奇妙な話ですね。
眠ったらその日のことをすっかり忘れてしまう特殊な体質の掟上今日子は私立探偵です。
一日限りの記憶なので、一日でスピード解決がモットーです。この状態を理解してくれて警察も捜査情報を流してくれる。
便利な存在なのですが、問題も沢山あります。
今回は、以前水泳選手でライバルだった二人の青年が関わり合う事件です。
鯨井と宇奈木。今は宇奈木が現役で鯨井はコーチをしています。
ある日の夕方、宇奈木が自宅の浴槽の中で感電死していました。その第一発見者が鯨井だった。
鯨井はアリバイを主張しています。一緒にたまたまお茶を飲んだのが掟上だったのだが…。
初めの10分くらいで事件の全容が分かり、鯨井という男性のアリバイが事実かどうか、話が進められていきます。
全体的に軽く、冗談半分の乗りで、登場人物にも隠立厄介とか鯨井留可とか本人を象徴するような名前がつけられています。
なのに、後半になって事件は二転三転し、後から次々と事実が出て来ます。
宇奈木は過激な発言をする人物で周囲に嫌われていたこと。
鯨井は、彼がドーピングしているとリークし、その為に宇奈木は大会に出れなかった。
その年がピークだった宇奈木は、失意のうちにやがて自殺を考えるようになる。
そして、巧妙な時限装置を考え、鯨井に殺人の手助けを頼む…。
何と暗い話なのでしょう。
犯人と思われる鯨井が見かけシリアス系の顔立ちです。だから何かあるなぁと思っていましたが…やはりそうでした。
そして道具立てがまた、一つ一つ凝っています。
穿いていたスニーカーとか、たまたま今日子か読んでいた「改心刑」という小説。
急に作ったにしては面白すぎる内容でした。どこまでも凝ってるんだなぁ。
(厄介の運命をからかったような話で笑いました。ゴメン)
でも、何なんだろう、やっぱり軽いんだよね。
日本を代表するような水泳選手が他殺と見せかけて自殺した。それも仕掛けをして。
すごく大変なことですよね。幾ら暴言を吐き他人に弱みを見せられなかったとしても、自殺しようと思うなんてどこで病んでしまったのか。
そっちの方が気になります。
自殺の手口やそれを解く今日子の推理より。
心から「お見事!」とは言えないような。
今日子が悲しいですよね、一日しか記憶が持たないって。
映画で「メメント」っていうのがあったけど、あれは10分しか記憶が続かないんだったかな。
だからもの凄い勢いでメモしてましたよね。短い時間しか記憶が持たない、そういう障害があるらしいです。
厄介も不憫ですよね。次から次に災難が降りかかってくるんでしょう。
きれいな王子様のイメージなのに、何ですかこの3枚目は。コント的要素があった人の方が良かったなぁ。
岡田さんが可哀想…。
何年か前の古本屋の話がありましたよね。剛力彩芽ちゃんの。エグザイルのアキラが出ていた話。あれとちょっと似ている気がします。
しかしこれだけの作り事を創作するって、かなりの脳内労働ですよね。
ここまでしないとダメなんだろうなぁ。それだけ推理物は競争が激しいということなのでしょう。
今日子の髪ですが、白髪で時々別の色に見えます。
どうしても、品のいい老女に見えてならないんですよね。まぁ美人だからよしとしますか…
さて、次はどんな話が出てくるのか。ここから今日子の運命も変わっていく気がします。大いに期待しましょう。