企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

JR四国を立て直す!

2010年06月30日 | 企業の一般的な話
厳しい経営・JR四国、今秋29駅を無人化(読売新聞) - goo ニュース

JR四国、民営化された国鉄の中で最も規模が小さく、そして税金も減免をうけている会社です。他の上場各社と異なり、限られた情報しか開示されていないのですが、営業赤字が、かなりひどいことになっていますね。
ざっと売上264億、営業赤字81億。年間5000万円の経費削減なんて、営業段階での業績回復にはほとんど関係ない状態。但し、経営安定運用収益が、79億円あったりで、当期利益は出ているんですよね。経営安定基金はもともとは2080億円(今は若干評価損がある)で、うち1540億円が長期の貸付金になってます。

さて、このニュースですが、どうなんだろう?って思ってしまいました。環境が変わったから、安定資金収益だけでは当期利益が出せなくなってきた、だから、サービスを落とします、って話なんですよね。
これまでも鉄道の高速化やら、関連事業で利益を稼ぐやら、でいろんな手を打ってきた、だけれど、鉄道事業はどんどん苦しくなってきている。皆が使ってくれないから、業績が悪い。だから、サービスを落としても仕方ない、とでも言っているようです。

高齢化が進む四国において、公共交通機関の役割は今後さらに重要になってくるとは思いますが、バス会社、公営バスとの関係なんかもあったりで、あまり顧客を向いたサービス向上(運行ダイヤの接続をよくしたり、どうせ無人なら・・駅を増やしたり)についてはやってこなかったと感じます。否、一部、最終列車の時刻を遅らせたりと努力もしてる例もあるんですけれどね。
更には、他の鉄道がやっているような、田舎の駅周辺を開発してショッピングモールをつくったり、みたいなこともあまりしていない(地元とのなれ合いもあるのでしょうね)。また、そういう資産をあまり持っていないというのもあるでしょうが。

自らのサービスが顧客に支持されていないから、収益も減り、またサービスが落ちる、ということになっている。気がついていても手が打てていないようです。
公的支援を受けている会社ですから、ひょっとすると当期赤字が続くと、官からてこ入れが入るんでしょうかね? 官も、普通にやってたらうまくいくわけ無いので、いろんな策を提案したらよいのでしょうが。。。
みんなプライドが高くて、ダメなんだろうなぁ。
人口が減っていく中(実際、1990年に比べて、四国の人口は約5%減になっています。更に2030年、今から20年後には、90年対比では20%減になる推計みたいです)、幾分かは都市部に人口も集中してくるでしょう。90年代の大渋滞に比べると、車の渋滞も少なくはなる。
そうなると、鉄道って、移動手段としてどうなんだろう?って思いますよね。

顧客の利便性を高め、低コストで収益を上げられるモデルを作るとしたら・・・。一案ですが、DMVの導入と、駅の増加。なんじゃないか、と感じています。
現在路線が通っていないところについても、DMVで行く! 四国って、昔からの土地を守りたい地主が多いのか?意外に駅前って中心街以外は開発進んでません。だから、新興住宅地は、鉄道からは遠いところばかりにあったりする。
古くからの地域住民のエゴで、都市開発できない、なんて状況なんだったら、そんな駅を見捨てるわけじゃないけれど、別のところに駅も作ってしまっては?とか思うのです。そして、線路無くても、DMVでバスと連携する!!

そのためには、既存のバス路線と競争するのではなくて、鉄道・バスとの連携による、交通ネットワークの再構築が求められるんでしょうね。
いまだに、毎年同じ道路を掘って、という公共工事が行われていたりもするようですし、あまり人が通らない道路の整備にお金が使われているとか。そういうことにお金を使うくらいならば、新公共交通ネットワークを作るために、行政と民間交通事業者が、一緒になって地域住民にとってよりよい環境作りを進めたらいいんじゃないかな?


2010年6月30日(水)09:06
 JR四国は、社員か契約社員の駅員を置いている80駅のうち、29駅を10月1日までに無人化すると発表した。
 高知県内は豊永、土佐久礼など6駅。土日、祝日の高速道料金割引や景気悪化による鉄道収入減少による業務見直しの一環で、同社は「利用者に不便をかけるが、厳しい状況を理解してほしい」としている。
 同社によると、経営状況から駅を無人化するのは初めて。駅窓口での定期券や新幹線、特急乗車券などの販売業務を取りやめる。
 駅員がいなくなるのは徳島が12駅、香川、高知が各6駅、愛媛が5駅。切符、定期券の販売額が1日平均10万円以下の駅などが対象となり、14駅は9月1日に、残る15駅は10月1日にそれぞれ無人にする。
 同社によると、運賃や定期券などの鉄道運輸収入は、2009年度の229億円から、今年度は213億円に落ち込むと試算。無人化で年間5000万円程度の経費削減を見込んでいる。

