企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

営業の管理職は、一度は目を通そう♪

2006年07月25日 | 本の紹介(ビジネス)
あれこれ、本を買ったりしていて、じっくりと読めていなかったのだが、やっとこの本を読み終えた。読み始めてからは、結構早かったから、きっかけが欲しかった、ということかな。
いろいろ営業の本を読んで来たけれど、まぁ、この本も類書といってよい気がする。新しい概念とかがあるわけでもなく、あれこれ考えて本を読んでいる人にとっては、表現を変えてわかりやすくしたものだなぁ、と感じるところか、と。
ハーバードビジネスレビューなどの翻訳物を読むのが、どうも苦手、という人にはエッセンスをコンパクトにまとめてくれている、という意味でよい本だと思う。ソフトブレーン宋氏の本と比べて、違いがあるとすれば、日報廃止で面と向かったコミュニケーションをすべき、という藤本氏。宋氏は携帯を使った情報送信。というところ。
あと、この藤本氏の本の方が、より日本の企業の現場でありがちな事象を描写して課題を指摘しているかなぁ、と感じる。
気になるのは、結局、このタイトルを見て、本書を手に取る人は営業部隊のそれなりの人々なんだろう。営業は、勘と経験と度胸、そして愛敬なんて本心で言っている人は、読むことはしないだろうなぁ。

そんな人のために、要点だけでも記しておこうかと思う。これで興味を持てたら、ぜひ書店でもよいので手にとって眺めてみて欲しい。

○ 営業(にかかわらず)社員は育成できない (僕は、企業活動は教育・学習そのものだと思っているので、筆者の意見には反対なんだけれどね)
○ 営業は確率だ (まぁ、コールドコールやアポなし訪問などばかりなら、確率だとは思うが、実際は、飛び込みばかりやっているわけではない。いろんな情報を元に仮説を立てて、攻略することが多いだろう。思い込みも仮説の一つ。。。だと思うが)
○ プレイングマネージャーでなく、管理をさせよ (日報の代わりに、面談を増やす、という意味では、そうだろう。だが、実際は管理できない人の方が多いのでは? ある日から突然管理者になれと言っても、すぐには慣れないだろう。特に注意すべきは、そういう管理職が旧来的な上司となって命令ばかりしてしまうこと。ファシリテーターとして、また、カウンセラーとして接することができるかどうか。)

あと、こういう見方もあるなぁ、と思ったのが以下の二つ
○ 営業センスの七つの事例 (第一印象がよいこと、ポジティブで負けず嫌いな性格、記憶力、質問に対しての簡潔に話す能力、洞察力、的確なヒアリング能力、人の悪口を言わない性格・・・・これ、MECEかなぁ?なんて考えてしまったけれどね。活用する人は、それぞれがどういう関係にあるか考えてからするといいですね)
○ マネージャーの心得七ヶ条(減点主義で部下を評価してはならない、自分との距離感の遠近で部下を評価してはならない、人気取りをしてはならない、誹謗中傷に耳を貸してはならない、部下の力不足に優越感を感じてはならない、出る杭を打ってはならない、哲学を持たねばならない・・・・管理職としては当然とも思うけれど、本当の意味で管理職と言えるのは経営層とその次くらい。組織上、仕方なくおいているような管理職にこれを求めるのは酷かも。まぁ、だから組織をスリム化して、ということも考えられる)

680円(税別)は、決して高い買い物ではないだろう。買ってもよいし、立ち読みでもいいから見て欲しい。きっと数ページは、あなたの仕事、立場について、そうだよなぁ、なるほどなぁ、というところが見つかるはず。
そこをきっかけに、本を読み始めて、他の本も読んでいって欲しいと思う。

御社の営業がダメな理由

新潮社

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ブランドはなぜ墜ちたか(本の紹介)

