杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

まほろ駅前狂騒曲

2015年04月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年10月18日公開 124分

まほろ市の東京郊外のまほろ駅前で便利屋を営む多田啓介(瑛太)のもとに中学時代の同級生・行天春彦(松田龍平)が転がり込んでから3年目。多田便利軒には相変わらずあくが強い客や奇妙な依頼が舞い込んでいた。ある日多田の元に、かつて行天が精子だけを提供して産んだ娘のはる(岩崎未来)を預かって欲しいと凪子(本上まなみ)がやってくる。はるの身元を隠して預かったもののすぐにバレ、子守を断固拒否する行天を何とかいいくるめたのも束の間、今度は裏組織の星(高良健吾)から、駅前で毎日のようにビラ配りをする怪しい団体HHFA(家庭と健康食品協会)の調査を依頼される。その協会は以前新興宗教団体で、代表の小林(永瀬正敏)と行天は幼馴染だった。さらに調べを進める多田たちだが、思わぬ形でバスジャック事件に巻き込まれ・・・。


三浦しをんの小説「まほろ駅前シリーズ」原作の映画第二弾です。
多田と行天のゆるゆるだけど息の合った関係は、冒頭のライター事件(ちょっとした悪戯)にも現されています。行天が多田に対してそこまで気を許しているという証拠でもあります。このエピソードはラストにも立場を変えて再び登場しています。

親が新興宗教に入れあげた挙句、暴力を振るわれていたというトラウマから、子供が極端に苦手(自分もかつての親と同じことをするのではないかという恐怖が底にあるようです)な行天は、はるが自分の娘と知ると猶更近づこうとしません。でも多田が留守にした夜、はるの方から接近され、恐る恐る一緒に眠るその姿が何だか愛おしく映ります。

完全無農薬を謳っているのにしっかり農薬使ってる事実を握った彼ら(散布現場のシーンもコミカル)ですが、両親がHHFAに入信していて農作業を手伝わされるのが嫌な由良(横山幸汰)から依頼されて、彼を連れ出したことから一騒動が持ち上がります。この時多田は一緒じゃなかったのよね~~行天と由良は逃げ出して丁度来合わせたバスに乗ったものの、車内には代表の小林がいました。(あれ?何故農園のある停留所で降りなかったんだ??)薬の売人のシンちゃん(松尾スズキ)も何故か拳銃を入れた鞄を抱えて乗っていたからややこしいさらにバスの間引き運転を疑う老人たちが突然バスジャックを始め更に大混乱の中、事件になるのを恐れたシンちゃんが逃げ出すのですが、肝心の鞄を置き忘れちゃう。その鞄を拾った由良君が、小林と行天の殴り合いの喧嘩にパニクって銃を発射し、それが行天に当たってしまいます。

怪我をした行天を病院に連れて行くためバスの進路を変更させた老人たちですが、警察は大捜査線を敷いて取り囲みます。いやいや、まずは怪我人の確認と手当でしょ??最後まで放って置かれる行天に突込みながら、あれ?これって重大事件なのか?の疑問が
(ついでに小林のナイフで行天の小指がまたも切断されてしまうのですが・・・
小林と行天の因縁もそれだけ?という物足りなさがありました。

ともかく、この事件で行天の性格(子供に対する恐怖心とか)がちょっとだけ変わったかも~

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寄生獣

2015年04月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年11月29日公開 109分
2015年4月24日 金曜ロードSHOW! 特別版 放送

ある日、人間の脳を乗っ取って肉体を操り、他の人間を捕食する「パラサイト」と呼ばれる謎の寄生生物が出現。平凡な高校生活を送っていた泉新一(染谷将太)も、そのうちの一匹に襲われる。しかし、脳を奪うことに失敗したパラサイトは、そのまま右腕に寄生し、自らを「ミギー」(声:阿部サダヲ)と名乗り共生を始める。自分の身に起こったことに驚愕する新一だが、次第にミギーに対して友情に近い感情を抱くようになる。やがて、彼の通う高校に教師・田宮良子(深津絵里)に寄生したパラサイトがやって来る。それを発端に他のパラサイトが次々と出現し、新一とミギーに襲い掛かる。


岩明均のコミックを実写化したSFホラー?サスペンスで二部作の前編です。
原作コミックは1990年代に発表されていますが、ファンにとって実写化は賛否両論になることが多く、この作品も同様に評価が分かれているらしい
個人的には原作は未読なので、ミギーと新一の友情物語のような感覚でした。

 人間の数が半分になったら燃やされる森の数も半分ですむのだろうか。人間の数が100分の1になったら垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか。地球上の誰かがふと思った。みんなの命を守らなければ。

ミギーによるナレーションで始まり、ミギーが新一から切り離される戦いのシーンから彼の回想として物語が進むので、どうしてそういう展開になったのかは後編でという手法です。(これは劇場公開版では異なっているのかな?)

脳を支配されていない=人間の感情が残っている新一は、完全に寄生されている元人間たちと戦うことになります。その中には彼の母親も含まれています。母子家庭(原作とは異なるらしい)で育った新一にとって、幼い自分を守るために右腕に大火傷を負った母は特別な存在であり、その腕は母性の象徴です。そんな母の姿をした相手を殺せる筈もなく、あっけなく倒されてしまうのですが、ミギーが自分の細胞で蘇生させたことで、彼らは完全な共生体となります。

この事実は人間という生物を研究対象としている田宮の興味を引きます。彼女自身人間と交わって妊娠しており、身体の変化と共に感情(母性)を持つようになってくるのね。
転校生・島田秀雄(東出昌大)として現れた彼女の仲間も初めは人間と共存しようとしますが、正体がばれた途端コントロールを失い暴走して生徒に襲いかかるの。新一はGFの村野里美(橋本愛)を助けようと、ミギーと共生したことで生まれた驚異の身体能力を使って戦います。この頃には世間にもパラサイトの存在が徐々にわかり始めてきて・・・

もう一度母の姿をした寄生獣と戦った時も、やはり新一はとどめを刺せませんが、彼に最期の一撃を加えようとした敵の右手は新一を逸れます。理解できないという顔をしてミギーに倒される敵。脳まで支配している筈なのに、母の感情が残っていて、息子を守ったということかしら?理論的で感情を排した生物として描かれる寄生獣が、人間に関わることで感情が芽生える展開は後編でどういう結末を迎えるのか興味はあるけれど、やっぱりDVD待ちかな

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