杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ダー・天使

2024年05月30日 | 
一雫 ライオン (著) 集英社文庫

妻と幼い娘とともに、慎ましくも幸せに暮らしていた二郎。だが、ある日、通り魔から家族を守ろうとして命を落としてしまう。天国で神と交渉し、「天使」として地上へと戻るが、誰からも姿は見えず、手助けも出来ないまま、ただひたすらに妻子を見守り続ける二郎。小さかった娘は、中学生になり、高校生になり、そして――。すべての人への慈しみがあふれる、心温まる現代のファンタジー。(内容紹介より)


昔はやんちゃしていた二郎ですが、妻と出会い結婚し娘が生まれて平穏な日常に最大級の幸せを感じていたある日、通り魔から妻子を守ろうとして亡くなってしまうところから物語は始まります。

二郎が意識を取り戻した先は天国。そこにいたのは少年の姿をした神様で、天国についての一通りの説明を受けます。先に亡くなっていた母や兄とも再会した次郎でしたが、そのまま妻子がやってくるのを待つのではなく、天使となって地上に降りて妻子を見守る選択をします。

天使になっても、妻子に声が届くわけでも姿が見えるわけでもない。ひたすらに見守るだけです。もし何かが起こっても手を出すことも守ることもできないのです。それでも二郎はずっとずっと妻子を見守り続けます。

娘が小学生になり中学生になり、高校生になった頃、通り魔事件の犯人の少年が自殺したことで、再び世間の注目を浴びる家族の姿に胸を痛めた二郎は、天国に戻り加害者の少年を問い詰めますが、彼も苦しんできたことを知ります。ちなみに死んだら「生きもの」は皆天国に来るという設定です。

やがて妻が病気で亡くなり天国にやってきます。
しかし、妻といられたのはわずか一日だけでした。天使になる条件が、生まれ変わることだったからです。天国で妻がいつかやってくる日を待てばその後はずっと一緒にいられたのに、二郎は傍で見守ることを選んだのです。

天国や神様の設定は面白かったけれど、確かにファンタジーではあるけれど、個人的にはちょっとな~~という感じでした。
天国にいても毎日地上の様子は見られるわけだし、傍にいても何もしてあげることはできないというのに、それでも妻子の傍にいることを選んだ二郎は後悔ないのでしょうけど、やっと夫と再会した妻や母の思いについて考えなかったのかな~とかね。😔 

神様曰く、殆どの人は天国に留まることを選ぶらしい。それでも敢えてと言う人も少数ながら存在するとのこと。自分は間違いなく前者だろうな~~。
少年の姿の神様は数千年生きている設定で、人間に限らずあらゆる生き物の運命をルーレットで決めているという。更に神様を作った存在も示唆され、何だかドラゴンボールを連想してしまったぞ。あと、ドラマ『ブラッシュアップライフ』の神様もね。😁 

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