ろ向き。

 暑熱順化で暑さに徐々に慣れて熱中症に備えよう、と思っても水が怖くて飲めないようではどうしようもないではないか!

 <仕方ない!生ビールをがぶ飲みするカ~ッ♡>

 消費者物価も上がり続け介護施設は倒産・閉鎖が続く。
 若者も要介護の国民も希望を失い、相対的に活力減退が激しく進む我が国ニッポン。

 介護保険料は異常に高いのにサービスそのものは受けられないという事態も現実味をおびてきた。
 
 先日、町内会のイベントで介護予防セミナーがあった。
 講師の理学療法士によると老化と痴呆への近道は運動不足だという。
 
 この国も明らかに政治運動不足による痴呆が進んでいる。

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猫の主の“未来記”

2024年06月18日 | 徒然
 日本の食料自給率は30%強まで落ち込んだ。
 飢える貧困者は日本全体の一割を軽く超えている。

 国の補助金が激減したため、東大を筆頭に公立大学の学費が年間十万円も上がるという。
 今でさえ学費・生活費・奨学金返済に溺れそうになっている苦学生たちに対して学ぶのは諦めろと迫るようなものだ。
 仕方なく金のため悪行に走ればその行為だけを断罪して、何故そこに至ったかを視ない風潮は大昔から変わらない。

 夏目漱石の『吾輩は猫である・下』では猫の主(あるじ)が、“未来記 ”と称して「将来この国はこうなる」と様々な先見を披露する場面がある。
 主曰く、
 個人主義が正しく機能して結婚制度はなくなり男尊女卑などという野蛮で野暮な考え方はゴミになる。
 何世代もが一つの家に住むなどという息苦しさはなくなり、したがって人間同士のつながりは希薄になる。
 正しい自己責任を各自が負い、勉学に励み、実力のない官僚や政治家は淘汰される。
 苦学生が増え奨学金の返済がますます困難になる。
 等々、さすが欧州・英国での体験が生きた内容で興味深い。

 <夏がまた近づいた>

 目加田説子:中央大学教授の記事“視座” によると、
 「2002年に設立されたICC(国際刑事裁判所)がイスラエルのネタニアフ首相とガラント国防相、ハマスの幹部三人の逮捕状をICC加盟国128ヵ国に請求した。
 容疑者は国外で拘束される可能性が非常に高くなり自国の外へは出にくくなる。
 ICCはあらゆる残虐行為に責任のある個人を追訴対象にしており、ロシアのプーチン大統領も対象者である。」

 これまで国を出なかったプーチン大統領が明日久し振りに専用機で北朝鮮へ行く。
 アジアには何とかICCの手配を避けて行ける国があるのだ。

 漱石の『吾輩は猫である・下』は、猫が水甕(みずがめ)に落ちて溺れ、甕の淵にかけた手を放して水中に没しながらふわりと楽(=太平)になって死を語る場面で終わる。
 猫曰く、
 「吾輩は死ぬ。死んでこの太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。」

 執筆当時の漱石の死生観には共感するが、生きる希望は失いたくない。
 目加田教授の言うように、国際社会が力の支配ではなく法の支配へと舵を切れる日が来るかもしれないという希望に賭けたい。
 

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微笑みは元気の素

2024年06月11日 | 徒然
 25度の焼酎を二か月ぶりに買って黒豆酒を作った。
 毎朝小さいお猪口に半分だけ飲むポリフェノールいっぱいの黒豆酒が二週間後の昨日完成した。
 
 先週の水曜日に側溝の清掃をした。
 意外に上手くやれたと自画自賛、麻袋二つを出して心ややスッキリ。

 <素直に陽に向かうタンポポ>

 お猿さんが玉ねぎの皮を外側から剝いて結局何も残らなくなる、を真似て新聞を外側から読み始めた。
 読み終わるのが俄然速くなってストレスが無くなった。
  
 エアコンの無い我が家には、夏~秋と冬~春に必須のアイテム(神器)がある。
 ほぼアナログ品ばかりだが安くて使いまわしが出来る優れ物ばかり。
 明日からは夏の神器の一つ=扇風機が始動しそうだ。

 さらに昨日、一年を通じての必須アイテムが二つある事に気づいた。
 ゴミ箱と鏡(含手鏡)である。
 ゴミ箱は、部屋がこれ以上散らからないよう各部屋のあちこちに在る。
 鏡は、姿勢や顔がこれ以上オッサン化しないよう、やはり各部屋のあちこちに在る。

