杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ひみつのなっちゃん。

2023年07月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2023年1月13日公開 97分 G

ある夏の夜、なっちゃん(カンニング竹山)が死んだ。つまらない冗談を言っては「笑いなさいよ!」と一人でツッコミを入れていたなっちゃんは、新宿二丁目で食事処を営むママ。その店で働くモリリンはドラァグクイーン仲間のバージン(滝藤賢一)とズブ子(前野朋哉)を呼び出す。彼らがまず考えたのはなっちゃんが家族にオネエであることをカミングアウトしていなかったこと。証拠を隠すためなっちゃんの自宅に侵入した3人は、なっちゃんの母・恵子(松原智恵子)と出くわしてしまう。何とかその場を取り繕った彼らだが、恵子から岐阜県郡上市の実家で行われる葬儀に誘われてしまい、なっちゃんの“ひみつ”を隠し通すため”普通のおじさん”に扮し、一路郡上八幡へ向かうことになる……。(公式HPより)


友人の死をきっかけに集まった3人のドラァグクイーンが織りなす珍道中を描いたヒューマンコメディです。

現役から退き、会社員として働いているバージンですが、家で衣装を着て昔の映像を観る姿はダンスへの未練を感じさせます。そんなある夜、モリリンからなっちゃんの死を知らせる電話がかかってきます。なっちゃんは、バージンが師匠と思っている伝説のオネエでした。ズブ子(TVレポーターとして活躍しスッピンでも顔バレする人気者になっている)にも知らせて病院に駆け付けた3人は、なっちゃんの思い出話で盛り上がりますが、ふと、なっちゃんの素性を何も知らず、生前オネエであることを家族に話していないことに気付きます。

慌てて、店からオネエと気付かれそうなものを持ち出しバージンの部屋に運んだ3人は、次になっちゃんの家を新宿二丁目の伝説的人物の下田信之介 (本田博太郎)から聞いて、オネエグッズを隠そうとしますが、そこになっちゃんの母親がやってきたから大変!ルームシェアをしていると関係を誤魔化したものの、行きがかり上、なっちゃんの最期の舞台だと割り切って郡上八幡での葬式に参列することになります。

車での珍道中はモリリンがトラックの運ちゃん(岩永洋昭 )に迫られたり、彼氏に振られたズブ子がスーパーの店員(永田 薫 )に胸キュンしたりとコメディタッチで進みます。
東京から5時間の筈が何故か途中で一泊することになり、でも宿が取れなくて野宿した挙句にズブ子が熊と間違われたことで郡上八幡の旅館の主人・坪井 仁(菅原大吉 )に世話になる件はちょっとこじつけ感がありますが・・・。
坪井の娘の博子(市ノ瀬アオ)にせがまれ、モリリンが隠し持ってきた衣装を着てズブ子と二人で踊るのですが、バージンは頑なに固辞します。年齢も外見も若くはないと自分に線引きをしてしまっているのが伝わってきます。

葬式に参列する3人はオネエを隠し黒のスーツをビシっと決めていますが、焼香の際にモリリンがオネエっぽい声を出してしまったりの小ネタを挟みつつ、別れの時に感極まった3人が棺に取り縋ったせいで、なっちゃんが棺から飛び出してしまいます。スカート姿のなっちゃんに参列者は呆然。なっちゃんのお母さんは息子がオネエだと知っていたのです。ありのままの自分で生きて良いんだと、バージンは気付かされます。

美しい街並みや郡上踊りなど情緒たっぷりな観光案内のような郡上八幡は目の保養になりましたが、バージンってば、最後まで踊らないじゃん😔 エンドロールまで観てから思わず冒頭シーンを二度見しちゃいましたが、あれは滝藤さん本人だった?・・よね??
最早なっちゃんの秘密は秘密でなくなっているのだから、3人で踊って見送ってあげてもいいんじゃないの?むしろ、ここで踊らない方が不自然な気がしました。
坪井宅で大勢集まってダンスを楽しむエピソードは土地の人が偏見なく受け入れてくれる素地があるってことじゃなかったのかぃ?と。なんか消化不良な感ありでした。

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