2006年07月24日 | 本の紹介(ビジネス)
企業危機管理という視点から、この本は今も読む価値がある本の一つだと思います。危機管理、分かっているようであまり分かっていない企業が多いと思いますからね。信用はつくるまでが大変だが、一度失ったら取り戻すのは大変。良く言われることですが、なかなかそれが分からないものです。
一時、新聞紙上をにぎわせた三菱自動車。その三菱が過去どういうことをしてきて、結果として消費者を裏切る形となったのか。事実を掘り下げる形で、説明されている本です。内容は、最近の話ではないものの、危機管理の勉強として読んでみて良い本だと思います。
 買ってきた当初、読みはじめるのはしんどいなぁ、と思っていましたが、読みはじめたらぐいぐいと引き込まれて、一気に読んでしまいました。どんな組織でも危機対応ってあると思います。この本には、何かが起きたとき、どういう対応をすればよいのかのヒントがたくさん載っています。

パロマの件も、この本を読んでみつめなおしてみると、あぁ、こういう対応が問題なんだなぁ、ということが分かってくる。今、読み直したい一冊です。

ブランドはなぜ墜ちたか―雪印、そごう、三菱自動車事件の深層

角川書店

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オリジナル投稿日 2005/2/2
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論理的思考の勉強、分かりやすさでは、やっぱりこれ?

2006年07月24日 | 本の紹介(ビジネス)
論理だけでは、ビジネスはうまくいかない。ビジネスだけではなくて、仕事と言われるものは、少なからず論理力が必要とされます。しかし、最近言われているように、日本人は幼少期から論理的な考え方を苦手としているとのこと。
それは、論理的な考え方についての教育、学習の仕組みが、あまりうまく体系化されていなかったことによっていると思います。そんな中、この本は、とても分かりやすくそして学習しやすい問題が入っている本だと思います。
基本をおさえてから、仮説思考など更なる上のレベルに向かっていくことが、組織のパワーアップに繋がる。。基本ができていない人ばかりの組織では、よほど恵まれた環境ではないかぎり、成長し続けるというのは難しいでしょうしね。

[新版] MBAクリティカル・シンキング

ダイヤモンド社

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大前研一氏のロウアーミドルについての考察

2006年07月23日 | 本の紹介(ビジネス)
最近の大前氏の著作は、どちらかというと物足りないものが多かったのだが、ついに相当力が入った一冊が出版された。それが、このロウアーミドルの衝撃。前々から主張してきたポイントを、更新されたデータに基づき再度提案している様でいて、かなり現実にあわせた内容となって来たのではなかろうか?財界に政治にきちんとものを言う人がいない今日、この本の内容はタイトルの通り衝撃をもって受け入れられるのではなかろうか?(できれば、英語版も出してもらいたい)
内容は、ぜひ手にとって見ていただきたいが、要点としては、
○M字となった所得階層の二極化
○道州制の導入
○資産税の導入と所得税の廃止
○教育の革新
ということができるだろう。共感できる部分も多く、読者の意見を聞いてみたい。

なお、つまらない点だが・・私の意見を。
せっかくの内容だからこそ、1680円(税込み)という値段でなく、1000円くらいのペーパーバックとかで出してもらいたかった。新書でもよかったのでは?(相当分厚くなるが)
また、所得によるクラス分け、文中には多少細かいものも出てくるが、年収だけで300万、600万、1000万とわけて論じるのはどうか?と思った。ものの本には、100万人規模で超富裕層がいるとも論じられている。富の分配という意味では、もっと突っ込んだ見方ができたのではあるまいか?(例えば、金融資産税による、企業や各所得階層(資産階層)における税負担など)



ロウアーミドルの衝撃

講談社

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オリジナル投稿日2006/1/30
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気づく力(本の紹介)

