
私も土木技術者の端くれだったから現役の頃には土木工事の工程表を数え切れないほど作った。
私の作った工程表は概ね当初に予定したとおりに進捗することが多かった。その理由は一つ一つの作業の所用日数を比較的正確に見積もれたことにある。それは私自身が現場で働いたことがあるからで、人間の体力やそれに基づく仕事量は概ね読めるのである。土木の世界ではこれを「歩掛」と呼んでいる。
歩掛 (ぶがかり) とは、ある作業を行う場合の単位数量または、ある一定の工事に要する作業手間ならびに作業日数を数値化したものである。
例えば、機械を使わずに人間の力だけで穴を掘る作業があったとする。人力床掘りというが、土質が岩石以外の場合は10立方メートルあたり3・9人工である。
基面整正というのは構造物を作る際に最初行う地均しのことであるが、これは100㎡当たり2人工である。
機械を使う作業でも標準歩掛は決まっているから、工程表を作るときは機械の能力から作業日数を検討するのでる。
下水道工事などの場合は、人員と機械・車両の組み合わせで日進何メートルという具合に決めれば大体は読みどおりに進むことが出来た。
回りくどい話になったが、何も昔の話を持ち出して自慢しようと言うのではない。ここで検討したいのは昨日発表された東電福島原発事故の工程表のことである。
事故発生後一ヶ月以上も経てからようやく出た工程表であるが、率直に言って工程表の体(てい)をなしていない。
原子炉安定までに6ヶ月乃至9ヶ月などという工程表ではいつになったら事故全体が収束するのか全く読み取ることが出来ない。事故の被害者が望んでいるのは何時になったら自宅で安全に暮らすことが出来るのかということではないのか。事故の収束については皆目見当もつかない工程表を発表しながら、東電の勝俣会長と清水社長は6月の定時株主総会で引責辞任するそうである。まったく無責任な話ではないか。
私の作った工程表は概ね当初に予定したとおりに進捗することが多かった。その理由は一つ一つの作業の所用日数を比較的正確に見積もれたことにある。それは私自身が現場で働いたことがあるからで、人間の体力やそれに基づく仕事量は概ね読めるのである。土木の世界ではこれを「歩掛」と呼んでいる。
歩掛 (ぶがかり) とは、ある作業を行う場合の単位数量または、ある一定の工事に要する作業手間ならびに作業日数を数値化したものである。
例えば、機械を使わずに人間の力だけで穴を掘る作業があったとする。人力床掘りというが、土質が岩石以外の場合は10立方メートルあたり3・9人工である。
基面整正というのは構造物を作る際に最初行う地均しのことであるが、これは100㎡当たり2人工である。
機械を使う作業でも標準歩掛は決まっているから、工程表を作るときは機械の能力から作業日数を検討するのでる。
下水道工事などの場合は、人員と機械・車両の組み合わせで日進何メートルという具合に決めれば大体は読みどおりに進むことが出来た。
回りくどい話になったが、何も昔の話を持ち出して自慢しようと言うのではない。ここで検討したいのは昨日発表された東電福島原発事故の工程表のことである。
事故発生後一ヶ月以上も経てからようやく出た工程表であるが、率直に言って工程表の体(てい)をなしていない。
原子炉安定までに6ヶ月乃至9ヶ月などという工程表ではいつになったら事故全体が収束するのか全く読み取ることが出来ない。事故の被害者が望んでいるのは何時になったら自宅で安全に暮らすことが出来るのかということではないのか。事故の収束については皆目見当もつかない工程表を発表しながら、東電の勝俣会長と清水社長は6月の定時株主総会で引責辞任するそうである。まったく無責任な話ではないか。
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