 夕方自転車修理のお父さんの店を通る時に挨拶代わりに手を振ると、お父さんもグンと右手を伸ばし上げて手を振ってくれる。
 これが嬉しくて夕方の新たな日課になった。
 気づけば満面の笑みで再度手を振っている私。

 微笑み返しで締めくくる一日のおしまいは明日へのエネルギーだ。

 <愛する姪っ子inモロッコ>
 家族の笑顔も私の元気♡
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沸騰寸前

2024年06月04日 | 徒然
 土曜の朝、やけに寒いと感じるがTVの天気予報には太陽マークがいっぱい。
 裏腹な気持ちで重ね着をし、昼過ぎには脱皮。

 月曜朝、起き抜けに市役所配布のラジオからけたたましくサイレン音が流れ、超間延びした緊急地震速報が流れた。
 これは今流行りのAIの声か?
 一瞬訓練放送だろうと思ったが揺れた気がしたのでTVを点けたら、能登半島の余震速報が。
 半年近く経ってインフラ復旧もまだというのに・・・神も仏もないのか!
 
 政府は地方自治権を取り上げる方向へと大きく舵を切り、憲法を足蹴にしまくっている。

 イスラエルによるジェノサイドは果てしなく続き、バイデン米大統領の玉虫色の外交策は結局イスラエル支援へと向けられ、武器商人が笑う。
 アメリカ大統領選挙の混迷ぶりが異常だと思う間もなく、欧州連合がこぞってウクライナ支援強化を決め、第三次世界大戦へと世界は急速に展開してゆく。
 朗報はわずかにメキシコで、治安悪化のなか初の女性大統領が誕生したことか。
  
 世界中が『マクベス』(シェイクスピア)の魔女の窯の中のようにグラグラと煮えたぎっている。

 気持ちを鎮静化しようと久しぶりに港へ夕陽を見に行った。
 <敦賀港の夕陽>
 きれいだ・・・山々と雲の変化を暫し眺めて心が少し静まった。

 先ずは自分の足元で精一杯生きるしかない。
 明日は少しだけでも側溝の掃除をするか。
 
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豚には豚、仏には仏

2024年05月28日 | 舞台
 雨の一日、仕事に倦(う)む度に、暫し庭で深呼吸をする。
 濃密な酸素が肺に染み入り、体中の細胞を活性化してくれる。
 タンポポや小さな花々が咲き乱れ、草々も生き生き伸び放題で目も潤う。

 このまま夜は低温の日が続いてくれと祈るが、夏は否応なく近くに来ている。
 <7月が涼しげな江戸千代紙カレンダー>

 朝鮮の初代国王:イ・ソングを建国へと導いた無学大師の言葉に「豚には豚、仏には仏がみえる」がある。
 悪心をもつ者には誰もが自分と同じく悪心を持つ者と見え、仏心を持つ者は誰の心にも仏の心を見いだせる、という教えだ。
 人間の性(しょう)を表す言葉だという。

 もうひとつ「信頼の対は不信ではなく恐怖である」とも。
 恐怖は虚像を作り人を疑心暗鬼にし、憎悪を巨大化するという教えだ。
 プーチン大統領もネタニアフ首相も恐怖で眼がくらんでいる。
 怯えているのだ。

 過日敦高陸上部同期会に30人ほどが県外からも集まった。
 最初は分からなかった顔がだんだん高校時代の面影を浮き上がらせ懐かしさがこみ上げた。
 それぞれが苦難を乗り越えて今を迎えたことに感銘を受け、自分の舞台人生の贅沢さに改めて感謝した。

 大師は「未来は今が集まって出来るものである」とも言っている。
 今の自分を殺して生きても未来は実現しないという教えだ。

 私の今は、舞台への志の集積としてある「今」だ。



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法然院公演終了

2024年05月21日 | 舞台
 お寺の対応は間際まで変更続きでひやひやしたが、会場は思っていたより広く、見晴らしも好くて清々しい開演を迎えることが出来た。

 互いに探り合う前日の合わせ稽古は深夜に及び、家元も演奏者二人も私もクタクタだったのが噓のように、本番は緊密なセッションを皆で演じ切ったと感じている。
 終演時の夕景がなんともいえぬ茜色で・・・美しかった。
 
 私自身は反省だらけだが、構成台本作りと、自分の朗読の方向性を変える挑戦が出来たことは大きな収穫だった。 

 <姪っ子のモロッコ旅>
 万歳したい気分の夜に届いた爽快な写真を視ながら、私の『六条御息所』が終わったと実感した。
 
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