2006年07月23日 | 本の紹介(ビジネス)
このブログのタイトルの近いような名前の書籍が出版された。ビジネスだけでなく人生、気づくか気がつかないかで、大きく変わってくる。本書は、気づきにフォーカスした良書だと思う。
価格はなんと952円+税=現時点では1000円(税込)だ。この本は、価格の割に、内容が濃い。プレジデント社は太っ腹だなぁなんて感じてしまった。まぁ、コンテンツのほとんどが、過去の雑誌プレジデントに載っていた内容だからね。
さて、その内容で、私のおすすめは・・・
○畑村洋太郎「なぜ人は頭でわかっていても動けないか」
○妹尾堅一郎「「カチカチ頭をワクワク頭」に変える五の方法論」
○樋口祐一「「YESかNOか」決意表明から始まる」
○金出武雄「できない理由を考える前に、素直に行動してみる」
以上の4つ。
これだけでも、1000円どころか・・・すごい価値があると思います。立ち読みでもいいです。でも何度か読みたくなること必至。ぜひ、お求めください。

気づく力

プレジデント社

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オリジナル投稿日2005/9/8
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失敗はゼロにはできない、か。

2006年07月23日 | 本の紹介(ビジネス)
失敗学の本は、最近はかなり多く見かけるようになった。この本は、失敗データベースの紹介や、失敗自体の原因究明もしているものの、特に注力しているのは、どう過去の失敗事例を、今後の予防に役立てるのか、ということだ。新書ながら、ものごとの見方として、とても参考になるものと思われる。
いくら、失敗のデータベースを作っても、それが見られなければ意味がない。整備されたデータがあっても読まれなければ無駄ということ。それから、仮に読まれたとしても、同種の失敗をしてしまってはだめ。また問題解決的なスキーマができている人ならば、類似した失敗についても予防できるだろうが、そうではない人の場合、全く同じ条件が揃わないと予防できないということにもなりうる。それでは、予防にならない。全く同じ条件が揃うような、再現性のある失敗というのは、そう多くないからだ。
そこで、実際どう失敗データベースが作られているのか、ということの簡単な説明がある。ウェブでの失敗知識データベースについても紹介があり、今後の色々な業界での取り組みを促すような話となっている。

私見だが、企業活動そして組織的な活動というのは、ほとんどが教育、そして学習に依存している、と考えている。失敗をしないための教育というものが独立しているのではなくて、ものごとの実現の仕方を教えながら、失敗もしないように学習してもらう、ということではなかろうか。
今後、日本企業での教育、学習というものが、これまで以上に重視されて来るのだろうな、と考えている。残念ながら、そうした研究や本は多くない。MBAが一つの形だ、と言われるかもしれないが、MBAの対象としている人は、相当ハイレベルな人であると思う。
各種のセミナー、そして社内での研修など、多くの学習のための体系が存在しているとは思うが、そのどれだけが、教育の視点、また認知、記憶、失敗の視点で体系づくられているものか。
結果さえ出せればよい、とは思うものの、それが人に依存していてはだめだろう。また、環境が変化することに対応していけるかもわからない。なんとなく、そうした視点で企業経営や組織運営について考えていく必要があるのだろうなぁ。

「失敗をゼロにする」のウソ

ソフトバンククリエイティブ

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伝わる 説明術 (本の紹介)

2006年07月22日 | 本の紹介(ビジネス)
ビジネス関係で、なかなか面白かった本を紹介します。この本、人に物事を伝えることについて著されていますが、内容のほとんどが、アナロジーの説明になっています。カバーに記載されている「実は、世間に良く行く「ちょっと頭がいい」人のほとんどは、ものごとを難しいままで理解しているわけではありません。頭の中でちゃっかり「難しいこと」から「やさしいこと」」へと変換して、優しいレベルに落としてから理解しているに違いないのです。」という文章。難しいことについて、類似する構造にある分かりやすい事例に例えて、理解し、また伝えることが秘訣だ。。ということを書いてあるのですね。
この本の中で、もっともよかった箇所は・・・。具体的に物事を言いましょう、と言い続けるあまり、個別の事象ばかりを挙げて、全体像を見失ってしまう。。という事例の紹介のところです。以下の数字が何を意味するか?考えてみてください。
10 → 10
65 → 68
687 → 721
13587 → 14266
言われてみれば、すっごい簡単なことなんですが、うんうん、うなってしまいました。結局答を見てしまった私はだめ?

