日々是好舌

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JR リニアの調査 杜撰です

2016年06月17日 13時30分20秒 | 日記
 リニア中央新幹線の建設に関して東海旅客鉄道株式会社が行った環境影響調査なかんずく動植物の調査結果は同社のホームページに公開されているが調査区域に棲息又は生育する動植物を網羅しているわけではない。問題になっているヤマトイワナは対象区域では確認できないと書いてある。

 静岡市では、南アルプスユネスコエコパーク地域内で計画されている中央新幹線建設事業の工事実施にあたり、現在の自然環境の状況等を独自に調査した。

 水資源影響調査は、南アルプスの水循環モデルを構築し、トンネル掘削による表流水、地下水への影響を予測した。この解析では、トンネル掘削による湧水量が1秒あたり約1.5tと予測され、大井川流域の表流水や地下水の流量が減少する可能性があるとした。

 大気質、水質、動植物調査は、南アルプスユネスコエコパーク地域内の大気汚染物質濃度、河川水質、希少動植物の生息、生育状況を調査し、現状を把握した。

 結果として、大気質については汚染が少ないこと、水質については極めて清澄であることが確認された。動植物については、46種の重要な種を確認した。その内、中央新幹線環境影響評価手続きでは確認されなかった13種を確認した。 

 県の絶滅危惧種の植物「ヒトツバテンナンショウ」など、事業者による環境影響評価(アセスメント)手続きでは確認されなかった動植物11種を含め44重要種を確認した。

 JR側が未確認の種はヒトツバテンナンショウのほか、環境省が準絶滅危惧種とするミズラモグラ、県が要注目種とする昆虫のウスイロオナガシジミなど。いずれも発生土置き場候補地や周辺で確認した。JR側が「確認されなかった」とする県指定絶滅危惧魚種のヤマトイワナは、JRの調査範囲外で確認し、「ごく局所的ではあるが、源流域に生息地は確実に存在する」とした。

 さて、人の生命は地球より重いなどという。それでは人類以外の動植物はどうなのであろうか。人為的な原因で絶滅してしまった動植物は数多い。 トキ・ハシブトゴイ・ムコジマメグロ・ニホンアシカ・ニホンオオカミ・エゾオオカミ・ミナミトミヨ等々枚挙にいとまがない。ほかにも1979年以来目撃例がないニホンカワウソもほぼ絶滅状態であると思われる。

 蛇足であるがトキのように文化的な必要性から保護センターを作って繁殖に努めている例もあるがあれは伊勢神宮の式年遷宮のときにトキの羽が必要なためだからと思われる。伊勢神宮では、式年遷宮で建物だけでなく、神宝も新調するのがならわしである。トキの羽が使われるのは、神宝の「須賀利御太刀(すがりのおんたち)」の柄の装飾です。

 13種の重要種が環境影響評価から抜けていた。この事実はJR東海の調査がいかに杜撰であったのかを如実に物語っている。一度、絶滅した種は二度とよみがえらないのである。これら絶滅を危惧される動植物の保全を杜撰な事業者に任せることのないように行政当局の厳正なる対応を求めたい。
コメント
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