
1993年10月9日公開 アメリカ 102分
メアリー・レノックス(ケイト・メイバリー)はインドの大邸宅の中で、誰からも愛情をそそがれずに育った10歳の少女。突然インド全域を襲った大地震で両親を失ってしまった彼女は、イギリスに住む伯父クレイヴン伯爵(ジョン・リンチ)のもとへ送られることになった。霧雨の降るリヴァプールの港でクレイヴン家の家政婦であるメドロック婦人(マギー・スミス)に迎えられたメアリーは、強風の吹きすさぶイギリスの風景を見て暗い気持ちになるが、親切な召使いのマーサ(ローラ・クロスリー)に、生まれて初めて人間に対する親近感を抱く。クレイヴン家の館は巨大な迷路のような不思議な場所だった。自分の部屋の壁掛けの裏に小さな通路を見つけたメアリーは、その中で10年前に亡くなった伯爵の妻のリリアスの写真を見つける。その写真にはリリアスにそっくりなメアリーの母の笑顔も写っていて、メアリーは彼女たちが双子の姉妹だったことを知るのだった。さらにメアリーは引き出しの中に1本の鍵を見つける。その鍵が、リリアスの死後伯爵の手によって封印された秘密の花園の鍵だと思いあたったメアリーは、庭園の奥にある扉を開いた…。メアリーはマーサの弟ディコン(アンドリュー・ノット)に秘密の花園のことを打ち明ける。さっそく2人は荒れ果てた花園を蘇らせるための協力を誓い合う。日毎に健康になっていくメアリーは、ある夜不思議な声で目覚めた。そしてその声がする部屋へ入ると、そこには伯爵の息子コリン(ヘイド・プラウズ)がベッドに横たわっていた。病弱なコリンは自力で歩くこともできず、生まれてから一度も外へ出たことがないと言う。メアリーはコリンを秘密の花園へ誘う。コリンは生命を蘇らせる花園と共に日増しに元気になり、ひとりで歩けるようになった。一方、家にいることが少なかったクレイヴン伯爵は、久しぶりに屋敷へ帰って来た。すると枯木だらけの花園であるはずの場所からは、春の香りが漂っていた。元気な子供たちの声が響き、そこにはまっすぐ2本の足で立つコリンの姿があった。伯爵はその姿を見た瞬間、心の中に長い間忘れていた生きることの喜びと、自然への感謝の気持ちがあふれるのをはっきりと感じるのだった。(映画.comより)