なお、この本には、かなり多くの図が掲載されており、アナロジーの理解が進むようになっています。また、30のアナロジーを勉強するための例題。関係する参考図書についての的確なコメントなど、ちょっとした読み物というよりは、きちんと基礎が勉強できる、という本になっています。

ところで、別途読んだ本。「スイッチを押すとき」。この物語の設定は、かーなり、やばめ。精神系の人体実験を国を挙げてやる、なんて話し。なんか、バトルロワイヤルの世界に通じるものがあると感じました。こういう小説が出てきて、売れる、というのは、政治に対しての不信があるからなのか?1984の世界とも近いような。。。ただ。。スイッチ~は、結果が読めてしまう。脱走したSCENEで、結末が読めてしまったのは残念。同じ著者で、Fコースというのも読んだけれど、物語性がちょっと直線的かななんて感じました。まだ、リアル鬼ごっこや、×~なんてのは読んでいないので、たまたまかもしれませんけれどね。

「伝わる!」説明術 ちくま新書(551)

筑摩書房

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オリジナル投稿日 2005/8/25
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コストの無駄はあらゆるところに♪

2006年07月22日 | 本の紹介(ビジネス)
宝島社の文庫ということで、多くの人はちょっと遠慮しがちなのではなかろうか?でも、この本、ある種のFRAMEWORKとして考えれば、侮れない。コストという観点で、どういうことを見ることができるのか、結構多くのことがまとめられている。
この本で役立つと言うか、読んでおいて損がないのは、ちょくちょく出てくる「コスト対策アイディア集」というもの。例えば、社員一人一人に電話番号を、というコラム。社内でとりついだりするコストが見えないが、結構、かわりに取る人のコストや、本人にとっての時間的コストが存在している。だから、一人一人にPHSでも渡した方がいいというもの。なお、社内ではトランシーバーとして利用するため、通話料はかからない、とか。
580円の本ながら、その価値は、すぐに取り戻せると思うがどうか?

オリジナル投稿日 2005/7/18

コストの無駄をなくす

宝島社

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考えることの科学

2006年07月20日 | 本の紹介(ビジネス)
演繹法、帰納法について上手くまとめている。また、どういう情報を与えれば、どういう判断を人はする、ということについて、アカデミックな例ではあるが、数多くの例示を挙げて説明している。数学が高校生程度わかること、またアカデミック的な文章構成に抵抗のない人にとっては、読んでいて楽しい本であると思います。 考える力を試す設問。
-------------------------------------------------------------------------
ある国では、男性1000人に一人の割合で、ある病気に感染しているという。検査薬のおかげで、感染している場合は98%の確率で陽性反応が出る。但し、感染していない場合にも1%の確率で陽性反応が出る。さて、今ある一人の男性に陽性反応が出たとして、この男性が感染者である確率はどれだけか?

考えることの科学―推論の認知心理学への招待

中央公論社

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オリジナル投稿日 2005/2/2
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もう一度基本に戻って・・・

2006年07月20日 | 本の紹介(ビジネス)
ロジカルシンキングで最も有名な本だった、この「考える技術・書く技術」。前の版はちょっと分かりにくかったのですが、新版になってかなり分かりやすくなっているのですが・・・。3000円近い価格と、翻訳本であることから、多くの人は他の本を選んでしまっているのではないでしょうか?
類書で良い本は少なからずありますが、ピラミッド原則を、詳細にわたってまとめている本は他に例がないと思います。(いや、具体例は結構あるのですけれどね。。後さんの本とか勉強になるのですが、基本原則というか他で使える基礎体力がつきにくそうで)
これまでこの本を読んだことがな人は、時間があれば、ぜひお読みいただきたいです。決して損はさせません♪


