杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

感染列島

2013年02月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年1月17日公開 138分

正月明け、市立病院に務める救命救急医の松岡剛(妻夫木聡)の元に1人の急患が運ばれてきた。新型インフルエンザに類似する症状だがワクチンが通用せず、患者は死亡。やがて同僚の安藤医師(佐藤浩市)や他の患者に感染が広がり、病院はパニックになってしまう。WHOのメディカルオフィサーで松岡の元恋人・小林栄子(檀れい)が事態の収拾と調査に乗り出し、松岡も彼女と共に戦うことを決意するが、感染は日本全国に広がってしまい……。


医療ものとしてみれば細部の甘さが気になりますが、新型インフルエンザによるパンデミックの脅威が注目された数年前に公開されたこの作品は、当時はよりインパクトがあっただろうなと想像しながら観ました。

初めは新型インフルエンザが疑われ、そのため養鶏場の経営者が自責の念から自殺するような事態になります。病気も恐いけれど、マスコミが煽ることで世間の非難が向けられたことも恐ろしいことです。似たような展開が実際にあったこともまだ記憶にありますし

ウィルスの特定にしても、狭い医療界の学閥やら権力争いやらで正規ルートでは発見されなかったというのも皮肉です。偏屈な研究者を演じた竹山隆範(カンニング竹山)と看護士(国仲涼子)の夫を演じた田中裕二(爆笑問題)。外見が似ている二人の芸人さんが人間の本質の善と悪(欲)のような対照的なキャラを演じているのが面白かったな

原因となる病原体が特定されても有効な治療法が見つからない中で感染はますます拡大していき、都市機能も麻痺に陥っていく様子は映画公開後に起こった大震災もあってリアルに想像できるのでより恐ろしく感じられます。しかし、医療関係者なら「血清」という選択肢はすぐに思いつく気がするのですが病を克服した人は抗体を獲得しているだろうことは容易に想像できるんじゃないの?

松岡と栄子、養鶏場の娘の茜とそのBFという二組のカップルの明暗にもウィルスが大きく関わってきますが、この結末も容易に想像できちゃったのは個人的にはつまらなかったかな。

エボラ出血熱に似た症状の描写は目や口から血を吐いたり流したりという出血の様がホラーみたいで気持ち悪かったのですが、そういう目ではっきりわかる状態の方が恐さを強調するには有効ってことですかね

パニックになってものを買いだめしたり、封鎖された道路を突破して逃げ出す車の列という描写もありますが、感染が拡大していく状況の中でも己の仕事を黙々とする医療関係者や、家族のために祈る人々、病気に倒れながらも一生懸命生きようとする人々の姿に勇気を貰えます。

それにしても未知の病の大流行は映画の中だけにしてほしいものです

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