 無人駅になるのは以下の通り。

 ◇香川▽造田、讃岐津田、讃岐白鳥◇愛媛▽大西、三津浜◇徳島▽府中、牛島、学、阿波中島、桑野、由岐◇高知▽豊永、西佐川、多ノ郷(以上9月1日)

 ◇香川▽鴨川、本山、豊浜◇愛媛▽伊予土居、菊間、伊予長浜◇徳島▽二軒屋、阿波川島、阿波山川、阿波加茂、大歩危、中田◇高知▽斗賀野、土佐久礼、江川崎(以上10月1日)
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JMOのコンサート行ってきました

2010年06月14日 | 趣味関係(食IT音楽を含む)
奇跡のアマチュア・オーケストラとCDに書いてある(♪)、ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラのコンサートに行ってきました。曲目は交響曲第7番☆
マーラーの交響曲の中でもっとも難解とも言われる曲です。私は11曲の交響曲(未完含む)の中では一番好きな曲なんですけれどね。難解とか考えはしなかったりするのですが。。
さて、今日の演奏会は、いろいろと発見がありました。解釈なのか、使用した譜なのかわかりませんが、これまで意識してこなかった音がたくさん聞えたなぁ、と思います。実演も4度目なんですが、あ、ここでハープなってたんだ、とか、カウベルってここから鳴らしてたんだとか。マンドリンの動きがよく見える席だったので、ここでも鳴らしてた~とか(笑)
井上喜惟氏の解釈(ということにして)は、かなり特殊かな、と感じた部分が少なくなかったです。全体で90分に近い、ゆったりした演奏。最初はクレンペラーか朝比奈さんの盤を思い出したほどです。演奏については、1楽章の終わりあたりが、聴いていた立場としては最も出来が良かったかなぁ、とか感じました。
個人的には、2楽章の行進曲風のところなんかが、この曲で一番好きなのですが、案外さら~っと流れたので(1楽章のドロドロ感を引きずってほしかったような気持ちもあります)、へぇ~って思ったり。
極めつけは、5楽章。楽しめました!テンポ設定とか、音量とか、初体験の演奏で♪いずれCDになると思うので、思い出しながら楽しみたいと思います。
来月は、また別のアマチュア・オーケストラによる7番が、今度は芸術劇場で演奏されるようなので、こちらも聴きに行きたいなと思っております。
下、紹介は、マーラーの5番のCDですが・・・

グスタフ・マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 (R.クビックによる2002年版最新校訂稿) (Mahler : Symphony No.5 / Hisayoshi Inoue & The Japan Gustav Mahler Orchestra)

JMO

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感情が経済を動かすJCBのCMは当りかも

2010年06月07日 | 企業の一般的な話
2冊の行動経済学本ですが、今更ながら読みました。実は、経済は感情で動くは、随分前に読んでいましたが、どうも、事例と翻訳がビミョーで、世界はの方を読まなかったんですね。
問題がたくさんあるのですが、正確に日本語を読むと、問題自体がおかしい、という例が少なくなく、途中で嫌になってしまったのでした。
でも、世界~の方も買ってきてたので、読んでみたらこちらは随分ときちんとしている。脳内トラップ!がよーくわかります。
二冊ありますが、世界~だけで良いかも。こういう本を読む人は、たいてい基礎知識もあるだろうし♪

世界は感情で動く (行動経済学からみる脳のトラップ)
マッテオ・モッテルリーニ
紀伊國屋書店

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経済~の方ですが、あえて読まなくてもよいでしょう。問題がちょっとわかりにくいです。原書もそうなのかも。一例だけ挙げます。インフレ4%の時の名目賃金2%アップと、物価上昇ないときの賃金2%ダウン、どちらがよいか?という問題があるのですが。本の中では、どちらも同じ、2%の差だ、と言っています。
でも、本当は、104:102と、100:98なので、前者の方がましなんですよね。(重箱の隅と言われるかもしれませんが)
数字をたくさん用いている割には、数字についての正確さがいいかげんであったり、設問の前提がおかしいなぁ、と思うのがあったりします。なので、問題として用いるのはQuestionですが、考え方を吸収するにはよいでしょう。

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
マッテオ モッテルリーニ
紀伊國屋書店

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ねちっこい気持ち悪い話し方をする、と言われる金子氏。テレビはあまり見たことないですが、いじられキャラなんですね。でも、この本ではきちんとまとめています。
素人が、激安は信用ならん、と思っているならば是非読む価値はあると思いますよ。徹底して取材をしており、それに基づく話が多いので、業界外から見たら~へぇ、ほぉ、という話が少なくないです。
が、若干、取材に情報源を頼っている文面(ご本人はしっかり調査・研究されておられるでしょうが)なので、裏付けなどについては、読者側で裏取りするしかない。でも、よくまとまった良い本だと思いました。
私なんかは、裏側に、企業財務分析をあわせて、「ほら、こんな風に数字にも表れているでしょう」とやりたいのですが。。。

「激安」のからくり (中公新書ラクレ)
金子 哲雄
中央公論新社

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