杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ちょんまげぷりん

2011年02月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年7月31日公開 

遊佐ひろ子(ともさかりえ)は、子育てと仕事の両立に悩むシングルマザー。やんちゃ盛りの1人息子、友也(鈴木福)を抱え、職場では残業せずに定時で帰ることで同僚に嫌味を言われる毎日にストレスを溜め込んでいたある日、着物にちょんまげ姿の男に出会う。木島安兵衛(錦戸亮)と名乗った男は、180年前の江戸時代からやってきた本物の侍だった。行く当てもなく途方にくれていた安兵衛を、成り行きで居候させたひろ子だが、家事すべてを引き受けて一生懸命に働いてくれる安兵衛に大助かり。友也が無作法をすれば叱り、熱を出せば看病してくれる姿は頼もしく、安心して仕事に打ち込むようになると職場の人間関係もうまく回り始める。ところが、安兵衛がお菓子作りの才能を開花させ、外で働くようになったことで三人のバランスが崩れ始め・・・。

荒木源の同名コミックの映画化です。
江戸時代からタイムスリップしてきたのは直参貧乏旗本の25歳のお武家様。「男は外で仕事、女は奥向き(家事)」が当たり前という考えの持ち主です。

安兵衛の男尊女卑とも取れる言動に反発するひろ子でしたが、礼儀を重んじ、物事の道理を説く彼の姿は新鮮で、年下なのに頼りがいと安心感を与えてくれる存在になっていきます。

友也の方も、叱ったり一緒に遊んでくれたり、病気の時には傍にいて看病してくれて、美味しいプリンやお菓子を作ってくれる安兵衛に父親のように懐いていきます。

家事の合間にお菓子作りを始めた安兵衛が、お菓子作りコンテストに出て優勝しちゃう展開はちょっと出来すぎな印象もありますが(プロ顔負けの技術と、助手である友也と10時間もの長い時間をコンテストで戦うなんてありえないっしょ)、パティシェの才能を認められて外で働くようになると、「男は仕事!」とばかり突っ走る姿は、侍も現代人も変わらないんだねぇ。

安兵衛をコンテストに出場させたり、外の世界で働くことを勧めたりしたひろ子ですが、彼が忙しくなって家事や友也と触れ合う時間が無くなると「約束が違う」と責めます。それは元夫との離婚理由でもありました。

映画の冒頭で、食事は冷凍ものをチンするだけの母子の生活が描かれますが、安兵衛が家事を担うようになると、食卓は手作りの美味しそうな風景になります。
ひろ子を見ていると、家庭より仕事を選んだ彼女の生き方はちょっと我儘で身勝手な印象も受けますが、友也との関係は終始良好で幸せそうなので、ほっとします。

家からいなくなった安兵衛を連れ戻そうと友也が保育園を抜け出すことで一騒動持ち上がります。ヤクザ?に絡まれてケーキナイフで一刀両断する安兵衛はカッコよかったです♪

この事件の後、三人は互いに必要な存在と認め合いますが、安兵衛は元の世界では仕事にあぶれた貧乏侍だったので、自分を生かす仕事を得て願いが叶ったことで元の世界に戻されてしまうの。この時、一緒に行きたいと縋った母子を突き放し「もう一度会える」と運命を受け入れる安兵衛も凛々しかったです。

そして友也の卒園の日、安兵衛の住んでいたという住所を尋ねた母子は一軒の和菓子屋を見つけ、中に入ると・・・そこには江戸時代から続くという「ぷりん」が2人を迎えてくれたのでした。

こういう再会も悪くないね♪

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