考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

ダイヤモンド社

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オリジナル投稿日 2005/11/14
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ググる(本の紹介) または、検索について

2006年07月20日 | 本の紹介(ビジネス)
Googleの使い方をまとめている本で、私がとっても役立つなぁ、と思った本です。実際、自分自身にとってどれくらい使えたかといわれれば、知っていることがほとんどではあったのですが、整理してもらえているのがうれしいですね。前書きにもあるのですが、情報にたどり着くためには、「技術」と「発想力」が必要だとのこと。その技術と発想力を鍛えるための事例を紹介してくれている本ですね。

ネットに限らず、検索の力は、どういう情報がどのあたりにどう関連してあるだろうか?という発想力に依存するところが大きいと思います。技術は、Googleにせよ、他の検索手段にせよ覚えてしまえばいいと思います。初心者にとっては、まず、技術を覚えることから始まるでしょう。その先は、発想力というか情報の関連性についての引き出しをどう蓄えていき、活用するかにかかっています。

前職のコンサルティング会社で思ったことですが、頭のよさや回転の速さと、検索の発想力とは別物だということが言えるでしょう。頭がいい人でも、基本的な言葉の意味や、その言葉がどういう文脈で使われるかの想像力が必ずしもあるわけではないです。これは、どういう力かというと、結局、いろいろなソース(本や雑誌、ニュースなど)での文章の書かれ方を知らなければなりません。意識して、文章を読むこと、これの積み重ねが重要なのではないかと思います。
ググる―検索エンジンGoogleを使ってネット上の情報を検索すること

毎日コミュニケーションズ

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オリジナル投稿日 2005/1/10
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早生まれと学歴 - 関係ないと思うなぁ

2006年07月19日 | 趣味関係(食IT音楽を含む)
例のごとく、新聞で扇情的な記事が載ってしまった。小中学生の論理力を批判する前に、新聞記者の論理力を高めてもらわないと。発表資料を鵜呑みにしたのか、それとも記者とこの先生につながりがあったのか?でてきた記事からは、どこまで真っ当な調査をしたのか分からない。
また、報道が朝日だけというのも、この記事自体がちょっとした事情のもとで出てきたものではないかと思ってしまう原因を加えていると言えよう。
と思って探してみた・・・
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis170/e_dis162.html
こちらに、要旨と、英語での全文が掲載されている。
で、英語の方を見てみたが、どうやら各年の生まれ月毎に、学歴を指数化したもの(何年間の教育を受けたかという数字の様ですね。高卒を12、短大・高専卒を14、そして大卒を16という数字にしているようです。)を使っている。
考察は、月ごとに生まれる人の数が違っている、というところからはじまる。昔、農家が多かった頃は、繁忙期との関係で、冬に種付けをすることが多く、3月などの生まれが少なかった、みたいなところから。。(流して見ただけなので違っているかも)まぁ、それは良いとしよう。
今回の記事だが、より正確に言うと、男性に関しては4月生まれのほうが3月まれに比べて、0.2年平均教育年数が長いことが明らかになった、ということらしい。この数字と、対応する大卒比率とがほぼ近い数字となったから、3月は大卒の比率が少なくなるということらしい。

そもそも、高卒を12にする必要性がどこまであるのかな、と思ったのだが・・。これ、仮に小学校はほぼ皆行っているとして、高卒を6、短大・高専を8、大卒を10にしたら、おなじく0.2年長いにしても、大卒比率との関係は変わってこないだろうか?

