杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

メゾン・ド・ポリス6 退職刑事と引退大泥棒

2024年03月23日 | 
加藤 実秋 (著) 角川文庫

”昭和の義賊”とおじさん軍団がタッグを組む!? シリーズ感動の完結!
柳町北署管内で少女の誘拐事件が発生。少女の祖父・然治は、かつて世間をにぎわせた窃盗団「忍び団」のリーダーで、誘拐は過去の窃盗と深い関りがあった。メゾンの面々は、少女を探す然治に協力するが……。(内容紹介より)


完結編となる今作は丸々一つの事件の捜査となります。
成長したひよりを突き放す迫田や夏目ですが、その心中はまさに親心。そして夏目にはそれ以上の感情が芽生えていて、それはひよりも同様でした。😀 
バーのマスターの草介と夏目がひよりを巡って密かな駆け引きがあったり、ナナちゃんの意外な一面も見られます。

小川然治 は共働きの息子夫婦に代わって孫の紬ちゃんの面倒を見ていましたが、寄り道せずまっすぐ帰宅する孫が今日に限って帰って来ないと警察に通報したことで事件が発覚します。

指揮本部の設置とマスコミと報道協定が締結される中、連れ去り現場から2kmしか離れていないビルで死体が発見されます。福沢猛という指定暴力団早戸組の配下組織の構成員で前科がある殺し屋でした。福沢のスマホの通話履歴には然治の番号があり、関与が疑われる中、本人から「襲われて仕方なく殺した」とひよりに連絡が入ります。

犯人から紬の父親に届いた動画を検証して送信者の米山新太を割り出し、住居に向かったひよりたちは、60前後の男の刺殺体を見つけます。鑑識を呼ぼうと外に出たひよりは然治の姿を見つけて後を追いビルの屋上に追い詰めますが、彼は逃げようとして転落しそうになり、助けようとしたひよりも力尽きそうになったとき・・・メゾンのメンバーが現れるんですね。😁 

容疑者である然治をメゾンに匿い、おじさんたちは独自に捜査を始めます。それ、犯人隠匿罪になるぞ💦
本庁の捜査一課に引き抜かれることが決まったひよりはおじさんたちから自分たちに関わるなと釘を刺され基本的に別行動です。

然治は昔世間を騒がせた「忍び団」のお頭で、殺されていたのはメンバーの一人だった服部とわかります。残りのメンバーを探す中で柳生は亡くなっていましたが、風魔と千代女が見つかります。忍び団は最後の仕事で入った宝石店で警備員を死なせてしまったことで何も盗らずに逃げそのまま解散していましたが、その時に盗まれたと世間に発表されていたブラックシャドウという高価な宝石を然治が隠し持っていると思った犯人が彼の孫を誘拐して宝石を手に入れようとしていたのです。

若い頃は美しかったという千代女の激変した容姿とスタイルを見て女性好きの藤堂はため息をつきますが、一緒に行動するうちに彼女に惹かれていきます。でも千代女は離婚した風魔のことがまだ好きなのね。事件解決後に藤堂は告白前に振られる形になりますが、彼の二番目の元妻の沙耶とよりが戻りそうな結末でした😁 

実は柳生は人生上手くいかずに自殺していたのですが、彼の息子が遺書に書かれていた(お頭が宝石を盗んでいたのではないかと疑う)内容を信じたことから事件が始まっていました。借金で首が回らなくなった息子が暴力団に情報を流し誘拐が計画されたのです。

犯人に要求された宝石は当然手元にないため、おじさんたちと忍び団は宝石店を継いだ若社長が隠し持っていると考えて、自宅に盗みに入ります。元副総監の伊達さんまで加わって良いのか???れっきとした犯罪ですけど💦
異常に防犯設備の厳重な家の窓ガラスを外して室内に入り苦労して金庫を開けますが、そこにはゲームカードしか入っていません。唖然とする彼らの前に、当時から務めていた宝石店の女性店員が現れ、自分が隠し持っていたと告白します。この宝石が誘拐の発端になっていると知って責任を感じたのね。

ブラックシャドウを持って犯人と人質交換に臨む然治と夏目たちでしたが、柳生の息子は父親の復讐だと言って然治の死を望みます。然治は建物の屋上から飛び降りますが、実はトリックがありました。
然治を庇った夏目が至近距離から撃たれますが、これも伊達が用意させていた偽物の宝石を左胸のポケットに入れていたため無事でした。ダイヤじゃなくて炭化ホウ素だったからで、もしダイヤだったら砕けてたらしい・・・トリビア~!紬ちゃんも救出されて事件は解決します。

春。捜査一課に移動になったひよりは早速事件現場へ。
遺体の状況から的確に見立てをしたひよりの前に現れたのは・・・メゾンのおじさんたち。独り立ちした筈なのにまたまた彼女はおじさんたちと捜査をすることになりそうです。😁
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