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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ツレがうつになりまして。

2011年10月19日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2011年10月8日公開 121分

高崎晴子(宮崎あおい)と高崎幹夫(堺雅人)は お互いを「ツレ」「ハルさん」と呼び合う仲の良い夫婦。彼女はマイナス思考で怠け者ながらも、生真面目なサラリーマンの幹夫に温かく見守られながら好きな漫画を描いていた。ところがある日、幹夫がうつ病になり、満員電車にも乗れない状態に。そんな彼の姿を見て、晴子は自分がいままでどれだけ幹夫に甘えていたかを実感する。これまでと違い、自分が彼を支えるという生活の中で幹夫への深い愛を再確認する晴子。そして彼女は一心不乱に本当に描きたい漫画を執筆し編集部へ持ち込む。それは、2人の日々を描いた漫画だった――。(cinemacafe.netあらすじ紹介より)


うつ病になった夫との二人三脚の闘病記を綴った漫画家・細川貂々の同名コミックエッセイの映画化です。

夫婦のペットであるイグアナのイグちゃんのアップから始まるこの映画、爬虫類ダメな人にはちょっとキツイかも。でも可愛いと思える人には癒しの相乗効果大です。もちろん私は後者なので、スクリーンに登場する度に「可愛い~~!」と心の中で叫んでおりましたついでに後半亀のチビちゃんも家族に加わります。亀も好き~~ww

心の風邪とも言われるうつ病ですが、実際に身近な家族が罹ってしまったら、晴子さんのように大らかに接してあげられるだろうか?と自問しながら、でもこんな風に見守ることができたなら絶対状況は良くなっていくんだろうなと思いました。

とにかくあおいちゃん演じる晴子さんの笑顔が良いの
内心焦りや苛立ちもあるだろうに、決して急かさずゆったりと夫を見守る眼差しの優しさには見ていて頭が下がります。そして何よりこの夫婦の元々の絆の強さがあるからこそ、物語として成立しているのが観ていて伝わってくるのです。

夫婦の周囲の人たちも概ね理解を示してくれます。
幹夫の兄である和夫(津田寛治)が「頑張れ!」を繰り返しながら励ますシーンでは、まさに反面教師のエピだなぁと思いながら、でも病気のことを知らなければこんな風に励ましてしまうよなぁと反省しながら観てました。

理髪店を営む晴子の両親(大杉漣・余貴美子)も温かく娘夫婦を見守っていきます。
彼らには、店に雑誌を届けてくれる書店の次男坊(伊嵜 充則)がうつ病の回復期に突然自殺してしまうという悲しい出来事がありました。そういうこともあって、うつ病について勉強もし野菜が良いらしいと届けてくれたり、晴子の辛さを慮って彼女を励ましたりしてくれます。

ストレスの原因となった勤務先では、クレーマー(通称できないさん)の顧客(梅沢富美男)への対応や、退職に至るまでの上司(田村三郎)の対応など、これは辛いなぁというエピソードもあるのですが、病気をカミングアウトした後に部下(中野裕太)がさり気なく気遣ってくれたり、退職した後でも気にかけてくれたりと基本的には良い人たちなのも何だか嬉しいです。

腰や背中の痛みから頭痛、吐き気、電車に乗れない、電話に出られないなど典型的な初期症状を経て、不眠から惰眠への移行、意欲減退、激しい感情の起伏からくる落ち込み(風呂場での自殺未遂)など、一通りの病状の展開があり、やがて回復(完治ではない)していく様子が四季の変化と共にゆったり綴られていきました。

通院先のクリニックの院長によるうつ病の解説もわかりやすく、同病の患者(吹越満)との会話が、この病気の経過をさり気なく観客に教えてくれてもいます。

晴子行きつけの骨董屋・乾坤堂のおじいちゃん(犬塚弘)の「壊れずにあるからこそ」というセリフがじわっと胸に沁みます。
また、同時期に結婚式を挙げたカップルの同窓会に参加して互いの気持ちを伝え合うシーンは観客も思わずもらい泣きする良い場面でした。

夫の病気を通して晴子もまた成長していったのね
原作読みたくなっちゃったな

映画とは関係ないのですが、中居正広つながりで伊嵜 充則(「味いち」の藤井ちゃん)や津田寛治(「模倣犯」のヒロミ)が出演してたのがちょっと個人的にツボ~

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