ちなみに、掲載されているグラフを見てみたのだが、年によっては、3月の教育年数が長い方の部類に入る年もあった。まぁ、少ない例外かもしれないが。。確かに3月と4月とを比べると、4月の方が、教育年数が長いように感じられる。でも、決して3月が最低で4月が最高かというとそうでもなさそうだ。
数字があれば、すぐにでも検証したいのだが、グラフからしか読み取れないので、ざっと読み取った数字を載せてみたい。

1950年度(50年4月-51年3月)での教育年数1位は4月、最下位は1月。以下年、月だけ記載していく。男性の場合。
1951年度、1位7月、最下位3月
1952年度、1位8月、最下位2月
1953年度、1位7月、最下位2,3月
1954年度、1位8月、最下位2月
1955年度、1位3月、最下位1,2月
1956年度、1位3月、最下位6月
1957年度、1位8月、最下位10月
1958年度、1位9月、最下位1月
1959年度、1位7月、最下位3月
1960年度、1位10月、最下位6月
1961年度、1位10月、最下位1月
1962年度、1位10月、最下位11月
1963年度、1位5月、最下位12月
1964年度、1位4月、最下位11月
1965年度、1位7月、最下位11月
1966年度、1位5月、最下位9月
1967年度、1位5月、最下位2月
1968年度、1位6月、最下位1月
さて、19年分みたが、早生まれが1位になったのは2回、最下位は10回。確かに、そうかもなぁ、とは思う。最下位の最瀕値は1月。そういう傾向があるのかも。。とも思うが、結構最下位に他の月もなっているわけだ。0.2%大卒が少ない、とは統計的に言えても、そうでない年も大いにあるわけで、この順位で見た分析を加えれば、有意かなぁ?と思ってしまう。



「早生まれ」は学歴でも不利? 一橋大院助教授が調査 (朝日新聞) - goo ニュース


http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2006/06/post_363.html

引用記事は、下の記事にコピーを掲載してあります。
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統計ですか・・調べてみないとなぁ 早生まれと学歴・・ねぇ

2006年07月19日 | 企業の一般的な話
どうも、この調査が気になる。1-3月生まれは、4月生まれよりも、大学卒の比率が少ないのだそうだ。って、おいおい、その結果数字だけを見てから、結論に結びつくのか?と思う。着眼点は面白いが、学歴って、ねぇ。。浪人して入った人もいっぱいいるわけでしょうが・・。幼年期の「早生まれ」の問題と、大卒の比率はそれは遠い論理の繋がりが必要でしょうに。
まぁ、想定されるシナリオとしては・・・、3月生まれは幼少期から成績はよい方ではなかった。だから、そもそも高校に進学する時点で、大学へ進む比率が少ない高校に行くことが多かった、とか。

例えば、学年度毎(同じ学年ばかり)に、上記の結果を分析して、結果として36学年調べたが、どの学年でも(もしくは圧倒的多数の学年で)同じ傾向が出た、とか言うのかな?というのも気になる。また、幼年期の学習との関係で見るならば、現役で進学したか(もっとも、いい大学に行くために浪人する人もいっぱいいるけれど)とか。
データが多いから信用できるというのではなくて、いろいろな切り口でクロス集計してみて、それでもこの結果が得られたということなんだろう。育った都道府県別とか、都市(県庁所在地などの地域の中心)・地方別とかね。そういうのは分析していることでしょう。

あくまで、朝日新聞の報道にゆがみがあると信じつつ、このニュースの文面だけからは、ちょっと無理があるのでは?と思うため記事にさせていただく。
川口大司先生は、政経の経済卒ですか、じゃぁ田中愛治先生の講義も受けていても不思議じゃない気がする。同じ時期にキャンパスにいた者として、今回の記事がゆがんだ報道と信じつつ。。。

そう言えば、以前も新聞記事の統計結果の話しに、疑念を抱いたことがあった。それは朝日だったような(~ー~;。
先生よりも、記事にした人の書き方について良識を疑うなぁ。先頃、小中学生の論理力がないとか話題になっていたけれど、小中学生だけの話ではないのかもしれない。あ、朝日の記者も早稲田が多いんだっけ、うーん、深刻かも。
最後にひとこと。私も3月生まれです(*^^*)


