杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

トリック劇場版 ラストステージ

2015年04月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年1月11日公開 112分
2015年1月25日 日曜洋画劇場放送

ある日、上田(阿部寛)は貿易会社・村上商事社員の有田と加賀美慎一(東山紀之)から、海外の秘境・赤道スンガイ共和国でのレアアース採掘事業に伴う現地住民の立ち退きを進めるため、彼らが信望する呪術師(水原希子)のトリックを見破ってくれたら研究資金を提供すると持ちかけられる。上田は、自称天才マジシャンの山田奈緒子(仲間由紀恵)を誘い、初めて海外へ飛び立つが……。


お馴染みのミステリーコメディの劇場版第4作でシリーズ完結編とのこと。マレーシアでのロケもしシリーズ初の海外ロケです。

依頼の説明を受けている最中に呪いをかけられたという有田が目の前で変死したことと、研究費に目が眩んだ上田は、TVのどっきり番組に乗せられて恥をかき、アパートの家賃を滞納して困窮していた山田に、目的を伏せたまま声をかけます。何故か事件の捜査ということで矢部(生瀬勝久)たちも派遣されてくるのですが、現地に向かう途中、上田が背中にできた発疹に瀕死状態となり、呪術師の元に運ばれて一命をとりとめます。しかしその後、一行に呪いがかけられ、まず資源開発者の川島が、次に医師の谷岡が変死するのです。

現地に来て以来、巨大な火球が村の上空で大爆発する夢を見てうなされていた山田ですが、遂に呪術師のトリックを見破ります。しかし、呪術師は谷岡から撃たれた傷が悪化して死んでしまい、彼女の本当の役割に気がついた山田は、現地に残って呪術師の後を継ぐことを決意するの。洞窟の奥に書かれた壁画を見た山田は、地中から吹き出すガスが上空で引火して大爆発を起こすことを食い止めるために、呪術師が犠牲になって村を救うというのが本来の役割だったことを知ったのです。上田の説得を振り切り、ガスを引火させて地中で大爆発を起こして村を救った山田は消息を絶ちます。ちなみに、一連の変死事件は、加賀美が呪術師と共謀した犯行で、現地の人々を不当に扱い苦しめた横暴な被害者たちへの復讐でした。

この映画の本当の意味での醍醐味は、この時の二人の別れのシーンと一年後に設定されたラストでしょう。シリーズの熱心なファンではなかったので気付きませんでしたが、1話とラストシーンがリンクしているんだそうな。
科学賞授賞の席上で、本物の超能力者に賞金を譲ると宣言した上田の本心は、山田にもう一度会いたいという思いです。そんな彼の気持ちを奈緒子の母は察していたから感謝の言葉をかけたのですね。そして再び巡る二人の出会いのシーン。
(その前に何気なく挟まっていた記憶を失った女性が発見されたとのニュース報道が、ここで伏線として生きてきます)

くだらなくてばかばかしくて、でもとっても楽しいシリーズでしたが、最後はしっかり締めてくれたね

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LUCY/ルーシー

2015年04月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年8月9日公開 フランス 89分

ごく普通の生活を送っていたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、ある日、BFのリチャード( ピルー・アスベック)に騙されマフィアの闇取引に巻き込まれてしまう。ボスのMr.チャン(チェ・ミンシク)から下腹部にCPH4という新種のドラッグの入った袋を埋めこまれて運び屋にされるが、体内でドラッグが漏れ出すアクシデントが起き、彼女の脳は突如覚醒し始める。CPH4には通常10%までしか活用できない人間の脳の潜在能力を極限まで高める作用があったのだ。
Mr.チャンの事務所に乗り込んだルーシーは、他の運び屋の行く先の情報を手にする。フランスのデル・リオ刑事(アムール・ワケド)に協力を要請して運び屋を逮捕させて全てのCPH4を手にしたルーシーは、脳科学の権威であるノーマン博士(モーガン・フリーマン)に会いにいく。そこへMr.チャンと仲間がドラッグを取り返そうと襲ってきた時、遂にルーシーの脳が100%覚醒して・・・。


ハリウッドじゃなくて、リュック・ベッソン監督のフランス映画だったのね~~

ごく普通の生活をしていたら、あんなに危ない目に遭うこともなかったのでは?という疑問は置いときましょう
一週間前に知り合った男の頼みなんて初めから聞く耳を持たずにさっさと逃げたら良かったのですが、強引に巻き込まれた挙句に腹にヤクの入った袋を埋め込まれて運び屋にされたのが不運の始まり。さらに腹を蹴られて体内に漏れたことが彼女の運命を変えてしまいます。

しかし、このマフィアのキャラが何ともへんてこりん。外見は日本人のようにも見えるけど韓国人の設定で、それなのにインテリアはどう見ても中国系なんだよなぁまぁ、フランス人からすればアジア系はどこの国も同じに見えるんだろうね

能力(脳力)が覚醒して、初めにするのは復讐?と思ったらボスは生かしておくって詰めが甘い。最後のボスキャラ対決のために取っておいたのかと思ったらこのボス、意外とあっさりやられちゃうしな。
人間の領域を超えていく過程で、人間臭い感情も浄化されるってことかしらん。

覚醒度20%で驚異的な言語能力を獲得、40%では電子媒体を自由に操り、遂には時間を遡ることさえ出来てしまう。一方で痛みを初めとする人間的な感情を失っていくルーシーですが、デル・リオ刑事に思い出のキスをするのは最後の感情の発露ということでしょうか。

『トランセンデンス』と同様、人間の領域を超えた者は人間を滅ぼす存在ではなく、よりよい世界を構築しようと努めるという結末は、それこそ人間の願望なのかもね。膨大な知識が一つのメモリースティックに収まるのかはまた別問題ですが

進化の始めの類人猿の名前がルーシーだということにも重大な理由があることがラスト近くで判明します。時こそが進化の鍵だというのですから、ここに帰結するのも納得かも。

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