今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

「ガラスの家」最終回の感想

2013-10-30 19:09:13 | ドラマ

いやー、久し振りに素直に感動してしまいました。
今回は黎さんの一人舞台でしたね。
息子に復讐心を抱き、何もかもを奪おうとする夫。
妻に息子を奪われたその恨みから、財務省局長の力を借りて、息子仁志をイギリスに飛ばし、また尊敬する村木との仲を裂こうと、村木に近づいて後ろ盾を約束する。
何という汚さ、ずるさ。
仁志は財務省を辞め、村木の秘書を願い出るが‥約束したにもかかわらず、村木は選挙に勝つと態度を翻し追いかけていった仁志に「あんた誰?」としらばっくれる。
涙が出るほどの卑怯者だ。
仁志は完全にうちひしがれる‥。

そこで今まで沈黙を守っていた黎さんが立ち上がります。
仁志に思いをぶつけるのです。ホントにこの下りはすごく良かったです。
黎さんと仁志の二人の時間を持ったあの朝、抜け出して帰ってしまったことの説明もしているし。
あそこから彼女の気持ちが分からなくなったんです。見ている方は首を傾げました。
しかしそれも含めてきちんと自分の気持ちを伝え、一緒に生きて行きたいと語る。
断られても何度も来ると。
肝心な時にこのように言うべき事を言えない人間は駄目だな~と、反省しました。

黎さんは夫にも会いに行き、離婚して欲しいと訴えました。
ここでもきちんと自分の気持ちを言っています。
夫の息子を好きになってしまった事を恥じもせず、堂々として彼と生きていきたいと。
何と立派なことか。見事に筋が通っています。
そして不意に私は理解しました。
彼女は別にステータスのある夫が欲しかったのでもない。立派な家で優雅な生活をしたかったのでもない。
ただ素直に人を愛して生きていきたかったのだと。
それに気づいて、涙が出ました。
そもそも恋愛なんて、自分勝手な物なんです。
好きになったらその気持ちを押さえようがない。
不条理な愛だろうが誰かを傷つけてしまおうが、そんな事構ってなんかいられない。それが恋愛なんです。
そういう衝動に従わなくて、何で人間らしいと言えるのか。

でも、黎さんは夫がした事を攻めませんでしたね。どうして権力を使って息子の息の根を止めるような事をしたのか。
何故かそこは飛ばしてましたね。少し疑問でした。
考えてみれは、官僚とか事務次官とか、芥川賞作家とか判事志望とか、セレブな物を一杯持ってきて、何が言いたいんだか
と反感すら感じていました。
でも最終回でそれらを全部蹴散らして、愛情だけで結ばれる姿を描きたかったんだと分かりました。

最後、どこかの島のような場所で学習塾を営む仁志と、野の花を慈しむ黎が手を繋いで消えていく様子が印象的でした。
今まで全ての事に決着がつき納得出来、胸がスーッとしました。(西野カナさんの歌も清々しくて合っていました)

しかし、これで終わったとは思えません。
一方的にやられっぱなしだった仁志は、絶対父親に復讐をするべきでしょう。
早くも続編に期待がかかります。