「早生まれ」は学歴でも不利? 一橋大院助教授が調査 (朝日新聞) - goo ニュース

「早生まれ」は学歴でも不利? 一橋大院助教授が調査
2006年 7月18日 (火) 09:57
 1~3月誕生の「早生まれ」は学歴でもわずかに不利、という統計分析を一橋大大学院の川口大司(だいじ)・助教授(労働経済学)がまとめた。4年制大学卒業の比率が、3月生まれは4月生まれより男性で3ポイント、女性で1ポイント低く、「小学校のころは成績に差が出るとされるが、それがその後の教育過程にも影響している可能性がある」という。
 総務省の就業構造基本調査(02年10月)のもとになった計100万人分のデータから、25~60歳の男女各26万人分を抽出し、生まれた月ごとの(1)4年制大学卒の比率(2)教育を受けた平均年数(高卒なら12年)を分析。抽出時の集計誤差は(1)が0.3%、(2)が0.03年程度という。
 その結果、(1)は4月生まれが男性28%、女性10%なのに対し、早生まれは男性25~26%、女性8~9%だった。(2)も4月生まれが男性12.8年、女性12.5年に対し、早生まれは男性12.6年、女性12.3年だった。
 小学校の同学年で早生まれの方に成績が低い傾向が出ても、加齢に従って解消されていくとされている。だが、今回の分析は、その後の学歴にも影響が出ている可能性を示した。
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ある企業の現場に推薦したい本

2006年07月18日 | 本の紹介(ビジネス)
あるスーパーの方に、店長向けの推薦図書は?と言われましたので、まとめてみました。読みやすく、あまり学術的ではない本をまとめてあります。数日の内に、何とか編という形でいくつか本の紹介をまとめます。
今回は短評は入れませんが、この記事に徐々に入れて更新していきます。ひとまず、本の名前だけで載せますが、ご容赦ください。
オリジナル投稿日 2005/3/1


問題を整理し、分析する技術―コンサルタントがその秘訣を明かす

日本能率協会マネジメントセンター

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戦略思考トレーニング―考える力が飛躍的にアップする!

PHP研究所

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問題解決のツールブック

日本実業出版社

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日経ビジネス選書 売れない時代に売る 不況知らずの企業と人の秘密

日経BP出版センター

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売れない時代に売る 達人編

日経BP社

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交渉ハンドブック―理論・実践・教養

東洋経済新報社

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ここで買わなきゃ、運が悪くなる、と思って

2006年07月18日 | 本の紹介(ビジネス)
この本、正直買うのを悩みました。うさんくさいなぁ、と思ったのが最初。そして、手元にいくつか本も持っていたので、あえて今買う必要もないか、と思った。でも、本って結構出逢い物とも思っている。タイトルがタイトルだけに、今、買っておかないと運が悪くなりそうな気がして買いました。
そして、さくっと読んだところ。一言一句までは読んでいません。ざっと流し読み。ただ、ここ数日、あまり運がよくなかったかな、とも思っていて、この本を読んでなにか変われないかな、と思ったのもあります。
帯には、夢をかなえる究極の思考法、生活術、なんて書いてありましたが、まぁ、いろんな形で運の方向について、転換させるには、ということが書かれている本とでも言いましょうか。運、をどうとらえるか、ということや、生活における無駄なんかを考えるには、よい刺激になりましたね。
私自身、あまり片付けは得意ではないのですが、とにかくトイレだけはきれいにしておきたい人なんです。その行為が、運気的にはよいということが書いてあったり、信じる信じない、という話かもしれませんが、自分が運がよい方だ、と信じている身としては、こういう本はいいきっかけになったかな、と思います。

幸運と不運の法則―成功をつかむための「運命学」

PHP研究所

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