今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

NHKスペシャル「ドラマ星影のワルツ」の感想

2021-03-09 14:02:16 | ドラマ

日曜日に放映されたNスペドラマについて書いてみます。
これは震災当日、福島県南相馬市の家で津波に呑まれた一人の男性が3日間瓦礫の漂う海を屋根に乗って漂流し助けられたという実話に基づいています。
津波で海に沈みもがく場面から始まるこのドラマは、瓦礫の海や波が押し寄せるシーンなどリアルでした。どうやって撮ったんだと思うほど。
当時を思い出し私にはつらいものでした。

3日間の漂流の後助けられるというのが分かっているので見ていて安心でしたが、救助を待つその過程です。
喉が渇いても塩水は飲めないし、辺りに人影はないし絶望的です。
主人公は妻がどうなったか気がかりでなりません。回想シーンがこれでもかと入ります。
一緒に料理を作ったり、旅行した時の妻の笑顔。津波に呑まれる前に妻は主人公の胸の中で「心臓の音が聞こえる」と呟きました。
何度も「星影のワルツ」の歌が流れます。妻が好きだった曲です。
明るい笑顔が、見ている方はたまりません。
ちょっと回想場面がしつこかったけれど、屋根の上で孤立した主人公はただ生きること、助かることに無我夢中だったと思います。
そしてああいう平凡で普通の日常をばっさりと断ち切る自然災害というものは、何食わぬ顔でいつかまたやってくるのだと思いました。

遠藤さんのセリフはほぼアドリブだったそうですね。どっちかと言うと野性的な俳優さんだからこそギリギリの場で生きる人間の姿が表現できたのだと思います。
布団が流れてきたり、白く塗った屋根が目立ったという幸運があるのかもしれない。でも最後は本人の生命力なのでしょう。
奥さんは亡くなり、娘の産んだ子供は10年経って大きくなった。
色々端折りすぎているけど、海の中で一人耐え戦ったという事に焦点を当てた優れたドラマでした。

ちなみに、私は被災地に住んでいますが、震災後1.2年は助かった人のエピソードが地方のニュースや番組で取りあげられていました。
漂流して運良く助かった人もいれば、海の火災で亡くなった人もいるそうです。そのような人達の実際の話を思い出しました。
10年前の記憶が甦り、色々な思いが一気に沸き起こりました。私の住む市は海岸から4㎞までしか津波が来なかったけれど、近隣で海岸沿いの町まるごと無くなった所もあります。
火災で町が消失した所もあります。よく立ち直ったなぁ、凄いと心から尊敬します。

日本の地震や災害はしょっちゅうです。熊本や長野もありました。台風の被害は毎年です。
全国に今も被災者が避難しています。
そういう災害に負けないで、着実に復興を重ね、防災面でも対策をし訓練を続けている日本の人たちははやはり素晴らしいです。
先日の2月13日に大きな地震がありましたね。咄嗟にまたか!と暗澹としました。でも停電にはならなかったです。
恐らく、電力会社で何らかの地震対策を立てているのでしょう。そういう努力している部分をもっとマスコミは伝えて欲しい。

10年の区切りに向けて毎日特別番組が組まれ流れています。
もういいわと思う反面、立ち止まって振り返り何かを感じるのも必要なんだと思えてきました。