杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

龍三と七人の子分たち

2015年04月25日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2015年4月25日公開 111分
2014年11月13日 試写会(新宿ピカデリー)参加

70歳の高橋龍三(藤竜也)は、元ヤクザの組長だが“鬼の龍三”と畏れ慕われた時代はもはや過去のもの。現在は家族にも相手にされず、社会にも居場所がなく、大企業で働く息子・龍平(勝村政信)の家に肩身の狭い思いで身を寄せながら「義理も人情もありゃしねぇ」と世知辛い世の中を嘆いている。そんなある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族の京浜連合と因縁めいた関係になった龍三は「若いヤツらに勝手な真似はさせられねぇ」と、昔の仲間に召集をかける。集まったのは、若頭のマサ(近藤正臣)、はばかりのモキチ(中尾彬)、早撃ちのマック(品川徹)、ステッキのイチゾウ(樋浦勉)、五寸釘のヒデ(伊藤幸純)、カミソリのタカ(吉澤健)、神風のヤス(小野寺昭)の7人。どうせ先は長くないのだからと盛り上がった龍三たちは勢いで“一龍会”を結成、京浜連合をことごとく邪魔しまくるのだった。やがて京浜連合のチンピラたちは、調子に乗り始めたジジイたちを疎ましく思うようになり、一龍会vs.京浜連合の対立は龍三や子分の家族を巻き込み一大騒動へと発展していく……。(Movie Walkerより)


公開前の予告を観ながら「あれ~?これ知ってるぞ。原作読んだのかな?」と首を捻っていたのですが・・・思い出しました!!半年近く前にアンケート試写会で観たんだった何が上映されるかは開映までわからないというものでしたが、北野武作品と知って「またバイオレンスものか~~」とガッカリした記憶があります。でも本編観たらコメディタッチでじーさんたちが大活躍で楽しくて可笑しくて「北野さんてばこんなに面白い作品も作れるんじゃん」という感想に変わったんでした
それにしても半年近くも経ってからの公開なんて遅すぎ~~!
もしかして編集で変わっている部分があるのかもしれませんが、当時の記憶での感想です。

引退したヤクザの元組長と子分たちが世直しに立ち上がるという内容で、藤竜也を主演に、近藤正臣、中尾彬、小野寺昭ら平均年齢72歳のベテラン俳優陣が脇を固めています。
棺桶に片足突っ込んでいるような爺様たちという設定ですが、現実にも耳が遠かったり足元が覚束なかったりの方もいたようで、監督が面白おかしく製作裏話を紹介してましたね~

生活保護を受けていたり、介護施設に入っていたり、病院暮らしだったりと決して豊かではない老後を送る子分たち。龍三も父親がヤクザで肩身の狭い思いをした息子に白い目で見られていて、窮屈な生活を送っています。それぞれのキャラも強烈で、仕込杖や拳銃、五寸釘や剃刀を持ち歩き、この年になっても寸借詐欺をしていたり、右翼もどきもいれば、スティーブ・マックイーンに憧れている者も。(演じている品川徹さんは医師ものなどでは品格のある教授を演じたりしていて、そのギャップがまた楽しい)彼らが一龍会を結成した時の親分決めが前科の質と数というのも笑えます。

オレオレ詐欺でお金の代わりに指詰めをしようとしたり、龍三が女のマンションからネグリジェ姿で逃げ出す(監督自身の経験だとか)などのエピソードにも、会場から笑いが起こっていましたが、ネタ的には決して明るくも楽しくもない筈なのに、老人たちが一生懸命になればなるほどコメディになっていくのが面白かったです。

過去の仁義や筋の通し方なんて、今の若くずる賢い連中には疎ましいだけ。弱い者(素人・老人)を騙して私腹を肥やすなんて許せんとばかり立ち上がった老人たちのハチャメチャな立ち廻りは「そんなバカな~」な捧腹絶倒ものなのですが、若いやつらに一泡吹かせる彼らを見ていると何だか気分爽快になってきます。

なんせ、キャッチコピーが「金無し、先無し、怖いもの無し! ジジイが最高!!」「俺たちに明日なんかいらない!!」ですもんね

最後に〆てオイシイとこ持ってくのがマル暴の刑事(ビートたけし)ってそんなのアリか~~

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