企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

日本への遺言

2006年05月14日 | 本の紹介(ビジネス)
後藤田正晴氏の、ここ数年の言葉を綴った本「日本への遺言」を読んだ。今の政治に対して、また社会に対してのメッセージだ。120ページほどの薄い本で、写真も多く、また文章は短い。だから、ただ読むだけならば、どんな人でも1時間もかからないだろう。でも、内容は、相当重い。これを遺言と捉えるならば、もっともっと時間をかけて考えて読む必要がある。
本書のあとがきにも書かれているが、日本への警鐘を乱打するのではなく、世代と共に自分の発言をフェードアウトさせよう、というような印象は確かにある。だから、言葉が、表面的な指摘に終わってしまっている部分も少なからずある。
それらを、後藤田さんだったらどう考えただろうか?と、彼の過去の著書やインタビューなどを見ながら考えてみるなどしたい。カミソリのことだから、多くの問題について、解決策の私案をもっていたことだろう(ひょっとしたら、どこかに文書として残されているかもしれない)。

今の政治、国家を論じている人は、ほとんど見えなくなってしまった、この本を読み、そんな思いを強くした。志を持った人々が、今、どこでなにをしているのか。自分が生きることに必死になっているうちは、決して大所高所からの将来は語れない。
予定調和というものがあるならば、みんなが頑張れば、ある方向に自然と向かっていくのかもしれないが・・・、人口が減っていく社会の予定調和なんて・あまり考えられない。

後藤田氏の遺言、毎日新聞社から952円(税別)で出版されている。短い言葉ばかりだが、それらを見て、読んで、感じて、将来の自分たちの国の姿を考える時間を持ってみてはどうだろう?決して、30分~1時間の読書は、無駄にならないと思う。

後藤田正晴 日本への遺言

毎日新聞社

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オリジナル投稿日 2006/1/6

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