杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

オカンの嫁入り

2011年02月28日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年9月4日公開

月子(宮崎あおい)と陽子(大竹しのぶ)は、母ひとり子ひとりで仲良く暮らしてきた親子。ある日の深夜、陽子が酔っ払って若い金髪の男・研二(桐谷健太)を連れて帰ってくる。翌朝、ケロッとした顔で「おかあさん、この人と結婚することにしたから」と宣言する陽子に困惑し怒った月子は、とっさに家を飛び出して隣の大家・サク(絵沢萌子)の元へ転がり込む・・・。

咲乃月音の小説「さくら色 オカンの嫁入り」の映画化ということです。 宮崎あおい&大竹しのぶのダブル主演なのね。

月子の父・薫は、彼女が生まれる前に亡くなっていて、母の陽子は常々「薫さんが、最初で最後の人」と言い、浮いた話もないまま母娘で仲良く暮らしていました。ところが、いきなり現れた母の結婚相手は30歳の失業中の金髪ヘラヘラ男。そりゃ~月子が怒るのも当たり前(^^;

でも、外見とは異なって、元板前の研二は美味しい食事も作れるし、サクの家に居座り続ける月子に遠慮して「月ちゃんがいない家に同居はできない」と軒下で寝泊りする律儀な人でした。母の勤め先の村上医院の村上先生(國村隼)と結ばれてくれたら良いのにと思っていた月子ですが、先生から陽子には既にプロポーズを二度断られた過去があることや、母も一人の女性として愛する人とめぐり合ったのだということを諭されて、渋々だけれど陽子の結婚を了承する気持ちになります。

さて、母に白無垢の衣装合わせに一緒に「電車で」出かけて欲しいと頼まれ拒絶する月子には、一年前まで勤めていた会社でストーカーに遭い、PTSDを発症し電車に乗れなくなって退職を余儀なくされた過去があります。母は家に引きこもり社会生活から逃げている月子を何とかしたい気持ちもあることがわかります。それは自分が末期がんで余命一年という事情を抱えていたからでもありました。

陽子が倒れて病院に運ばれて、彼女の病気は月子や周囲の人に知られてしまいます。延命を拒み、今を生きたいと願う陽子を研二が受け入れたからこそのプロポーズだったことが明かされる母と娘の会話が心に沁みました。

よくあるドラマの展開だと、病院のベッドで親しい人に囲まれての最期のシーンあたりで終わりそうですが、映画は、結婚式の後の何気ない日常で終わっています。
湿っぽくない明るいエンディングも良いな♪
大家のサクちゃんや村上先生が、本当の家族のように母娘を見守っているのも下町の人情を感じさせてくれます。

年の離れた相手がどうとかではなくて、人生の終わりに心から寄り添える人と巡り会えた陽子さんに素直におめでとうと呼びかけたくなったのは、演じている大竹さんのキャラも関係してるかも。あっけらかんとした物言いの中に秘めていた母として、女としての熱い想いが感じられる素敵な演技だったなぁ。

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