司馬遼太郎の「坂の上の雲」はベストセラーとして有名だと思います。秋山兄弟の話が中心ではありますが、その中では、乃木希典氏は無能な指揮官として描かれています。坂の上の雲しか読んでいない人にとっては、乃木氏は、わけのわからん人だなとしか思えないことでしょう。
たまたま近鉄の駅の売店で見かけて買ってしまった、この本。厚さはさほどないですが、わざわざ、そういうあまりよい評判を聞かない(けれども、各地に神社がある)人のことを書いてあるのだから、当然、新たな発見があるのだろうと思って読みました。
期待通り、乃木氏について、どういう育ちでどう出世していったのか、ということが書かれていました。日本の歴史はあまり真剣に勉強してこなかったのですが、それでも一般的なことは知っていたつもり。この本では、そうした基本常識ではカバーされていない、一人の軍人の生涯におけるイベントが描かれています。
著者も指摘しているように、最近は効率主義であるため、乃木氏のようなタイプの人が目立たなくなってきている、というのは本当だろうな、とも思います。現代日本は、軍事力ではなく、経済力そして政治力で(少なくとも国内では)戦いをしているわけであり、そこでの効率主義に対して、一石を投じたい。。そんな思いが感じられます。
文中の、参謀と指揮官の役割の話など、もう少し詳しく読みたかったところもありましたが、それはまた別の話。乃木希典という人について、一面的な認識しかもっていない人にとっては、一読の価値はあると思います。
最後のほうで出てくる、ダブルスタンダードの話とかは、現代を生きる私たちにとっては、それだけをもってしても価値がありそうに思います。
また、坂の上の雲を未読の人は、あえてこの薄い本を読んでから、あの大作に向かうのもよいかもしれません。気軽に読める本と言っては、著者や乃木氏、そして戦争でなくなったかたがたに失礼かもしれませんが、歴史をひとつ勉強するという気持ちで読まれてみてはいかがでしょうか?
たまたま近鉄の駅の売店で見かけて買ってしまった、この本。厚さはさほどないですが、わざわざ、そういうあまりよい評判を聞かない(けれども、各地に神社がある)人のことを書いてあるのだから、当然、新たな発見があるのだろうと思って読みました。
期待通り、乃木氏について、どういう育ちでどう出世していったのか、ということが書かれていました。日本の歴史はあまり真剣に勉強してこなかったのですが、それでも一般的なことは知っていたつもり。この本では、そうした基本常識ではカバーされていない、一人の軍人の生涯におけるイベントが描かれています。
著者も指摘しているように、最近は効率主義であるため、乃木氏のようなタイプの人が目立たなくなってきている、というのは本当だろうな、とも思います。現代日本は、軍事力ではなく、経済力そして政治力で(少なくとも国内では)戦いをしているわけであり、そこでの効率主義に対して、一石を投じたい。。そんな思いが感じられます。
文中の、参謀と指揮官の役割の話など、もう少し詳しく読みたかったところもありましたが、それはまた別の話。乃木希典という人について、一面的な認識しかもっていない人にとっては、一読の価値はあると思います。
最後のほうで出てくる、ダブルスタンダードの話とかは、現代を生きる私たちにとっては、それだけをもってしても価値がありそうに思います。
また、坂の上の雲を未読の人は、あえてこの薄い本を読んでから、あの大作に向かうのもよいかもしれません。気軽に読める本と言っては、著者や乃木氏、そして戦争でなくなったかたがたに失礼かもしれませんが、歴史をひとつ勉強するという気持ちで読まれてみてはいかがでしょうか?
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