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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

秘密の花園(1993)

2018年09月01日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

1993年10月9日公開 アメリカ 102分

メアリー・レノックス(ケイト・メイバリー)はインドの大邸宅の中で、誰からも愛情をそそがれずに育った10歳の少女。突然インド全域を襲った大地震で両親を失ってしまった彼女は、イギリスに住む伯父クレイヴン伯爵(ジョン・リンチ)のもとへ送られることになった。霧雨の降るリヴァプールの港でクレイヴン家の家政婦であるメドロック婦人(マギー・スミス)に迎えられたメアリーは、強風の吹きすさぶイギリスの風景を見て暗い気持ちになるが、親切な召使いのマーサ(ローラ・クロスリー)に、生まれて初めて人間に対する親近感を抱く。クレイヴン家の館は巨大な迷路のような不思議な場所だった。自分の部屋の壁掛けの裏に小さな通路を見つけたメアリーは、その中で10年前に亡くなった伯爵の妻のリリアスの写真を見つける。その写真にはリリアスにそっくりなメアリーの母の笑顔も写っていて、メアリーは彼女たちが双子の姉妹だったことを知るのだった。さらにメアリーは引き出しの中に1本の鍵を見つける。その鍵が、リリアスの死後伯爵の手によって封印された秘密の花園の鍵だと思いあたったメアリーは、庭園の奥にある扉を開いた…。メアリーはマーサの弟ディコン(アンドリュー・ノット)に秘密の花園のことを打ち明ける。さっそく2人は荒れ果てた花園を蘇らせるための協力を誓い合う。日毎に健康になっていくメアリーは、ある夜不思議な声で目覚めた。そしてその声がする部屋へ入ると、そこには伯爵の息子コリン(ヘイド・プラウズ)がベッドに横たわっていた。病弱なコリンは自力で歩くこともできず、生まれてから一度も外へ出たことがないと言う。メアリーはコリンを秘密の花園へ誘う。コリンは生命を蘇らせる花園と共に日増しに元気になり、ひとりで歩けるようになった。一方、家にいることが少なかったクレイヴン伯爵は、久しぶりに屋敷へ帰って来た。すると枯木だらけの花園であるはずの場所からは、春の香りが漂っていた。元気な子供たちの声が響き、そこにはまっすぐ2本の足で立つコリンの姿があった。伯爵はその姿を見た瞬間、心の中に長い間忘れていた生きることの喜びと、自然への感謝の気持ちがあふれるのをはっきりと感じるのだった。(映画.comより)

 
「小公子」「小公女」などの児童文学を世に送り出したバーネットの名作を、フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮で映像化した作品です。子供の頃に読んだきり忘れていたのですが、映画を観て改めてお話の細部を思い出しました。

忙しい両親に顧みられずに育った孤独な少女は、両親の死にも涙が出ません。引き取られた叔父の広大な館でも独りぼっちでしたが、使用人のマーサとの出会いが少しずつ彼女の心をほぐしていきます。メドロック婦人の厳格さが冷たい北風だとすれば、マーサは太陽ですね彼女の弟のディコンと仲良くなって花園の秘密を共有するようになると、メアリーは更に明るくなります。
同じことがコリンにも当てはまります。生まれながらに病弱で部屋から外に出たことのないコリンは燗の強い繊細な面があります。メドロック婦人の溺愛はコリンには逆効果。子供にとって同じ年頃の子供と外遊びをするのが一番の健康の秘訣ですもの

メアリーは可愛げのない強情な子とメドロック婦人には見えていますが、その強情さは芯の通った強さであり、メアリーの長所でもあるんですね。コリンにも秘密を打ち明け、三人で花園で過ごすうちに、コリンは健康になっていきます。最初は歩けなかったのが立ち上がり歩き、やがて走れるまでに回復していくんですね。
花園もメアリーたちの手で蘇っていきます。その様子を植物の成長の早回しで映し出す画がとても美しいです
 
不意に帰館した伯爵が子供たち、とりわけコリンの姿を見て喜ぶ姿にメアリーは動揺します。改めて自分の両親はもういないのだと気付いて、寂しさにメアリーは初めて涙を流すのです。そんなメアリーにそっと寄り添う伯爵。メアリーの目に亡き妻の面影をみていた伯爵ですから、きっとメアリーもコリン同様に慈しんでくれると確信できる描写でした。
 

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