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加藤 実秋 (著) 角川文庫
偽爆弾が設置される事件が頻発。単なるいたずらなのか? 新人刑事の牧野ひよりは、退職刑事専用のシェアハウス<メゾン・ド・ポリス>に住む、凄腕だけど曲者ぞろいのおじさんたちと捜査に乗り出すが……。(内容紹介より)
前2巻より厚さがないな~と思ったら、今回はテロ事件一本の中編仕立てでした。
新たに登場する退職間近の梅崎刑事は女嫌いで有名な設定。
偽爆弾事件が起こり、彼と組まされることになったひよりとの相性は最悪です。過去に可愛がっていた部下の女性刑事が殉職した事故が梅崎を変えてしまったことが後半に明かされます。女嫌いなのではなく、女性への過度な心配がそうさせていたという・・・それにしては女性蔑視発言が過ぎるんですが😩
梅崎はメゾンのおじ様たち、特に伊達さんに対しては腰が低く尊敬しています。それもその筈、伊達さんは元副総監だったことが今回初めて明かされます。階級社会の警察組織ですから退職しているとはいえ雲の上の人ですもんね😁
同僚の原田刑事は彼女ができて浮かれまくりで、整髪料と洗濯用芳香剤の強烈な匂いに閉口させられるひよりです。(原田の彼女がその匂いを受容しているのが不思議でもある😓 )でもこの原田君が爆発に巻き込まれて怪我をしたことで、ひよりは彼と彼女の意外な一面を知ることになります。
テロリストの容疑者のひとりに浮かんだのは迫田の離婚して以来会っていないという息子です。彼は東大理系卒でいかにも爆弾に精通していそうな印象を持ちますが、そっち方面ではないのよね😓
女性店員が嗅いだという香りが水族館のガラス製作の原料に使われる薬品と思われたことから、工事現場に赴いた一行が、製作に携わっていた迫田の息子を知ることになります。アクリルガラスの隅に書かれていた「 blue grobe 」の意味が伏線になっていました。 (roveと grobeの違い、わかりますか?😁 )
今回はひよりのライバル?ナナちゃんのネイルがヒントになってテロリストのメンバーが判明します。夏目のアイロンがけはメゾンの中ではなく、自殺した犯人が通っていた学校の教室でした。(アイロンかけられたらどこでもいいんだな😉 )
クレバーなテロリストの主犯と心酔している副犯の思想は受容できないし、狂信的な新興宗教みたいです。仕掛けられた爆弾を積んだ車をひよりが運転する展開はスリリングではありますが、彼女がやらなくてもとも😥
事件解決後、迫田の元妻が現れて父子の関係が修復されます。離婚の原因はありがちでしたが、女性の視点からみたら「だよね!」な理由でした。
前作でひよりの家族、今作では迫田の家族問題が修復されましたが、次は夏目の家族関係が登場するのかな?😀